【5分記事】可変バルブタイミング機構とは|仕組み|効果|メリット・デメリット

可変バルブタイミング機構・仕組み・効果・メリット・デメリット

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仕組み

車やバイクのエンジンで、4サイクルレシプロエンジンの場合、吸排気バルブの開閉動作は固定式のものが一般的でした。

固定式というのは、開閉のタイミングや吸排気口のリフト量(開閉量)が最初から決まっているという意味です。

しかし、エンジンの燃焼過程を細かに見ていくと、ピストンの速度によって、吸排気バルブの最適な開閉タイミングは異なるし、リフト量も異なっています。しかし、そういうことがわかっていても技術的要因により固定式になっていたのです。

可変バルブタイミング機構は、技術の進化によって、ピストンの速度に合わせる形で吸排気のタイミング、吸排気口の開閉量を自在に変化させるシステムです。

もう少し具体的に説明しますと、通常、吸気行程ではピストンが下降を始めるちょっと前に吸気バルブを開き始めるのですが、その際、最も効率の良い吸気流速を得るためのバルブタイミングを、ピストン速度に応じて変化させるようにしました。

また、ピストンによる吸気行程が終わり圧縮行程に入った際も、吸気流速が十分に高い場合は、吸気バルブを遅く閉じた方が効率が上がる領域も存在するため、速度に応じて閉じるタイミングを決めるようになりました。

さらに、排気行程についても可変するようになっています。まず、ピストンが下降しきる少し前に排気バルブを開き始めるのですが、高回転域などでは燃焼圧力によってピストンが押し下げられている途中の段階で排気バルブを開き始めた方が、排気行程のピストン上昇と次の行程の吸気を阻害せず、もっと効率が良くなるので、ここでもそうした動きになるように改良されています。

排気行程が終わって、ピストンが降下し始め、吸気行程に移っていく局面でも、排気の流速に応じて排気バルブを開いていた方が効率が良い領域もあるため、そうした最適の動きをするように改良されました。

要するに、エンジンの吸排気バルブの動きに関し、その時々の回転数や負荷によって最適なバルブタイミングおよびリフト量が変化するようになっているのです。

可変バルブタイミング機構ができるまでは、ある一定の負荷領域で最適となるように固定してしまい、それ以外の領域での効率を犠牲としていたわけです。

なお、可変にする実際の機構には、カムの回転角に位相を与えるもの、形状の異なるカムを複数用意して切り替えるもの、あるいは、これら2つの方式を組み合わせたもの、といった様々な種類があります。

メリット・効果

可変バルブタイミング機構による効果は、

  • 出力アップ
  • 燃費性能向上
  • 排気ガスの清浄化

といった効果があります。

デメリット

可変バルブタイミング機構のデメリットとしては下記のような点が考えられます。

  • 機構が複雑でコストが高くなる
  • 車両重量が増える

なんだか言いがかりをつけているようなもので、ほぼデメリットはないと思います。コスト面も量産効果で何とでもなりますし、重量増もわずかです。素晴らしい機構です。

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ご覧いただきありがとうございました。