【3分記事】ピストンシリンダの合い口とは?どうして切れ目があるのですか?

ピストンシリンダ・合い口・とは

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ピストンシリンダとは?

まず「ピストンシリンダ」について。

車やバイクのエンジンで、シリンダーの筒の中をピストンが往復することで出力をえる方式をレシプロエンジンと呼びます。

したがって、ピストンシリンダとは、レシプロエンジンの心臓部を端的に表した言葉です。

合い口とは?

さて、そのピストンシリンダで、「合い口」というのはどの部分を指すのでしょう?

「合い口」とは、正式には「合口隙間(あいくちすきま)」と呼びます。この合口隙間はピストンに取り付けられている3本のリングに付いている隙間のことです。

エンジンを分解し、ピストンを取り出してみると、ピストンには3本のリングが巻き付いています。これらのリングは、その名もピストンリングと呼ばれますが、燃焼室内にある圧縮ガスがクランクケースに漏れるのを防止したり、あるいは、シリンダー内壁に付着したエンジンオイルを掻き落とす役割を果たしています。

そうした役目を果たすピストンリングですが、ピストンから3本のピストンリングを取り外してみると、3本共に一箇所切れ目が入っています。完全な円形の輪っかではなくて、一箇所切れているのです。

この切れ目のことを「合い口」または「合口隙間」と呼んでいます。

合い口が存在する理由

ピストンから取り外したピストンリングを床の上に置くと、合い口は数ミリの間隔で開いています。つまり、ピストンに巻き付いてシリンダーの筒に収まっているときよりも、直径が大きくなっています。そして、シリンダーの筒に収まっているときは、合い口はほぼ0ミリとなり、完全な円形に近い状態です。

要するに、ピストンリングは、単体ではシリンダーの内径より大きいわけです。その大きな輪っかをピストンに巻き付けて、無理やりシリンダーの筒の中に押し込めているので、ピストンリングは常に外へ外へと広がろうとする力を発揮し、その結果、シリンダーの内壁にぴたりと密着して、圧縮ガスやエンジンオイルを漏らさない構造になっているのです。

また、ピストンリングは金属製なので、シリンダー壁と摩擦を繰り返すことで、いずれ摩耗してすり減っていきます。しかし、合い口が開いているために、すり減ったらすり減った分だけまた外へ外へと広がりますから、シリンダー壁との間に隙間を作らずに済みます。

これでピストンリングに合い口がある意味がお分かりいただけたでしょうか?

もしも完全な円で、合い口がないシームレスのリングだったら、上記のような役目は果たすことができません。

合い口は重要な意味を持っています。

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