軽自動車の一時抹消登録手続きは、車はそのまま残しておき、ナンバープレートを返納して、軽自動車税の課税をストップし、一時的に公道を走れないようにする手続きのことです。

この手続をすると2つの書類が発行されます。

自動車検査証返納証明書」と「軽自動車検査証返納確認書」です。

これらは「廃車証明書」としての役目もあります。

つまり一時抹消していた車を再度車検を通して公道を走れるようにする中古車新規検査の手続きをするときに必要となります。

盗難や紛失等でこれらの書類が手元にない場合、困ったことになります。

再発行できないからです。

ただし、この2つの書類は共に再発行できないのですが、「軽自動車検査証返納確認書」の方は譲渡証明書で代用できるので、特に問題ありません。

譲渡証明書

譲渡証明書(軽自動車検査協会のホームページからダウンロードできます)

問題なのは「自動車検査証返納証明書」です。

この書類は厄介です。

どうすればいいのでしょう?

それは、一時抹消の車を再度乗れるようにする中古車新規検査の手続きをする際に、それと同時に、紛失に対する願出書を提出し、審査を受ける、という手順を踏むことになります。

つまり、紛失したからといって「自動車検査証返納証明書」だけを単独に再発行したりその代用品を手に入れたりすることができないのです。

あくまでも中古車新規検査の手続きをする際に、その手続と同時並行で「紛失に対する願出書」を提出することで役割を復活させる、この方法しかありません。

中古車新規検査の手続きと自動車検査証返納証明書の復活手続き

通常の中古車新規検査の手続きを進める前に、まず「自動車検査証返納証明書の遺失等に係る新規検査願出書」を用意します。

自動車検査証返納証明書の遺失等に係る新規検査願出書

自動車検査証返納証明書の遺失等に係る新規検査願出書(軽自動車検査協会の窓口で入手)

この書類に記入する内容は下記のとおりです。

①自動車検査証を返納したときの「車両番号」または「車台番号」

②同じく返納時の「所有者氏名」または「名称」、「住所」

(※)返納後に所有者変更の手続きをしている場合はその「所有者」

③「新たな所有者氏名」または「名称」、「住所」

④自動車検査証返納証明書の交付があってから遺失(紛失)・盗難に至るまでの経緯及び現在の所有者に渡るまでの経緯

⑤遺失・盗難届を提出した警察署等の名称、届出年月日及び受理番号

(※)つまり紛失・盗難にあったら警察への届出が必須ということです。

⑥車が確かに存在することの確認となる車体番号の拓本(いしずり)

また、その他の書類として、使用の権限を有する事実を証明するために、以下の(A)(B)のいずれかが必要になります。

(A)「譲渡証明書」または「売買契約書」

(B)「古物取扱許可証の写し及び当該車両の受け入れを示す書面」

通常の中古車新規検査(ただし、まだ事前審査がある)

上記「自動車検査証返納証明書の遺失等に係る新規検査願出書」の書類と付属提出物が揃ったら、いよいよ通常の中古車新規検査に進みます。

ただし、通常の中古車新規検査は、必要書類が揃っていれば、その日のうちに手続きが完了しますが、この場合はそうはいきません。

つまり、通常の中古車新規検査に必要なすべての書類と一緒に「自動車検査証返納証明書の遺失等に係る新規検査願出書」と付属提出物をまず提出して、事前審査を受けます。

この事前審査には1週間前後かかります。

審査にパスしたという結果を受けたら、今度こそ、通常の中古車新規検査と同じ手続きの流れになります

すなわち、「事前審査がパスした」という結果が出たときが、自動車検査証返納証明書の効力が回復したとき、ということになります。

中古車新規検査の手続きの流れはこちらを参考にしてください。

⇒⇒一時抹消していた軽自動車を再度登録する(「中古車新規検査」)