自動車税・軽自動車税:差し押さえの解除(給与・口座・車)

タイヤロック2

自動車税・軽自動車税を滞納して財産を差し押さえられるまでの流れ

いきなり差し押さえられることはありません。

それなりの経過をたどり差し押さえは実行されます。

自動車税・軽自動車税には納期限があります。

全国統一ということではありませんが、殆どの自治体で5月31日が納期限になっています。

毎年、4月1日現在の車検証上の所有者(所有者がディーラーやローン会社の場合は使用者)のところに納税通知書が送られてきますが(4月末から5月頭)、この納税通知書に納期限が記載されています。

自動車税納税通知書

自動車税納税通知書(軽自動車税納税通知書もほぼ同じ様式)

納期限

納期限

この納期限までに納付されれば何の問題もありません。

しかし何らかの事情で納付できなかった場合、これも自治体によって対応に違いがありますが、だいたい納期限から1ヶ月前後すると督促状が送られてきます。

督促状

督促状(横浜市HPより)

遅いところでは7月に入ってから督促状が送られるところもあります。

一般的な傾向として、納期限後の比較的早めの時期に督促状が送られてくる自治体では、それでも納付されない場合に、2度目3度目の督促状が送られてきます。

また督促状より催促の度合いが強い催告書に変わることもあります。

そして、督促状が比較的遅い時期(7月に入ってからなど)に送られてくる自治体の場合、2度目の督促状はなく、いきなり差し押さえに入る傾向にあります(山梨県など)。

諸事情によりあなたがこの時期まで滞納状態を続けている場合は、自動車税の滞納なら都道府県の、軽自動車税の滞納なら市区町村の、それぞれホームページを開いて滞納処分のスケジュールを確認してください。

すべての自治体が滞納処分のスケジュールを公開しているわけではありませんが、公開している自治体のスケジュールを見ると、差し押さえが実行に移される時期は10月~12月のあたりに集中しています。

いくつか事例をご覧ください。

平成29年度の静岡県の「自動車税滞納整理強化期間」は平成29年11月から平成30年2月でした。

愛媛県と県下全市町村では毎年11月と12月を「市町村税・県税一斉滞納整理強化期間」としています。

大阪府は例年12月を「税収確保重点月間」として取り組んでいます。

埼玉県滑川市は11月~1月を「滞納整理強化期間」と定めています。

三重県鳥羽市は10月と11月が「差し押さえ強化月間」です。

いずれにしましても、このようにいったん差し押さえのアクションが起こされると、滞納者は法的に抗うことは出来ず、従うしかなくなります。

差し押さえの法的根拠

滞納差押法的根拠

自動車税と軽自動車税は地方税法に基づき徴収される税金です。

そこで、滞納から差し押さえまでの法の規定を見ておきましょう。

地方税法329条(要約)

納期限を過ぎても納付されない場合、納期限から20日以内に督促状を送付しなければならない。

地方税法331条(要約)

督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、滞納している人の財産を差し押えなければならない。

規定をストレートに読むと、1度目の督促状が送られてきてから10日以内に納付しない場合は、即座に差し押さえのアクションが起こせることになっています。

とは言え、ここにある規定通りにすべての自治体の職員がアクションを起こしているというわけではありません。

しかし「その気になればこういう事ができる」という法的根拠になりますから、一応頭に入れておいてください。

次に、差し押さえの具体的内容に関する法的根拠を見ておきましょう。

(※)地方税法の条文の中に、差し押さえに関する具体的な方法は国税徴収法による、という規定が入っています。

国税徴収法第141条および第142条から147条(要約)

督促や納付の催告を行っても納付しない場合は、滞納者の財産調査を行う。

対象とする財産は給与、預貯金、不動産、動産、自動車、売掛金などすべての財産とする。

また官公署、金融機関、勤務先、取引先、滞納者の財産を占有する第三者に対して財産調査を行う。

財産の発見、差押えなどの必要がある場合、滞納者やその関係者の住居等を相手方の意思にかかわりなく強制的に捜索する場合がある。

これらの財産調査・捜索は滞納者に事前に了承を得ずに行うことができる。

自動車税・軽自動車税の滞納に限定すると、差し押さえられる財産は、預貯金給与自動車といったところが大半です。

そして注意すべきなのは、「滞納者やその関係者の住居等を相手方の意思にかかわりなく強制的に捜索」できることと、「これらの財産調査・捜索は滞納者に事前に了承を得ずに行うことができる」という点です。

これは言葉通りに受け取らなければならず、実際に、この通りに実行されています。

預金口座も本人に断りなく残高を調査され、残高があれば、滞納分を勝手に引き落とされます。

(※)口座が「凍結」することはありません。滞納額が10万円だったとして、口座に15万円の残高があったとしたら、10万円が強制的に引き落とされて残高5万円となり、その5万円は自由に引き出しできますし入金も自由です。

勤務先にある日突然徴税職員から給与明細を見せて欲しいと問い合わせがきて、天引きすべき給与があると判断されると、この口座に何日までにいくら直接振り込むように会社に指示が入ります(会社は法的義務を追う)。

また、玄関を出てみたら、いきなり自動車にタイヤロックがかけられ使用できなくなっていて、車についている張り紙を見ると、いついつまでに滞納分を完納しないと自動車を没収するという意味のことが書いてあったりします(没収後はヤフオクなどにかけられる)。

すでに書きましたが、督促状が数回送られくる自治体もありますし、1回しか送られず即座に差し押さえに入る自治体もあります。

自治体による対応は様々ですが、しかし共通しているのは、いったん差し押さえのアクションに入ったら、「意思にかかわりなく」「強制的に」「事前に了承を得ずに」粛々と差し押さえが進行していく点です。

(※)滞納期間が長いと延滞金が加算されるので完納するには「本来の税額+延滞金」をすべて納める必要があります。ただし納期限から半年程度の滞納でしたら延滞金はかからないか、かかってもわずかです。

差し押さえを解除するには?

差押調書(履行期限)

差押調書(履行期限)

差し押さえは「意思にかかわりなく」「強制的に」「事前に了承を得ずに」行われるとはいえ、一定の猶予期間はあります。

上記「差押調書」の画像の赤丸部分に「履行期間」とあります。

口座から引き落とされたり、給与から天引きされたり、車を没収されたり、そうした実力行使を行う前に、わずかですが猶予期間があります。

この「履行期間」が到来するまでに、滞納額を完納すれば、差し押さえを解除することが出来ます。

何とかお金を工面して差し押さえを解除することには実は大きな意味があります。

「差押された」という履歴が付くか付かないか、その分かれ目になるからです。

金融機関の口座の場合、「差押」の事実があると、ブラックリストに載ってしまうので、以後住宅ローン等の融資を受ける際に障害となることがあります。

給与の場合は、事前の問い合わせの段階ですでに滞納があることを会社に知られてしまっているので、やや手遅れの感はありますが、それでも、実際に「差押」が実行されるのとその手前で踏みとどまるのとでは、その後の会社における立場にも違いが生じると思います。

車はタイヤロック等の段階で手を打っておかないと、オークションにかけられればもう取り戻すことはできなくなり、同等の車を新たに入手する際、自動車取得税、諸経費など車両価格とは別に余計な費用をかけなければなりません。

どの段階でも分割納付(分納)の相談をすべき

分納相談

差し押さえを解除するには「履行期限」までに滞納額を完納すればいいのですが、しかし、それができればそもそも滞納などしていません。

そこで、現実的な対応として考えられるのは、分割納付(分納)の相談をすることです。

原則としては、自動車税・軽自動車税は分割納付(分納)は認められていません。

認められる場合があっても、それは5月頃に納税証明書が送られてきたときに、納期限を前にして、自治体に電話するなり出向くなりして、これこれこういう事情で一括納付ができないのでなんとか分割で・・・と相談した場合に「特例として」認められるケースです。

しかし、再三に渡る督促状や催告書を無視して、ついに差し押さえにまで至ってからでは、自治体の徴税職員の心証はいいわけがなく、厳しく応対されるのは確かです。

とはいえ、現実に完納するお金がなく、しかし「差押」の烙印を押されるのだけは避けたい事態であれば、意を決して相談する以外ないと思います。

私(Mr.乱視)の経験から言っても、たとえホームページには分割可能のアナウンスがなかったとしても、自治体には飲食店の「裏メニュー」のようなものが存在します。

あくまでも低姿勢で、分割で支払う場合の具体的根拠を示せば、徴税職員も応じる可能性は高いです。

徴税する側にすれば、「差押」にはコストがかかりますから、たとえ分割であれ納付する意志を示されれば、頭から聞く耳を持たないという態度は取らないでしょう。

その際、具体的な説得が必要です。

過去の給与明細とか、他に月々支払う項目があればその領収書、月々の生活費の平均額など自分で書いたメモを用意して、間違いなく分割で支払うことが可能である根拠を示してください。

支払い可能な額、希望する分割回数を申し出て、徴税職員と話を詰めてください。

滞納している額にもよりますが、一回の分割額が1万円以下でも認められるケースがあります。

単に言葉だけ前面に出してお願いしてもいい結果は得られないでしょう。

具体的な書類を根拠に交渉してください。

そしてめでたく分割納付(分納)が認められたら、後日、分割用の納付書が数回分まとめて届くと思います。

それぞれの納付書には「納期限」が記載されているので、各回必ずその納期限までに納めてください。

自動車税・軽自動車税の時効は5年

自動車税・軽自動車税・滞納・時効

自動車税は都道府県が課税する税金です。

軽自動車税は市区町村が課税する税金です。

しかし時効に関しては同じ地方税法の規定により5年で消滅します。

通常、自動車税・軽自動車税の納期限は新年度が始まったばかりの5月31日です。

この納期限の翌日から5年が経過し、その5年の間に課税当局から何のアクションもなかった場合には、時効が成立し、納税義務は消えます。

地方税法
地方税の消滅時効

第一八条 地方団体の徴収金の徴収を目的とする地方団体の権利(以下この款において「地方税の徴収権」という。)は、法定納期限の翌日から起算して五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。

このように時効は五年ですが、それは課税当局が滞納者を5年間放置していた場合の話です。

しかし実際に課税当局が税の滞納者に対して何のアクションも起こさないことはありえない話です。

アクションの手法は自治体によって異なりますが、上で解説したように、納期限内に納税されない場合、課税当局はまず督促状を送りつけてきます。

督促状は2度3度と繰り返し送られることもありますし、なかなか納付されない場合は督促状よりさらに催促の度合いが強い催告書が送られることもあります。

それでも納付されない場合は差押を通告する書類が届き、あるいは一気に差押が実施されることもあります。

時効との関係で重要なのは、これら督促状の発送、催告書の発送、差押通告書の発送、差押の実行といったアクションを起こした場合、時効期間はその都度中断されるということです。

地方税法
時効の中断及び停止

大十八条の二 地方税の徴収権の時効は、次の各号に掲げる処分に係る部分の地方団体の徴収金につき、その処分の効力が生じた時に中断し、当該各号に定める期間を経過した時から更に進行する。

(略)

二 督促 督促状又は督促のための納付若しくは納入の催告書を発した日から起算して十日を経過した日(同日前に第十三条の二第一項各号の一に該当する事実が生じた場合において、差押えがされた場合には、そのされた日)までの期間

今、全国の都道府県・市区町村は、ほぼ例外なく慢性的な税収難にあり、お金に余裕のあるところなど皆無と言っていい状態です。

人口減少、少子高齢化、労働力人口の減少、主に高齢者の生活保護世帯の増加などにより、税金の確保は至上命題となっています。

自動車税・軽自動車税を滞納した場合、課税当局は「税の公平性」という錦の御旗(真面目に払っている人がバカを見ない)を掲げて強烈な取り立てを開始します。

もしもどうしても自動車税・軽自動車税から逃れようと思ったら、失踪者になる、預貯金口座をすべて処分する、収入を得ている会社等をやめる、財産を持たないなどなど、通常の生活をやめてしまう以外に選択肢はないと思います。

通常の生活を送る限り、課税当局の徴収権はいつまでも行使され続けます。

自己破産しても徴収権は有効であり、逃れることは出来ません(破産法253条)。

自動車税・軽自動車税の時効5年」という規定は文面だけのものと考えたほうがいいです。

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元保険代理店代表です。現在はブログ記事作成を日課にしています。自動車保険の記事が中心ですが、その他車に関するお役立ち記事に取り組んでいます。朝起きると菓子パンを1個食べてから昼までブログ記事を書きます。昼食はしっかり食べ午後はSNSや情報のインプットに努めます。夕方に5,000歩ほど歩き夕食は炭水化物をカットしています。柑橘類が好きで寝る前にはウイスキーをストレートで飲みます。目が悪いです(網膜はく離の手術してます)。