【超丁寧解説】他車運転特約|損保ジャパン・あいおい・東京海上・三井住友

他車運転特約,損保ジャパン,あいおいニッセイ,東京海上日動,三井住友海上

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わたしたちがマイカーに自動車保険を付けた場合、その自動車保険には他車運転特約が自動付帯されます。

追加保険料を別途支払わなくても自動セットされています。

通常は保険証券にも記載はありませんが、約款にはちゃんと項目があって詳しい内容が記述されています。

他車運転特約とは、「他人の車」を借りて「臨時に」運転して事故を起こした場合に自分の車につけている自動車保険が使える、というものです。

車を修理中に借りた代車やレンタカーで事故を起こしたり、友人の車を借りて事故を起こした場合に使えます。

損保ジャパン・あいおいニッセイ・東京海上日動・三井住友海上のいずれの保険会社も採用している特約です。

さらに詳しい内容を解説しているのでしばらくお付き合いいただけると幸いです。

他車運転特約は大手代理店型も通販型も自動セットの特約

大手代理店型も通販型も自動セット・他車運転特約|損保ジャパン・あいおい・東京海上・三井住友

他車運転特約とは、「他人の車」を借りて「臨時に」運転していて事故を起こした際、自分の車につけている自動車保険を使うことができる特約です。

どちらの保険を使うかは選択できます。

他車運転特約は、通常、保険の契約を結ぶ際に代理店さんから説明を受けることもまずありませんし、通販型でWEB契約する場合も契約画面には出てきません。

また保険証券にも記載がないのが普通です。

しかし、損保ジャパン・あいおいニッセイ・東京海上日動・三井住友海上といった大手代理店型をはじめソニー損保・おとなの自動車保険・アクサダイレクト・チューリッヒなどの通販型でも、約款にはしっかり記載されています。

他車運転特約:保険会社一覧表
会社名名称
ソニー損保 他車運転危険補償特約(約款33ページ
おとなの自動車保険(セゾン) 他車運転特約(約款153ページ
アクサダイレクト 他車運転危険補償特約(約款153ページ
チューリッヒ 他車運転危険補償特約(約款59ページ※ネット専用自動車保険

他車運転危険補償特約(約款69ページ※スーパー自動車保険

イーデザイン損保 他車運転危険補償保険(約款21ページ
三井ダイレクト 他車運転危険補償特約(約款51ページ
SBI損保 他の自動車運転危険補償特約(約款39ページ
セコム損保 他車運転特約(約款73ページ
損保ジャパン日本興亜 他車運転特約(約款141ページ
東京海上日動 他車運転危険補償特約(約款156ページ
三井住友海上 他車運転特約(約款197ページ
あいおいニッセイ 他車運転補償特約(約款185ページ
楽天損保 他車運転危険補償特約(約款144ページ
全労済 他車運転危険補償(ご契約のしおり72ページ
JA共済(農協) 他車運転特則(ご契約のしおり26ページ

他車運転特約は自家用8車種に分類される車で自動車保険に加入した場合、すべての契約に自動セットされます。

自家用8車種とは以下の車です。

自家用8車種
  1. 自家用普通乗用車
  2. 自家用小型乗用車
  3. 自家用軽四輪乗用車
  4. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
  5. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
  6. 自家用小型貨物車
  7. 自家用軽四輪貨物車
  8. 特種用途自動車(キャンピング車)

わたしたちがマイカーとして運転する車は、そのほとんどが1・2・3だと思います。

他車運転特約の詳細内容

詳細内容・他車運転特約|損保ジャパン・あいおい・東京海上・三井住友

他車運転特約は保険会社によって補償内容が微妙に異なる点があります。

ここでは各社の共通点を抽出してご案内していきます。

各保険会社の詳細な内容については前の項目でご案内した各社の約款をご覧ください。

他車運転特約の概要
  • 常時使用するためでなくあくまでも臨時に他人の車を借りて事故を起こした場合、自分の車につけている自動車保険を使うことができる、これが他車運転特約です。
  • 他車運転特約は自動車保険に自動セットされているので、別途保険料を支払う必要はありません。
  • 他人の車で事故を起こした際は、他人の車についている保険を使用するか、自分の車の他車運転特約を使用するか、いずれかを選択することができます。
  • 他車運転特約から支払われる保険金は、自分の保険の補償内容と同等の保険金となります。※車両保険に関しては以下の説明を参照
  • つまり、「対人賠償」「対物賠償」「人身傷害」「無保険車傷害保険」「車両保険」などから保険金が支払われます。※「人身傷害」が付いていない場合は自損事故傷害保険から支払われます。「車両保険」付いていない場合は車両損害は対象外になります
  • 自分の車の「車両保険」が一般条件なら一般条件に適合した事故に対して、エコノミーならエコノミーに適合した事故に対して、それぞれ保険金が支払われます。※補償額は自分の車の車両保険金額にかかわらず「他人の車」の時価額が限度になり、なおかつ対物賠償保険の額が上限となります。なぜなら他車運転特約で「他人の車」の車両損害に対して支払われるのは対物賠償保険であるからです。そのため対物1000万で加入している人がロールスロイスを借りて全損の事故を起こしたら補償額が不足する可能性があります
  • また他車運転特約の「車両保険」から保険金が支払われる場合、あくまでも他人の車自体の損害に対してのみ支払われ、その車を修理中に利用する代車やレンタカーの費用は対象外です。
  • 他車運転特約で対象となるのは「走行中」の事故に限られ、駐車中・停車中に起こった事故は対象外になります。※踏切や信号で停車中の事故は「走行中」とみなされますが、高速のSAで食事している際に駐車中の車がぶつけられた事故は「走行中」とはみなされず対象外です。この事故は通常の車両保険では支払対象ですが、この特約では対象外になります
  • 他車運転特約は他人の車を臨時に借りている際の事故が対象なので、特に期限を定めず車を借りている状態で事故を起こした場合はこの特約の対象外になります。※こういうことは事故後に実施される「保険調査」で明るみになります。疑わしい場合は徹底的に調査されるのでごまかしは効きません
  • ロードサービスは他車運転特約の対象外です。※ロードサービスが対象外という意味は、他車運転特約によりロードサービスを利用することはできないという意味で、「他人の車」の保険に付いているロードサービスを使うことはもちろん可能です。またロードサービスのみの利用であれば等級に影響しません
  • 他車運転特約から保険金が支払われた場合、翌年度の等級・事故有期間は支払われた保険金の内容に応じて影響を受けます。
  • たとえば「対人」・「対物」・「車両の自損事故」などの場合は3等級ダウン・事故有期間3年となり、「台風等の自然災害による車両損害」などの場合は1等級ダウン・事故有期間1年となり、「人身傷害保険」のみ・「無保険者傷害保険」のみなどの場合はノーカウント事故(無事故扱い)となり翌年度の等級には影響しません(他に事故がなければ1等級アップ)。

他車運転特約の被保険者(補償の対象になる人)は以下のとおりです。

他車運転特約の被保険者
  • 記名被保険者
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者または配偶者の同居の親族
  • 記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子※未婚とは婚姻歴がないことをいいます
  • 記名被保険者の使用人※個人経営の商店等で使用している人は家族に準じる扱いになります

たとえば、父・母・娘が同居する家族で、父の車に自動車保険が付いている場合、父と母と娘のいずれかが臨時に他人の車を借りて事故を起こした場合に他車運転特約が使えます。

その際、大学生の息子が別居中で、その息子が他人の車を臨時に借りて事故を起こした場合もこの特約が使えます。

また、父が個人商店を経営していて、Aという使用人がいた場合、このAさんが他人の車を臨時に借りて事故を起こした場合もこの特約が使えます。

たとえば、自分の車の保険に「本人限定」が付いている場合は、上記説明とは事情が異なり、記名被保険者本人が他人の車で事故を起こした場合にしか他車運転特約は使えません。自分の車の保険に「本人・配偶者限定」が付いている場合は、記名被保険者とその配偶者のみが他車運転特約を使え、他の人は使えません。また「家族限定・30歳以上」という条件が付いていればこれに該当する人しか対象になりません。つまり自分の車の運転者限定・年齢条件に適合しなおかつ上記被保険者に含まれる人だけがこの特約の対象となります。

このページで度々登場してきた「他人の車」の定義をいよいよする時です。

「他人の車」とは次の自家用8車種である必要があります。

「他人の車」~その①~
  • 自家用普通乗用車
  • 自家用小型乗用車
  • 自家用軽四輪乗用車
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
  • 自家用小型貨物車
  • 自家用軽四輪貨物車
  • 特種用途自動車(キャンピング車)

「他人の車」は上記8車種である必要がありますが、自分の契約車両も上記8車種でなければなりません。

「他人の車」にはさらに次のような制限が付きます。

「他人の車」~その②~
次の人が所有したり主に使用したりする車ではないこと。

  • 記名被保険者
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者または配偶者の同居の親族

たとえば、父・母・娘が同居している場合、父または母が娘の車を借りて事故を起こしても他車運転特約の対象外になるということです。

また、娘が父または母の車を借りて事故を起こした場合も対象外になります。

しかし、父または母が別居中の息子の車を借りて事故を起こした場合は他車運転特約の対象となります。


ここまでのご説明ですでに他車運転特約で保険金支払いの対象外になる事例をいくつかご案内していますが、その他「保険金をお支払いできない主な場合」は以下のとおりです。

保険金をお支払いできない主な場合
  • 被保険者が役員となっている法人が所有する車を運転して事故を起こした場合
  • 自動車の修理・保管・給油・売買・洗車・運転代行・賃貸・陸送など自動車を取り扱う業務として受託した自動車を運転中に事故を起こした場合
  • 被保険者の使用者の業務のためにその使用者が所有する車を運転して事故を起こした場合
  • 他人の車を借りる際にその車の所有者の承諾を得ずに勝手に使用して事故を起こした場合
  • 借りた自動車を競技または曲技などに使用して事故を起こした場合
  • 借りた自動車を無免許運転・酒気帯び運転することで事故を起こした場合

他車運転特約を使えるケース使えないケース

使えるケース使えないケース・他車運転特約|損保ジャパン・あいおい・東京海上・三井住友

他車運転特約を使えるケース使えないケースを具体例でまとめてみます。

他車運転特約を使えるケース
  • 友人の車を借りて運転中に事故を起こした
  • 親が別居の未婚の子供のところへ行き、別居の未婚の子供が所有している自動車を運転中に事故を起こした
  • 別居の未婚の子供が、友人の車を借りて事故を起こした
  • 別居している記名被保険者の弟の車を借りて事故を起こした
  • 修理工場の代車を借りて事故を起こした
  • レンタカーを借りてドライブに出かけて事故を起こした
他車運転特約を使えないケース
  • 別居の未婚の子供が所有している車を、別居の未婚の子供自身が運転中に事故を起こした
  • 友人の車を借りてドライブ中、高速のサービスエリアに車を駐車して食事していたところ、車をぶつけられた
  • 記名被保険者(父)の配偶者(母)が同居の息子が所有する車を借りて事故を起こした
  • 友人の車を借りて運転中にタイヤがパンクしたのでロードサービスを呼んだ※ロードサービスは他車運転特約の対象外です。ただし、どの自動車保険にもロードサービスは自動セットになっていてロードサービスのみ利用した場合は等級に影響しないので、この場合は友人の車の保険に付いているロードサービスを利用すればいいケースです

あくまでも「他人の車」を「臨時に」運転中の事故です!

あくまでも他人の車を臨時に運転中の事故・他車運転特約|損保ジャパン・あいおい・東京海上・三井住友

3年とか5年といったスパンで過去を振り返ってみると、わたしたちはけっこうマイカー以外の車を運転しているものです。

  • 車検に出したときの代車としてディーラーや整備工場の車を借りて乗った
  • 事故で車を修理中に、自動車保険のレンタカー特約を使ってしばらくレンタカーで生活した
  • 普段乗れない高級車を1日だけレンタルして乗った(ヤナセのプレミアムレンタカーなど)
  • 友達の車に数人が乗り合わせて遊びに出かけた際、帰りを友達の代わりに運転した

上の数例は、いずれも「他人の車」を「臨時に」運転する事例です。

上記いずれのケースも他車運転特約を使えます。

つまり自分の車に付けている任意保険を使うことができます。

ですが、より実際的な解決法について見ていきたいと思います。

まず、ディーラーや整備工場の車、あるいはレンタカーなどの場合なら、そうした業者の了解を取った上で、その車に付けている任意保険を使えばいいと思います。

もっとも、最近は、

もし事故を起こしたら、お客さんの保険が使えますから

と事前に説明するディーラーや整備工場さんもいるようです。

ここで業者さんが言う「お客さんの保険」とは、まさにこのページのテーマである他車運転特約のことです。

しかしレンタカーの場合は、レンタカー会社は自動車保険への加入が義務付けられているので、通常、その保険を使うのが一般的です。

ただし、レンタカー会社が加入している自動車保険では補償内容が充分でない場合もあり、そういうケースでは自分の保険(他車運転特約)を使わざるを得ないケースもあるかもしれません。

また、トヨタなどが参入している月々定額で車借り放題というサブスクリプションの場合は、任意保険の料金が含まれているのが一般的なので、事故の際はその保険から支払われます。

次に、友達の車を運転して事故を起こした場合ですが、当然友達も自動車保険に入っているでしょうから、まずは友達の保険を使うという方法が考えられます。

けれども、そのような選択をすると、その後の友達との人間関係は100%必ず絶対的に悪化するでしょう。※例外なく

友達の保険を使うと友達の保険は翌年度3等級ダウンし事故有期間3年が付き保険料が跳ね上がります。

仮に跳ね上がった分の保険料をこちらが負担したとしても、3つ落ちた等級と事故有期間3年はそのまま残るので、もしもその後に友達自身が事故で保険を使ったら、すでに3つ落ちている等級からさらに3つ下の等級に落ち、事故有期間もすでに3年が付いているところへさらに3年が加算されて6年になります。

つまり、上がった保険料分を負担しても問題は解決しないのです。

だから絶対的に100%例外なく必ず友達との関係は悪化します。

したがって、友達の車で事故を起こした場合に友達の保険を使うという選択肢は実質的に※※※※有り得ないものとなります

自分の車の他車運転特約を使う以外に方法はありません。

他車運転特約を使った場合、その内容に応じて等級はダウンし、事故有期間が付きます。事故の内容が3等級ダウン事故なら翌年度3等級ダウンし事故有期間3年が付きます。事故の内容が1等級ダウン事故なら翌年度1等級ダウンし事故有期間1年が付きます。

以上が他車運転特約の内容です。

「他人の車」を「臨時に」運転して事故を起こした場合に自分の車の自動車保険が使える、これが他車運転特約です。


ご覧いただきありがとうございました。