【MotoGP】推しライダーの決め方:初心者が迷わず見つける7つの軸+おすすめ12人

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YouTubeで偶然見かけたMotoGPの映像。あるいはバイク仲間が熱く語っていたあのレース。

エンジン音、ハンドリングの鋭さ、コーナーで膝がアスファルトを擦るバンク角。「何かよくわからないけど、これは面白そう」――そんな感覚を抱いたことが、一度はあるはずです。

でも、いざ動画を最後まで見てみると、なんだかピンと来ない。

知らない外国人ライダーが20人以上、似たようなマシンで走っていて、誰が誰だかわからない。実況のテンションは高いけれど、何にそんなに興奮しているのかが伝わってこない。結局、「すごいスポーツなのは分かったけど、自分が楽しめる気はしない」と画面を閉じてしまう。

そんな経験、ありませんか?

目次

「推しを決めれば楽しめるはず」という直感は、たぶん正しい

ここで一つ、面白い話があります。

サッカーでも野球でも、F1でも、ファンに「なぜ好きなのか」を聞くと、たいてい返ってくる答えがあります。「あのチームを応援してる」「あの選手のファン」――つまり、応援する誰かがいるから楽しい、ということです。

MotoGPもまったく同じ構造です。

ただレースを眺めるだけでは、ジャージの色が違うだけの人たちが走っているように見える。でも、そこに「自分が応援している誰か」がいた瞬間、画面の中の出来事が一気に自分ごとになります。

予選で良いタイムが出れば嬉しくなる。決勝で転倒すれば本気で落ち込む。表彰台に立てば、自分が立ったかのように誇らしい。

「どうせ見るなら、誰か一人を中心に応援すれば楽しめるんじゃないか」――今これを読んでくれているあなたが、もしそう感じているなら、その直感は驚くほど正確です。

この記事で目指すこと

 

ただし、22人もいるMotoGPライダーの中から「あなたの推し」を一人選ぶのは、何の手がかりもない状態だと、けっこう難しい。

そこでこの記事では、推しライダーを決めるための7つの軸を用意しました。

  • 日本人を応援したい人へ
  • 強い人を応援したい人へ
  • メーカーで選びたい人へ
  • 人柄で選びたい人へ
  • ライディングスタイルで選びたい人へ
  • 物語性で選びたい人へ
  • 顔やゼッケンで選びたい人へ

どの軸も「正解」です。MotoGPに長年浸かったファンも、最初はみんなどこかの軸から入ってきました。

読み終わるころには、「ああ、自分はこの人を応援したい」と思えるライダーが、きっと一人見つかっているはずです。それと同時に、MotoGPの全体像も自然と頭に入っているはず。

肩の力を抜いて、気軽に読み進めてみてください。

MotoGPって、結局どんなスポーツ?(30秒でつかむ基本)

「推しを決める」前に、ほんの少しだけMotoGPの仕組みを知っておきましょう。完璧に理解する必要はありません。30秒で頭に入る範囲で十分です。

バイクのF1、と思えば大体合っている

MotoGPは、二輪の世界最高峰レースです。四輪で言えばF1。1949年から続く長い歴史を持ち、ヨーロッパでの人気はサッカーを上回ると言われるほどの巨大なスポーツです。

シーズンは2月から11月。世界18カ国を巡って、年間22戦が開催されます。ライダーは各レースの順位に応じたポイントを獲得し、年末にポイント合計が最も多かった人が世界チャンピオンになります。決勝の1位は25ポイント、2位は20、3位は16……というふうに、15位までポイントが入る仕組みです。

「MotoGP」には3つのクラスがある

ややこしいのが、MotoGPという名前はシリーズ全体の名前でもあり、最高峰クラスの名前でもあるということ。

  • MotoGPクラス:1000ccのプロトタイプマシン(市販されていない特注バイク)。最高速度は350km/h超。22人のライダーが争う、文字通りの世界最高峰。
  • Moto2クラス:765ccのエンジンで争う中間クラス。全車同じエンジンを使うので、ライダーの腕がそのまま結果に出る。
  • Moto3クラス:250cc単気筒の入門クラス。10代後半〜20代前半の若手ライダーが鎬を削る。

この記事で「推しを探す」のは、基本的に最高峰のMotoGPクラスです。Moto2とMoto3は、若手の登竜門として「将来の推し候補」を見つける楽しみがあります。

レースは金土日の3日間で進む

各GP(グランプリ)は、金曜から日曜の3日間で行われます。

  • 金曜:フリー走行(練習)
  • 土曜:予選+スプリントレース(決勝の半分の周回で行われる短距離レース)
  • 日曜:決勝レース(本番)

スプリントレースは2023年から導入された比較的新しい仕組み。土曜と日曜の両方で「勝負どころ」があるので、週末まるごと楽しめるようになっています。

ここまでが、最低限知っておきたい基本のすべてです。

「推し」がいると、なぜMotoGPは面白くなるのか

ここで一歩踏み込んで、「推しを決めると何が変わるのか」を具体的にお伝えしておきます。

なぜなら、これを知ってから推し選びに入るのと、知らないまま入るのとでは、推しを決める精度がまったく違ってくるからです。

シーズン全体が「自分の物語」になる

MotoGPの面白さの本質は、1年間続く長い物語にあります。

2月の開幕から11月の最終戦まで、全22戦。これは単発のスポーツ中継ではありません。22話完結のドラマシリーズだと思ってください。

たとえばこんなことが起きます。

  • 開幕戦で表彰台に乗った推しが、第3戦で転倒リタイア。「ああ、噛み合ってない……」と落ち込む
  • 第6戦のホームGPで、母国の大歓声を背に推しが優勝。一緒に画面の前で叫ぶ
  • 夏休み明けの後半戦、ライバルが急に強くなって追い上げてくる。背筋が冷える
  • 最終戦バレンシアで、推しが何位でフィニッシュするか――もう冷静ではいられない

これは「推しがいる人だけ」に与えられる体験です。推しがいないままレースを見ても、ハイライト動画を眺めているだけのような、どこか他人事の時間が流れていきます。推しを決めた瞬間に、レースは「観るもの」から「経験するもの」に変わるのです。

レースのない4日間も、ぜんぜん楽しい

もう一つ、推しがいることで開く扉があります。

レース週末は金土日の3日間。残りの4日間――いえ、22戦しかないので、シーズン中もほとんどの日はレースがない日です。普通の人にとってレースのない日はただの平日ですが、推しがいる人にとっては違います。

  • SNSに上がる、推しのトレーニング動画やプライベートショット
  • レース後のインタビューや、ポッドキャストの出演
  • 来季の契約や移籍に関する報道
  • ヘルメットの新デザイン公開、スポンサー発表
  • ライバルとの絡みや、SNS上での小さなやり取り

こうした「レース外のコンテンツ」が、1週間を彩ってくれます。推しがいない状態だと、これらのニュースは「ふーん」で終わる。推しがいると、全部が自分にとっての楽しみになります。

だから、推しを決めることは、楽しさの入口そのもの

つまり、推しを決めるという行為は、単に「お気に入りを選ぶ」だけのことではありません。MotoGPという広大な世界に、自分専用の入口を作る作業です。

ここから先は、その入口の選び方を、7つの軸で順番にお見せしていきます。

推しを決める7つの軸

ここからが、この記事の本題です。

7つの軸を順番に紹介していきます。「これだ」と思った軸が見つかれば、その軸を中心に推し候補を絞っていく。ピンとくる軸がいくつもあれば、それらを掛け合わせて選んでもいい。正しい順序も、唯一の正解もありません。

気軽に読み進めながら、自分の感覚に引っかかる軸を探してください。

軸その1:日本人ライダーを応援する

最もシンプルで、最も間違いのない入口です。

2026年現在、MotoGPの最高峰クラスを戦う日本人ライダーは小椋藍(おぐら あい)選手、ただ一人。25歳、トラックハウス・MotoGP・チームでアプリリアのマシンを駆ります。

2024年にMoto2クラスで世界チャンピオンを獲得して最高峰へ昇格。MotoGP参戦2年目の2026年は、第5戦フランスGPで3位表彰台を獲得しました。これは日本人ライダーとしてMotoGPクラスで表彰台に立つ、実に14年ぶりの快挙です。

「同じ国の人が世界の舞台で戦っているのを見たい」という気持ちは、応援の理由として何よりも強い動機になります。迷ったら、まずは小椋藍選手を推す。それで何の問題もありません。

軸その2:強い人・チャンピオン経験者を応援する

「どうせなら勝つところを見たい」――これも極めて健全な選び方です。

現在のMotoGPには、過去に世界チャンピオンになった経験を持つライダーが5人います。マルク・マルケス、ホルヘ・マルティン、フランチェスコ・バニャイア、ファビオ・クアルタラロ、ジョアン・ミル。さらに、まだ無冠ながら次期王者と目されるマルコ・ベッツェッキやペドロ・アコスタといった存在もいます。

勝利の瞬間に立ち会える確率が高いほど、初心者にとっての楽しさは増えます。「強い推し」を持つことに後ろめたさを感じる必要はまったくありません。

軸その3:メーカーで選ぶ

バイク好きにいちばん馴染みやすい軸かもしれません。

MotoGPに参戦している主要メーカーは5社。

  • ドゥカティ(赤・イタリア):現在のMotoGPを支配する絶対王者。マルク・マルケスが所属。
  • ホンダ(赤白・日本):かつての絶対王者で、現在は復活を期す立場。
  • ヤマハ(青・日本):2026年からV4エンジンへ大改革。クアルタラロが牽引。
  • アプリリア(黒赤・イタリア):2026年シーズン急伸。小椋藍はここのサテライトチーム所属。
  • KTM(オレンジ・オーストリア):独自路線を貫く挑戦者。アコスタが期待の星。

自分の愛車のメーカー、あるいは「いつか乗ってみたい」と思っているメーカー。その縁をきっかけにすれば、応援の理由はもう十分です。

軸その4:人柄・キャラクターで選ぶ

ライダーは速さで戦うアスリートですが、それぞれ全く違う性格と個性を持っています。

「常にニコニコしているけど内に強い熱を秘めたタイプ」「ユーモアたっぷりで自分のあだ名を自分でいじるタイプ」「誠実で謙虚、ファンとの交流を大事にするタイプ」「兄の影に隠れず独自の道を歩むタイプ」――。

レース後のインタビュー、SNSの投稿、表彰台でのリアクション。こうした断片から伝わってくる人としての魅力で選ぶのは、長く応援するうえでとても効く軸です。次章の個別プロフィールで、各ライダーの人柄も紹介していきます。

軸その5:ライディングスタイルで選ぶ

少し玄人寄りの軸ですが、見れば見るほど面白くなるのがこれです。

たとえばマルク・マルケスは、コーナーで膝も肘も路面に擦りつけ、バンク角70度近くまで倒し込む攻撃的な走りで知られています。一方、クアルタラロは流れるようなスムーズなスタイル。ホルヘ・マルティンはレース序盤からトップに立って逃げ切るタイプ。タイヤ温存型もいれば、最後の3周で勝負を仕掛けるタイプもいます。

「見ていて気持ちいい走り」をする人は、必ずいます。何戦か観ているうちに、自然と目で追ってしまうライダーが出てくるはずです。

軸その6:物語性で選ぶ

スポーツの最大の魅力は、ライダーごとの「人生のドラマ」が走りに乗ること。

  • 重傷から復活して7度目の王座を掴んだ男(マルク・マルケス)
  • 王者になった翌年、怪我で全休に近いシーズンを過ごし、復活を期する男(ホルヘ・マルティン)
  • 日本人として14年ぶりに表彰台に立った、昇格2年目の挑戦者(小椋藍)
  • 史上最速でMoto3とMoto2を連覇し、MotoGPへ駆け上がった天才(ペドロ・アコスタ)

「この人の物語を見届けたい」と思えるライダーが見つかれば、シーズンを通じての応援は、ただの趣味を超えたライフイベントになります。

軸その7:顔・ゼッケン・名前の響きで選ぶ

最後に、いちばん肩の力を抜いた軸を。

「顔が好み」「ヘルメットのデザインがかっこいい」「ゼッケン番号が誕生日と同じ」「名前の語呂が良い」――こうした理由は、決して恥ずかしいものではありません。

実際、MotoGPの長年のファンの中にも、「最初は顔から入った」と公言する人は珍しくありません。入口の理由は何であれ、応援を続けるうちに、その人の人間性も走りも見えてくる。そうして本物の推しになっていきます。

推し候補ライダー13人+伝説1人

ここからは、現役の主要ライダーを順番に紹介していきます。読みながら「この人、いいかも」と思った名前があれば、メモしておいてください。最後にロッシの話と、Moto2・Moto3の日本人ライダーにも軽く触れます。

小椋 藍(おぐら あい)/#79・25歳・日本

所属:トラックハウス・MotoGP・チーム(アプリリア)

迷ったらこの人を推せば間違いない、というのが2026年の答えです。

2024年Moto2チャンピオン。最高峰クラス2年目の今シーズンは開幕から上位常連となり、第5戦フランスGPで日本人14年ぶりのMotoGP表彰台(3位)を獲得しました。チーム代表のダビデ・ブリビオは「表彰台獲得は時間の問題」と公言し、来季はヤマハファクトリーへの移籍が噂されるほどの躍進ぶり。

走りの特徴は、レース後半に必ず順位を上げてくる冷静で計算高いスタイル。全体のペースを見極めて勝負所を判断する、知性派のレースメイクをします。

当てはまる軸:日本人/物語性/人柄

マルク・マルケス/#93・33歳・スペイン

所属:ドゥカティ・レノボ・チーム

「強さの代名詞」と言えば、まずこの人。

2013年のMotoGPデビューイヤーにいきなり王者に輝き、以来通算7回の世界チャンピオン。2020年に右上腕を骨折してからは怪我との戦いが続きましたが、2024年にホンダからドゥカティへ移籍。2025年、日本GPで6年ぶり7度目の王座を奪還しました。

走りは攻撃的そのもの。コーナーで膝も肘も路面に擦りつけ、バンク角は驚異の70度近く。「他のライダーがトラクターに乗っても勝てるだろう」とライバルのバニャイアに評されるほどの適応力を持ちます。

当てはまる軸:強さ/物語性/ライディングスタイル

マルコ・ベッツェッキ/#72・27歳・イタリア

所属:アプリリア・レーシング

2026年シーズンの現ランキング首位(第8戦ハンガリーGP終了時点)。バレンティーノ・ロッシの故郷リミニ近郊出身で、ロッシが設立した「VR46ライダーズアカデミー」出身者。

愛称は「ザ・ベズ」。決して華のあるスター型ではなく、努力と忍耐で這い上がってきた職人型のライダーです。アプリリアへ移籍した2025年からエースとしてチームを牽引し、2026年は王座最有力候補に。

当てはまる軸:強さ/人柄/メーカー(アプリリア応援)

ホルヘ・マルティン/#89・28歳・スペイン

所属:アプリリア・レーシング

2024年世界チャンピオン。しかし王座獲得直後の2025年は転倒と骨折が続き、ほぼ全戦欠場。2026年は復活を期して戦っています。第5戦フランスGPでは見事復活優勝を遂げ、ファンを沸かせました。

レーススタイルは、序盤からトップに出て逃げ切る前掛かりの攻撃型。バレンティーノ・ロッシに憧れてレースを始めた一人で、レッドブル・ルーキーズカップから世界選手権を駆け上がった経歴を持ちます。

当てはまる軸:物語性/強さ/ライディングスタイル

ペドロ・アコスタ/#37・22歳・スペイン

所属:レッドブル・KTMファクトリー

愛称は「マサロンのサメ」(El Tiburón de Mazarrón)。父親が描いた幼くアニメ調のサメをヘルメットに使い続けているのが由来です。

経歴が異常で、Moto3もMoto2もデビュー初年度でチャンピオンを獲得。2024年にMotoGP昇格、デビュー2戦目で表彰台に立ち、ルーキーオブザイヤーに輝きました。「次代のMotoGPを背負う男」と早くから期待される逸材。ハードブレーキングを多用する攻撃型で、走りもキャラクターもエネルギッシュです。

当てはまる軸:物語性/強さ/人柄/ライディングスタイル

フランチェスコ・バニャイア/#63・29歳・イタリア

所属:ドゥカティ・レノボ・チーム

 2022・2023年と連覇した、ロッシの後継者と呼ばれる男。愛称「ペッコ」は、2歳上の姉が幼少期に「フランチェスコ」と発音できず呼んでいた愛称が定着したもの。

バレンティーノ・ロッシが設立したVR46ライダーズアカデミー出身。誠実でファンとの交流を大切にする人柄で知られ、表彰台のスピーチでも常にチームと家族への感謝を口にする実直なタイプ。マルク・マルケスとは現在のチームメイトであり、最大のライバルです。

当てはまる軸:強さ/人柄/メーカー(ドゥカティ応援)

ファビオ・クアルタラロ/#20・27歳・フランス

所属:モンスターエナジー・ヤマハMotoGP

2021年王者、ヤマハ復活の希望。常に穏やかな笑みを浮かべているが、その内側には強烈な熱量を秘めるタイプ。2026年からヤマハがV4エンジンへと大改革を進めており、そのプロジェクトの主軸を担っています。

地元フランスGP(ル・マン)では今季ベストの6位に入る活躍を見せ、不振が続いたヤマハ時代の中でファンの希望を繋ぎ続けてきた献身的な存在です。

当てはまる軸:人柄/メーカー(ヤマハ応援)/物語性

アレックス・マルケス/#73・30歳・スペイン

所属:BK8グレシーニ・レーシング(ドゥカティ)

マルク・マルケスの実弟。2026年からは兄と同じファクトリースペックのGP26を駆ります。2025年スペインGPで母国初優勝を遂げ、兄の影から完全に脱しつつあります。攻めすぎず堅実なスタイルで、兄とは違う魅力を持つライダー。

「兄弟揃って応援する」「あえて兄ではなく弟を推す」――いずれも王道の入口です。

当てはまる軸:物語性(兄弟)/メーカー(ドゥカティ)

ファビオ・ディ・ジャンアントニオ/#49・27歳・イタリア

所属:ペルタミナ・エンデューロVR46(ドゥカティ)

愛称「ディッジャ」。2026年現在ランキング3位の好調ぶりで、ドゥカティの最新スペックGP25を駆る、VR46アカデミー出身のイタリア人ライダー。

当てはまる軸:強さ/メーカー(ドゥカティ)

ジョアン・ミル/#36・28歳・スペイン

所属:ホンダHRCカストロール

2020年スズキ時代に王者になった人。現在は低迷期のホンダを支える立場で、2025年日本GPでは3位表彰台を獲得し、ホンダ復活の狼煙を上げました。「ホンダを応援したい」という人にとっての旗印。

当てはまる軸:メーカー(ホンダ応援)/物語性

ブラッド・ビンダー/#33・30歳・南アフリカ

所属:レッドブル・KTMファクトリー

MotoGP唯一のアフリカ大陸代表。荒々しいバトルを厭わない肉弾戦型のライダーで、コース上のキャラクターは「人間ブルドーザー」的。アコスタのチームメイトとして、KTM陣営を支える存在です。

当てはまる軸:人柄/メーカー(KTM応援)

ルカ・マリーニ/#10・28歳・イタリア

所属:ホンダHRCカストロール

バレンティーノ・ロッシの異父弟。ロッシのVR46アカデミー出身でもあり、「ロッシの血を継ぐライダーを応援したい」というファンにとっては唯一無二の存在です。

当てはまる軸:物語性(兄弟)/メーカー(ホンダ)

番外編:バレンティーノ・ロッシという伝説

ここまで何度も名前が出てきたバレンティーノ・ロッシ(46)について、少しだけ触れておきます。

イタリア出身、通算9度のロードレース世界チャンピオン。最高峰クラスでは7度王座に輝き、現代MotoGPの「神」と呼ばれる存在です。2021年に現役を引退しましたが、彼の影響はいまも色濃く残っています。

  • 「VR46ライダーズアカデミー」を主宰し、バニャイア、ベッツェッキ、マリーニ、ディ・ジャンアントニオなど現役トップライダーを多数輩出
  • 異父弟のルカ・マリーニが現役ライダーとして活躍中
  • ゼッケン「46」は事実上の永久欠番扱いで、現役の誰も使っていない

ロッシ本人をリアルタイムで応援することはもうできませんが、「ロッシの薫陶を受けた弟子たち」を応援するというのも、立派な推し方です。

その他の伝説的ライダーとしては、ホルヘ・ロレンソ(3度の王者)、ケーシー・ストーナー(2度の王者)、ダニ・ペドロサ(永遠の3番手)などが2010年代を彩りました。気になった人は、過去の名勝負動画を漁ってみると、現代MotoGPの背景がより深く見えてきます。

軽く触れる:Moto2・Moto3の日本人ライダー

最高峰のMotoGPだけでなく、下位クラスにも日本人ライダーが活躍中です。

  • 佐々木歩夢(Moto2、ホンダ・チーム・アジア):Moto3時代からの実力者
  • 古里太陽(Moto2、2026年初参戦):注目の新人
  • 山中琉聖(Moto3):もてぎでも応援席が設けられる注目の若手
  • 三谷然(Moto3):将来の日本人MotoGPライダー候補

将来の小椋藍候補を、いまから追いかけておく――これもまた、コアな楽しみ方です。

2026年シーズンの「今」を5分で押さえる

ここまで読んで「推しの候補が見えてきた」という人へ、もう一つだけ伝えておきたいことがあります。それは、いま2026年シーズンが、どんな物語の真っ最中にあるかということです。

これを知っておくと、明日からレース中継を見たときに、画面の中で起きていることが立体的に見えるはず。

ランキングは「アプリリア旋風」

2026年6月、第8戦ハンガリーGPを終えた時点でのチャンピオンシップは、以下のような構図です。

順位ライダーチームポイント
1位マルコ・ベッツェッキアプリリア180
2位ホルヘ・マルティンアプリリア160
3位ファビオ・ディ・ジャンアントニオVR46ドゥカティ138
4位ペドロ・アコスタKTM132

そして6位に、現世界チャンピオンのマルク・マルケス(108ポイント)。怪我などの影響で序盤戦から未勝利が続き、王者の意地が試されています。

トップ2をアプリリア勢が独占するという、数年前なら誰も予想しなかった展開。ベッツェッキとマルティンが社内で激しい首位争いを繰り広げており、2026年は「アプリリア旋風」の年になりつつあります。

各陣営の物語

ライダー個人だけでなく、メーカーごとにも見どころがあります。

  • アプリリア:歴史的な躍進中。小椋藍はこのメーカーのサテライトチームに所属。
  • ドゥカティ:絶対王者だったが、最強のマルク・マルケスが2026年は怪我などで苦戦中。アレックス・マルケスやディ・ジャンアントニオが新たな旗手として浮上。
  • ホンダ:長い低迷期の出口を探っている。ミルとマリーニが粘り強く戦っているが、表彰台争いの常連にはまだ届かず。
  • ヤマハ:V4エンジンへの大改革のさなか。クアルタラロを中心に、新世代マシンを熟成中。
  • KTM:アコスタの暴れぶりに期待が集まる一方、アプリリアやドゥカティとの差を埋められるかが課題。

小椋藍がいる「いま」だからこそ、推す価値がある

そして何より――2026年は、日本人ライダーが14年ぶりにMotoGP表彰台に立った年として記憶されるシーズンです。

小椋藍のフランスGP3位は、単なる一回の好成績ではありません。チーム代表が「表彰台は時間の問題」と公言し、来季のヤマハファクトリー移籍の噂が立つほど、彼の評価は急上昇中。いまから応援を始めれば、彼の躍進をリアルタイムで追いかけられる。これほど贅沢なタイミングはなかなかありません。

推しが決まったら、まずやるべき3つのこと

推しの候補が見えてきたら、次はそのライダーを実際に追いかける段階に入ります。

特別なことは必要ありません。やることはたった3つです。

ステップ1:Huluに加入してレースを見る

2026年現在、日本でMotoGPの全戦・全クラスをライブで見られる主要サービスはHuluです。

  • 月額1,026円(税込)
  • 全22戦の予選・スプリント・決勝レースを日本語実況付きでライブ配信
  • ライブ配信終了直後から見逃し配信
  • 2026年シーズンからは「中継映像」「ライブトラッキング」「オンボードカメラ」「空撮カメラ」を一画面で同時表示できる4画面マルチビューを新設

スマホでもテレビでも見られて、初心者にとっての最初の選択肢としてはこれで十分です。

テレビの大画面で見たい人、録画してじっくり見たい人は、スカパー!経由で「日テレG+」を契約する手もあります(月額2,000円台)。BS日テレでは無料のダイジェスト放送もあります。

ステップ2:推しのSNSをフォローする

推しが決まったら、その人のInstagramかX(旧Twitter)を必ずフォローしてください。

これだけで、レースのない日々が一気に楽しくなります。

  • トレーニング風景
  • レース週末の前夜祭
  • スポンサーイベントでのオフショット
  • レース後の生のリアクション
  • 新ヘルメットや新スーツのお披露目

ライダー本人だけでなく、所属チームの公式アカウントもフォローしておくと、メカニックの作業風景や戦略の裏側まで見えてきて、応援が立体的になります。

ちなみに小椋藍選手もSNSで積極的に発信しており、日本人ファンが追いやすい存在です。

ステップ3:いつか、もてぎに行く

最後の目標は、実際にサーキットで生のMotoGPを体験すること

2026年の日本グランプリは、10月2日(金)〜4日(日)にモビリティリゾートもてぎ(栃木県)で開催されます。

サーキットでの体験は、テレビとは全く別物です。

  • 1000ccのプロトタイプマシンが目の前を300km/h超で駆け抜ける轟音と振動
  • 「ヒーローウォーク」では、選ばれたライダーがファンと直接交流する
  • 推しのライダー専用応援席が用意されていることも多い(2026年はベッツェッキ、アレックス・マルケス、山中琉聖などの応援席が新登場)

気になる予算感ですが、2026年大会の3日通し自由席は13,000円から。指定席や応援席、デッキサイトなどは席種により数万円台までさまざまです。アクセスは東京から車で約2時間。電車派は宇都宮から芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)に乗り、芳賀町から「もてぎGPエクスプレス」のバスで約30分というルートが新設されました。16〜23歳は「ZERO円パス」で無料になる若者向け施策もあるので、対象年齢の方は要チェック。

「推しの走りを生で見たい」――この気持ちが芽生えたら、もうあなたは立派なMotoGPファンです。チケットは早めに動くと、観戦エリアの選択肢が広がります。年に一度のお祭りとして予算を組んでおくと、迷いなく楽しめるはずです。

行動の手順はこれだけ。シンプルです。

番外編 & まとめ

番外編:ヘルメットとカラーリングで選ぶという裏ワザ

本記事で紹介した7つの軸に加え、最後に裏ワザ的な8つ目の軸を一つだけ。

それは、ヘルメットとカラーリングで選ぶという方法です。

MotoGPライダーのヘルメットは、ただの安全装備ではありません。世界に一つしかないオーダーメイドの芸術作品です。

  • ペドロ・アコスタのヘルメットには、父親が描いた「マサロンのサメ」のイラストがプリントされている
  • バレンティーノ・ロッシの黄色&太陽と月のデザインは、MotoGP史上もっとも有名なヘルメットの一つ
  • ホームGPのときだけ特別カラーを投入するライダーも多い(マルク・マルケスはカタルーニャGPで毎年趣向を凝らした特別デザインを披露するのが恒例)
  • アプリリアの黒赤、KTMのオレンジ、ドゥカティの真紅――マシンとレーシングスーツの色も、推しを選ぶ理由になる

「あのヘルメットが好きだから、この人を応援する」――シンプルですが、意外と長く続く動機です。なぜなら、好きな色は変わりにくいから

まとめ:あなたの推しは、もう見つかっているはず

ここまで読んでくれてありがとうございました。

最後に、この記事の中身をひとつにまとめておきます。

  • MotoGPは1年22戦の長い物語であり、推しを決めるとシーズン全体が「自分の物語」になる
  • 推しを決める軸は7つ+1つ:日本人/強さ/メーカー/人柄/ライディングスタイル/物語性/顔・ゼッケン/ヘルメット
  • 2026年は小椋藍が14年ぶりに表彰台に立った、日本人ファンにとって特別なシーズン
  • 推しが決まったら、Huluに加入してSNSをフォローし、いつかもてぎへ

ここまで丁寧に読んできたあなたなら、もうすでに「あ、自分はこの人かも」というライダーが頭に浮かんでいるはずです。その直感を信じてください。

最初に挙げた誰でも構いません。途中で変えても構いません。推しは「正解」を選ぶものではなく、「育てる」ものだからです。

来週末、Huluを開いてみてください。あなたが選んだ推しが、画面の中で走っています。彼が良いタイムを出せば嬉しくなり、転倒すれば心が痛む。

その瞬間から、あなたのMotoGPライフが始まります。