※トップ画像は「ものつくり大学」(by Wikipedia)
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【プチ調査】ものつくり大学は恥ずかしいの口コミが。なぜそんな声があるの?
「ものつくり大学」は埼玉県行田市にある理工系の大学です。インパクトのある名前から、1度は聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
新入生の男女比率は、男91%・女9%です(2021年)。
比較的新しい学校のようで、どんな学校なのだろう?と口コミを調べていると「ものつくり大学は恥ずかしい」といった声がちらほら。こちらの記事では、なぜそんな声があるのか徹底検証します。
在学生やOBのクチコミと、学校の特徴を分かりやすくまとめていますので、大学選びをしている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
「恥ずかしい」口コミを調査
Web上にあがっている「ものつくり大学は恥ずかしい」という声をまとめました。
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Twitter上では、「ものつくり大学」の名前に関する口コミが多く見つかりました。日本にある大学は漢字表記の大学名がほとんどの中、すべてひらがなを使った大学名は珍しいですよね。
「ものつくり大学を目指している」受験生や「ものつくり大学出身です」と面接に臨む就活生が、「恥ずかしい」と感じているようです。そのため、「大学名」に対して、
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といった否定的な評価が散見されています。また、「ものづくり」ではなく「ものつくり」と、濁点のない表記に対して違和感を持っている人もいました。
ものつくり大学の名前の由来
ものつくり大学という名称は、学校総長であった梅原猛先生による命名。平仮名を使用して「ものつくり」と表現しているのは、古来の大和(やまと)言葉が由来です。
大和言葉とは、中国から漢語や外来語が入る前から日本にある言葉で、濁点をふらないと言われています。確かに、「いとおかし」「おもてなす」「きよらか」など、美しく上品な表現が多いですよね。
そのため、現代日本語の慣用表記である「もの作り」「物作り」ではなく、濁点を除いた「ものつくり」という大学名を採用したそうです。また、ものつくり大学の英語名は「Institute of Technologists(直訳で「技術者の研究所」)」。
英語表記は、130万部を超えるベストセラー「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の作者、ピータードラッガー氏が名付け親です。このように、これから未来へはばたく学生のために付けられた、意味のある名前です。
ですから、「ものつくり大学」は、決して「恥ずかしい」名前ではありません。
日本には珍しい名前の大学がたくさんあります。gooの「面白過ぎる実在の大学名ランキング」では、このような名前の大学も。
【面白過ぎる実在の大学名ランキング】 |
1位 天使大学 2位 ものつくり大学 3位 サイバー大学 4位 プール学院大学 5位 デジタルハリウッド大学 |
カタカナ表記や「天使」という素敵な大学名がある中、ものつくり大学は2位にランクインしています。サイバー大学やデジタルハリウッド大学などの大学名が、インターネットやデジタルコンテンツに関わる大学であることが分かるように、「ものつくり大学」も名前からさまざまな分野の技術や技能を学べる大学だということが想像できます。
変わった名前は目を引くため、名前を憶えてもらいやすく、印象に残りやすいですよね。それを「恥ずかしい」と捉えるのではなく、大和言葉が由来となっていることを面接官にアピールできれば、大学の奥深さをもっと知ってもらえるのでは?と考えています。
ツイッター上ではこんな声もありますよ。
ものつくり大学は別に悪いところじゃないよ。Fランだけど。女子率3%だけど。ド田舎にあるけど。キャンパスひとつしかないけど。名前ダサいけど。悪いところじゃないよ。就職率良いし東大やら早稲田やら慶應やら有名な大学の人だらけの大企業に入れるチャンスあるし
— もすけろ (@mosukro) June 20, 2016
その他のマイナスイメージ
ものつくり大学をリサーチしていると、恥ずかしい以外のクチコミもありました。
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上記のように、ものつくり大学が汚職事件に関係があり、印象が悪いといったケースも。
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Fラン、偏差値低そうといったクチコミもありました。
KSD事件
上記のクチコミにある汚職事件とは、開学前に起きたKSD事件のこと。KSD事件とは、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業財団」(現:あんしん財団)の創立者古関忠男氏が、「ものつくり大学」設置を目指し、数々の政界工作を自由民主党議員に対して展開したとされる汚職事件です。(参照:Wikipedia)
この事件があったことで、悪いイメージを持っている方がいるのも事実です。KSD事件は開学直前に見つかったことから、大学開学許可の際、KSDと関連団体の関与を排除することを条件に開学しています。いまは事件の影響はまったくありません。
ものつくり大学はFラン大学なの?
Fランク大学とは、偏差値の低い学校を指す表現です。先日もニュースで新卒向け就活情報サイトが「行く意味ある?Fラン大学まとめ」や、「底辺の仕事ランキング」といった記事に対してネット批判が高まったばかり。(参照:楽天ニュース)
筆者の時代はまだ、Fランという言葉やネットが発達している時代ではありませんでした。しかし、全国のFラン大学リストを見てみると、筆者の出身大学が掲載されているではありませんか!
このような情報がもとで在学中の学生や、これから大学選びする受験生にとって不安が募ってしまうのも分かります。ネットがない時代は、周りの大学の評価より自分がこの大学に入って「何がしたいか」「どんな4年間を過ごしたいか」という目標を持って大学進学を決めていました。
ですから、ネット情報に流される必要はありません。自分が思った道、成し遂げたいことを念頭に大学選びをするべきだと考えています。
ものつくり大学の「偏差値」は下記にまとめてあります。
「ものつくり大学」には、在学中の学生からたくさんの高評価のクチコミが寄せられています。次の章では、ものつくり大学のOBや実際に通っている方の評判と、学校の特徴を合わせて紹介します。
ものつくり大学の特徴
ものつくり大学は埼玉県行田市にある私立の4年生大学で、2001年に設置された比較的新しい大学です。大学の略称は「もの大」で、その名の通り「ものつくり魂」を基盤に、「もの」に接しそこから問題を発見し、解決方法を見出すプロセスを大切にする工科系大学です。
専門的な分野が学べる学習環境
実際にものつくり大学に通っている方の、授業に関するクチコミはこちら。(参照:みんなの大学情報)
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実践的な実技が多く、興味深い講義が多いことがクチコミからも分かります。ものつくり大学の講義と実技の比率は「約4:6」。
半分以上が実技中心で、教員1人あたり指導学生数9名と大学講義では珍しい少人数制を取り入れている点も、ものつくり大学の魅力です。
ものつくり大学のシラバス(授業計画)の詳細は下記ページをご覧ください。
1学部2学科
ものつくり大学の学部は「技能工芸学部」1つです。学科は、「情報メカトロニクス学科(旧総合機械学科)」と「建設学科」の2つです。
※ 2022年4月に総合機械学科から情報メカトロニクス学科に名称が変更されました。
2022年5月1日現在の在学生の数は、学部生の合1,249名で、その内訳は、
- 情報メカトロニクス学科(旧総合機械学科):518名(内留学生81名)
- 建設学科:731名(内留学生35名)
となります。
ものつくり大学の学部学科の詳細は下記のページをご覧ください。
充実した教育設備
ものつくり大学は、教育設備が充実していることも魅力のひとつ。小型の3Dプリンタは1人1台配備され、ロボットやマイクロマシンまで先端機器を製作できる超精密な加工機器、大型の構造物を作れる溶接設備などあらゆる設備が整っています。
在学生からは、以下のクチコミがありました。
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講義だけでは得難い知識を実践で体験できるのは、従来の理系大学にはない特徴と言えるでしょう。
学生寮:希望者は全員入れます
ものつくり大学の学生寮は大学のキャンパス内にある5階建ての建物です。入学定員300名に対して200室が用意されているので、入寮希望者は全員入れます。
全室個室で、女子専用フロアがあるので女子学生も安心。駐輪場あり、月額35,000円です。
ものつくり大学の寮については下記ページで詳しく解説しています。
学食
学生会館の1階に学生食堂(520席)とオープンテラスがあります。2階の購買部では文具や雑貨などを販売しています。
学生食堂は朝食・昼食・夕食と3食すべて営業しています(※コロナ禍で昼食のみの場合あり)。定食メニュー以外に、おにぎりやパンなどの軽食も販売しています。
ものつくり大学の学食の詳細は下記ページをどうぞ。
学生プロジェクト
大学設備が整っているため、学生たちが仲間をつくり、アイディアを出し合える「ロボコンプロジェクト」にも参加しています。ロボットの開発を目的としながら、技術、技能、知識やマネジメントを自主的に学べる場に参加できるのも、ものつくり大学ならではの取り組みです。
ロボコンプロジェクト以外にも、
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など、自分の可能性を広げられるフィールドで挑戦できるのも、ものつくり大学ならではの取り組みです。
教員の半数以上が企業勤務経験者
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このような声にもあるように、ものつくり大学の教員の半分は企業勤務経験者や、現役の技術者が揃っています。
例えば、
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など、各界の一流の技術者からの講義が受けられます。
96%以上の高い就職率
ものつくり大学は、学校内で開催される企業説明会に約350社が参加し、年間25回を超える就職セミナー、ガイダンスで学生への充実した就職支援を行っています。他の理工科系大学とは違い、最長40日間のインターンシップを設けているのも独自のスタイルです。
【ものつくり大学OBの声】
「就職率はとても高い大学です。必修科目であるインターンシップで、約2ヵ月間もの職業体験ができるので、中にはそのインターンシップがきっかけで就職を決めた人もいます。」
「企業が大学へ来て面談をしてくれたり、教授推薦があったりと、就職を考えた大学だと思います。」
インターンシップ受け入れ先企業は2303社確保し、さまざまな分野の現場で自分の適性を学べる環境が整っています。
下記は、ものつくり大学の卒業生の就職先をまとめた記事です。参考になさってください。
学費・奨学金制度
ものつくり大学は理工系大学です。文系大学より授業料は高めになります。一方で、大学独自の給付型奨学金をはじめ各種奨学金制度が利用できます。
学費・奨学金に関する詳しい内容は下記のページをご参照ください。
有名人
ものつくり大学は2001年開校のまだ新しい大学です。そのため、卒業生で各界に進出している人の絶対数が少なく、多くの人に名前や顔が知られている「有名人」または「(有名な)芸能人」などはまだいないようです。※いたらゴメンナサイ。
まとめ
本記事では、ものつくり大学に対する「恥ずかしい」声を検証しました。「恥ずかしい」と言われるのは、大学名に対する声が理由です。
漢字表記の大学が多い中で、すべてひらがな表記で「ものづくり」ではなく「ものつくり」と濁点のない名前に対して、違和感を持っている人が多くいます。しかし、この名称は、濁点のない上品な大和言葉を由来として使用されています。
珍しい名前は恥ずかしいことではありません。ものつくり大学は、実践的な授業も多く、大企業の講師から授業が学べ、就職率の高い大学です。
在学生のクチコミを見ていても、充実した学生生活を送り、好きなことが見つけられる場所だと感じました。大学生活は、あなたがどのようなことを学んだか、仲間とどんなことに打ち込んできたかが大切です。
充実した学生生活が送れるように、名前や印象だけに捉われず、まずはオープンキャンパスに行き、大学の雰囲気を自分の目で感じ取ってみてはいかがでしょうか?
オープンキャンパスの詳細は下記ページで。
ご覧いただきありがとうございます。
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