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【プチ調査】もずく酢は危険?デメリットは?効果にはどんなものが?
※トップ画像はミツカン・おうちレシピのもずく酢
スーパーで小さな正方形のパックで売られていることが多いもずく酢ですが、いまでは納豆や豆腐と並んで食卓の大定番食品の一つとして親しまれています。
もずくはそうめんみたいに長細く、途中で枝分かれしている糸状藻類で、日本国内で消費されるもずくの約95%が沖縄産であり、さらにそのうちの約90%が養殖ものです。
もずくは、フコイダンやアルギン酸やミネラル、さらにヨウ素などを豊富に含んでいて、これに酢をあえたもずく酢となると、酢の健康効果がプラスされるので、美肌、ダイエット、糖尿病・高血圧予防、免疫力強化などなど、様々な美容・健康効果が期待されているスーパーフードの一つです。
そんなもずく酢ですが、一部口コミに「もずく酢は危険だ」「もずく酢にはデメリットもある」「そもそももずく酢に効果が期待できるのか」などなど否定的な意見があります。
私自身、納豆や豆腐ほどではないものの、もずく酢を食卓にのせる頻度は高いので、そんな悪い口コミはどうしたって気になります。
そこで「もずく酢は危険?デメリットは?効果にはどんなものが?」についてプチ調査した結果がこのページです。
参考になさってください。
もずく酢は「危険」で「デメリット」がある食品か?
まず、もずく酢に対する危険性とデメリットを指摘する口コミをご紹介します。
それは4点に絞られます。
- ヨウ素の過剰摂取による危険とデメリット
- 塩分の過剰摂取による危険とデメリット
- 水溶性食物繊維の過剰摂取による下痢の危険とデメリット
- カロリーの過剰摂取による危険とデメリット
順番に解説します。
①ヨウ素の過剰摂取による危険とデメリット
(甲状腺疾患やがんを誘発)
もずく酢にはヨウ素が含まれていますが、ヨウ素は普通の人の体にも重要なミネラルですが、とりわけ妊娠を維持するために必要なミネラルです。
ヨウ素が不足すると、筋力が低下したり様々な発達障害を引き起こす原因になり、妊婦さんにとって欠かせない栄養素です。
けれども、このようにヨウ素が大事な栄養素であることが知れ渡るようになると、一部の人の中に、「では毎日たくさんたくさんヨウ素を摂取しよう」という過激な人が出てきてしまうようです。
1日にもずく酢を3パックとか4パック食べるような過剰摂取状態の人が出てきます。
ヨウ素の1日の摂取量目安は、1日0.13mg (20歳以上の女性)です。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
もずく酢には1カップ(60g)当たり、約2.5mgのヨウ素が含まれています。
つまり、1日に1カップですでに容量オーバーですから、3カップとか4カップのもずく酢を食べたらヨウ素の過剰摂取になるのは明白です。
このように、ヨウ素の過剰摂取を毎日続けると、甲状腺疾患やがんを誘発する可能性が指摘されています。
具体的には、ヨウ素の過剰摂取は甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。
甲状腺は喉仏の下にある蝶のような形をした臓器です。ホルモンを作って分泌する働きをします。
この甲状腺が正常に働かないと、全身に様々な症状が現れてきます。はっきりと病名がつかないけれど、でも調子が悪い。調子が悪いけれど、なかなか原因が特定されない、といったつらい思いを味わう人も多いといわれています。
ただし、ヨウ素の過剰摂取に関しては、次のような指摘もあります。
「日常的にヨウ素を摂取していると、常に甲状腺にヨウ素が足りている(充足)状態となります。ヨウ素充足状態では、新たにヨウ素を摂取した場合でもヨウ素の甲状腺への取り込み率は小さく、多くが尿として排出されることが分かっています。」 環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」(平成29年度版) |
したがって、もずく酢を1日に3パックとか4パック食べたとしても、上記環境省の説明が正しいとするなら、何日も連続して大量摂取するのでない限り、あまり心配することではないかもしれません。
けれども、仮にヨウ素の過剰摂取による甲状腺疾患やがんの心配は少なかったとしても、②の「塩分の過剰摂取による危険とデメリット」の問題は残ります。
②塩分の過剰摂取による危険とデメリット
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、塩分の推奨量は1日6.5g未満(20歳以上の女性)とされています。
もずく酢1パック(60g)には0.9gの塩分が含まれています。※製品により微妙に異なります。
もしも1日3パックとか4パック食べると、2.7g(0.9g×3)~3.6g(0.9g×4)となります。
これだけならまだ推奨量以下で安心ですが、塩分というのはほとんどの食材に含まれているのが普通なので、他の食べ物に含まれる塩分とトータルで計算すると、1日の推奨量をオーバーする可能性が高くなります。
(高血圧・脳卒中・心筋梗塞・腎不全・骨粗しょう症・胃がんを誘発)
塩分も人間の体に必須の重要な栄養素です。
しかし、塩分の過剰摂取は、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの循環器系の病気を引き起こすことが知られています。
また、腎不全や骨粗しょう症を誘発し、発がん性物質の影響を受けやすくなり、特に胃がんのリスクが高まるといわれています。
塩分の過剰摂取って、実は怖いんです。
③水溶性食物繊維の過剰摂取による危険とデメリット
(下痢)
もずく酢に含まれる水溶性食物繊維は便を軟らかくするはたらきがあり、便秘改善に役立ちます。
しかし、水溶性食物繊維を摂り過ぎると、お腹の水分量が過剰になって、便秘改善を通り越して下痢を引き起こすことになります。
④カロリーの過剰摂取による危険とデメリット
もずくは低カロリーの食品で、100gあたり4kcal位しかありません。
けれども、これは「もずく」の話であり、「もずく酢」では話は別です。
もずく酢はもずくに食酢をプラスしているので、食酢が持つカロリーが加わることになり、もずく酢1パック(60g)では40kcal位のカロリー値になります。※もちろん製品により微妙に異なります。
もずくがダイエットにもいいということで1日3パック食べ続けたとすると、毎日120kcalを「余分に」摂り続けることになります。
カロリー摂取がもずく酢からだけなら問題ありませんが、他の食品からも摂るのが普通ですから、もずく酢の分はまさに「余分」なものになります。
このように、「もずく」と「もずく酢」を同一視している人はけっこう大勢いるようです。
1日1パックまたは週に2,3パックなら「危険」も「デメリット」もない
「もずく酢は危険?デメリットは?効果にはどんなものが?」がこのページのテーマですが、ここまで解説してきたように、「危険」と「デメリット」に関しては、まさに食べ過ぎさえしなければ問題ないことがおわかりいただけたと思います。
1日1パックのもずく酢を食べ続けるのは健康にいいことです。問題ありません。
また、摂り過ぎたヨウ素は尿として排出されるとはいえ、余剰分がすべて完全に排出されるかどうかは不安が残るところなので、そういう意味で、週に2パック~3パックくらいにとどめておけば、さらに安心ではないかと思います。
もずく酢に期待される効果・効能
もずく酢は、海藻のもずくと食酢を合わせた食品であり、極端な過剰摂取をしない限り、体にいい食べ物であることはごく普通に予想されることです。
実際、もずく酢には様々な効果・効能が期待されています。
以下の効果・効能は、厳密な実験結果による数値データがあるものではなく、あくまでも一般的に期待される効果・効能です。
ただ、日頃からもずく酢を食べている人は、体感的に「疲れがとれやすい」「体調がいい」といった効果・効能を感じている人も多いと思います。
(肌のつや・ハリ・保水力を高める効果)
もずく酢に含まれるフコイダンと豊富なミネラルには、肌の保湿力を高めるはたらきがあります。
肌のハリやつやをキープさせ、目尻や口元のシワを抑える効果が期待できます。
もずくだけでもそうした効果が期待できますが、もずく酢として酢を一緒に摂取すると、体の様々な代謝が高まり、糖分や脂肪がより燃焼しやすくなり、美容効果がさらに高まるといわれています。
(ガン予防効果)
フコイダンの抗酸化力がガン予防にはたらくことが期待されています。
(胃潰瘍の予防)
フコイダンの抗酸化力は、ピロリ菌を抑えるはたらきがあるともいわれています。
これにより胃潰瘍の症状が悪化することを防ぐ効果が期待できます。
(骨粗しょう症予防効果)
もずく酢に含まれるカルシウムやマグネシウムが丈夫な骨を作ります。
(糖尿病・高脂血症の症状緩和効果)
もずく酢に含まれるフコイダンやアルギン酸にはコレステロール値を下げるはたらきがあり、また、糖質の吸収を抑制するはたらきがあるので、糖尿病や高脂血症の症状を緩和する効果が期待できます。
(デトックス・腸内環境を整える効果)
もずく酢に含まれる豊富な食物繊維が善玉菌の栄養源になり、腸内環境が改善し、腸のはたらきを整えてくれる効果が期待できます。
(ダイエット効果)
もずく酢に含まれる水溶性食物繊維は、血糖値の急上昇を抑える作用があります。
血糖値の上昇がゆるやかになると、インスリンにより血中の糖分を脂肪としてためる作用を抑制することになり、ダイエット効果が期待できます。
また、もずく酢の豊富な食物繊維が体内の老廃物を排出し、腸内環境を整えてくれるので、ダイエット中の内臓のはたらきをより正常化する効果が期待できます。
その他、もずく酢には、二日酔い予防、免疫力を高める効果、風邪予防、むくみの解消、痛風予防などの効果・効能が期待されています。
「もずく」と「もずく酢」は違う
ネットを見渡したところ、たいてい次のような記述がみられます。
「もずくは低カロリーで食物繊維やミネラルが豊富であり、ダイエットにもおすすめ」
確かに、もずく100gあたりのカロリーは4kcal~5kcal程度ですが、これは「もずく」だけの数値です。
でも、私たちがもずくを食べるとしたら、本場沖縄県はともかく、ほとんどの場合が「もずく酢」として食べるのではありませんか?
そして、もずく酢として食べる場合のカロリーは、100gあたりで60kcal~70kcalになり、スーパーで売られている60gのパックに換算すると約40kcalになります。※製品により異なりますが。
もずく酢の場合、もずくの他に合わせ酢を使いますから、食酢の糖分や塩分が含まれ、カロリーが増えるだけでなく塩分も増えます。
特にダイエットのための食材としてもずく酢を考える場合は、もずくだけの数値ともずく酢の数値を区別して考える必要があります。
以下は、「もずく酢」ではなく「もずく」の成分です。
「もずく」の成分
※効果・効能の章と記述が重なる部分があります。
- フコイダン:水溶性食物繊維。含有量は藻類の中でトップ。体内の余分なナトリウムを排出し、コレステロール値を下げる働きが期待され、糖尿病や高脂血症の方にも効果が期待されます。抗酸化力が強く、がん予防に効果が期待されるだけでなく、胃潰瘍を発症させるピロリ菌を抑える働きやすでに出来てしまった胃潰瘍を修復する働きも期待される成分です。また、血液をサラサラにすることにより生活習慣病の予防に効果があると期待されていますし、そもそもフコイダンは加熱により体内で使用されやすい形になるため、天ぷらやみそ汁などに使用することも効果的といわれ、特に天ぷらは沖縄などではポピュラーな食べ方です。
- カリウム:摂取しすぎた塩分を排泄し、血圧を下げる働きをします。また体内の塩分量が正常になることで、むくみ予防の効果にも繋がります。
- カルシウム:体内のカルシウムの99%が歯と骨に利用されます(骨粗しょう症の予防効果)。残りの1%は血液の凝固作用や神経興奮の抑制などのはたらきをしています。マグネシウムと同様、カルシウムが不足するとインスリンが正常に分泌されず、血糖値が高くなるリスクが増えます。
- マグネシウム:歯や骨を生成したり、筋肉の収縮をコントロールするはたらきをします。また、マグネシウムは酵素のはたらきを助け、代謝を高める機能もあります。マグネシウムが不足すると、カルシウム不足と同様にインスリンの分泌が少なくなり、血糖値が高くなる恐れがあります。
- ヨウ素:美肌作りにも効果的。健康な人はヨウ素の摂取が過剰であっても、排泄によって体内のヨウ素量を調節することができるので、あまり食べ過ぎを気にしなくてもいいですが、甲状腺に異常のある人は摂取量を管理したほうがいいです。
(その他の成分)
- アルギン酸
- ビタミンA(β-カロテン当量)
- ビタミンB2
- ナトリウム
- リン
- 鉄分
- フコキサンチン
- 炭水化物
「酢」の健康効果
もずく酢は「もずく」と「酢」を合わせたものですが、ここでは「酢」単独の健康効果についてご紹介します。
酢に期待できる健康効果は、
- 食後血糖値の上昇抑制
- 体脂肪・内臓脂肪の減少
- 血圧低下作用
- 疲労回復
などです。
1日あたり15mL(大さじ1杯)程度を継続して摂取するのが体にいいといわれています。
したがって、もずく酢は「酢+フコイダンなどの水溶性食物繊維」のダブルの効果があるので、血糖値上昇抑制効果などがより多く期待できます。
(かきざき糖尿病内科クリニック「お酢の効果と注意点」)
もずく酢の食べ方
もずく酢は、スーパーのパックをそのまま食べてもおいしいですが、それ以外にもいろんな楽しみ方があります。
(ちょい足し)
もずく酢に以下のものを付け足します。
- 塩もみしたきゅうり
- カニカマ
- たこ
- わかめ
(トッピング)
豆腐にもずく酢をかけると味と食感がランクアップします。
(スープ)
もずく酢は加熱しても栄養価に変化がないといわれています。スープに入れるとフコイダンが溶けだし、体への吸収効率がさらにアップします。
また、もずく酢のぬめりが食感に貢献し、とろみのあるおもしろいスープになります。
その他、もずく酢はお吸い物、雑炊にもあいます。
沖縄ではもずくの天ぷらが人気と書かれたサイトがたくさんありますが、あれは「もずく」です。「もずく酢」の天ぷらではないと思います。でも、もずく酢の天ぷらもおいしいかもしれません。こういうことは一度やってみないとわからないと思います。失敗しても話のネタが増えるのでメリットしかないです。
まとめ
「もずく酢は危険?デメリットは?効果にはどんなものが?」のテーマで解説してきました。
もずく酢を食べ過ぎると、様々なデメリットが浮上しますが、危険と呼ぶほどのものではありません。
明白に危険といえるのは、もともと甲状腺を患っている人が食べ過ぎた場合に、もずく酢に含まれるヨウ素が体を危険な状態にする可能性です。
これ以外に考えられる危険やデメリットは、いわばマイナートラブルというレベルにとどまるものです。
もずく酢を1日に1パック(60g)程度食べ続けるのであれば、何の問題も発生しないでしょう。
週に2パック~3パック程度であっても、スーパーフードであるもずく酢の豊富な栄養素が美容や健康に大いに貢献してくれるはずです。
私は、「もずく」の天ぷらも食べてみたいですが、「もずく酢」の天ぷらも試してみたいです。※コロモをかぶせるのが難しそうですが
ご覧いただきありがとうございました。