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目次
白湯を新生児に与えてもいいですか?与えないほうがいいですか?
まず「新生児」と「赤ちゃん」について
このページのテーマは「白湯を新生児に与えてもいいか悪いか」です。「新生児」とは、厳密には、「生後28日未満の赤ちゃん」のことです。
いっぽう、「赤ちゃん」というと、かなり範囲が広くて、小さい子供一般といったところでしょう。
以下、「新生児」については、この厳密な定義に基づいて記述します。
専門家の意見はほぼ一致している
まず、新生児とは、生後28日未満の赤ちゃんのことを言います。厳密にこの定義に当てはめて考えると、新生児に白湯を飲ませたほうがいいという意見はほとんどありません。
生後28日未満の新生児は、母乳や人工乳によって栄養を摂取する必要があります。白湯は水だけで作られた飲み物で、栄養素がほとんど含まれていません。そのため、新生児に白湯を飲ませることは、必要な栄養素を摂取することができず、むしろ危険な場合があります。
新生児は非常にデリケートな存在であり、体温調節が未熟であるため、白湯を飲ませることで体温が下がりすぎることがあります。また、水分摂取過多による低ナトリウム血症や、下痢や嘔吐のリスクが高まることもあります。
そのため、生後28日未満の新生児には、母乳または人工乳を飲ませることが推奨されます。
WHO世界保健機関やアメリカ小児科学会の意見は、生後6か月までは母乳か人工乳以外の水分は不要というものです。(赤ちゃんに白湯は必要なの?)
白湯はいつごろからOK?
前の章のWHO世界保健機関やアメリカ小児科学会の意見とはやや異なりますが、赤ちゃんに母乳やミルク以外のものを与え始める時期は、生後2カ月以降が望ましいという意見が多数見られます。
そのため、白湯も生後2カ月を目安に開始すると良いという意見があります。(健栄製薬)
また、赤ちゃんが離乳食を始めるのはおおよそ生後5か月~6か月になると思います。この時期は、ミルクを飲む量が減るので、汗で失われた水分を補うことができず、便秘になりやすい時期でもあります。
そんな水分不足が原因で起こる便秘は、白湯を飲むことで解消できる可能性があります。
赤ちゃんに白湯を与えるきっかけ
ここまで見てきたように、生後28日未満の「新生児」には白湯を与える必要はない、というのが大多数の意見です。
ですが、生後2か月前後になって、母乳やミルク以外のものを口にできるような時期になれば、白湯を飲ませてもいいという意見もまた多数派です。
そこで、そうした時期に赤ちゃんに白湯を飲ませる場合、どんなきっかけが考えられでしょう。
- 便秘が続く場合:赤ちゃんが便秘になったとき、お茶や白湯を少量与えることで、腸内環境を整えることができます。
- 熱中症のリスクがある場合:夏場など、気温が高くなると、赤ちゃんも熱中症にかかる可能性があります。その場合には、白湯を少量与えることで、体温調節を助けることができます。
- 母乳不足の場合:母乳が十分に出ない場合、赤ちゃんに栄養を補充するために、人工乳を与えることがあります。その場合には、白湯を少量加えることで、人工乳の粘度を下げて飲みやすくすることができます。
赤ちゃんに白湯を飲ませることに賛成の意見
※「新生児」ではなく「赤ちゃん」についての意見です。
一部の人々は、赤ちゃんに白湯を飲ませることを支持しています。以下に、その理由をいくつか挙げてみます。
- 消化を助ける:白湯に含まれる水分は、腸内環境を整え、消化を助けることができます。また、白湯には、腸内細菌のバランスを整える効果があるとも言われています。
- 熱中症対策:夏場など、気温が高くなると、赤ちゃんも熱中症にかかる可能性があります。その場合には、白湯を飲ませることで、体温調節を助けることができます。
- 母乳不足対策:母乳が十分に出ない場合、赤ちゃんに栄養を補充するために、人工乳を与えることがあります。その場合には、白湯を少量加えることで、人工乳の粘度を下げて飲みやすくすることができます。
- 飲み物の種類を増やす:赤ちゃんが飲むことができる飲み物が、母乳や人工乳だけではないことを知らせることができます。赤ちゃんが成長するにつれて、白湯やお茶を飲むことができるようになるため、幅広い飲み物を飲む習慣を身につけることができます。
以上のように、一部の人々は、赤ちゃんに白湯を飲ませることを推奨しています。しかし、それでも、白湯は必要な栄養素を提供するわけではないため、母乳や人工乳に代わるものではありません。必要に応じて、小児科医や助産師の指導の下で、適切な方法で白湯を与えることが重要です。
赤ちゃんに白湯を飲ませることに反対の意見
※「新生児」ではなく「赤ちゃん」についての意見です。
一方で、一部の人々は、赤ちゃんに白湯を飲ませることに反対しています。以下に、その理由をいくつか挙げてみます。
- 栄養素不足:白湯は、水分しか含まれていません。赤ちゃんに必要な栄養素を提供するわけではないため、母乳や人工乳に代わるものではありません。
- 消化不良や下痢のリスク:赤ちゃんは、未熟な消化器官を持っており、白湯を飲ませることで、消化不良や下痢を引き起こす可能性があります。
- 水中毒のリスク:水分過剰摂取による低ナトリウム血症や水中毒のリスクがあります。赤ちゃんの場合は、水分の取り過ぎによって、体内の電解質バランスが崩れることがあるため、十分に注意が必要です。
- 薬剤との相性:薬剤と白湯の相性が悪く、薬剤の効果を減弱することがあるため、薬を飲ませる際には、水または母乳を使用することが推奨されています。
- 母子手帳に「白湯」は書いてない:母子健康手帳には「白湯」に関する記述はない。
以上のように、一部の人々は、赤ちゃんに白湯を飲ませることに反対しています。
まとめ
「白湯を新生児に与えてもいいですか?与えないほうがいいですか?」のテーマで解説しました。
生後28日未満、という厳密な定義で「新生児」を捉えた場合、白湯は与えないほうがいいという意見が大半です。
もう少し広い意味で「赤ちゃん」というくくりで見ると、生後2か月くらいたって、母乳やミルク以外も試していいころになったら、白湯を飲ませてもいいのではという意見が多数派になります。
それでも、赤ちゃんに白湯を飲ませることに反対の意見も一部あります。
迷ったら、小児科などで医師に相談してください。その時々の赤ちゃんの状態によって、対応が変わる可能性があるからです。
ご覧いただきありがとうございました。
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