【プチ調査】タイルデッキで後悔?バーベキューにいいですよ。
一軒家を建てる場合、建屋が出来上がっただけではまだコンプリートとは言えず、最終的には、門塀、アプローチ、庭の植栽といった外構工事が出来上がった時点で、初めてマイホームの完成となります。
その外構工事の中で、一般的にはリビングの延長として重要な位置を占めるのが、デッキあるいはテラスといった構造物でしょう。
建てる前から、
「絶対タイルデッキにする」
「ウッドデッキの似合う家を建てたい」
などと憧れのマイホームが完成する日を心待ちにしている人も多いと思います。
実際のところ、上に挙げた「タイルデッキ」と「ウッドデッキ」は多くの人が一度は頭の中で交互に思い描いたことのある、いわばライバル同士です。
最初からタイルデッキのことしか頭になくて、ウッドデッキのある家の姿を想像したことさえないような人は、むしろ稀でしょう。
だから、建てる前にも悩みますし、建てた後でも「アチラにしておけばよかった」と後悔するケースもあるでしょう。
そこで、建てた後にこうした後悔の念に悩まされないように、タイルデッキの特徴をウッドデッキと比較して見ておきたいと思います。
タイルデッキの特徴
一般的に、タイルデッキには次のような特徴があると思います。
事前にメリットとデメリットをよく考えて、後で後悔しないようにしてください。
<メリット>
- 耐久性があるので、欠けや剥がれなどの小補修はあるかもしれないが、長い年月使用することができる
- ウッドデッキのように、床下の雑草対策、野良猫等の小動物の侵入の心配がいらない
- バーベキューなどした場合、ウッドデッキのように床板の隙間に食べ物を落とす心配がなく、火のついた木炭を落としても火事の恐れはなく、またあれこれ汚しても掃除が簡単
- ウッドデッキのように腐食して白アリの発生を許す心配がない
- ウッドデッキの床面はリビングの床面とほぼ同じくらいの高さに設定することが多く、雨などの跳ね返りが起きやすいが、タイルデッキはリビングの床面から最低でも階段1段分くらい下に設置するケースが多く、防湿面で安心なことが多い(屋根を付けることでリビング床と同じくらいの高さにもできますが)。また、タイルデッキは庭の地面からの高さがウッドデッキより低いので、小さな子供がいる家庭でもデッキに柵などを付けなくても危険性がないケースが多く、すっきりしたスタイルを保てる場合が多い。小さな子供がいる家庭では、この地面からの高さは、けっこう大事なポイントになるはず
- タイルデッキに使用するタイルは、たとえば玄関の内部に使用される表面がツルツルの素材は使わず、意図的に凹凸のある滑りにくい素材を使用するのが普通だが、それでも雨で濡れている状態では滑りやすくなり、高齢の家族では事故が発生しやすい
- タイルデッキの面積が大きければ大きいほど庭の雑草対策になる。もしも庭一面がタイルデッキならどこにも草が生えなくなる
- (いつもきれいにしておくという条件付きだが)小さな子供が裸足で遊んでも足裏にケガをしにくい。ウッドデッキの場合は木材のささくれでケガをする場合がある。ただし、子供が転倒した場合の衝撃はタイルデッキの方が大きい
<デメリット>
- ウッドデッキより値段が高いのが普通なので初期費用がかかる
- 特に夏場、太陽の照り返しが建物内に反射して、眩しかったり暑かったりする。この点はウッドデッキの方に分がありそう
- ウッドデッキのように経年劣化が少ない点はタイルデッキのメリットだが、これはデメリットにもなりうることで、つまり、ウッドデッキのように「少しずつ年季が入っていく様を楽しむ」という味わいには欠けるかもしれない
上記のようなメリット・デメリットを考慮して、家族構成・予算・好みを総合的に判断して、後で後悔しない外構計画を立ててください。
タイルデッキ・ウッドデッキ共通の悩み
ライバルであるタイルデッキとウッドデッキの両方に共通した悩みもあります。
それは、生活の中でデッキを思い描いたとおりに使い尽くすには、周囲の視線をどの程度遮断するのが最適か、その程度に関しては、実際に住んで生活してみないとわからない、というところです。
すばらしい外観の建物と外構が出来上がったけれど、いざタイルデッキやウッドデッキでバーベキューをしたり朝食を取ったりしようとした際、お隣さんの視線や通行人の視線が気になって、心置きなく楽しむことができないケースがしばしばあります。
こうなると、せっかくお金をかけてデッキを作ったのに、何だか悲しい気持ちになるし、後悔の念も生まれるかもしれません。
その際、予算が足りなくて目隠しとなる塀や樹木を配置できなかった場合もあるでしょうし、「見て欲しい」という気持ちからあえて目隠しを付けなかった場合もあると思います。
もしも、予算不足で目隠しをつけなかった場合は、後日お金が貯まったところで見栄えのいい塀をつけたり、成長後の姿を予測して樹木を配置したりすればいいと思います。
また、周囲の人に自慢の庭を見て欲しいと思ってあえて目隠しをつけなかった場合でも、いざバーベキューなどをやる時に他人の視線が気になるようなら、後追いでいいので塀や樹木で目隠しをつけたほうがいいと思います。
このページのトップ画像のように、ひときわ高い丘の上にぽつんと建っている家なら目隠しなど不要ですが、日本全国ほとんどの家の場合は、やはりある程度の目隠しがないと、タイルデッキであろうがウッドデッキであろうが思う存分ガーデンライフを楽しむことは困難です。
タイルデッキを含めた外構工事を自分でデザインする場合も、外構工事の専門店に依頼する場合も、後で後悔しないようにするには、タイルデッキの視覚的デザイン性だけでなく、実際に食事やお茶やバーベキューなどをする際の周囲の視線に関しても、事前によく考えて設計していただきたいと思います。
いずれにしても、タイルデッキにするかウッドデッキにするかという問題よりも、実際に生活する場面では、この目隠しの問題の方がはるかにずっと重要な問題になります。
ごく少数のケースでしょうが、デッキが実際に気兼ねなく使えようが使えまいがそんなことはどうでもよくて、とにかく自慢の建物と自慢の外構を通行人や近所の人に眺めてもらえればそれでいいんだ、という方もいらっしゃるでしょう。
けれども、やはり、せっかく作ったタイルデッキなのだから、好きな時に好きな使い方を周囲に気兼ねなくやりたいですよね。
そのためには、後で後悔しないように、タイルデッキの配置や大きさやデザインや素材にエネルギーを注ぐだけでなくて、目隠しとなる塀や植栽に関してもプロの意見によく耳を傾けて設計していただきたいと思います。
とは言え、目隠しに関しては、後付けでも十分に対応できることなので、あまり心配することではないかもしれませんが。
まとめ
あくまでも一般論になりますが、タイルデッキは高級感があり、重厚感があり、湿気に縁遠いことからくる清潔感があり、お金持ちに見えるのは間違いないと思います。
ウッドデッキでも目を見張るようなカッコいいものがごく稀にありますが、やはり、タイルデッキの方が格上に見えることが多いと思います。
中には予算とかに関係なく、好みの問題として、とにかくウッドデッキが好きだという人もいらっしゃるでしょう。しかし、そうでなければ、耐久性や使い勝手や見た目の豪華さなどを総合的に判断すると、タイルデッキのほうが後で後悔する確率は小さいのかもしれません。
私がネットでプチ調査した結果でも、タイルデッキにして後悔している人の声はあまり聞こえてきませんでした。
不満の声もあるにはありますが、よく読むと、ただ単に施工がいい加減でタイルがはがれて困っているといった内容で、申し訳ないけれど、それはタイルデッキだから発生した問題ではなく、悪い業者に当たってしまったから発生した問題にすぎません。
そうした問題はウッドデッキだって同様に発生しています。
タイルデッキにしたが故に後悔している人は、そう多くはないと思います。
夢のマイホームです。
建屋だけがマイホームではありません。
デッキを含めた外構工事がすべて完成した時こそ、夢のマイホームがコンプリートする時です。
実際に使えなくてもいい、近所の人にカッコいいと思ってもらえればそれでいい、という施主さんもごく少数ながらいらっしゃるかもしれません。
でも、そういう変人は別にして(失礼)、普通の人なら、やはり「使ってナンボ」という視点でタイルデッキをデザインしていただきたいと思います。
当然、予算による制約はあるでしょうが、そこが腕の見せ所。ほとんどの人は建屋だけで予算はいっぱいいっぱいで、外構工事に回すお金はほんのわずかであるのが普通です。
その中でも、ウッドデッキよりお金のかかるタイルデッキを作ろうというのですから、その時点であなたはある程度の「お金持ち」です。※冗談ではなくほんとにそう思いますよ。私は家本体だけで精一杯でしたから
ぜひ後悔のないタイルデッキを構想し、デザインに落とし込み、完成に導いていただきたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。