【4分記事】トルクベクタリングとは|仕組み・役割|前後左右を自在に可変配分

トルクベクタリング・トルクベクタリングコントロール・とは・仕組み・役割

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トルクベクタリングとは

トルクベクタリングとは4WD(一部2WDも)に使われている制御機構のことで、4つのタイヤの動きを電子制御で自在にコントロールする装置のことです。

従来の4WDの制御では、左右の回転差や前後の回転差は、基本的にデフ(フロントデフ・センターデフ・リアデフ)が制御・調整していましたが、これは機械式です。ギアの組み合わせにより作動する方式でした。

これに電子的デバイスを加えて実現しているのがトルクベクタリングで、各タイヤの回転を監視するセンサー、その時々の車体姿勢を検知するセンサー、高速な情報処理装置、ヨーコントロールデフなどの高度な装置、こうした最新デバイスのたまものです。

トルクベクタリングは自動車メーカーにより制御方法が微妙に異なり、名称も微妙に違っています。

  • ダイナミックトルクベクタリングAWD(トヨタ・RAV4など)
  • G-ベクタリング コントロール(マツダ・マツダ3など)
  • トルクベクトル付きインテリジェント 4×4(日産・ジュークなど)
  •  SH-AWD(ホンダ・レジェンドなど)
  • アクティブトルクベクタリング(スバル・インプレッサなど)

仕組み・役割

トルクベクタリングは、4WDであれば4本のタイヤの動きを自在にコントロールします。2WDであれば2本のタイヤの動きをコントロールします。

タイヤの動きをコントロールする際、その方法として、トルクを増強して動きを早める方法とブレーキをかけて動きを抑制する方法、このいずれかを採用する方式とこの両方を採用する方式に大別されます。

たとえば、車が左コーナーに差し掛かったとします。何も制御していなければ、重力の法則にしたがって、車はコーナーの外側に膨らんでいく動きをします。その際、外側(右)のタイヤのトルクを増強すれば、車はより安定的にコーナーを曲がることができます。

しかし、内側(左)のタイヤにブレーキをかけることでも、結果的に、安定したコーナリングが可能になります。

トルクを増やすか、ブレーキで制御するか、それはコーナーへの侵入速度によっても判断が分かれ、それはコンピュータが最適解を瞬時にはじき出します。

要するに、制御のタイミング、制御量など、数多くの実験結果をフードバックした最適な制御が行われさえすれば、いずれの方法でも車の動きは安定します。

雪や雨の日の走行でも、沼地や岩のむき出した斜面の走行でも、考え方は同じです。4つのタイヤを常にセンサーで監視して、その時々最適なトルク配分、あるいは部分的なブレーキングなどを適切に制御することで、車は安定した走行が可能になります。

さらには、高速道路をまっすぐ走る際にもトルクベクタリングは威力を発揮します。

路面のジョイント部分や大きなうねりなどを乗り越えた際、特に車のフロント部分が浮き沈みするシーンがあります。

そんな時に、トルクベクタリングが発動して、たとえばフロントが沈み込みそうになったその瞬間にトルクをちょっとだけ付け足すと、沈み込みかけたフロントが沈み込みの寸前でとどまり、結果的に、フラットな状態で走り続ける、こういう制御も可能になります。

マツダ3などにはすでにこの制御が働いているようです。運転していると、非常に車の姿勢変化が少ないことに気づきます。

ドライバーが気づかないほど微妙な制御により、フロントの沈み込みを発生させないようにしているのはまず間違いないと思います。

最新のトルクベクタリングを採用している車に乗ると、悪路の走破性が高いことはもちろんですが、普通の道路を走っている際にも、「いい車だなあ」という感慨と共に「あれ、運転がうまくなったのかな」と感じることがしばしばあります。こんな風にドライバーが感じるその要因の多くは、たぶんトルクベクタリングが果たしているのだと思います。

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