自動車保険の等級引継ぎ:他社に乗り換えるタイミングと方法

自動車保険の等級引継ぎ:他社に乗り換え

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損害保険会社、JA(農協)、全労済のあいだでは自動車保険等級引継ぎ可能です。

したがって、他社乗り換えることができます。

乗り換えるタイミングとしては、保険の満期を待って乗り換えるのが望ましいところですが、保険期間の途中でも乗り換えることはできます。

自動車保険を他社に乗り換える方法は簡単です。

保険証券と車検証と免許証を用意すればいつでもできます。

このページでは自動車保険を他社に切り換えるタイミングと方法、それから等級の引継ぎについて詳しく解説します。

しばらくお付き合いいただけると幸いです。

一部の共済以外は自動車保険の等級は引継ぎ可能

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代理店型、通販型を問わず、損害保険各社と、JA共済(農協)、全労済は、わたしたちの自動車保険の契約内容を共有しています。

公益性の観点から個人情報保護法の除外項目に入っているようです。

したがって、自動車保険を他社に乗り換えても、それまでの等級はちゃんと引継ぎされることになります。

自動車保険は他社に乗り換えても等級は引継ぎされる

当然、事故で等級がダウンし、事故有期間がついた履歴も、そのまま引継ぎされます。

わたしたち契約者にとっても、保険会社を自由に乗り換えできなかったら、一昔前の携帯電話のように、同じ会社にずっと縛られ続けることになってしまいます。

また、保険会社にとっても、営業努力によって他社の顧客を正当に奪うことができなくなりますし、常時事故を起こし他の多くの契約者の足を引っ張っている一部の契約者にペナルティーを課したり、引き受けを制限したりする措置が取れなくなります。

したがって、自動車保険に関しては、わたしたちの情報は各保険会社から見て「丸裸」の状態になっていることを忘れないでいただきたいと思います。

さまざまな事情により他社に乗り換える際、等級その他の情報を偽って申告しても、いったんは契約が成立しますが、1ヶ月か2ヵ月経つと、乗り換え先の保険会社にすべての情報が開示されるので、そこでジ・エンドとなります。

繰り返しますが、わたしたちの自動車保険の契約内容は、「すべて」の内容が保険会社同士に共有されています。

等級だけでなく、氏名住所、車の車台番号(車体番号)、登録番号(ナンバープレートの番号)もすべて共有されています。

このことは憶えておいて頂きたいと思います。

なお、JA共済(農協)と全労済以外の共済には、たとえば全自共(全国自動車共済協同組合連合会)、日火連(全日本火災共済協同組合連合会)、教職員共済、町村職員共済、都市職員共済、自治労共済、トラック共済などがあります。

多くの保険会社で等級の引継ぎが可能なのは、JA共済(農協)全労済で、他の共済は保険会社によって対応が異なっています。

ホームページで明示している会社もありますが、特に記載がない会社もあるので、個別にお問い合わせください。

ちなみに、このページで損害保険会社と呼んでいるのは、「一般社団法人 日本損害保険協会」に加盟している26社(2018年7月2日現在)のことです。

  • あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
  • アイペット損害保険株式会社
  • アクサ損害保険株式会社
  • アニコム損害保険株式会社
  • イーデザイン損害保険株式会社
  • AIG損害保険株式会社
  • エイチ・エス損害保険株式会社
  • SBI損害保険株式会社
  • au損害保険株式会社
  • 共栄火災海上保険株式会社
  • ジェイアイ傷害火災保険株式会社
  • セコム損害保険株式会社
  • セゾン自動車火災保険株式会社
  • ソニー損害保険株式会社
  • 損害保険ジャパン日本興亜株式会社
  • そんぽ24損害保険株式会社
  • 大同火災海上保険株式会社
  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • トーア再保険株式会社
  • 日新火災海上保険株式会社
  • 日本地震再保険株式会社
  • 日立キャピタル損害保険株式会社
  • 三井住友海上火災保険株式会社
  • 三井ダイレクト損害保険株式会社
  • 明治安田損害保険株式会社
  • 楽天損害保険株式会社

日本損害保険協会(50音順)

他社に乗り換える場合の注意点

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自動車保険を他社に乗り換えるケースというと、一般的に、次のようなものが考えられます。

  • 事故対応が不満で他社に乗り換えたい
  • 更新の度に保険料がじりじり上がるのでもっと安い会社に切り換えたい
  • 事故を続けて2度起こし、保険を使ったので、来年以降の保険料が跳ね上がるのは確実だから、最安の会社を見つけたい
  • 引っ越したので地元の代理店で加入したい
  • 家計の節約のためにとにかく安い自動車保険に乗り換えたい

そこで、トラブルを未然に防ぐため、他社に乗り換える場合に注意すべき点を整理してみました。

3点セット(自動車保険証券・車検証・免許証)を用意し、事故歴があれば正直に申告する

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代理店型であれ通販型であれ、自動車保険を乗り換える際には、自動車保険証券・車検証・免許証の3つが必ず必要になります。

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車検証

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免許証

乗り換え先の保険会社で見積もりを取る際は、この3つの書類に記載されていることを正確に伝えてください。

また、直前に事故で保険を使っている場合は、自動車保険証券にはまだその事故の履歴は反映されていません

しかし、乗り換え先の契約は、その事故を反映した等級・保険料にしなければなりません。

かりに事故歴を隠しても、いったんは契約が成立しますが、1ヶ月か2ヵ月後には「必ず」発覚します。※100%の確率で発覚します

嘘が発覚した場合、保険会社は契約を解除する権利を持ちますし、嘘が発覚するまでに重大事故が発生していたとしても、その事故に対して保険金が支払われないこともあります

もちろん、単なる間違いのケースもありますが、保険会社が故意による悪質なケースと判断した場合は、強硬な措置が取られます。

事故で示談交渉中に他社に乗り換える場合は

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事故を起こし、事故処理をしている最中に、担当者の対応に不信感を抱き、保険期間の中途だけれど、今すぐにでも他社に切り換えたいと行動に出る方が時折いらっしゃいます。

こういうときは、いったん頭を冷やしてから冷静な頭で判断することをおすすめしますが、とはいえ、我慢できないこともあるかもしれません。

この場合、まず、他社に乗り換えることは可能です。

現在示談交渉をしている事故に対しては、事故発生時点で加入していた保険会社が支払い義務を負います。

ですから、交渉中に他社に乗り換えても何の問題もありません。

乗り換える時点の等級が10等級だとすると、同じ10等級で中途更改することになり、向こう1年間の保険期間がそこからスタートします。

ただし、示談交渉中の事故に対して、最終的に保険金支払いがない場合はそのままでいいのですが、保険金の支払いが発生したら、乗り換えた保険契約の等級が「後追い」で変更されることになります。

3等級ダウンの事故であれば、10等級から7等級に変更され、保険料も高くなりますから、追徴ついちょう保険料を支払う必要が出てきます。

繰り返しますが、保険会社が切り替わったからといって、事故の履歴が消えることはありません。

現在の等級が割増等級(1等級・2等級・3等級)の場合は引き受け不可のケースも

現在の等級が割増等級(1等級・2等級・3等級)の場合は引き受け不可の場合も・自動車保険・等級・引継ぎ・他社・乗り換え・方法・タイミング

多くの保険会社は、長年自社の保険に継続して加入していた顧客であっても、事故が重なり、等級が割増等級(1等級・2等級・3等級)に落ちてくると、次の更新の際に、補償内容を制限することがあります。

「対人」が無制限から1億に、「対物」が無制限から1000万に、「車両保険」は不可、といった制限です。

なかでも、1等級あるいは2等級になった契約は、更新を拒否するケースもあります。

長年契約してきた顧客に対してもこうした措置が取られるのですから、まして、他社から乗り換えてくる人に対しては、当然、厳しい対応をするのは目に見えています。

ネットで保険会社の保険料計算ツールを利用しても、直近で2回以上事故を起こしていたり、等級が1等級や2等級である場合は、そもそも計算ツールが作動しない会社もあると思います

その時点で、「引き受け不可」という扱いです。

このように、現在の契約が1等級あるいは2等級でいずれの保険会社でも契約できない場合は、いったん現在の等級をリセットするしかありません。

リセットし、新規に6等級から入り直すには、現在の契約が終了してから13ヶ月間経過するのを待たなければなりません。

等級がリセットされる際には事故有期間もリセットされます。

・・・前契約の等級が1~6等級の場合は、前契約の満期日、解約日または解除日の翌日から13ヶ月以内の日を始期日とする継続契約に前契約の等級が引き継がれます。

引用:三井ダイレクト損保

上の引用に「13ヶ月以内の日を始期日とする継続契約に前契約の等級が引き継がれます」とありますから、これを逆に読むと、13ヶ月を超えれば等級は引き継がれない、つまりリセットされることになります

他社の対応も三井ダイレクト損保と同じです。

他社に乗り換えるタイミングと方法

他社の乗り換えるタイミングと方法・自動車保険・等級・引継ぎ・他社・乗り換え・方法・タイミング

いずれにしても、とにかく現在加入している保険会社から他社に乗り換えることに決めた場合、そのタイミングと方法についてお話します。

望ましいのは、もちろん現在の契約の満期日を待ち、次の契約に移行することです。

これは等級の進行で足踏みしないためです。

たとえば、現在10等級で、満期日を待って他社に乗り換えた場合、新しい契約は11等級になります(無事故であった場合)。

けれども、たとえば満期日から6ヶ月前に他社に乗り換える場合、その乗り換えた日から向こう1年間を10等級で契約することになります。

つまり、乗り換え前の契約から乗り換え後の契約をトータルで見ると、1年半の期間10等級を続けることになり、半年間同じ地点で足踏みすることになります。

そういうわけで、できることなら満期を待って他社に乗り換えることをおすすめします。

※「保険期間通算特則」の制度を採用してる保険会社に乗り換える場合は、期間の途中で乗り換えても、等級の足踏みをしなくてすみます。

補足:保険期間通算特則

満期日で乗り換える場合の方法

満期日で乗り換える場合・自動車保険・等級・引継ぎ・他社・乗り換え・方法・タイミング

通販型自動車保険では、早割(早期割引)として満期の50日前とか30日前に契約すると保険料が割引になるところがあります。

インターネット契約をした場合のインターネット割引と合わせると、保険料の額によっては1万円~2万円ほど安くなる会社もあるので、もともと保険料水準が安いことから、最終的にかなり安い保険料で契約できます。

契約に必要な書類は3点です。

すでにご案内しているように、自動車保険証券・車検証・免許証の3つを用意してください。

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自動車保険証券

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車検証

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免許証

後は、乗り換え先の保険会社の指示に従って手続きを進めてください。

また、今まで加入していた保険会社にも、満期日がきたら他社に乗り換えることを伝えてください。

なぜ連絡が必要かというと、自動継続特約が付いている場合があるからです。

この特約が付いていた場合、もし連絡がなかったら、新旧の2重契約になる可能性があり、後でちょっと面倒なことになります(大きな問題にはなりませんが)。

今まで加入していたのが代理店型で、代理店と言葉を交わすのが嫌だという場合は、保険証券に記載されている支社あるいは支店に電話し、証券番号を伝えたうえで、満期をもって終了する旨をお伝えください。

※満期をもって終了する自動車保険からは、当然のことですが、戻ってくるお金は発生しません

保険期間の途中で乗り換える場合の方法

保険期間の途中で乗り換える場合・自動車保険・等級・引継ぎ・他社・乗り換え・方法・タイミング

期間の途中で他社に乗り換える場合は日付に注意してください。

これまで加入していた保険の「解約日」と乗り換える保険の「始期日」を同じ日付にする必要があります。

同じ日付だと補償が重なってしまうのでは?

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは大丈夫。

たとえば「7月5日」の日付にした場合、7月5日の午後4時まではこれまで加入していた保険会社が補償し、午後4時を過ぎてからは乗り換えた保険会社が補償します。

保険会社同士で午後4時をもって補償の受け渡しをする共通のルールがあり、これによって補償の空白期間が生まれることを防止しています。

したがって、「解約日」と「始期日」は同じ日付にしなければなりません。

これまで加入していた保険会社には、

〇月〇日付けで保険を解約してください

と解約の意思表示だけでなく日付も明確に伝えてください。

乗り換えることになる保険会社には、

〇月〇日付けで保険をスタートしてください。これまで加入していた保険会社にも同じ日付を伝えてあります

と契約手続きの際に明確に伝えてください。

すぐに、これまで加入していた保険会社から解約に必要な書類が送られてくるか、あるいは代理店さんが直接訪問してくるか、いずれかの対応があると思います。

※直接代理店が訪ねてくるの嫌でしたら、郵送で書類を送るよう依頼してください

そこで必要事項を書き込み、返送するなり手渡しするなりすれば、それで解約手続きは終了します。

その際、年払いの契約であれば、残りの期間に応じて解約返戻金かいやくへんれいきんが発生します。

現金ではなく、後日指定した口座に振り込まれるのが一般的です。

月払いの場合は、通常、戻るお金はありません。


上に、「解約日」と「始期日」を同じ日付にするように書きましたが、何らかの事情で同じ日付にできないケースもあると思います。

その場合でも、解約日から7日以内に次の契約の手続きを行えば、等級は引き継がれます。

これは満期をもって新契約に乗り換える場合も同様で、いったん満期になり、空白期間があっても、7日以内に新契約の手続きを行えば、それまでの等級は引き継がれます

次のいずれかに該当する場合は、原則等級のお引継ぎができません。

前契約の満期日(または解約日)の翌日から起算して7日以内に継続されない場合

引用:アクサダイレクト

上の引用も、逆読みすれば、7日以内に継続すればOKということになります。

(まとめ)他社に乗り換える手順

他社に乗り換える手順・自動車保険・等級・引継ぎ・他社・乗り換え・方法・タイミング

自動車保険を他社に乗り換える場合の手順をまとめてみました。

  1. 乗り換え先の保険会社に他社から移る意思を伝え、指示に従って手続きを進める。期間の途中で移る場合は「始期日」を指定する。
  2. 現在契約中の保険会社に他社に乗り換えることを伝える。期間の途中の場合は「解約日」を指定する。
  3. 期間の途中で乗り換える場合は、現在契約中の保険会社から解約に必要な書類が送られてくるので、必要事項を書き込み返送する。

補足:「保険期間通算特則ほけんきかんつうさんとくそく」を利用できる会社もある

保険期間通算特則・自動車保険・等級・引継ぎ・他社・乗り換え・方法・タイミング

たとえば、現在10等級の契約を保険始期から10ヶ月経過した時点で他社に乗り換えた場合、通常、乗り換えた日から向こう1年間を10等級で加入することになります。

乗り換えていなければ、あと2ヶ月で11等級に上がっていたところです。

新旧の保険会社が異なると、こういうことになります。

ところが、乗り換え先の保険会社が「保険期間通算特則」という制度を採用している場合は、事情が変わってきます。

この制度を採用している会社が保険を引き受けた場合、前の契約はすでに10ヶ月経過しているので、残り2ヶ月した時点でいったんその契約は満了となり、そこからまた1年間の契約が始まります。

そして、新しく始まる契約の等級は10等級から11等級に上がります。

つまり、新旧の保険会社が異なっていても、同じ保険会社で契約を続けた場合と同じ扱いにするというものです。

「保険期間通算特則」を利用する際の注意点は1つだけです。

それは「解約日」と「始期日」を同じ日付にすることです。

これは期間の中途で他社に乗り換える場合と同じやり方ですが、ただし、通常の中途手続きの場合は、7日間の空白期間が許されています。

しかし「保険期間通算特則」を利用する場合は、空白期間は絶対にNGです。

その点が違います。

ところで、この「保険期間通算特則」を採用している保険会社ですが、各社のホームページには特に記載されていないようなので、電話で確認しました。

その結果です。

東京海上日動 保険期間通算特則あり
損保ジャパン日本興亜 保険期間通算特則あり
三井住友 保険期間通算特則あり

代理店型の大手損保はこの制度を採用しています。

次に通販型各社です。

おとなの自動車保険 保険期間通算特則なし
イーデザイン損保 保険期間通算特則なし
アクサダイレクト 保険期間通算特則なし
ソニー損保 保険期間通算特則なし
三井ダイレクト 保険期間通算特則なし

ご覧のように、通販型はほぼ全滅です。

もちろん、他にも通販型の自動車保険はありますが、5社連続して「なし」の返答を受けて気持ちが萎えてしまいました。

通販型のオペレーターさんは、みなさん「保険期間通算特則」という言葉を始めて耳にしたようでした。

必ず聞き返されました。

いずれにしても、代理店型の大手保険会社に乗り換える場合は、「保険期間通算特則」が利用できるので、中途で乗り換える場合はぜひご利用ください。


ご覧いただきありがとうございました。