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【プチ調査】アーモンドを毎日食べた結果はどうなる?
アーモンドが美容と健康にいいということはずいぶん前から言われていたことで、実際のところ、スーパーやコンビニを見渡してみても、チョコレートやお菓子やアイスクリームなどにごく当たり前の食材として使われています。
また、個人のブログなどでも、アーモンドを毎日食べている人はしばしば見かけます。
ただ、客観的なデータとして、アーモンドを毎日食べた結果どのような効果や変化があるかを示したものは、実はあまり見かけません。
そこで、期間はやや限定的になりますが、アーモンドを毎日食べた結果に関するある程度は「科学的」と言えるデータをご紹介したいと思います。
アーモンドを毎日食べた結果:顔のシワが減少し肌の色ムラが減少する?
アメリカのカリフォルニア州は世界最大のアーモンド生産地です。
この地の約7,600のアーモンド生産農家と100を超える製造加工業者で組織される「カリフォルニア・アーモンド協会」という組織があって、2021年3月にある研究結果を発表しました。
その内容は、閉経後の女性がアーモンドを毎日間食として食べ続けた結果、シワの重症度の測定値が減少し、肌の色素の濃さが改善したというものです。
この研究の主任を務めた皮膚科医は、
- アーモンドの日常的な摂取は、閉経後の女性にとって、顔のシワや肌の色(色素の減少)を改善する有効な手段であると考えられる。
- アーモンドには抗酸化作用があるα-トコフェロール(ビタミンE)が多く含まれており、閉経後の女性のシワと肌の色の改善に一定の効果があるものと思われる。
という意味のコメントをしています。
また、日本の内科医・イシハラクリニック副院長・石原新菜先生は、この研究成果を受けて下記のような内容のコメントをしています。
- アーモンドに多く含まれるビタミンEは抗酸化作用が強く、『若返りビタミン』と呼ばれている。
- ビタミンEには血流を良くする働きがあるため『冷え取りビタミン』とも呼ばれている。
- いつまでも若々しく、そして美しく輝く女性でいるためにも、アーモンドを毎日の食生活に取り入れてみてはどうか。
上記「カリフォルニア・アーモンド協会」の詳しい研究内容はFNNプライムオンラインをご参照ください
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さて、アーモンドに関する上記研究内容は、実施した期間や対象となる女性やアーモンドの摂取内容などに偏りがあるため、この研究成果が即座に私たち個々の美容や健康に同様の結果をもたらすかどうかは不明です。
また、何と言ってもアーモンドを生産する組織が発表している研究成果なので、いいところだけを強調している側面は明白にあって、半分信じて半分疑う、と言うくらいの受け止めがちょうどいいのではないかと思います。
とは言うものの、アーモンドが体にいい食材だろうという点は、経験的にもあまり疑う余地はないはずです。
皆さんも経験があると思いますが、私の場合も、時々無性にアーモンドをはじめとしたナッツ類を食べたくなる時があります。
やはり体がアーモンドやナッツ類に特有の諸成分を欲しているのだと思います。
そうしたナッツ類の中でも、とりわけアーモンドにはどんな成分が含まれているのか、以下にまとめてみました。
アーモンドの栄養成分
乾燥アーモンド100g中に含まれる主な成分は以下の通り。下記以外にも様々な成分がありますが、美容と健康に関係が深いと思われる主たる成分を記載しています。
(※)アーモンドには乳糖、コレステロール、グルテンは含まれていません。 (文部科学省:日本食品標準成分表 / 厚生労働省:日本人の食事摂取基準より) |
上記がアーモンドに含まれる主要な栄養成分ですが、特筆すべき成分内容についてもう少し詳細に見てみたいと思います。
- アーモンドに含まれる脂質は、オレイン酸という一価不飽和脂肪酸の一種です。
- 一般的な脂質に含まれる飽和脂肪酸は、肥満やコレステロール値の上昇を引き起こしますが、不飽和脂肪酸であるオレイン酸は、反対に悪玉コレステロールを低減させる作用があります。
- また、アーモンドの脂質には、血圧を下げる効果のある多価不飽和脂肪酸の一種であるリノール酸も含まれます。
- したがって、アーモンドの脂質は、ただの油ではなく体にいい作用を及ぼす油だということです。
- アーモンドは食品のなかでも特にビタミンEの含有量が豊富なことで知られています。
- ビタミンEには抗酸化作用があり、肌のしみやシワ、また老化の予防に効果が期待されています。
- ビタミンEの抗酸化作用が重要なのは、次の理由からです。つまり、人間の体の中では、酸素の一部が活性酸素という物質に常に変化していて、活性酸素は脂質を酸化させて過酸化脂質という物質に変えるはたらきを持ちます。過酸化脂質は肌のシミやシワを増やしたり動脈硬化を促進させるはたらきがあって、ビタミンEの抗酸化作用は、こうした悪い働きをストップまたはセーブする役目を果たします。
- 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、ビタミンEの1日当たりの摂取目安量は、男性が6.5mg、女性が6.0mgとされていますが、アーモンドは100g中に31.4mgを含有しています。たとえば女性の6.0mgならアーモンド20gほどで1日の目安量を摂取できることになります。※アーモンドは1粒の重さが1g程度ですから、20粒くらいということになります。(※)ただし、これは他の栄養素についても言えることですが、もしも私たちがアーモンドからしかビタミンEを摂取できないのであれば、1日20粒のアーモンドを食べ続けるのはいいことだと思いますが、実際には他の食品からもビタミンEは摂取しているので、毎日アーモンドを20粒食べ続けたら、これはビタミンEの過剰摂取になる恐れがあります。他の栄養素同様に、アーモンドの食べ過ぎはよくないと思います。
- アーモンドの総重量の約10分の1が食物繊維です。たいていの食べ物は胃や小腸で栄養成分のほとんどが吸収されるのですが、食物繊維はそもそも吸収されるような栄養素がないので、胃や小腸をまさにスルーして腸にまで達します。
- 腸に達してからやがて便となって体外に排出されるのですが、腸を通過する際に食物繊維の「繊維」が腸の壁を掻き落とすようにして通過するので、便通を良くし、便秘防止に役に立ちますし、また詳しいメカニズムは難解でわかりませんが、とにかくビフィズス菌に代表される善玉菌を増やして腸内環境を整えることに貢献すると言われています。
- 食物繊維は便通を良くしますが、アーモンドを食べ過ぎると食物繊維の量が増えすぎて、便通を妨げ、逆に便秘になるケースも報告されています。
- 食物繊維はべつにアーモンドだけに含まれるものではありませんが、ビタミンEといった他の栄養素を補給する際のプラスαとして有難い成分だと思います。
アーモンドは一日何個が適切か?
アーモンドに含まれるビタミンEの主成分はα-トコフェロールです。
ビタミンEすなわちα-トコフェロールの摂取量ですが、18~49歳の女性が1日に摂取すべきビタミンEの目安量は約6.0mgです。
アーモンド1個に含まれるビタミンEは約0.314mgです。(100g中のビタミンE 31.4mg÷100粒=0.314mg:アーモンド1粒が1gとして)
すると、アーモンド約19個で1日の目安量である6.0mgになります。(6.0÷0.314)
結局、ビタミンEの摂取量だけに限定して考えた場合、アーモンドの1日の推奨摂取量は19個程度ということになります。
ただし、この計算は2つの点で現実的ではありません。
第1に、ビタミンEはなにもアーモンドだけに含まれる成分ではなく、ゴマやクルミや大豆や玄米やピーナッツにも含まれています。
1日の食卓には様々な食品が並んでいるのが普通で、他の食品からもビタミンEを摂取できるのですから、アーモンドを19個毎日食べ続けた結果は、当然ビタミンEの過剰摂取となります。
第2の問題点は、アーモンドを毎日19個食べ続けたら、アーモンドの半分を占める脂質を約9.5g摂取し続けることになります。
なぜなら、アーモンド100g中の約50gが脂質であり、アーモンド1個には0.5gの脂質が含まれますから、19個のアーモンドには9.5gの脂質が含まれることになります。
つまり、アーモンドを毎日19個食べ続けた結果は、1日に脂質9.5g、1か月で285g、1年で3,468gになります。
3,468gとは、要するに約3.5kgのことです。
いくらアーモンドが栄養豊富な素晴らしい食品であったとしても、私たちは毎日の食卓で他に様々な栄養成分を摂取しています。
こうしたバランスを考えずに、ひたすらイノシシのように突進して1つの食材だけに一点集中してものの良し悪しを考えるのは、まさに「知性の敗北」を意味していると思います。
恥ずかしいので、イノシシ頭にならないようにお互いに気を付けたいですよね。
しかしアーモンドが優秀な食材であることもまた間違いないということを考え合わせると、もしもアーモンドを毎日食べ続けるというのであれば、1日に5個~6個くらいが適量ではないでしょうか。
5個~6個に厳密な根拠はありませんが、アーモンドに含まれる体にいい栄養素は他の食材からも摂取できるので、1日に5個~6個くらいのアーモンドなら、バランス的にちょうどいいのでは、という意味あいの数字です。
なお、アーモンドを食べ過ぎると、上記のように脂質の摂り過ぎで太りますし、また人によってはニキビや吹き出物が出やすくなる体質の方もいるようです。
さらに、アーモンドに含まれるたんぱく質により、ごく稀にアレルギーが起こる方もいらっしゃるようです。※2019年9月からアーモンドは「アレルギー特定原材料」に追加指定されています。
わたしはロッテや明治のアーモンドチョコレートが大好きで、いつも冷凍庫に切らさず常備していて、毎日1個か2個食べています。冷凍庫で固くなったチョコレートとカラッとしたアーモンドの食感がたまらなく好きです。
アーモンドのカロリー
アーモンド100g当たりのカロリーは587kcalです。
1粒が約1gだとすると、1粒当たり約5.87kcalということになります。
アーモンドを1日に5粒毎日食べ続けた結果、1日当たり29.35kcal、1か月で880kcal、1年で10,712kcalになります。
「1日5粒で29.35kcalなんて、大したことないな。これならアーモンドを毎日20粒くらい食べ続けたって、結果としてぶくぶく太る心配はないはず」
そうお考えの方もいらっしゃるかもしれません。※農林水産省では、間食は1日あたり200kcalまでを推奨しています
けれども、3食の食事以外に食べる食品が「アーモンドのみ」であるなら、確かにその通りかもしれません。
でも、他におやつやデザートを食べませんか?
アイスクリームとかチョコレートとかマカロンとかマリトッツォなどを食べませんか?
3度の食事以外に口にするのがアーモンドだけの生活を送る自信がおありですか?
どうか1つの食材の栄養価やカロリー値だけで物事を判断するのはおやめください。
私たちは毎日あれこれ種類豊富に食べるのですから、あれこれのバランスを考えて判断すべきです。
アーモンドを毎日食べるための工夫
アーモンドは乾燥したまるごとナッツ状態のものをそのまま食べることもできますが、それ以外に以下のような食べ方も人気です。
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アーモンドを食べている人のtwitterの声
アーモンド1kgとか買ってはいけない。
毎日食べても減った気がしない。 pic.twitter.com/unNWkEnufC— Yuka 🍓 ゅゕ (@MaximusYuka) October 1, 2022
いや、食べ過ぎに気を付けてください。心配。
毎日のおやつオートミールクッキー
レーズン、ピーナッツ、アーモンド、くるみ、ごま pic.twitter.com/XLHSK2AKIc— じぇいじぇい(JJ) (@torron091) October 1, 2022
これはすごい!
まとめ
先日、ショッピング専門チャンネルQVCでナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、くるみ、レーズン、クランベリーなど)1袋22グラム56袋セットのまとめ買いセールをやっていました。
毎日ナッツ類を食べましょう、というわけです。
最寄りのドラッグストアーにも小分けしたアーモンドまたは数種類のナッツ類がいつも山のように積まれています。
日本の食生活にアーモンドを代表としたナッツ類はすっかり定着しています。
私はアーモンドをはじめとしたナッツ類の問題点は以下のような点だと思います。
- おいしすぎて食べ過ぎてしまう
- 毎日適量を食べ続けることは苦行に近い
- 1度に大量に食べ過ぎて気持ち悪くなり、その反動でしばらくナッツ類を遠ざけ、ほとぼりが冷めたころでまた大量に食べ過ぎて気持ち悪くなり、またナッツ類を遠ざけ・・・これを繰り返す
はい、すみません。お気づきのようにこれは私の個人的な問題点であり、賢明な皆さんには当てはまらないことだと思います。
先ほど冷凍庫にいつもアーモンドチョコレートを置いておき、毎日1個か2個食べていると書きましたが、これは本当であり嘘でもあります。
なぜなら、時々、1個ではなく1箱丸ごといっぺんに食べてしまう悪癖があるからです。
そんな意志の弱いダメ人間な私がもっともらしいことを書いても、本当は何の説得力もないのですが、皆さんには悪い見本から教訓を得ていただきたいと思っています。
いずれにしても、アーモンドは間違いなく超優良な食材の1つだと思います。
唯一の問題点は、おいしすぎる点です。
どうか食べ過ぎだけはお気を付けください。
このページのテーマは「アーモンドを毎日食べた結果はどうなる?」というものですが、1日5個~6個をきっちり守れる人であれば、美容と健康に素晴らしい結果が得られる食材だと思います。
ご覧いただきありがとうございました。