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米寿は祝ってはいけない?米寿のお祝いは良くない/早死にする/縁起悪い?
※トップ画像は「米寿に贈る黄ちゃんちゃんこを着たテディベア」(amazon)
米寿(べいじゅ)とは、「数え年88歳」または「数え年88歳で行うお祝い」のことです。
令和2年簡易生命表では、男性の平均寿命は 81.64 年、女性の平均寿命は 87.74 年ですから、長寿のお祝いとしてふさわしい年齢だと思います。(⇒⇒厚生労働省)
米寿以外にも、長寿のお祝いとしては、還暦(60歳)、古稀(70歳)、喜寿(77歳)などがありますし、比較的最近追加された祝いとして、卒寿(90歳)、白寿(99歳)などがあります。
このページでは主に米寿について扱っていますが、必ずしも米寿である必要はなくて、長寿のお祝い全般にまつわる迷信とか言い伝えといった類のことがテーマです。
つまり、
米寿をはじめとした長寿のお祝いは良くないという話を聞いた。お祝いをする予定だったけれど、しないほうがいいのでしょうか?良かれと思って祝ったばかりに早死にしたりする例もあるから、かえって縁起が悪いという人もいます。どうすればいいのでしょう?
これがテーマです。
「ウチではおじいちゃんの米寿祝いをしたら3日後に亡くなったよ」
数え年88歳になる父親の米寿祝いをやろうと、こういう方面に詳しい同級生に電話で相談したところ、
「ウチではおじいちゃんの米寿祝いをしたら3日後に亡くなったよ。私の知り合いにも似たような事例があるし、あらためてそういうことをやるのはどうかと思うんだけど。普通にしているほうがいいんじゃないのかな」
と言われたら、あなたならどうしますか?
そんなことは迷信だと思いつつ、身近に起こった事例を聞かされると、気持ちが揺らぐのではないでしょうか。
そして、いったんこうした悪い事例に関心が向くと、ネットで調べても近所で話を聞いても似たような事例がいくつもあることに気づくようになります。
「米寿は祝ってはいけないと言われたのですが、それはどうしてですか?」(ネットの質問コーナー)
「米寿のお祝いをするとなると、お祝いされる本人も何かと家族や親せきに気を使う場面が多くなる。よくお祝いをしたらすぐに亡くなったという話があるが、高齢の身に普段とは異なる精神的負担をかけた結果ではないか。米寿そのものはいいことかもしれないが、あえてお祝い事を開催するのは良くないことかもしれない」(近所の人の声)
「米寿祝いは、実は縁起が悪い。お祝いをしたばかりに早死にした人が大勢いる。やらないほうがいい」(親戚の人の声)
「うちではホテルの大広間を借りて、親戚や友人・知人を招待して盛大に父の米寿をお祝いした。お祝いの場では、プロジェクターでたくさんの写真や動画が映され、何人もお祝いのスピーチをしてくれた。父にしてみれば、自分が生きてきたこれまでの人生を走馬灯のように振り返る機会になったのだと思うし、そのこと自体はいいことだと思うけれど、逆に、一区切りついてホッと安心することになり、目に見えないけれどずっと持ち続けていた緊張の糸がプツンと切れてしまったのではないか。お祝いの1週間後に父は亡くなった。父が一生を振り返る機会を持ち、大勢の縁者に囲まれたひと時を過ごせたという意味では、これで良かったと思っている。ただ、あらためてお祝いの場を設けることなく普通に生活していればもっと長生きできたのではないかとも思う。私は米寿のお祝いを計画した張本人なので、後悔したり、あれでよかったと思い返したり、また後悔したり、そんな気持ちでいる」(ネットの声)
なかには、こんな声もあります。
「長寿の祝いなんだから、べつに普通にやればいいと思うよ。もしも悪い事例を気にかけてお祝いしないでいて、そのうちおじいちゃんが亡くなってしまったら、その時はどうしてあのとき盛大にお祝いしてあげなかったのかって、後悔すると思うけどな。それと、はっきり言って、米寿の88歳って、男であれば平均寿命を大きく超えている年齢だから、もしもお祝いの後にすぐに亡くなったとしても、そんなに深刻な問題か?天寿もいいところじゃないか」(家族の声)
米寿祝いをはじめとした長寿の祝い事は、日本全国見渡した場合、行う家もあれば行わない家もあり、まさに各家の考え方次第という側面が強いので、余計悩ましいことかもしれません。
なお、これは皆さんから笑いを取ろうと思って書くのではなく、事実を書くのですが、米寿をはじめとした長寿祝い用の贈答品を販売している会社のホームページなどには、「お祝いをすると早死にするから縁起が悪いといった声も聞かれますが、あまりそういうことは気になさらずに、長生きしたおじいちゃんおばあちゃんを気持ちよくお祝いしてあげたいものですよね。ご本人にとっても周囲の方にとってもそれが一番幸せなことではないでしょうか」といった記述がみられます。
わかりやすくてステキだと思います。
米寿祝い(長寿祝い)ではどんなことをする?
ここまで「米寿は祝ってはいけない?米寿のお祝いは良くない/早死にする/縁起悪い?」というテーマに沿って見てきました。
賛否いろいろな意見があることが分かったところで、いったんその問題を離れ、そもそも米寿の祝い(長寿の祝い)では、誰を招待し、どんな祝いの品を贈るのか、招待される側になった場合にお祝い金をいくら包めばいいのか、などなど具体的に見ていきたいと思います。参考になさってください。
そもそも米寿とは?
米寿は数え年で88歳を迎える年にお祝いをします。しかし、現在では必ずしも数え年ではなくて満88歳でお祝いをするケースも増えています。
それはともかく、88は漢字で書くと「八十八」となり、これは「米」という漢字を分解した際の3つのパーツである「八」と「十」と「八」で出来上がっています。
そこで米寿と呼ばれるようになったとのこと。※諸説ありますが
お祝いはいつ開けばいいか?
米寿のお祝いであれば数え年で88歳の年、または、満88歳の年に開きます。
一般的に、その年の誕生日または敬老の日に開催することが多いようですが、特に決まりはないようなので、家族や親せきや招待する皆さんが出席しやすい日(日曜日や祭日など)にするといいと思います。
もしも88歳の年を過ぎてしまっていても、「お祝い事は先延ばししてもいい」と言われていますから、都合のいい日を選んで開催すればいいと思います。
数え年でなく満年齢で日にちを決めてもいいの?
日本全国、地域によって決まりごとが異なるようですが、しかし、最近は昔からのしきたりよりも今現在生活している人の感覚を重視する傾向にあります。
上皇陛下の傘寿(80歳)のお祝いは満年齢で行われました。
数え年の年齢の数え方は、生まれたその日が1歳で、次の元日(1月1日)で2歳、以下同様・・・という年齢の数え方をします。
誕生から1年ずつ年齢を数えていくとわかりやすいのですが、大人になってからある日突然自分の数え年は?となるとちょっと戸惑うと思います。
それは誕生日の後と先で数字が変わってしまうからです。
そこで、簡単な数え年の数え方を下記にご紹介します。ご自分の誕生日・現時点の満年齢で当てはめてみてください。
<数え年の数え方> その年の1月1日を起点として、
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数え年というのは、妊娠した母親のお腹の中にいる期間を「1」と数えるもので、これにはそれなりに合理性はありますが、しかし、妊娠期間は丸々1年ではありません。
そもそも暦の「1年」だって厳密には365日ではないからうるう年というものが発生するのですし、世の中には便宜的に対応したほうがいいことがたくさんあります。
生まれたその時点では0歳で、次の誕生日で満1歳。これでいいのではないでしょうか。
また、数え年には次のような問題も発生します。
生まれてきた子犬に向かって、
「うまれたばかりだけど、あなたはもう1歳ですよ」
と飼い主が告げたら、子犬はこう答えました。
「ううん、わたし、ママのお腹の中には2カ月しかいなかったよ」
犬の妊娠期間は60日前後です。1年もお腹の中にはいません。
「いや、犬の話じゃなくて人間の話だろ」
と叱られるので、このくらいにしておきますが(これネタ話です。笑ってもらえましたか?)、要するに、米寿をはじめとした長寿祝いは満年齢でも数え年でもどちらでもいいのだけれど、できることなら満年齢の方が違和感がないのではないか、これが(私の)結論です。
米寿祝いに招待された場合の対応
招待する側でなく招待された場合の対応について。
米寿祝いに招待されたら、ご祝儀(現金)または贈り物を持参するのが普通です。
ご祝儀は、
- 一般親族:5,000円~10,000円
- 孫:2万円前後
- 子ども:3万円前後
といったところが相場のようです。
現金を入れるご祝儀袋は、金銀の蝶結びがついたものか紅白のものがよく、香典袋はダメです(当たり前だ)。
贈り物をする場合は、表にのしをつけ、「祝米寿」とか「長寿御祝」などと書くのが一般的です。
また、こちらが贈りたいものではなく相手が喜ぶものを贈りたいということであれば、事前に家族を通じてリサーチしておくといいと思います。
そういう時間が取れないなら贈り物に使う予定の費用をご祝儀に上乗せするのがベストでしょう。誰だってもらって一番うれしいのは現ナマに決まっていますから。
いや、それは冗談ですが(冗談なのか)、やはり華やかな花束なら、贈る人も贈られた人もその場に居合わせた人ももれなく全員を幸せな気持ちにさせてくれるのは間違いなく、何を贈ればいいかわからない場合は、米寿カラーといわれる黄色を基調にした花束を持参すると贈り主の株を大いに上げることになります。※還暦の赤に対して、米寿は黄色・金色・金茶色がテーマカラーと言われています。
米寿以外の長寿祝い
米寿以外にも長寿の祝いはいくつかあります。
あまり一般的ではないものも含め、下記のようなものがあります。
年齢 | 祝いの名称 |
60歳 | 還暦(かんれき) |
66歳 | 緑樹(りょくじゅ) |
70歳 | 古希(こき) |
77歳 | 喜寿(きじゅ) |
80歳 | 傘寿(さんじゅ) |
88歳 | 米寿(べいじゅ) |
90歳 | 卒寿(そつじゅ) |
99歳 | 白寿(はくじゅ) |
100歳 | 百寿(ひゃくじゅ) |
108歳 | 茶寿(ちゃじゅ) |
110歳 | 珍寿(ちんじゅ) |
111歳 | 皇寿(こうじゅ) |
120歳 | 大還暦(だいかんれき) |
調べたら出てきたので紹介したまでの話であり、こんなのをいちいちその都度お祝いしていたら家族はたまったものじゃないですし本人も迷惑でしょう。
米寿に関するtwitter上の声
米寿は祝ってはいけないっていう、超謎マナー(?)を知った。
理由は、祝った直後に亡くなる人が多いからですって。いやまあそら、非常に言いづらいけど、88歳だからねぇ。— いでえいじ@元4コマ漫画家 (@edaeg0510) September 11, 2021
おばあちゃんの米寿のお祝いにおばあちゃんうさぎ化イラスト色紙を贈りました😊㊗️我ながらそっくりに描けた笑 pic.twitter.com/ZBLllijLlZ
— 井口病院🐰🍅🐡 (@ichthy0stega) May 8, 2022
とある村に移住したのですが、
👴👵への待遇がめちゃくちゃ良くて。
■温泉1日100円
■米寿のお祝いは村から3万円
■重度在宅介護の場合、介護者への慰労金5000円/月、介護用品給付金6000円/月
「ばーちゃんたちに優しい、良い村でしょう❤️」って大体言ってる。最高すぎん#100歳までワクワク— 猪村真由@看護学生 (@mayupon_sfc) June 8, 2022
祖母の米寿のお祝いで旅館の朝ごはん pic.twitter.com/raGBTEqmMC
— えい (@s211ray) May 29, 2022
御年90歳の祖父が「祝われたら早死にする」と言い張るため米寿も卒寿も何もできなかったんだけど、90過ぎて早死にとは……と思いつつ尊重しております。でもそれにしたって何かできないものかとあれこれ考えた結果、10歳刻みのお誕生日新聞を贈ることにしました。新聞好きの祖父なので。
— 寧花🐾シナリオライター (@yagi_4zuka) August 9, 2021
うちの地元では、長寿のお祝い(還暦や米寿等)は早死するからやらなかったりする。忌み嫌われている。これも地域差があるんだろうな。
今住んでいる地域は盛大な長寿のお祝いをする家庭が多い。全国で風習が全然違うから面白い。
— ゆっくり経済調査部 (@keizai_yukkuri) August 21, 2021
今日はおふくろの米寿の誕生日です。
俺の誕生日でもあります。
同じ誕生日なんです。
本来ならおふくろの弟妹たち呼んでお祝いしたいところでしたが、いかんせん住んでる所が遠いし高齢だし皆体調良くないしコロナ禍だし出来ないのは仕方ないですね。
今夜は鰻でも食べて祝おうと思います。(笑) pic.twitter.com/aFRN4Djp1P— ギブネス (@foglamp_6637) August 13, 2020
一昨日、祖母が救急車で運ばれて容態が良くないと昨日聞かされた。去年米寿(88)のお祝いした時、私は『ひ孫の顔見るまで元気で居てね』と言葉を送った。祖母孝行出来ないのかなぁ~とか色々考えたらなんとも言えない気持ちになった。今頑張っても約10ヵ月かかるからなぁ…(笑)
以上、昨日落ち込み案件— さと (@k310sa) November 1, 2018
嫁さん祖母の米寿祝いで山形に来てます。
さくらんぼ狩りに子ども達も大満足(^^)
今年は色が薄かったり、双子が多かったりと、育ちが良くないそうです。山形の方々お酒が水代わり。久々に飲みすぎてます(@ ̄ρ ̄@)
— Akihide U (@AkihideU) June 22, 2013
まとめ
「米寿は祝ってはいけない?米寿のお祝いは良くない/早死にする/縁起悪い?」というテーマを中心にお話ししてきました。
最終的に米寿祝いをするかしないかは、ご本人の反応を見極めて判断するのが最良の方法だと思います。
お祝いしてくれるという話を、本人が素直に喜んでいる様子であれば、開催する方向で話を進めるべきでしょう。そして、お祝いを開催し、その結果としてあっけなくお亡くなりになったとしても、それは寿命として家族も受け止めればいい話です。
もしも周囲がああだのこうだの言っても、そんなものは相手にする価値のないあぶくのようなものです。
本人が喜んでくれた。
これがあれば家族の気持ちは揺らぐことはないです。
ご覧いただきありがとうございました。