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現金一括払い:トータルコスト最小、即座に自分名義。ただし、後々大丈夫か精査が必要
理想的な支払方法、それが現金一括です。誰もがポンッと一度で支払いを済ませたいはずですが、なかなかそれができません。それができるあなたは、すばらしい!
現金一括には「利息」が存在しません。結局のところ、他の支払い方法と比較して、トータルの支払額は最少になります。
ただし、いちおうメリット・デメリットに触れておきたいと思います。
項目 | 説明 | |
---|---|---|
メリット | 1. 追加のお金がかからない | ローンを利用すると、毎月の支払いが付いて回りますが、現金一括で購入すればそれがありません。 |
2. すぐにあなたのものになる | 購入した車はすぐにあなた名義になります。ローンを組むと、すべての支払いが終わるまで本当の意味での所有者になれません。 | |
3. 支払いの手間がない | 一括で支払いをすませると、その後は追加の支払いを考えることなく安心して生活できます。「口座に入金しておかないと」というのがなくなります。 | |
デメリット | 1. 一度にたくさんのお金が必要 | 車を買うために一度にたくさんのお金を出さなければならないので、それが難しい場合もあります。 |
2. たくさんのお金をどうやって持っていくか考える | 一括で大きな金額を支払う場合、お店にどうやって現金を持っていくか考えなければなりません。もちろん、口座振込という方法もあり、その方がスマートです。 | |
3. 急な出費に困る可能性がある | 車に大金を出費してしまうと、他の急な出費があったときに困るかもしれません。 | |
4. 他の使い道がなくなる | やはり車に大金を出費してしまうと、そのお金があれば他に使えたかもしれないチャンス、それを失うという見方もできます。 |
いずれにしても、車を現金一括で購入するのは、ある程度経済的に余裕がある人に限定された支払い方法になると思います。あるいは、生活に計画性がある人、と言うべきかもしれません。
ムリしてまで現金一括にすることはない
借金は嫌だから、金利を払うのが馬鹿馬鹿しい、とにかくローンはダメだ、という理由だけで現金一括を選択すべきとは思えません。
それほど経済的に余裕はないのに、上記の理由から現金一括を選択すると、つい無理をしてしまうことになり、その後発生するかもしれない急な出費に対応できなくなって、やむを得ずローンを組む、といった本末転倒の事態を招くかもしれません。
住宅のリフォーム、子供の教育費、大病による様々な出費など、まとまったお金が必要になることはしばしば発生するものです。※我が家では先日エコキュートが寿命を迎え50万弱の臨時出費がありました。トホホ、です。
そうした事態を考慮しても、なおかつ十分に蓄えがある人なら、躊躇なく、現金一括を選択すべきです。
でも、ちょっと心配だな、という人は、ローンを考えてもいいかもしれません。
資本主義社会、貨幣経済の社会では、借金など別に悪ではありません。国もたんまり借金しています。
現金一括は理想の支払い方法ですが、無理をしてまで選択する方法ではないので、その点を踏まえて、もう一度お財布事情を精査していただきたいと思います。
もしもローンを検討するのであれば、銀行のカーローンが最良の選択肢になると思います。
現金一括の顧客は「上客」だが「最上客」ではない
ちょっとつまらない話をします。
車を現金一括で支払う客は、ディーラーにとっては間違いなく「上客」です。
金払いのいい顧客は、数年後にまた車を購入してくれる可能性が高いし、車検や定期点検なども他の店舗に流れるリスクは少ないでしょうし、とてもありがたい顧客である点は間違いないところです。
本当はローンを組んで欲しい
ですが、ディーラーにとって一番有難い顧客は、ディーラーが仲介するローンを組んでくれる顧客です。
ローンを組めば、ディーラーにとって「一粒で二度おいしい」で有名なアーモンドグリコみたいな顧客になるからです。
キャラメルとアーモンドで2度おいしい:グリコ
まず、車を購入してもらったことで1度おいしい思いをします。次に、ローンを組むことでローン会社から手数料を受け取ることができ、そこで2度目のおいしさを味わえます。
現金一括の顧客は、すでに触れたように、その後のことを考えると「上客」である点は間違いないのですが、「最上客」ではないです。
2度目がないからです。
ただし、ディーラーが喜ぶのは、あくまでも「ディーラーが仲介しているローン」です。顧客が独自に銀行でカーローンを組んだ場合だと、2度目のおいしさは消失してしまいます。
もちろん、誤解しないでください。
車が売れたこと自体が大きな収穫であり、現金だろうとディーラーローンだろうと銀行ローンだろうと、ディーラーはうれしいに決まっています。
ただ、プラスαがあるかないか、そういう話をしています。
私たち自動車ユーザーにとってはどうでもいい話ですね。
つまらない話ですみません。
ただ、ローンを考えるのであれば、銀行ローンが最良の選択です。ディーラーはディーラーが扱っているローンを組んで欲しいはずで、それはディーラーが2度目のうまみを味わえるからですが、繰り返します、そんなことは私たちユーザーには関係ない話です。
もしも、現金一括から心変わりして、ローンも選択肢に入れるのであれば、迷いなく、銀行のカーローンを選択すべきです。
もう一つつまらない話を
話のついでに、もう一つつまらない話をさせてください。
巷には次のような話が出回っています。
現金一括は値引き額が少なくなる。ローンを組めば、ディーラーはローン会社から手数料を受け取ることができ、その分を値引きに反映できる。だから、ローンを組んだ方が値引き額が大きくなって有利になる。
これを、皆さんはどう思われますか?
まず、ローンを組めば値引き額が大きくなる、と言うのはある程度その通りだと思います。
ただ、ディーラーの仲介するローンの金利はとても高いことで知られています。その高い金利のローンを組めば、少々値引きしてもらったところで、値引き額よりはるかに多い利息を支払うことになり、トータルで考えると少しもトクなどしません。
たとえば、信販系ローンで実質年率9.8%、融資額300万、返済期間6年(72回)でローンを組むと、トータルの支払額は398万円になります。
現金一括なら300万です。
差額は98万円。
ディーラーが、ローンを組んでくれたからと、その見返りに98万円値引きしますか?
そんなのありえない話でしょう。
つまり、です。結論を言うと、「現金一括は値引き額が少なくなる。ローンを組めば、ディーラーはローン会社から手数料を受け取ることができ、その分を値引きに反映できる。」という話は、顧客にローンを組ませたい立場の人・組織の側が流している流言飛語の類だということです。
現金一括が最良の支払い方法に決まっています。
文句なしに最良の方法です。
やむを得ず、ローンを考えなければならないとしたら、その時は、金利の低い銀行のカーローンをご検討ください。
⇒⇒銀行のカーローン