【超丁寧解説】タイヤのショルダー(肩)が摩耗しやすい車|肩減りの原因

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タイヤのショルダー(肩)が摩耗しやすい車|肩減りの原因

車のタイヤは使用することで次第に摩耗していきます。

路面と接するトレッド面が均一に摩耗してくれればいいのですが、車によっては一部分だけが激しくすり減ってしまうことがあり、偏摩耗(へんまもう)と呼ばれることもあります。

偏摩耗のなかで、特にタイヤのショルダー部がいち早く摩耗してしまうケースもあります。

ショルダーとは肩のことで、トレッド面とサイドウォールの中間部分、つまりタイヤの角の部分ということになりますが、ここが他の部分よりも激しく摩耗する車があります。

どんな車がショルダー部の摩耗(肩減り)を起こしやすいかと言うと、以下のようなケースになります。

  1. ミニバン:背が高く重量が重いミニバンは、コーナリングはもちろん直進であっても車体が左右に振れるたびにタイヤのショルダー部に大きな負荷がかかり、背の低い車に比べてショルダー部がより早く摩耗しやすい特性がある
  2. 空気圧が少なすぎる:両肩が先に摩耗しやすい
  3. トラックなどで重い荷物を常時運搬する:ミニバンと同じ原理でショルダーの摩耗が早くなりやすい
  4. ネガティブキャンバー(ネガキャン)の車:ネガティブキャンバーとは車を正面から見た場合にタイヤが「八」の字に傾いていること。タイヤの内側からショルダー部にかけてより早く摩耗する。意図的にネガキャンにしなくてもシャコタン(車高短)にすると自然にネガキャンになる
  5. ポジティブキャンバー(ポジキャン)の車:ポジティブキャンバーとは車を正面から見た場合にタイヤが逆「八」の字に傾いていること。今は一般的な調整法ではないが、パワステがついていない昔の車ではハンドルを軽くするためにポジキャン気味に調整していた。接地面の外側からショルダー部にかけてより早く摩耗が進行する

以下の項目でより詳しく解説します。

①ミニバン

ミニバンに肩減りは付き物と言われて久しいですが、ミニバンは背が高いです。そして重量があります。

そのため、たとえば左カーブを曲がる際にはタイヤの進行方向右側に大きな荷重がかかります。

もちろん、ここまでは背の低い乗用車でも同じですが、ミニバンは重くて背が高いので、タイヤの端っこにかかる荷重はより大きなものになります。

これは右カーブを曲がる際も同様ですし、真っすぐ走る場合であっても、ちょっとした道路の不整で車が横揺れした際にも、乗用車よりもより大きな荷重がショルダー部にかかることになります。

結果的に、ミニバンのタイヤは肩減りしやすくなり、あっという間に新品タイヤに交換しなければならなくなります。

というのも、タイヤのトレッド部には内側から外側にかけて数カ所スリップサインがあって、約8mmある新品タイヤの溝が摩耗して溝の残りが約1.6mmくらいのところでこのスリップサインが露出してきます。

一箇所でもスリップサインが露出するとそのタイヤは交換時期となります。たとえ他の部分のスリップサインが出ていなくても、一箇所でも露出していれば車検に通りませんし、安全上も危険なタイヤになってしまいます。

以前は、ミニバンも乗用車も同じ種類のタイヤを履くのが普通でしたが、ミニバンの数が爆発的に増えてくるにしたがって、「ミニバンの肩減り問題」が広く認識されるようになってくると、タイヤメーカーも対応せざるを得なくなりました。

最初に対応したのがトーヨータイヤでした。

「ミニバン専用タイヤ」を作ったのです。

具体的には、より摩耗しやすいタイヤの両肩近辺に改良を加えて、より負荷に強くより摩耗しにくいタイヤを開発しました。

たとえば、トレッド面のパターンをより摩耗しにくいものに変えたり(大きめのパターンにする)、形状にも改良を加えました。

また、パターンの剛性やケース剛性も強めにすることで、不整路やコーナリング時のふらつきを抑制しています。

最近の進化したミニバン専用タイヤは、上記特性を維持しつつ、乗り心地や静粛性や撥水性能を高めたタイヤとなっていて、お値段もそれなりに高価になっていますが、背の低い乗用車用のタイヤとは一線を画す専用タイヤになっています。

当然、以前の乗用車用のタイヤを使用した時と比較して耐久性は何割も伸びています。

②空気圧が少なすぎる

タイヤの空気圧と摩耗の仕方には関連があります。

車のドアの内側などにメーカーが推奨するタイヤ空気圧が記載されていますが、この標準空気圧より極端に高い空気圧にすると、タイヤのトレッド部の中央部分がより早く摩耗していきます。※タイヤがプクンと膨らむから

反対に、標準空気圧より極端に低い空気圧にすると、タイヤのトレッド面の両端からショルダー部がより早く摩耗していきます。

これは乗用車でもミニバンでもトラックでも同じです。

③トラックなどで重い荷物を常時運搬する

トラックのタイヤが肩減りしやすいのはミニバンの項目で説明した内容と同じ原理です。

荷台に重い荷物があれば、コーナリング中も不整路も直進中でさえ、車の揺れや傾きがストレートにタイヤのショルダー部にかかってきます。

だから、タイヤの両肩部分がより早く摩耗するようになります。

常に適正な空気圧をチェックすることが重要で、チェックの重要性は乗用車よりずっと優先度が高くなります。

④ネガティブキャンバー(ネガキャン)の車

車を真正面から見た時、タイヤが「八」の字に傾いている状態をネガティブキャンバー(ネガキャン)と言います。

コーナリング性能を高めたいときにやるホイールアライメントの一手法です。

ただし、タイヤの肩減りが問題になるのは、いわゆるシャコタンにして極端にタイヤを寝かせた状態にした「鬼キャン」のようなケースです。※鬼キャンとは「鬼のように極端なネガティブキャンバー」のこと

鬼キャンの車は100%ルックス重視で、とにかく目立ちたいために行うカスタムカーですから、タイヤのショルダー部が早く摩耗するといったネガティブな意見は、まさに「大きなお世話」かもしれません。

とは言え、極端なネガティブキャンバーは、それこそあっという間に肩減りしてしまうので、せめてタイヤローテーションを行って少しでも偏摩耗の進行具合を抑制することをおすすめします。

お金がもったいないです。※それこそ大きなお世話ですが・・・

⑤ポジティブキャンバー(ポジキャン)の車

パワーステアリングがまだ一般的でない時代の車は、そのままではあまりにもハンドルが重いので、少しでも軽くする工夫としてキャンバー角をポジ側に取っていました。

ネガキャンとは逆に、車を正面から見るとタイヤが逆「八」の字に傾いているのがポジティブキャンバー(ポジキャン)です。

言うまでもなく、極端なポジキャンの車のほとんどはルックス重視のカスタムカーで、タイヤの摩耗がどうのこうのは野暮というものです。

とは言え、残念ながらタイヤのショルダー部がより早く摩耗します。そのまま履き続けるとすぐにスリップサインが露出し、交換しないと車検に通らないタイヤになってしまいます。

お金がかかってしょうがないので、タイヤローテーションで少しでも長く使う工夫をしてください。

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