【記事丸わかり】
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原則として、自動車保険の更新を忘れた場合、満期日の翌日から7日を過ぎると等級の引継ぎができなくなります。
その場合、また6等級の新規からスタートしなければなりません。
ただし、すべてではありませんが、多くの保険会社には契約を自動更新する特約が用意されているので、うっかり更新を忘れた場合でも契約を継続することができます。
このページでは自動車保険の更新を忘れた場合について詳しく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
自動車保険の更新を忘れたら7日で等級は途切れる
自動更新特約が付いた自動車保険では、更新を忘れても契約は自動更新されるので安心です。
しかし、自動更新特約はすべての保険会社にあるわけではありませんし、自動更新される内容には注意すべき点もあります。
自動更新については後ほど詳しく解説するので、ここでは、自動車保険の更新に関する基本的な話をしたいと思います。
たとえば1年契約の自動車保険に加入している場合、更新時期が近づくと、保険会社や代理店から満期の案内が届きます。
そのまま更新手続きをすれば、更新後の新契約の等級は1つ上がります(無事故の場合)。
その際、満期の連絡に気づかなかったり、長期の旅行などで連絡が付かなかったりした場合、保険会社や代理店としても勝手に更新手続きすることもできず、いったん保険が切れてしまうことがあります。
このように、いったん途切れてしまった契約を復活させたい場合は、どのくらいの「猶予期間」があるかというと、それは7日間です。
満期の日の翌日を1日目とカウントすると、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目のいずれかで契約を結べば、それまでの等級を引継ぎ、1つ上の等級で契約を復活することができます。
自動車保険は満期切れとなった日の翌日から「7日以内」ならそれまでの等級を継承できる |
7日間を過ぎてしまってから結ぶ契約は何等級?
上の話の続きです。
満期日から7日以内に契約すればそれまでの等級を継承できますが、では8日目以降になってしまったら何等級で契約することになるのでしょう?
実は、ここからがちょっと面倒な話になるのですが、等級によって扱いが異なってきます。
それまでの等級が6等級~20等級の場合は、満期日の8日目以降に契約する場合は、自動車保険に始めて加入するときの等級である6等級になります。
つまりリセットされるわけです。
※複数所有新規(セカンドカー割引)の条件を満たせば7等級で契約可能
いっぽうで、それまでの等級が1等級~5等級の場合は、満期日の8日目以降に契約する場合は満期切れになった契約の等級と同じ等級になります。
満期切れになった時点の等級 | 満期日から8日目以降に契約する等級 |
6等級~20等級 | 6等級※条件を満たせば7等級 |
1等級~5等級 | 満期切れとなった契約と同じ等級 |
※6等級はいずれのグループに入れても結果は同じ6等級です。便宜上、上のグループに入れました
さて、話はここで終わりません。
上の表の「6等級~20等級」のグループですが、このグループは満期日から8日目以降に契約する場合は、1ヵ月後でも3年後でも5年後でも、やはり6等級からスタートすることになります。
しかし、「1等級~5等級」のグループは扱いが異なります。
満期日の8日目以降は「満期切れとなった契約と同じ等級」と書きましたが、この条件は13ヶ月間は変わらないものの、13ヶ月を越えた日以降に契約する場合は、6等級スタートになります。
自動車保険の6等級というのは、新規で契約する場合の等級です。
つまり、「1等級~5等級」という割引率が低かったり割増だったりする悪い等級も、13ヶ月を超えるとリセットされるということです。
満期切れになった時点の等級 | 満期日から13ヶ月を越えた日以降に契約する等級 |
1等級~5等級 | 6等級(リセットされる) |
※複数所有新規(セカンドカー割引)の条件を満たせば7等級になる
ここまでの説明では、満期日に更新を忘れて契約を切らしてしまった場合に、元の等級を引き継ぐにはいつまでに契約を復活させればいいか、という観点で話を進めてきましたが、1等級とか2等級といった「悪い等級」の人は、等級を引き継ぎたいどころか、むしろ、どうやってその等級から離れられるかを考えるはずです。
その答えが13ヶ月です。
実際のところ、1等級とか2等級だとほとんどの保険会社から「引き受け拒否」されるはずです。
その場合は、1等級あるいは2等級の保険の解約日または満期日から13ヶ月間経過するまで無保険でいるしかありません。
他の車を買ってその車に保険をつけるのであれば6等級からスタートできますが、1等級あるいは2等級の車に乗り続けたい場合は、13ヶ月間待たなければなりません。
いずれにしても、ここまで見てきたように、20等級などの「いい等級」は7日でリセットされてしまいますが、1等級などの「悪い等級」は13ヶ月経たないとリセットされません。
「いい等級はすぐ消えるが、悪い等級はなかなか消えない」
ということです。
更新忘れを救済する「自動更新特約」
多くの保険会社には自動更新特約(会社によって名称が異なる)が用意されています。
この自動更新特約は、通常、自動車保険を契約すると自動的についてきます(自動付帯)。
※一部の保険会社ではオプションとして任意に追加するタイプもあります
自動更新特約は、様々な事情による契約切れ、うっかり更新を忘れた場合などに活躍する特約です。
満期が近づけば、保険会社から契約者に「満期のご案内」が届き、契約者が継続の意思表示をして、補償内容を確認してから次の契約に移行する、というのが通常の流れです。
ところが、契約者が長期の旅行に出ていたり、その他何らかの事情により保険会社と連絡が取れないケースがあります。
そんな時、契約者の意思表示が得られないからと、更新手続きがなされなかったら、その自動車保険は失効してしまいます。
それまでの等級もいったんリセットされ、また入り直すには6等級からスタートしなければなりません。
こうした事態を防止するための特約が、自動更新特約です。
この特約は大別すると2つのタイプに分かれます。
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つまり、①のタイプの自動更新特約では、契約者から保険会社に一切連絡が入らない場合でも契約が継続されます。
それに対して、②のタイプの自動更新特約は、あくまでも満期日から30日間の猶予期間を設けているだけで、そのあいだに契約者と連絡が取れずにいたら、30日を経過した時点で満期日にさかのぼって保険は失効することになります。
①のタイプは放置しておいても契約は更新されますが、②は放置しておくと30日経過した時点で切れます。
この点は注意が必要です。
下記に主要な保険会社の自動更新特約についてまとめておきます。
ソニー損保 |
・自動更新特約は自動付帯 ・「保険期間の末日後1か月を経過した日までに直接当会社に継続契約の申込みを行うこと」が条件 ・2年続けて使えない ※団体扱いの契約に付帯する自動継続特約は放置しておいても継続される |
おとなの自動車保険(セゾン) |
・自動更新特約は自動付帯 ・「満期日の翌日から30日以内にご継続のお手続きをしていただくことにより」という条件付 ・2年続けて使えない |
チューリッヒ |
・自動更新特約は自動付帯 ・放置しておいてもそのまま継続される(ネット専用自動車保険の場合。スーパー自動車保険には自動更新特約はない) |
アクサダイレクト |
・自動更新特約は任意付帯 ・放置しておいてもそのまま継続される(任意で付帯した場合) |
三井ダイレクト |
・医療保険にはあるが自動車保険には自動更新特約はない |
イーデザイン損保 |
・「弊社では、「自動継続特約」等の自動的に保険契約が更新される特約は取り扱っていません」 |
SBI損保 |
・自動更新特約は自動付帯 ・「保険期間の末日の翌日から起算して30日以内に書面または通信により継続契約の申込みを行うこと」が条件 ・2年続けて使えない |
東京海上日動 |
・自動更新特約は任意付帯 ・トータルアシスト自動車保険に任意で付帯(「しっかり更新サポート特約」) ・放置しておいてもそのまま継続される(任意で付帯した場合) |
損保ジャパン日本興亜 |
・自動更新特約は自動付帯 ・THE クルマの保険に自動付帯(「安心更新サポート特約」) ・放置しておいてもそのまま継続される ・「安心更新サポート特約」とは別に「継続うっかり特約」がすべての自動車保険に自動付帯。「満期日の翌日から30日以内にお手続きいただくことにより」契約が更新される。ダブルで付いている場合は「安心更新サポート特約」が優先される |
三井住友海上 |
・自動更新特約は任意付帯 ・「自動的に継続した場合でもご契約条件等を確認させていただくため、ご連絡がとれ次第、取扱代理店とのお手続が必要になります」 |
あいおいニッセイ同和損保 |
・自動更新特約は任意付帯 ・タフ・クルマの保険に任意で付帯できる ・放置しておいてもそのまま継続される |
ご覧いただきありがとうございました。