車上荒らし・車上狙いは保険の対象?窓ガラス修理も車両保険が使える?

車上荒らし・車上狙い・保険・窓ガラス修理・車両保険・盗難・一般条件・エコノミー

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【記事丸わかり】

  1. 車上荒らしや車上狙いの被害は、車両保険の補償対象です。
  2. カーナビやカーコンポなどの固定された付属品は補償されますが、ゴルフバッグやカメラなどの身の回り品は特約が必要です。
  3. 窓ガラスや鍵の修理代も車両保険で支払われますが、免責金額が適用されます。
  4. 免責金額とは自己負担額で、1回目の事故は0円、2回目は10万円などと設定されます。
  5. 車上荒らしで保険を使うと、翌年度の契約は1等級ダウンします。
  6. 台風や集中豪雨による自然災害での車の被害も1等級ダウンの対象です。
  7. 車内の身の回り品は特約に加入していれば補償されますが、保険会社によって補償の有無が異なります。
  8. 特約で補償される身の回り品にはバッグ、カメラ、衣類などが含まれますが、通貨や有価証券などは対象外です。
  9. 車上荒らし防止のためには、車内に貴重品を置かない、窓を閉める、センサー付きライトや防犯カメラを設置するなどの対策が有効です。
  10. ボディーカバーを使用することで、長期間使用しない車の防犯対策として効果があります。

いわゆる「車上荒らし」や「車上ねら」の被害にあい、カーナビやカーコンポなどが盗まれた場合、車両保険から保険金を支払ってもらえます。

その際、車の窓ガラスが壊されることが多いのですが、それらの修理代も支払ってもらえます。

ただし、カーナビやカーコンポのように車に固定されている「付属品」は補償対象ですが、ゴルフバッグやカメラ、衣類、楽器などの身の回り品は、特約(身の回り品補償特約)に加入していないと補償されません。

このページでは車上荒らし・車上狙いの被害と保険の支払いの関係について解説します。

しばらくお付き合いいただけると幸いです。

車上荒らし・車上狙いの被害は車両保険の対象

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まず「車上荒らし」あるいは「車上狙い」とはどんな行為かを確認しておきたいと思います。

よくある例としては、自宅の駐車場に駐めてある車の窓ガラスを割られ、取り付けてあったカーナビを持ち去られた、というような被害、これが車上荒らしであり車上狙いと呼ばれるものです。

自宅以外でも、海岸に釣りに訪れた人の車が狙われるケースも多発しています。

どうしても釣りに夢中になりますから、犯罪者にしてみれば格好のターゲットになってしまいます。

盗まれる品は、カーナビ以外にもタイヤ、ホイール、ハンドル、カーコンポなどさまざまな「付属品」があります。

もちろん、車内に置かれたゴルフ用品、バッグ、衣類、カメラ、楽器などが盗まれることも多いのですが、器具で車に固定されていないこうした「身の回り品」の被害に関しては、別途特約の対象になるので、後ほど詳しく解説します。

ここでは、あくまでも「車そのものの損傷と車に固定されている付属品の盗難」に限定してご説明しています。

そこで、結論ですが、こうした車上荒らしや車上狙いの被害は車両保険の対象です。

車両保険には大別すると2つの種類がありますが、「一般条件」「エコノミー」いずれのタイプでも支払いの対象になります。

つまり、破損した窓ガラスの修理代や取り外され持ち去られたカーナビ相当額が車両保険から支払われます。

なお、保険金支払いの際には、1点だけ注意すべきことがあります。

それは免責金額です。

免責金額とは自己負担額のことです。

車両保険のデフォルトの契約では、免責金額が「0万ー10万」という契約になっていることが多いと思います。

「0万ー10万」の意味は、事故で車両保険を使った場合の1回目の自己負担額は0円ですが、同じ年度に2回目に保険を使った場合は自己負担10万円になる、というものです。

デフォルトの「0万ー10万」で契約する方は多いのですが、保険料を安くするために「5万ー10万」あるいは「10万ー10万」という免責金額で加入している方もいます。

このように免責金額がある場合の支払い方は、次のようになるので気をつけてください。

損害額=補償額 免責金額 支払われる保険金額
35万円 5万ー10万 30万円

※その年度の1回目の事故の場合

車上荒らし・車上狙いで保険を使ったら1等級ダウン

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車が車体ごと持ち去られた場合、車両盗難として車両保険が支払われますが、この場合は翌年度の契約は1等級ダウンします。

車上荒らしや車上狙いも同じ扱いで、翌年度は1等級ダウンです。

ちなみに、台風や集中豪雨で車が水没・冠水の被害を受けた場合も、1等級ダウンです。

つまり、車の使用者に過失がない場合は、原則として1等級ダウンにとどまります。

道路を走行中に衝突事故を起こした場合は、ドライバーとしての責任が発生しますので、保険を使うと3等級ダウンになります。

※とはいえ、当て逃げの被害にあった場合も使用者は「無過失」なのですが、自分でぶつけた損傷か当て逃げの被害にあった損傷かの証明が難しい、といった理由もあり、3等級ダウンしてしまいます。こういうケースもあるので「無過失」であれば常に1等級ダウンとは限りません。ですが、原則として「無過失」は1等級ダウンです

それから、3年契約などの長期契約は事故で保険を使った場合に契約者に有利に働くケースが多いです。

たとえば3年契約の1年目に車上荒らしで保険を使った場合でも、3年契約なので残り2年は保険料は変わりません。

保険期間3年を終えて契約を更新する際には、等級は、2年目にいったん1つ下がっていたのが3年目には元の等級にまで回復しているので、更新する契約は3年前の更新時より1等級アップすることになります。

このように、3年契約は1年ごとに契約するよりも、トータルで支払う保険料は少なくて済むケースが出てきます。

もちろん、3年契約の3年目に事故で保険を使った場合は、1年契約とほとんど差は出ませんが、1年目2年目に事故があった場合は、3年契約のほうが有利に働きます。

※3年契約といっても、保険料は年払い・月払いが可能です。3年分を一括で払うこともできます

車内の身の回り品は特約で補償される・・・?

車内の身の回り品は特約で補償・車上荒らし・車上狙い・保険・窓ガラス修理・車両保険・盗難・一般条件・エコノミー

車上荒らし・車上狙いの被害にあい、シートの上、あるいはトランク内などに置いてあったカメラ、ゴルフバッグ、テニスのラケット等が持ち去られた場合の補償ですが、これらは車両保険の補償対象外です。

カーナビやハンドル、タイヤのように車に固定されている「付属品」とは違い、自由に動かせる品だからです。

こうしたいわゆる「身の回り品」は、いずれの保険会社でも車両保険からは保険金は支払われません。

ただし、「身の回り品補償特約」(会社によって名称が異なる)を付けていれば補償されます・・・と言いたいところですが、ここからが話が混乱してきまして、実は、補償される会社と補償されない会社に分かれます

保険会社のホームページでは、このあたりの詳細を明確に記載している会社と記載していない会社があるので、全ての会社を一覧表にすることはできませんが、支払う支払わないがハッキリしている4社を表にまとめてみました。

車上荒らしで盗難にあった車内の身の回り品が「身の回り品補償特約」で補償対象になるかならないか
チューリッヒ 補償する
ソニー損保 補償する
損保ジャパン日本興亜 対象外
おとなの自動車保険(セゾン) 対象外

※補償対象外となっている会社でも、車ごと持ち去られた盗難の場合で、車内にあった「身の回り品」も同時に持ち去られた場合は、もちろん補償されます。あくまでも、「車上荒らし」や「車上狙い」の際の「身の回り品」が対象外になるということです

※衝突事故を起こした際に、車に積んであった身の回り品が損傷した場合は、全ての保険会社で保険金が支払われます

いかがでしょう?

ここまでご理解いただけましたか?

まことに恐縮ですが、これにはさらに続きがあります。

それは「身の回り品補償特約」が補償する「身の回り品の範囲」です。

これも会社によって補償範囲が異なっています。

ですが、みなさんにイメージとして把握していただくために、ほぼ各社共通のものと思われる区分けをしておきたいと思います。

「身の回り品補償特約」が補償する「身の回り品」とは
補償の対象となる「身の回り品」バッグ・カメラ・衣類・ゴルフ用品・楽器・パスポート・運転免許証
補償対象外となる「身の回り品」通貨・有価証券・貴金属・骨董・設計書・パソコン・携帯電話・コンピューターの記録媒体内のデータ・コンタクトレンズ・ペット(犬・猫など)・商品・植物
会社により扱いが異なるものノートパソコン・携帯電話・スノーボード・スキー板・サーフボード

ご覧いただきましたように、「身の回り品補償特約」は保険会社による扱いがかなり異なるので、この特約に加入する際も、事故で支払いを受ける際も、保険会社の担当者と細かい話し合いをする必要があると思います。

わたしもこの記事を書くにあたって、セゾン保険(おとなの自動車保険)に電話して、オペレーターの方に補償内容に関する質問をしたのですが、即答はなく、しばらく保留にしてから(上司と相談したかも)、ようやく答えを得ることができました。

つまり、専門のスタッフであっても、それだけ微妙な内容の特約だということです。

※セゾン保険のオペレーターさんのように、(たぶん)上司に相談してから正確な答えを返してくれるほうが、間違った答えを「即答」するよりずっといいです。みなさんが保険会社に問い合わせする際も、知ったかぶって即答するオペレーターには気をつけてください。わたしは何度か「間違った答えを即答」された経験があります。保険商品というのは、何年業界で仕事を続けていたとしても、即答できない微妙な商品ばかりです。調べてから答える人の方が信頼できる人であることが多いと思います

そういうわけで、みなさんも保険会社のホームページで明確に理解できない場合は、個別具体的な事例を電話でお問い合わせください。

それがベストな方法です。

本当なら、この記事で100パーセントみなさんをご納得させることができれば一番いいのですが、わたしの力不足です、ゴメンナサイ。

車上荒らし・車上狙いの被害にあわないための対策

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車上荒らし・車上狙いは昼でも夜でも発生しています。

昼間は、人気のない駐車場や物陰に駐車している車が狙われます。

釣り人の車が被害にあうなどはこの典型例です。

車の持ち主は釣りに夢中なので、車の周辺は無人ですから。

夜間の犯行は、ほとんどの人が寝静まった時間帯に、個人宅の屋外駐車場の車が狙われることが多いです。

いずれにしても、わたしたちができる予防策としては、やはり車内に貴重品を置かないことが第一だと思います。

なかには、ダッシュボードやセンターコンソールなどの蓋を意図的に開放し、中が空っぽであることを見せ付ける人もいるそうです。

これは車上荒らし・車上狙いをしようとしている人間にとっては、鼻白む光景であり、有効な対策だと思います。

日頃から車を物置代わりにしている人は生活習慣を改めたほうがいいかもしれません。

また、キーを付けっ放しにするとか、サンバイザーの上に忍ばせておくなどは、論外というべき行為です。

夏場などに窓を数センチ開けておくのも良く見られる光景ですが、悪党には格好の目印になってしまいます。

なお、車の駐車場所に関しては、外出先の駐車場はある程度選択できますが、自宅の駐車場はあまり自由に選べませんので、やはり、車内に物を置かず、窓を開けず、キーを付けっ放しにしない、というのが基本だと思います。

車上荒らし・車上狙い防止のための器具・装置など

センサー付きライト

自宅駐車場なら、真っ先に取り付けたいのがセンサー付きライトです。

いったん点灯しても、静止していれば消えますが、動き出せばまた点灯しますから、車上荒らしにしてみればうっとうしい装置です。

一定の抑止効果が見込める装置だと思います。

警報音システム

車にわずかな振動が発生しただけで警報音が鳴り響く装置を設置しておけば、犯人は尻尾を丸めて逃げ出すでしょう。

ただ、この装置は使いこなしにコツがいるかもしれません。

関係ない場面でしょっちゅう警報音が鳴ってしまっては、近所迷惑になりますから、設定の仕方に慣れる必要があります。

ですが、悪党に対しては確実に効果を発揮するシステムだと思います。

ドライブレコーダー・防犯カメラ

まずドライブレコーダーですが、駐車中も必要に応じて作動する機能を備えた機種があるので、新たに購入する場合は、こうした機能が付いているものを入手するといいのではないでしょうか。

防犯カメラのほうは、設置してあることを大いにアピールするために、「防犯カメラ有」などのステッカーを目に付きやすいところに貼り付けておくと、ベタな方法ですが、効果大だと思います。

ボディーカバー

毎日車を使用する場合は面倒でやってられないボディーカバーですが、次の使用までしばらく間がある場合は、かなり抑止効果があると思います。

これは車上狙いをする側に立てばわかることです。

カバーをはがす作業は目立つし、時間もかかります。

海外旅行などでしばらく家を離れるときは、最安値のものでいいので、ボディーカバーが愛車を守ってくれると思います。


ご覧いただきありがとうございました。