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ドライブレコーダー|SDカードのフォーマット不要とは?
最近のドライブレコーダーには、マイクロSDカードなどの記録媒体に関し、メンテナンスフリーを強調する商品が出ています。記録媒体のメンテナンスフリーとは、要するに、フォーマット不要(初期化不要)という意味です。
結論を言うと、これはエアコンの「フィルター自動掃除機能」のようなもので、完全に全くのメンテナンスフリーではないけれど、でもかなりラクになる、といったものだと思います。
たとえば、コムテックのZDR025という機種では、フォーマットフリーをうたっていますが、説明書をよく読むと次のような記述があります。
定期的なフォーマットは不要!
本製品に搭載された特許技術の専用ファイルシステムは、パソコンなどで使用されているファイルシステム(FATなど)に比べ、記録と削除の繰り返しによるSDカードの断片化を格段に抑えたファイルシステムとなっています。そのためSDカードをフォーマットする頻度を大幅に減らし、使用することができるようになりました。
上の記述では、フォーマットが完全に不要とは書いてありませんし、当たり前ですが、SDカードが永遠に劣化しないとも書いてありません。
やはり、他の機種と同じように、SDカードのフォーマットは定期的に必要ですし、カードが劣化したら新品と交換しなければなりません。ただし、従来製品に比べて、フォーマットの頻度は大幅に少なくなり、またカードの劣化も抑えられるので、一般的には「SDカードは1年で交換」と言われているところを、もう少し長く使えるかもしれない、といったところだと思います。
ですから、ここで整理します。
- 記録媒体であるマイクロSDカードなどは定期的に(2週間に1度くらい)フォーマットするのがおすすめ
- 1年使ったら新しいカードに交換したほうがいい
- ただし、「フォーマット不要」の機種は、従来品よりそうした手間が少し省けるかもしれない
こういった認識でいいのではないかと思います。
では、なぜSDカードなどはフォーマットが必要なのでしょう?
そもそも記録媒体にはフォーマットが必要
ドライブレコーダーの記録媒体の多くはマイクロSDカードですが、こうした記録カードは非常に酷使されています。常に記録と消去を繰り返しています。デジカメのSDカードなどとは記録と消去の頻度が違います。
さらに、ドライブレコーダーの記録方式は、3分とか5分というように短くファイル分けして記録する方式で、カードが容量いっぱいになったら、また最初に戻って、古い記録ファイルから順番に新しい記録が上書きされていきます(ループ記録方式)。
このように1つ1つのファイルが細かく区切られていて、なおかつ、記録と上書き消去が頻繁に繰り返されると、SDカード内に不良セクタが発生しやすくなります。不良セクタとは、記録や消去ができなくなる領域のことで、この領域が増えると、たとえば8GBの容量のカードでありながら、実際に使える領域は3GBだけ、ということも発生します。
使える領域がまだ残っているならいいほうで、劣化がさらに進行すると、そもそもSDカードそのものが使用不可になり、ドライブレコーダーの液晶表示に「エラー」表示が出たり、あるいは、画面が暗くなり、電源が切れてしまったりします。
※画面が暗くなったり、電源が勝手に切れてしまうと、ユーザーとしてはドライブレコーダー本体の不具合だと思うのが普通だと思います。しかし、多くの場合、原因はSDカードです。カードが記録不能な状態になると、電源が切れるような仕様のドライブレコーダーは多数あります。
こうしたトラブルを防止するために、記録媒体であるマイクロSDカードなどは定期的にフォーマットすべきです。フォーマットすることで、ごちゃごちゃになっていた内部をもう一度整理し、また新たに整理された状態で記録を開始することができます。
さらに、定期的なフォーマットにも限界があって、酷使されたSDカードなどは不具合が出る前に新品と交換するほうが安心です。幸い、このところ記録媒体の値段はお手頃価格になってきています。昔は8GB程度でも数万円する時期があったのですから、今の価格は信じられない思いがします。
下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒ドライブレコーダーの録画ファイル構成はどうなっている? |
ご覧いただきありがとうございました。