ドライブレコーダーの「イベント録画」とは?

ドライブレコーダー・イベント録画とは

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ドライブレコーダーの「イベント録画」とは?

「イベント録画」とは、メーカーを問わずどのドライブレコーダーも採用している録画方式の1つです。

ドライブレコーダーは次の2つのやり方で映像を記録します。

  1. 常時録画
  2. イベント録画

常時録画というのは、エンジンを掛けてからエンジンを切るまでのあいだ、ずっと映像を記録し続けます。常時録画された映像は常時録画専用のファイルに保存されます。そして、SDカードの容量がいっぱいになったら、また最初に戻って、古い映像の上に新しい映像が上書き保存されていきます。これを延々と繰り返します(ループ録画方式)。

一方で、イベント録画とは、普段は何も録画しないで待機しているだけです。しかし、事故で相手の車と接触したり、相手がないけれど自車が急ブレーキをかけたりした際、ドライブレコーダーに内蔵されているGセンサー(加速度センサー)が反応して、その衝撃があった時刻の前後数十秒を記録します。

多くのドライブレコーダーでは、衝撃前の15秒から衝撃後の5秒までを、衝撃の瞬間を含めて録画します。※秒数は機種によって多少違いますが

そして、ここが重要なのですが、イベント録画で記録された映像は、常時録画のファイルとは別名のファイルとして保存されます。したがって、常時録画はカードの容量がいっぱいになったらまた最初に戻って古い映像を上書き消去していきますが、それはあくまでも常時録画専用ファイルに上書きするだけです。

イベント録画専用のファイルはファイル名が異なりますから、常時録画の映像がこちらに上書きされることはありません。

また、イベント録画には「手動録画」の機能が付いているのが一般的です。この機能は、「あ、今のシーンを録画しておかなければ」と思ったら、ドライバーが文字どおり手動で「手動録画」ボタンを押します。すると、Gセンサーが働いて自動的に録画するのと同じやり方で、ボタンを押した前後数十秒の映像が記録されます。

「常時録画」と「イベント録画」は記録領域が別々に確保されている

上のご説明でお分かりかと思いますが、常時録画とイベント録画はそれぞれ別の名称でファイル分けされてSDカードに保存されます。そして、あらかじめ記録される容量の上限が決められています。

たとえば、トータルで3時間の映像を記録できるカード容量であった場合、その8割を常時録画、残りの2割をイベント録画に割り当てる、といった振り分け方をしています。

駐車監視機能が付いた機種の場合は、常時録画7割、イベント録画2割、駐車監視1割といった振り分け方です。※振り分けの割合は機種によって異なる

「上書き設定」と「上書き禁止設定」

常時録画とイベント録画に付いて、おおよそのことはここまでのご説明で足りていると思います。しかし、あと一つ重要な補足説明があります。

通常、ドライブレコーダーを購入した場合の初期設定では、次のようになっています。

  1. 常時録画:記録容量の上限に達したら、また上書きしていく(ループ録画方式
  2. イベント録画:記録容量の上限に達したら、また上書きしていく(ループ録画方式

ここまで、常時録画の方は順次上書きされて古い映像は消去されてしまうけれど、イベント録画の方は別ファイルで記録されるので影響を受けない、という意味のことを書きました。

しかし、厳密に言うと、デフォルトの設定では、イベント録画の方もあらかじめ確保されている容量の上限に達したら、古い映像は新しい映像に上書きされて消去されます。つまり、こちらも「ループ録画方式」なのです。

ただ、イベント録画は、そうめったに記録される性質のものではないので、すぐに上限に達することはない、という点が常時録画と違っている点です。

とは言え、放っておけばやがて消去される可能性があるわけです。

そこで、ほとんどのドライブレコーダーは上書き設定を変更できるようになっています。

たとえば、コムテックのZDR024CEという機種の取扱説明書の50ページには次のように記載されています。

初期設定は、表の下から3行目の「OFF」です。常時録画もイベント録画も、上書きして録画を継続していきます。

しかし、下から2行目に設定すると、常時録画は上書き録画のままですが、イベント録画だけ容量が上限に達したらそこで録画を終了します。上書きしないで、すでに記録されているデータを守ります。

ただし、こんな細かな設定は、実際は不要です。ドライブレコーダーをドライブの思い出の記録として利用する場合を除いて、こんな設定は不要です

間違いのもとなので、こうした設定は無視して、次のやり方にしてください。設定は初期設定のままにしておいてください。

事故や煽り運転の映像が撮れたら、SDカードを抜き取っておく

面倒で細かい設定を憶える必要はありません。もしも事故が発生したり、煽り運転の被害にあい、そうした映像がドライブレコーダーに録画されたら、一段落したところで、

SDカードを本体から抜き取ってください。

これで上書きされるリスクはゼロです。

ただし、本体からSDカードを抜き取る際は、まず本体の電源を切り、電源ランプが完全に消灯するまで待ってください。電源がONの状態でカードを抜き取ると、必ずとは言いませんが、カードの内容が破壊されたり、本体に不具合が発生するケースも稀にあります。お気を付けください。

まとめ

ドライブレコーダーの「イベント録画」とは、事故などの衝撃をセンサーが検知した場合に、その衝撃の前後数十秒を自動的に録画するものです。

イベント録画は、工場出荷時の設定では「ループ録画方式」になっています。つまり、イベント録画として確保されていたデータ領域が画像でいっぱいになったら、自動的に、新しい画像が古い画像の上に上書きされていきます。

つまり、放っておくと、いったん記録された事故の画像もやがてその後の画像によって上書き消去されていくということです。

イベント録画は、当初のループ録画方式ではなく、容量一杯まで録画されたらそこで録画が終了し上書きされずにデータが残る設定に変えることも可能です。

ですが、そんなややこしい設定をする必要はありません。

事故が発生したら、ドライブレコーダーの電源を切り、そして事故映像が記録されているSDカードを本体から抜き取ってください。

これが最も確実に事故の映像を守る方法です。

古いドライブレコーダであっても、最新のドライブレコーダーであっても、やることはまったく同じです。

事故が発生したらSDカードを本体から抜き取っておく。これが最も確実なデータ保存方法です。

 

下記の記事も参考にしていただけると幸いでございます。

⇒⇒ドライブレコーダーの「ループ録画の意味」を教えて!

⇒⇒ドライブレコーダーのSDカードを抜く場合の注意点は?

⇒⇒ドライブレコーダーの映像には交通違反の証拠能力がある?

ご覧いただきありがとうございました。