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【記事丸わかり】
⇒⇒食べ方の基本は「1日25gを5回」に分けること(東洋経済オンライン) |
【プチ調査】高カカオチョコレートのデメリットは?食べ過ぎは良くない?
高カカオチョコレートは、普通のチョコレートよりカカオ成分が多く、健康や美容にも良いとされていて注目が集まっています。コンビニでも手軽に買えるチョコレートで、ダイエット食品としても人気がありますよね。
しかし、実は高カカオチョコレートは身体にいいことばかりではなく、意外に知られていないデメリットもあるのです。
今回は、高カカオチョコレートが有する様々な効果を踏まえた上で、「高カカオチョコレートのデメリットは?食べ過ぎは良くない?」という疑問について、分かりやすく解説します。
また、高カカオチョコレートを摂取するにあたり、
- 効果的な食べ方
- ワンポイントアドバイス
- 食べる時の注意点
についても紹介します。
これから高カカオチョコレートを取り入れたい方、既に取り入れているけど食べ過ぎていないか心配という方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
高カカオチョコレートとは?
チョコレートの主原料は以下の通りです。
- カカオマス
- カカオバター
- 砂糖
- 乳製品
- 香料
これらの原料を混ぜ合わせて、練り固めた食品がチョコレートです。
カカオ含有量が70%以上のチョコレートを、高カカオチョコレートと呼びます。
普通のチョコレートのカカオ含有量は30~40%なので、高カカオチョコレートはその2倍以上のカカオを一度で摂取できるため、健康に良いとされています。
普通のチョコレートと高カカオチョコレートとの違い
普通のチョコレートと高カカオチョコレートとの違いについて、プチ調査しました。
普通のチョコレートと高カカオチョコレートの成分※100gあたり
言うまでもなく、明治ミルクチョコレートが普通のチョコレートで、それ以外の2つが高カカオチョコレートです。
明治ミルクチョコレート | 明治チョコレート効果CACAO72% | 明治チョコレート効果CACAO95% | |
熱量(カロリー) | 558 | 569 | 603 |
タンパク質 | 8 | 11 | 14 |
脂質 | 35 | 41 | 51 |
糖質 | 52 | 33 | 14 |
食物繊維 | 3 | 11 | 15 |
ナトリウム | 60 | 5 | 5 |
カカオポリフェノール | 818 | 2533 | 2833 |
(引用:高カカオチョコレートの健康効果)
上記の表からも分かる様に、普通のチョコレートに含まれるカカオは818という値に対し、カカオ72%チョコレートは2533と3倍以上のカカオを含んでいます。カロリー、タンパク質、食物繊維も普通のチョコレートより含有率が高く、健康的な商品であることが分かります。
また、高カカオチョコレートを食べたことがある方は分かるかもしれませんが、高カカオチョコレートは普通のチョコレートよりも、カカオ独特の苦みが強いという特徴があります。
では、高カカオチョコレートに含まれる成分に、どのような効果があるのか見ていきましょう!
高カカオチョコレートの6つの効果
高カカオチョコレートのさまざまな効果について解説していきます。
①高血圧改善
高カカオチョコレートに多く含まれるカカオポリフェノールは、チョコレート独特の苦みや渋みを引き出す成分。このカカオポリフェノールを摂取することで、血管の詰まりを防いで血圧を下げる効果があります。
②動脈硬化予防
カカオポリフェノールは、強い抗酸化作用があります。そのため、酸化したコレステロールの働きを抑え、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立ちます。
③美容効果
強い抗酸化作用を持つ高カカオチョコレートは、しみ、シワ予防としてアンチエイジングも期待できる食品。老化の原因となる活性酸素を体内から除去し、身体の劣化を遅らせる効果があります。
また、カカオポリフェノールは紫外線を吸収する働きがあるので、日焼け対策にも効果が期待できるでしょう。
ここでプチ調査!
どれだけ強い抗酸化作用があるかというと、10円玉を普通のチョコレートと高カカオチョコレートに1週間浸けた結果、カカオ濃度が高いほどサビの落ち具合が高く、強い抗酸化作用があるということが確認できました。
この研究を中学生がしていることに驚いた筆者ですが、確かにこの研究で高い抗酸化作用があることが分かりました。
(引用:高カカオチョコレートの健康効果)
④アレルギーの予防
上記の実験からも分かるように、このような強い抗酸化作用は、病原菌やウィルスが体内に侵入することを防ぐ免疫向上の役割もあります。花粉症やアトピーといったアレルギーの発症を抑えた、という研究結果もありました。(参考:みんなの健康チョコライフ)
⑤便秘改善
カカオに含まれるカカオプロテインは、難消化性たんぱく質で小腸に吸収されずに大腸に直接届く成分。そのため、腸内環境を改善する効果が期待できます。
また、普通のチョコレートの3倍の食物繊維を含んでいるため、便秘改善やダイエットにも向いている食品です。
⑥ストレス改善効果
高カカオチョコレートに含まれる「マグネシウム」や「テオブロミン」は、幸福感を高めストレス軽減が期待できるとされています。
また、アメリカの調査では、高カカオチョコレートを摂取している人は、抑うつ症状の可能性が低いという結果も。これは意外に思われるかもしれませんが、高カカオチョコレートにはイライラの原因となる、血中のストレスホルモンの分泌を抑える働きがあると言われています。
このように、高カカオチョコレートは健康面だけではなく美容、アレルギー対策、ストレス改善など様々な効果があることが分かりました。しかし、上記の成分表からも分かるように、普通のチョコレートに比べて、カロリーや脂質が多い点が気になるところ。
次の章では高カカオチョコレートのデメリットについて、解説していきます。
高カカオチョコレートのデメリットとは?
独立行政法人 国民生活センターによると高カカオチョコレートを摂取するにあたり、問題点についての調査報告がありました。(参考:高カカオをうたったチョコレート(結果報告)
デメリットについて確認していきましょう。
脂質の含有量が高い
高カカオチョコレートは、脂質とカロリーの含有量がが高いという点がデメリットです。
脂質とカロリーの割合
チョコレートの種類 | 脂質の割合 | カロリーの割合 |
普通のチョコレート | 34.2-36.1% | 56.2-57.1% |
高カカオチョコレート | 40.7-53.5% | 59.2-65.5% |
上記の表からも分かる様に、脂質、カロリー共に普通のチョコレートより高カカオチョコレートの割合が多く「食べ過ぎ」は禁物。食べ過ぎると肥満になるだけではなく、高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病の原因となるため注意が必要です。
カフェイン・タンニンの危険性
高カカオチョコレートは、100gあたり70~120mgのカフェインを含んでいます。カフェインの過剰摂取は、
- 中枢神経の刺激によるめまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 震え
- 不眠症
- 下痢
- 吐き気
などの健康被害をもたらすことがあります。
また、妊娠中の過剰摂取はおなかの赤ちゃんの発達不良など、胎児への影響やリスクが高まります。イギリスでは妊婦に対し、1日あたりのカフェインの最大摂取量を200mg、およそコーヒー2杯分に制限するように求めています。
カフェインはお茶、紅茶にも多く含まれているので、特に妊婦や授乳中の方は過剰摂取に気を付けなくてはなりません。
さらに、高カカオチョコレートに含まれる「タンニン」も注意が必要です。貧血予防にチョコレートがいい!と良く聞きますが、「タンニン」は鉄の吸収を妨げ、食べ過ぎると便秘や腹痛になる可能性があります。
金属成分を含んでいる
高カカオチョコレートにはカドミウムやニッケルなど、発がん性のある金属を含んでいます。
独立行政法人 国民生活センターの調査結果がこちら。
金属成分 | 普通のチョコレート | 高カカオチョコレート |
カドミウム含有量 | 4-12μg | 5-45μg |
ニッケル含有量 | 140-180μg | 300-590μg |
カドミウムは、猛毒の金属として発がん性物質のひとつと言われている成分で、一度摂取すると肺や腎臓に蓄積しやすく、骨粗しょう症や腎臓機能低下のリスクもあります。また、普通のチョコレートの4倍以上のニッケルを含み、金属アレルギーの発症が心配されています。
高カカオチョコレートを摂取した場合、このような金属成分はすぐに健康被害が出るという訳ではありませんが、食べ過ぎは注意が必要です。
残留農薬
高カカオチョコレートの原材料であるカカオ豆から残留農薬が検出され、廃棄が行われたという報告も見つけました。残留農薬はめまいや吐き気、発熱、皮膚のかぶれなどアレルギー反応を起こす場合があり、お子さんや妊婦の方は特に注意が必要です。
添加物もチェック
高カカオチョコレートには品質を維持するために、添加物が入っているものもあります。
- 植物性油脂
- 乳化剤
などが入っていないか、裏面の成分表を購入前にチェックしておくと安心です。
植物性油脂は、いわゆるトランス脂肪酸と言われ、欧米では使用が禁止されている地域もある危険なもの。悪玉コレステロールを増加させて、アレルギーやアトピーの原因にもなるため、注意しましょう。
食品の保存性や、口当たりを高めるために使用される乳化剤も、アレルギーが出やすい添加物です。頭痛、蕁麻疹、花粉症、アトピー、下痢、便秘など身体に不調が出やすい人は気を付けましょう。
高カカオチョコレートの食べ過ぎは良くない?
高カカオチョコレートのメリット、デメリットについて解説しました。メリットと感じる部分は多いものの、食べ過ぎによる体重増加は、動脈硬化、糖尿病のリスクなど様々な健康被害につながります。
高カカオチョコレートは一見身体に良さそうですが、苦みを抑えるためにミルクや砂糖など糖分や脂肪分が含まれているため、食べ過ぎには注意です!
効果的な食べ方
食べ過ぎは良くありませんが、効果的な食べ方で高カカオチョコレートを上手に摂取すれば、効果を実感できるので、その方法をいくつかご紹介します。
摂取目安はどれくらい?
高カカオチョコレートを効果的に取り入れるなら、1日の摂取量の目安を参考にして食べ過ぎを防ぎましょう。
高カカオチョコレートの1日の目安量=25g(板チョコ3~5片分)
厚生労働省の「食事バランスガイド」によると、1日のお菓子・嗜好飲料品の摂取目安は1日200kcalとされています。高カカオチョコレートは25gほどで140~180kcalなので、他に摂取するものを考えると25g程度が適量です。
高カカオチョコレートはいつ食べるのがいいの?
ダイエット食として注目を浴びる高カカオチョコレート。効果的に食べるなら、朝昼夕の食事前に1かけ、2かけ食べるのがおすすめ。
食前に食べることで満腹感が得られ、食欲を抑制してダイエットにつながります。1日に1回ではなく、複数回少量に分けて摂取するのがいいでしょう。
ワンポイントアドバイス
食べ過ぎに注意して1かけ2かけおやつに取り入れるなら、以下の方法もおすすめです。
ミルクやココアに溶かす
苦みが強い高カカオチョコレートは、温めたミルクやココアにひとかけら入れてみてください。程よく飲み物に溶けて、苦みを感じにくくなります。
午後のおやつの時間にぴったりの摂取方法なので、試してみてはいかがでしょうか?
カレーに入れる
我が家ではこの方法をよくやるのですが、高カカオチョコレートをひとかけらカレーに入れるとコクが出て美味しいカレーに仕上がります。やり方は簡単で、最後の仕上げにひとかけら入れて溶かすだけで、カレーに奥深いコクが出て美味しいですよ。
食べる時の注意点
高カカオチョコレートを食べるときは、以下の事に注意しましょう。
アレルギー体質の人は気を付けて
カカオアレルギーは、口内の痛みだけではなく蕁麻疹、吐き気、胃もたれ、下痢、嘔吐、鼻血、腹痛、痙攣などさまざまな症状をもたらします。また、金属成分がその症状を悪化させる場合もあるため注意が必要です。
口内に異変を感じたら、すぐに摂取をやめて病院に行きましょう。
妊婦さん、授乳中のママさんは控えましょう
デメリットでもお伝えしましたが、食べ過ぎるとカフェインの摂取量が多くなり胎児への影響が懸念されます。また、妊婦さんは妊娠糖尿病や虫歯の原因になるため、過度な摂取は控えましょう。
遅い時間やコーヒーと一緒に摂るのも✕
遅い時間帯の摂取は脂肪を吸収しやすくするため、ダイエット目的で高カカオチョコレートを取り入れている方は要注意。そして、コーヒーや紅茶などカフェインを多く含む飲料と高カカオチョコレートを一緒に摂ると、1日の摂取目安である200mgを超えてしまうので、1日のカフェインの量を意識して摂取しましょう。
(※)日本では、1日あたりのカフェインの推奨摂取量(上限)を、成人300mg、妊婦200mgくらいにすべきだという見解が大勢を占めています。(参考:食品安全委員会)
まとめ
今話題の高カカオチョコレートについて、デメリットと食べ過ぎは良くない?というテーマに絞りプチ調査してきました。高カカオチョコレートは、デメリットもあり国民生活センターからは注意喚起がされている食品です。しかし、1日の摂取目安を参考に食べ過ぎを防いで摂取すれば、健康効果が期待できます。
上記のワンポイントアドバイスを参考に日常生活に上手に取り入れて、高カカオチョコレート生活を楽しんでみてはいかがでしょうか?
ご覧いただきありがとうございます。
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