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【プチ調査】黒酢を飲むタイミングは食前?食中?食後?
今では知らない人がいないくらいすっかりお馴染みの名称となっている黒酢ですが、JRA規格(農林水産大臣による品質保証規格)では「米黒酢」として下記のように定義されています。
穀物酢のうち、原材料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いて精白したものを除く。つまり玄米のこと)又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、かつ、発酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したものをいう。
※引用文は一部補足修正してあります。玄米の部分。
たとえば米酢と比較すると、米酢の場合は精米した白い米を主な原料としていますが、黒酢は精米ではなく玄米をベースにして、これに大麦などのやはり精白前の穀類を原料として醸造されます。
これが色の違いとなって現れています。
日本で最初に黒酢が造られたのは鹿児島県です。1975年に鹿児島県福山町(現在は霧島市福山町)の坂元醸造株式会社が壺つくりの米酢を「くろず(黒酢)」と命名して全国販売したことが最初といわれています(Wikipedia)。
黒酢が全国区の知名度を誇る健康食材となったのは、黒酢に含まれるクエン酸とアミノ酸に注目が集まったからです。
クエン酸は疲労回復に、アミノ酸はダイエットに、それぞれ効果が期待されることが知れ渡るにつれて、様々な商品が開発されるようになったわけです。
そんな黒酢ですが、原液はまさに濃縮液であり、これをそのまま飲むことはまず無理で、いろんな飲み物で希釈して飲むのが一般的です。
また、そのままでも飲めるように希釈したドリンク類も数多く販売されています。
そこで、このページのテーマですが、
「黒酢を飲むタイミングは食前?食中?食後?」
というものですが、結論を言いますと、
「食中か食後がいいのでは」
ということになりそうです。
黒酢は薬ではなく、あくまでも健康食品なので、飲むタイミングについては医師による明確な決まりごとはありません。
私たちが実際に試して一番自分に合うタイミングを見つければいいのだと思います。
ただし、誰にでも当てはまるであろう注意点というものがあり、それを考慮すると、やはり食中とか食後が好ましいということになりそうです。
以下、その根拠を詳しくご案内したいと思います。
食前のタイミングは逆効果の場合が
黒酢に注目している人は、健康増進のためだけでなく、ダイエット目的の方が多いと思うのですが、この場合、食前に黒酢を飲むのは逆効果になる可能性があります。
黒酢に含まれる「酢酸」は唾液の分泌や胃酸の分泌を促す作用があります。つまり、食前に飲むと食欲が増進されて食事の量が多くなってしまい、ダイエット目的に逆行します。
これが食中とか食後であれば、食べたものをしっかり消化吸収する働きを助けますし、黒酢そのものの成分もしっかり吸収できることになります。
空腹時のタイミングは避けたほうがいいのでは
黒酢を食前に飲むと唾液や胃液の分泌を促進すると書きましたが、朝起きてすぐに黒酢を飲んだり、就寝前に飲んだりすることは、まさに唾液や胃液の分泌を促進することになって、胃が荒れる原因になります。
もっとも、これとは正反対の見解もあり、就寝前は体の機能が休息しつつある状態なので、このタイミングで黒酢を飲めば胃や腸のメンテナンスになる、というのです。
おそらく、これは黒酢をどのくらい希釈するかにもよる話だと思います。希釈率を高めた薄めの黒酢であれば、朝一番や就寝前でも大きな問題にはならないのかもしれません。
黒酢は薬ではないので、そもそもどのタイミングで飲めばいいのか、確定的なルールはありません。
やはり、わたしたちが実際にいろんなタイミングで飲んでみて、その結果を自分の体と相談して判断するのが最良の方法なのかもしれません。
黒酢の飲み方
黒酢を飲むタイミングも大事ですが、黒酢は通常ならそのままでは飲めませんから、どの程度希釈するか、どんな飲み物で希釈するか、どのくらいの量を飲むといいか、こうした点も重要です。
一般的に、黒酢は下記のような飲み方が推奨されています。
- 飲む量:1日に15ml~20ml程度
- 希釈率:3倍~10倍程度。これは黒酢製品の濃度にもよるので自分で試してみてちょうどいい濃さを探ってください。
- 何で希釈するか:水、お湯、ジュース、炭酸水など。ただし、糖分を多く含むもので希釈すると余分なカロリーを摂取することになるので、できるだけカロリーのないものが望ましいと思います。
- 飲む回数:1日に飲むべき量を一度に飲むより、数回に分けて飲む方が体への負担が少なく、また効果が発揮されやすいと言われています。朝、昼、夜の食中か食後。毎日トレーニングをしている人はトレーニング後に飲むと疲労回復効果が高く発揮されるようです。
黒酢の成分と期待される効果・効能・作用
このページのテーマは「黒酢を飲むタイミング」についてですが、黒酢の成分や期待される効果等も改めて確認しておきたいと思います。
- 酢酸:黒酢の主成分である酢酸は体内に入ってからクエン酸になります。クエン酸は疲労原因物質として知られる乳酸を分解する働きがあります。またクエン酸以外にもコハク酸やリンゴ酸やフマル酸といった、いわゆる有機酸と呼ばれる酸が含まれていて、これらはカルシウムの吸収をアシストしたり腸内環境を整える働きが知られています。
- 必須アミノ酸:そもそも論として、人間の体は20種類のアミノ酸でできています。そのうちの9種類が必須アミノ酸と呼ばれ、いずれも人間の体のなかでつくることができないために食事によって補給する必要があります。具体的には、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、ヒスチジンの9種類です。黒酢にはこの9種類の内でトリプトファンを除いた8種類の必須アミノ酸が含まれています。これはすごいと思います。
- ビタミンB群:黒酢にはビタミンB群が含まれていて、健康維持や新陳代謝を促進する作用が知られていますが、ビタミンB群は体内に蓄積できない性質があるので、必須アミノ酸と同様に毎日の食事から摂取する必要があります。
- ミネラル:黒酢に含まれるミネラル成分には、鉄、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、マンガンなどがあり、これらは微量ではありますが体の生理機能のバランサーとして活躍する成分です。
上記の記述と重なる部分もありますが、黒酢が私たちの体にもたらす作用について、もう少し見ていきたいと思います。
- 疲労回復作用:黒酢の成分である酢酸は体内に入ってクエン酸になりますが、クエン酸は疲労物質として知られる乳酸を分解する作用が知られています。黒酢に限らず「すっぱいものは疲れを取る」とよく言われますが、これが根拠になると思います。
- 防腐作用:黒酢に含まれる酢酸の効能として高い殺菌作用・防腐作用があります。酢酸はph値が低いのでほとんどの細菌や微生物が生息できません(O-157を除く)。酢酸の抗菌力は有機酸の中で最も高いと言われています。寿司のシャリが酢飯なのは生の魚介類を殺菌するためだとも言われています。
ただし、上記の疲労回復作用や防腐作用は黒酢のみに当てはまるものではなく、酢酸を含む他の食材一般にも言えることです。
やはり、黒酢だからこその効果・効能という意味では、必須アミノ酸を8種類含有している点が大きいのだと思います。
まとめ
黒酢を飲むタイミングはいつがいいのか?
これがこのページのテーマですが、黒酢は薬品ではないので医師による指示というようなものはなく、あくまでも自分で試して飲むタイミングを決めればいいと思います。
ただし、一般的には、食事中または食後、あるいは運動後が飲むタイミングとしては適していると言われています。
また、黒酢を希釈する際、カロリーを含まないもので薄めたほうが好ましく、さらに、1日に飲むべき量を一度に飲むのではなく、数回に分けたほうがより吸収されやすく体内での作用もより有効に働きやすいと言えます。
黒酢は体の中では作ることができない必須アミノ酸9種類の内の8種類を含有する食品である点が他の食品と大きく異なる最大の特徴・特性・優位点です。
ご覧いただきありがとうございました。