80年代・90年代に大流行した字光式(じこうしき)ナンバー!その仕組みと現在激減している理由を徹底解説

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第1章:なぜ生まれた?字光式(じこうしき)ナンバーの歴史と80年代・90年代の大流行

字光式(じこうしき)ナンバーをご存知でしょうか。

夜間になるとナンバープレートの文字部分だけが緑色に発光する、あの特殊なナンバープレートのことです。

80年代から90年代にかけて、街を走る多くの車がこの光るナンバープレートを装着していました。

当時の若者や車好きの間では、車をドレスアップするための必須アイテムとして大流行していました。

しかし、この字光式(じこうしき)ナンバーは、最初からファッション目的で開発されたわけではありません。

誕生の経緯詳細内容
発祥地北海道(1970年)
本来の目的猛吹雪の中でもナンバーを視認できるようにするため
副次的な効果内部の白熱球(はくねつきゅう)の熱で付着した雪を溶かす効果があった

実は、1970年に北海道で雪対策として導入されたのが始まりです。

猛吹雪の夜間でも、後続車からナンバープレートをはっきりと視認できるようにするためでした。

さらに、当時は照明に白熱球(はくねつきゅう)を使用していたため、その熱でナンバープレートに付着した雪を溶かすという実用的な効果もありました。

この雪国ならではの実用的な装備が、80年代に入ると全く別の意味を持つようになります。

バブル経済の到来とともに、車は単なる移動手段から自己表現やステータスの象徴へと変化しました。

80年代・90年代の流行詳細内容
人気の層VIPカー愛好家、ヤンキー層、若者の車好き
人気の理由夜間の自己主張、高級感の演出、他車との差別化
通称・俗称電光(でんこう)ナンバー、光るナンバー

特に高級セダンをカスタマイズする「VIPカー」ブームにおいて、字光式(じこうしき)ナンバーは爆発的な人気を誇りました。

夜の街で緑色に怪しく光るナンバーは、周囲への強烈なアピールになったからです。

当時の自動車ディーラーでも、新車購入時のオプションとして積極的に勧められていました。

多くのドライバーが、数万円の追加費用を払ってでもこの光るナンバーを希望しました。

こうして、本来は雪国の安全装備だった字光式(じこうしき)ナンバーは、日本全国の夜の街を彩る大ヒットアイテムとなったのです。

時代の変遷詳細内容
1970年代実用的な雪対策・安全装備として誕生
1980年代〜1990年代ドレスアップアイテムとして全国的に大流行
2000年代以降徐々に装着率が低下し、現在では珍しい存在へ
この章のまとめ
誕生の目的1970年に北海道で吹雪対策と雪融かしのために開発された
大流行の背景80〜90年代のVIPカーブームでドレスアップ目的として全国に普及
当時の位置づけ車好きや若者の間でステータス・自己主張の必須アイテムだった
引用元・参照元
国土交通省「自動車登録番号標(ナンバープレート)のあり方に関する懇談会資料」(2012年)
JAFMate Online「字光式ナンバープレートはなぜ生まれたのか?」(2021年)

第2章:光る仕組みはどうなっている?白熱球からLEDへの進化

文字だけが綺麗に光り浮かび上がる仕組みについて解説します。

字光式(じこうしき)ナンバーは、通常の鉄製ナンバープレートとは構造が根本的に異なります。

通常のナンバープレートは、鉄やアルミの板に塗料で文字をプレスして色を塗っています。

一方、字光式(じこうしき)ナンバーは、文字の部分が光を透過(とうか)する特殊なプラスチック樹脂で作られています。

そして、ナンバープレートの裏側に「照明器具(専用の台座)」を取り付け、後ろから光を当てることで文字だけが光って見えるのです。

字光式ナンバーの構造詳細内容
プレート本体文字部分が透明または半透明の樹脂でくり抜かれている
照明ユニットプレートの裏に設置する専用の発光台座
配線車のスモールランプ等の配線から電源を取得する

この裏側に設置する照明ユニットの光源は、時代とともに3つの段階を経て進化してきました。

初期から90年代にかけて最も普及していたのが「白熱球(はくねつきゅう)」方式です。

家庭用の電球と同じ仕組みの小さな電球が、台座の中に複数個並んでいました。

この白熱球は熱を持つため、北海道などでナンバーの雪を溶かすという本来の目的には最適でした。

しかし、電球を入れる空間が必要なため、台座が2〜3センチほど厚く、野暮ったい見た目になるという欠点がありました。

第1世代:白熱球(はくねつきゅう)詳細内容
特徴熱を持つため雪を溶かせる。安価。
欠点厚みがある(2〜3cm)。電球切れが起きやすくムラになる。
活躍時期1970年代〜1990年代中盤

90年代後半になると、「EL(電界発光:でんかいはっこう)シート」方式が登場します。

これは下敷きのような薄いシート面全体が均一に発光する仕組みです。

電球のスペースが不要になったため、照明ユニットの厚みが数ミリ程度まで劇的に薄くなりました。

文字全体がムラなく綺麗に光るためドレスアップ派に歓迎されましたが、寿命が短く徐々に暗くなるという耐久性の問題がありました。

第2世代:EL(電界発光)シート詳細内容
特徴非常に薄い。面全体が均一に発光しムラがない。
欠点紫外線や熱に弱く、数年で照度が落ちる(寿命が短い)。
活躍時期1990年代後半〜2000年代

そして現在、主流となっているのが「LED(発光ダイオード)」方式です。

LEDの登場により、字光式(じこうしき)ナンバーの欠点はほぼ解消されました。

厚みはELシート並みに薄く抑えられ、さらに白熱球よりも圧倒的に明るく、寿命も半永久的です。

消費電力も非常に少なく、現在新品で字光式(じこうしき)ナンバーを取り付ける場合は、ほぼ100%がこのLED方式となっています。

第3世代:LED(発光ダイオード)詳細内容
特徴超薄型。圧倒的に明るく、寿命が長い。省電力。
欠点熱を持たないため、本来の目的である「雪融かし」効果はない。
活躍時期2010年代以降〜現在
この章のまとめ
発光の仕組み文字部分が透ける樹脂プレートの後ろから照明台座で光を当てる
白熱球のメリットと欠点雪を溶かす熱があるが、台座が分厚く電球切れのリスクがあった
現在の主流薄型・長寿命・高輝度の「LED方式」が100%を占める
引用元・参照元
自動車技術総合機構「自動車検査独立行政法人 審査事務規程」(2023年)
各種字光式ナンバー照明器具メーカー(井上工業・旭化成テクノプラス等)製品仕様書

第3章:なぜ見なくなった?字光式(じこうしき)ナンバーが減少した5つの理由

かつては街中であふれていた字光式(じこうしき)ナンバーですが、近年はめっきり見かけなくなりました。

それには、明確で物理的な5つの理由が存在します。

最大の理由は、自動車の先進安全装備との物理的な干渉です。

現代の車には、衝突被害軽減ブレーキのためのミリ波レーダーや超音波センサー、全周囲カメラなどが多数搭載されています。

ナンバープレートの周辺にもこれらの精密なセンサーが配置されています。

字光式(じこうしき)用の照明器具を取り付けると、ナンバー全体の厚みや枠の形状が変わってしまいます。

これがセンサーの死角を作ったり、誤作動を引き起こしたりする原因になるのです。

減少理由1:安全装備への干渉詳細内容
センサーへの悪影響厚みのある台座がミリ波レーダー等の電波を遮る可能性
カメラへの映り込みバックカメラやアラウンドビューモニターの視界を妨げる
メーカーの対応多くの新型車で「字光式ナンバー装着不可」と指定されている

2つ目の理由は、デザインやトレンドの劇的な変化です。

現代の車のフロントフェイスは、空力特性やデザイン性が極限まで追求されています。

バンパーとナンバープレートが一体化するような洗練されたデザインに、分厚い字光式の枠は似合いません。

さらに、かつて「カッコいい」とされた緑色に光るナンバーは、現代の若者や車好きの間では「時代遅れ」「ヤンキーっぽい」というネガティブなイメージを持たれることが増えました。

価値観のアップデートにより、あえて選ぶ人が激減したのです。

減少理由2:トレンドの変化詳細内容
デザインの不和現代のスタイリッシュなバンパーデザインに台座が馴染まない
イメージの変化「カッコいい」から「古い・いかつい」という印象への変化
自己表現の多様化光るナンバー以外のカスタマイズ手法(ラッピング等)が普及した

3つ目の理由は、「ご当地ナンバー」や「図柄入りナンバー」の普及です。

近年、地方版図柄入りナンバープレートや、オリンピック・万博などの記念ナンバープレートが大人気です。

しかし、これらの図柄がプリントされたナンバープレートは、字光式(じこうしき)にすることができません。

文字の部分だけを透過(とうか)樹脂にする特殊な加工が、複雑なカラーイラストのプリントと技術的に両立しないからです。

多くのドライバーが図柄入りを選ぶようになった結果、字光式のシェアが奪われました。

減少理由3:図柄入りナンバーの台頭詳細内容
図柄入りの人気ご当地ナンバーや記念ナンバーがデザイン性で人気を集めている
技術的な制約カラープリントと文字の透過加工(字光式)は併用できない
結果ドレスアップ目的の層が、図柄入りナンバーへ流出

4つ目の理由は、標準のナンバー灯のLED化です。

昔の車のナンバー灯(後ろのナンバーを照らす標準のライト)は暗い豆電球でした。

しかし現在は、純正で非常に明るい白色LEDナンバー灯が装備されています。

夜間でも通常のナンバープレートが白くクッキリと明るく照らされるため、わざわざ字光式(じこうしき)にして視認性を高める必要性が完全に失われました。

そして5つ目の理由は、導入コストと手間の高さです。

通常のナンバープレートは1,500円程度で発行できますが、字光式(じこうしき)の場合はプレート代だけで3,000円〜5,000円かかります。

さらに、数万円する専用のLED照明器具を購入し、車体から電源を引く配線工事まで行わなければなりません。

総額で2万円〜3万円以上の出費になることが多く、そこまでして付けるメリットが見出されにくくなっています。

減少理由4&5:視認性の向上とコスト詳細内容
純正ライトの進化純正のLEDナンバー灯が明るく、暗闇での視認性がすでに高い
高い初期費用専用プレート代+LED器具代+配線工賃で数万円が必要
取付の手間配線加工が必要なため、素人がポン付けするのは難しい
この章のまとめ
安全装備との干渉カメラやセンサーの障害になるため、新型車では装着不可が多い
トレンドとデザイン車のデザインに合わず、「時代遅れ」というネガティブなイメージも
図柄入りナンバーとの競合人気の「ご当地・記念ナンバー」は構造上字光式にできない
コストと実用性の喪失純正LED灯で十分に明るく、数万円の費用対効果が見合わない
引用元・参照元
各自動車メーカー(トヨタ・ホンダ等)「新型車 取扱説明書(字光式ナンバー装着に関する注意)」
国土交通省「図柄入りナンバープレートの導入状況に関するレポート」(2022年)

第4章:現在でも字光式(じこうしき)ナンバーを付けるには?費用と注意点

激減したとはいえ、字光式(じこうしき)ナンバーの制度が廃止されたわけではありません。

現在でも、手順を踏めば合法的に取得し、車に取り付けることが可能です。

レトロな80年代・90年代の雰囲気を楽しみたい旧車ファンや、個性的なカスタマイズを好む層には、今でも根強い需要があります。

ここでは、実際に字光式(じこうしき)ナンバーを取り付ける際の手順と費用、注意点を解説します。

まず絶対に必要なのが、「自分の車が字光式ナンバーを取り付け可能か」の事前確認です。

事前の適合確認(最重要)詳細内容
メーカーの適合表確認自車の安全センサーに干渉しないか、ディーラーに確認する
バンパー形状の確認照明台座(厚さ数ミリ〜十数ミリ)が収まるスペースがあるか
車検への適合国土交通省の認可を受けた車検対応の照明器具を選ぶこと

新型車の場合は、取扱説明書に「字光式ナンバー装着不可」と明記されている車種が増えています。

これを無視して取り付けると、自動ブレーキが誤作動する危険があるため絶対にやめてください。

適合が確認できたら、陸運局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で手続きを行います。

通常のナンバーを発行する際に「字光式」を指定し、専用のプレート代(自治体により異なりますが普通車で約3,000円〜5,000円程度)を支払います。

注意点として、陸運局で発行されるのは「光を透過(とうか)するナンバープレート本体のみ」です。

光らせるための「LED照明器具」は自分でカー用品店やネット通販で購入し、持ち込む必要があります。

必要となる費用の目安詳細金額(目安)
字光式ナンバープレート代約3,000円〜5,000円(※各都道府県により異なる)
照明器具代(LED台座・前後)約10,000円〜20,000円(※国土交通省承認モデル)
取り付け工賃(業者依頼時)約5,000円〜15,000円(※車種・配線の難易度による)
総額の目安約20,000円〜40,000円程度

照明器具は必ず「国土交通省承認」「車検対応」と記載された国内メーカーの製品を選んでください。

ネット通販で売られている格安の未承認LEDベースを取り付けると、明るさのムラや基準違反により車検に通らないトラブルが多発しています。

また、取り付けには車のスモールランプ等から電源を分岐する電気配線工事が必要です。

電気系統の知識がない場合は、ショートや火災の危険があるため、必ずディーラーや整備工場に依頼してください。

取り付けの注意点詳細内容
承認品の購入未承認の安価な照明器具は車検不適合になる確率が高い
配線作業のリスク素人の不適切な配線は、車のECU(コンピューター)破損に繋がる
封印のルール(普通車)後ろのナンバーは陸運局での「封印」作業が必須となる

80年代の夜を熱狂させた緑色の光は、技術の進化とともにその役割を終えようとしています。

しかし、日本の車文化が最も熱かった時代の象徴として、字光式(じこうしき)ナンバーは今も自動車の歴史に深く刻まれています。

もし街で緑色に輝くナンバーを見かけたら、その背景にある雪国の歴史や、かつての熱狂的な車ブームに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

この章のまとめ
現在の装着可否制度は存続しており、適合車種であれば現在でも合法的に装着可能
絶対に必要な確認安全センサーへ干渉しないか、事前にメーカーやディーラーへ確認する
必要な費用プレート代+承認済みLED器具+工賃で、総額2万円〜4万円程度かかる
車検時の注意必ず「国土交通省承認」の照明器具を選び、プロに配線を依頼する
引用元・参照元
一般社団法人 全国自動車標板協議会「字光式ナンバープレートの交付手数料一覧」(2023年)
カー用品店(オートバックス等)「字光式ナンバー取り付け基本工賃表」