【4分記事】ファンベルトとタイミングベルトの違い

ファンベルト・タイミングベルト・違い

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ファンベルトとタイミングベルトは別物です

車のエンジンルームにあるベルト類の中で、ファンベルトとタイミングベルトは重要な役目を果たしています。

まず、ファンベルトとタイミングベルトは別物です。

ファンベルトはエンジン周辺の補機類(ラジエーターファン、ウォーターポンプ、オルタネーター、パワーステアリングポンプなど)を動かすのに使用されているベルトです。

一方で、タイミングベルトとはエンジンに組み込まれているベルトで、クランクの動きとカムの動きを同期させるためのベルトです。

ファンベルト

ファンベルトの本来の役割は、その名の通り「ファン」を回転させるためのベルトです。

この場合のファンとは、ラジエーターに風を送って冷却するためのファン、つまりラジエーター冷却ファンです。

水冷式エンジン車ではほぼすべての車にラジエーターファンが備わっていて、ファンベルトは必須の装備でしたが、最近の車では電動式のラジエーターファンが増えているので、この場合はファンベルトは不要です。

ところが、エンジンルーム内のベルトと言えばファンベルトがまず思い浮かぶことから、名前だけが残って、いまではエンジンルーム内の目に見えるベルトのことをとりあえずファンベルトと呼ぶようになっています。

ファンベルトは、その他にVベルトとかALTベルトと呼ばれることもあります。

さて、このように電動式のラジエーターファンが増えている現状で、ではそれ以外のどんな装置にファンベルトが使われているのでしょう?

それは下記の通りです。

  • オルタネーター(発電機)用
  • エアコンコンプレッサー用
  • ウォーターポンプ用
  • パワーステアリング油圧ポンプ用

もっとも、上記の補機類にしても、たとえばパワーステアリング油圧ポンプなどは電動式に置き換わりつつありますし、プリウスなどのハイブリッド車のエアコンコンプレッサーにも電動式が出てきているので、そうなるとファンベルトの使い途はさらに少なくなってきています。

また、ウォーターポンプなども、メーカーの標準仕様ではなく、カスタムとして電動化にするユーザーも出てきています。

そもそも、こうしたエンジンの補機類が続々と電動化されるのはなぜかというと、できるだけエンジンに負荷を掛けたくないからです。

ファンベルトはエンジンの力を利用して様々な補機類を作動させるためのパーツです。

そのため、エンジンの回転力は、車を前に押し出すためだけに使われずに、補機類のためにも使われるので、いわばパワーロスをしていることになります。

これは燃費性能も落とすことになりますし、スポーツ走行の際には明白に戦闘力を落とす結果になります。

もっとも、皮肉な話ですが、そうやって各種補機類が続々と電動化していく傾向にある中で、近い将来はエンジンそのものが電動化、つまりモーターに置き換わりつつあります。

何もかもが電動化になれば、結局は強力なバッテリーが唯一の命綱ということになります。

タイミングベルト

エンジンのシリンダーに送り込まれた燃料が爆発すると、ピストンが上下に動き、その動きによってエンジン下部のクランクシャフトが自転車のペダル漕ぎみたいな動きをします。

このクランクシャフトの動きをベルトを介してエンジン上部のカムシャフトに伝え、吸気バルブと排気バルブを規則正しく作動させています。

これがタイミングベルトの役割ですが、不純物が付着しないようにカバーで覆われているので、ファンベルトのようにベルトがむき出しになっていることはありません。

タイミングベルトは10万キロ前後が寿命と言われていて、いったん切れるとエンジンを破壊してしまうので、早めに交換する必要があります。

ただし、全てのエンジンにタイミングベルトが使用されているわけではありません。

タイミングベルトと同じ役割を果たす別のパーツも多く使われています。

それがタイミングチェーンという金属製のパーツで、寿命は30万キロとか40万キロと言われているので、乗用車用としては実質的に交換不要のパーツです。

(※)素材の進化もあって、タイミングベルトとタイミングチェーンは交互に流行を繰り返してきています。いまではタイミングベルトとタイミングチェーンのどちらが総合的に優れているか、これは個々の製品によって判断されるようになっています。私の現在のマイカーはフォルクスワーゲンゴルフ(7代目)ですが、使用しているのはタイミングベルトです。先代の6代目はタイミングチェーンでした。これを見てもわかるように、どちらがより長寿命で高性能であるかは素材によるということです。

下記の記事も参考になさってください。

⇒⇒ファンベルト(ALTベルト) 車検基準|交換時期・費用:ファンベルト(ALTベルト)はエンジンの動力を利用してオルタネータ・ウォーターポンプ・エアコンコンプレッサーなどを駆動する際の動力伝達装置のことです。その名の通りベルト状のパーツで、芯にファイバーが入っていて耐久性があるのですが、5万キロ~10万キロあるいは5年~10年経過すると交換時期を迎えます。

⇒⇒ファンベルトのオートテンショナー:ベルトのゆるみ・たるみを自動的に調整して、常に最適な張りを保つ装置のことをオートテンショナーと呼んでいます。ファンベルトからキキキ・・という異音が出るようになったらオートテンショナーの交換時期とみていいと思います。

⇒⇒ファンベルトのキュルキュルを放置するとどうなる?:車のファンベルトがキュルキュル鳴るのは、ベルトにヒビや亀裂が入っている証拠です。要は寿命が近づいているので、そのまま放置すると、やがてベルトが切れます。ファンベルトが切れると、切れた拍子に周辺の機器に損傷を与えることもあります。

⇒⇒ファンベルトの交換はガソリンスタンドでもOK?:ファンベルトの交換をDIYでやるのはかなり難易度が高いです。ファンベルトは非常に込み入った場所にあるので経験ある整備士さんでないとうまくできないケースが多いです。なので、ちゃんとした整備士さんがいるガソリンスタンドであればファンベルトの交換はやってもらえます。

⇒⇒コグドベルト(歯付ベルト)|Vベルトとの違い・比較|タイミングベルトなどに使用:自動車のタイミングベルトなどに使われるコグドベルトは、英語ではcogged beltです。別名歯付ベルト(toothed belt)とも呼ばれます。その名の通り、引っ掛かりのある「歯」が付いたベルトです。タイミングベルトの場合、クランクシャフトとカムシャフトを連結させているのですが、ただ動きを連結させるのではなく、クランクシャフトが2回転するとカムシャフトが1回転する、という正確な「同期」が要求されます。

⇒⇒タイミングベルトのコマ飛び・ずれ:タイミングベルトにコマ飛びやずれがあると、たいていエンジンがかからなくなります。エンジンがかかって走行できたとしても、吹け上りが悪かったり異音がしたり、明白にエンジンにトラブルがあることがわかります。

⇒⇒車検でタイミングベルトは点検項目?:タイミングベルトは車検の点検項目には入っていません。車検の検査官はエンジンがオイル漏れ等がなく問題なく作動しているかどうかは確認しますが、分解してタイミングベルトの様子を目視確認することはありません。したがって、タイミングベルトの管理は車のユーザーがディーラー・整備工場などのアドバイスを参考に注意を払う必要があります。

⇒⇒タイミングベルトテンショナーとは:タイミングベルトがやや劣化してきて「張り」が緩んでくると、プーリーとベルトとの歯嚙みがずれてきます。すると、歯がこぼれたり、次の歯、またその次の歯に飛び越えてしまう現象が発生し、その結果、吸排気バルブの作動が狂いだします。タイミングベルトテンショナーは、この「張り」が常時保たれるようにする装置です。

ご覧いただきありがとうございました。



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