車両保険使うと等級下がる:車両保険使うと保険料上がる

車両保険を使うと等級が下がる・車両保険を使うと保険料が上がる

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【記事丸わかり】

  • 車両保険の基本:自分の車の修理代を補償する保険。事故で使うと翌年の等級が下がり、保険料が上がる。
  • 事故有係数とは:事故で保険を使うと、事故有係数が適用され、割引率が低くなる。
  • 事故有期間:事故の程度によって1年から3年の事故有期間がつき、その間は割引率が低くなる。
  • 等級ダウンのケース:3等級ダウンと1等級ダウンがあり、事故の内容によって異なる。
  • 保険料のシミュレーション:等級が下がった場合、将来の保険料をシミュレーションして判断する。
  • 事故有期間の終了後:無事故で期間を過ごすと元の等級に戻り、無事故係数が適用される。
  • 損益分岐点の計算:修理費が一定額を超える場合は保険を使う判断をする。
  • 軽微な事故の対応:小額の事故では、保険会社に連絡し事故処理を任せ、保険を使うかどうかを後で判断。
  • 新規加入者の注意点:新規契約者は数年間保険を使わないように注意が必要。低い等級で事故を起こすと保険料が大幅に上がる。

⇒⇒【自動車保険】保険を使ったら、等級ダウンで翌年値上がりする仕組みを解説

自動車保険の特約である車両保険は自分の車の修理代を補償する保険です。

事故で車両保険を使うと翌年度の等級が下がり、保険料が上がることになります。

このページでは、車両保険を使ったときの等級と保険料の関係をわかりやすく詳細に解説しています。

しばらくお付き合いいただけると幸いです。

事故有係数じこありけいすうとは?

事故有係数とは・車両保険使うと等級下がる:車両保険使うと保険料上がる

このページのテーマは車両保険を使った場合の等級と保険料の関係です。

そして、そのために、まず理解していただきたいことがあって、それが「事故有係数じこありけいすう」と「事故有期間じこありきかん」についてです。

まず事故有係数からご説明します。

たとえば、赤信号で停止中の車に、脇見をしていたために後ろから追突して相手の車を損傷させた場合、対物賠償保険から相手車両の修理代が支払われることになり、3等級ダウン事故として処理されます。

すると、翌年度の等級は3等級ダウンします。

現在が13等級だとすると、10等級になります。

ここで次の比較表をご覧ください。

 事故有 無事故
10等級 23%割引 45%割引

同じ10等級なのですが、「事故有」と「無事故」で割引率が違います。

2012年10月まではこのように同じ等級に2つの割引率が並存するようなことはありませんでした。

しかし、現在の等級制度では、事故で保険を使った結果として10等級になった人と、無事故で1つずつ等級の階段を昇ってきた結果として10等級になった人とを、同じ扱いにしては不公平だという理由から、このように割引率に差を付けています

10等級の場合は、実に22ポイントも割引率に差が付いています。

このように、事故で保険を使った場合に適用される割引率のことを「事故有係数じこありけいすう」と呼びます。

参考までに、自動車保険のすべての等級(1等級から20等級)を、事故有係数と無事故係数に分けて一覧表にしてみました。

等級事故有係数無事故係数
2044%割引63%割引
1942%割引55%割引
1840%割引54%割引
1738%割引53%割引
1636%割引52%割引
1533%割引51%割引
1431%割引50%割引
1329%割引49%割引
1227%割引48%割引
1125%割引47%割引
1023%割引45%割引
922%割引43%割引
821%割引40%割引
720%割引30%割引
619%割引
513%割引
42%割引
312%割増
228%割増
164%割増

※1等級~6等級までは事故有と無事故は同じ扱いです。また1等級・2等級・3等級は「割引」ではなく「割増」になります

保険に加入してからずっと無事故を続けている人は右側の「無事故係数」が適用されます。

しかし、1度でも事故で保険を使うと、その途端に左側の「事故有係数」が適用されることになります。

では、いったん左側の「事故有係数」が適用されたら、その後もずっと「事故有係数」が適用され続け、2度と右側の「無事故係数」に戻れないのでしょうか?

いいえ、そんな事はありません。

それについて次の項目でご説明します。

事故有期間じこありきかんとは?

事故有期間とは・車両保険使うと等級下がる:車両保険使うと保険料上がる

前の項目の例を続けます。

13等級だった人が、3等級ダウン事故で保険を使ったために翌年の保険が10等級にダウンした場合、事故有期間じこありきかん事故有係数適用期間じこありけいすうてきようきかんが3年付きます。

3等級ダウン事故なので「3年」、1等級ダウン事故なら「1年」が付きます。

3等級ダウン事故・保険料・保険証券・事故有期間

自動車保険証券(黄色のマーカー部分が事故有期間)

上の画像では事故有期間は「0年」ですが、3等級ダウン事故で保険を使った場合の翌年の保険証券には「3年」と表示されます。※1等級ダウン事故なら「1年」と表示

この事故有期間というのは、前の項目で解説しました「事故有の割引(事故有係数)を適用する期間」のことです。

つまり、3等級ダウン事故で保険を使ったら、3年間だけ事故有係数(高い保険料)を適用しますが、無事故で3年過ごしたら13等級に戻り、その13等級は事故有係数ではなく元の無事故係数になる、ということです。

1等級ダウン事故で保険を使ったら、1年間高い保険料を適用するけれど、1年間無事故で過ごせば翌年は元に戻ります。

もしも同じ年度に2度、3度と事故を起こして保険を使ったら、その分は加算されるのですが、事故有期間は最長6年で打ち止めになっているので、たとえば3等級ダウン事故で3回保険の支払いを受けても事故有期間は9年ではなく6年ということになります。

※もっとも、3等級ダウン事故を同じ年度に3回起こしたら、翌年度は「引き受け拒否」の扱いになるかもしれません

話を整理します。

13等級だった人が3等級ダウン事故で保険を使うと、翌年の保険は10等級になります。

この10等級は、無事故で等級の階段を昇ってきた人の10等級とは割引率が異なり、より割引率の低い事故有係数が適用されます。

同時に、3等級ダウン事故で保険を使った場合は、事故有期間が3年付くことになります。

3年間は事故有係数によって高い保険料を支払うことになりますが、3年間無事故で過ごせば、4年目にはまた13等級に戻ります。

戻った13等級は、事故有期間の3年がリセットされているので、また無事故係数が適用されます。

3等級ダウン事故で保険を使った場合のまとめ
翌年3等級ダウンし事故有期間3年が付く。3年間無事故で過ごせば4年後に元の等級に戻る

車両保険を使えば等級が下がり保険料が上がる

車両保険を使えば等級が下がり保険料が上がる・車両保険使うと等級下がる:車両保険使うと保険料上がる

車両保険からの支払いがあると、翌年の等級が下がり、保険料が上がります。

※3年契約の場合は次の更新時まで保険料は変わりません

等級ダウンには、3等級ダウンのケースと1等級ダウンのケースがあり、事故の内容によって分かれます。

下記の表をご覧ください。

車両保険には大別すると「エコノミー+A」と「一般条件」の2種類の補償がありますが、違いは、単独の自損事故当て逃げを含むか含まないかです。

表の右端が、車両保険を使った場合にいくつ等級がダウンするかを示しています。

補償内容 エコノミー+A 一般条件 保険を使った場合の等級ダウン
車同士の衝突 〇 〇等級ダウン
盗難 〇 〇等級ダウン
台風・竜巻・洪水・高潮 〇 〇等級ダウン
火災・爆発 〇 〇等級ダウン
イタズラ・落書き・窓ガラス破損 〇 〇等級ダウン
飛来中・落下中の他物との衝突 〇 〇等級ダウン
2輪自動車・原付バイクとの衝突 〇 〇等級ダウン
単独の自損事故 × 〇等級ダウン
当て逃げ × 〇等級ダウン

※原則として、運転者に過失がある事故は3等級ダウン、無過失の場合は1等級ダウンということになっています。ただし、当て逃げ・ドアパンチの被害のように「無過失」であるはずの事故が3等級ダウンになるという微妙な例もあります。当て逃げとドアパンチは、保険会社の見解としては、あくまでも「車両同士の接触」なので3等級ダウンということのようです

3等級ダウン事故の場合は、事故有期間じこありきかん3年付きます。

1等級ダウン事故の場合は、事故有期間が1年付きます。

3等級ダウンした場合は元の等級に戻るのに丸4年かかります(無事故の場合)。

1等級ダウンした場合は元の等級に戻るのに丸2年かかります(無事故の場合)。

すでにご説明しましたが、事故有期間に適用される割引率のことを事故有係数じこありけいすうと呼びます。

ここでノンフリート等級の一覧表(1等級~20等級)をもう一度ご覧ください。

同じ等級で比べればわかりますが、左側の「事故有係数」の方が右側の「無事故係数」より割引率が低くなっています(つまり保険料は高くなる)。

等級 事故有係数 無事故係数
2044%割引63%割引
1942%割引55%割引
1840%割引54%割引
1738%割引53%割引
1636%割引52%割引
1533%割引51%割引
1431%割引50%割引
1329%割引49%割引
1227%割引48%割引
1125%割引47%割引
1023%割引45%割引
922%割引43%割引
821%割引40%割引
720%割引30%割引
619%割引
513%割引
42%割引
312%割増
228%割増
164%割増

このように事故で等級が下がる場合は、2系統あるうちのより割引率の低い(保険料は高い)割引率が適用されます。

損害額が50万とか100万の事故を起こしたら、嫌でも保険を使わざるを得ませんが、比較的小額の損害では、使うか使わないかの判断が難しくなってきます。

では、少損害の事故の場合はどうすればいいのでしょう?

車両保険を使うか使わないか計算する方法と使う目安

車両保険を使うか使わないか計算する方法と使う目安・車両保険使うと等級下がる:車両保険使うと保険料上がる

等級がダウンした場合に保険料がどれだけ上がるか。

これが事前にわかっていなければ、保険を使う使わないを判断できません。

そこで、保険を使った場合の将来保険料をシミュレーションしてみたいと思います。

<計算条件>
  • 現在10等級
  • 年間保険料50,000円
  • 3等級ダウン事故

※実際の保険料算出には、年齢条件・料率クラス・各種特約なども影響しますが、ここではイメージをつかんでいただくために簡略化しています

下の表の左側は、保険を使ったために10等級から3つダウンし、いったん7等級に戻ってからの保険料推移(4年間)です。

右の表は、保険を使わずにいた場合のその後の保険料推移で、11等級から4年間の数字です。

 値上がりする保険料の推移 保険を使わなかった場合の推移
経過年 等級 保険料 等級 保険料
1 事故有7等級 73,000円 無事故11等級 48,000円
2 事故有8等級 72,000円 無事故12等級 47,000円
3 事故有9等級 71,000円 無事故13等級 46,000円
4 無事故10等級 50,000円 無事故14等級 45,000円
266,000円186,000円

※「4年間」で比較するのは、3等級ダウンしたものが元の等級に戻るのに丸4年かかるからです。1等級ダウンのときは元に戻るのに丸2年なので「2年間」の比較でいいと思います。もっとも何年間の推移で比較するかは意見の分かれるところですが

さて、4年後の保険料総額を比較すると、保険を使った場合が266,000円で、使わなかった場合が186,000円です。

その差額は80,000円になります。

266,000-186,000=80,000円

すると、あくまでも概算になりますが、80,000円がいわゆる「損益分岐点そんえきぶんきてんになってきます。

ですから、車の修理費が80,000円を超える場合は、「保険を使ってもいいかな」という判断になりますし、車の修理費が80,000円を下回るケースでは、「ここは自腹を切っておこうか」ということになります。

実は、上の保険料シミュレーションは、ソニー損保のホームページにある概算保険料ツールを利用して算出しています。

みなさんも、ご自分の条件を入力して、(あくまでも概算になりますが)保険料を算出してみてください。

大まかなイメージはつかめると思います。


ところで、実は、ここからが本題になります。

ここまで保険料のシミュレーションの話をしましたが、なにもみなさんが上で紹介したソニー損保の計算ツールを利用したりしなくても、みなさんが加入している保険会社の事故担当者が、通常業務の一環として、ちゃんと保険料を算出してくれます

各保険会社には、ソニー損保の概算保険料ツールをより厳密にした、「将来保険料計算ツール」(名称は会社により様々ですが)というアプリがあります。

そのアプリで、個別具体的なみなさんのデータを入力して、10円単位まで正確な将来保険料を、上の一覧表のように「一瞬にして」算出してくれます。

いよいよ保険を使うか使わないかという段階になれば、その計算結果を担当者が提示してくれるので、みなさんは担当者の助言も考慮しつつ、保険を使う使わないの判断をすればいいことになります。

みなさんご自身で複雑な保険料計算をする必要は一切ありません。

代理店型の自動車保険でも通販型の自動車保険でも、いずれもちゃんとやってくれます。


なお、場合によっては、計算上は保険を使わないほうがおトクなケースであっても、手元に余裕資金がないときは、ソンを承知で保険を使う場面もあるかと思います。

この場合、翌年度から毎年高くなる保険料は、ちょうど修理代を分割払いする代わりとみなせばいいと思います。

おサイフ事情によっては、こうした選択もアリだと思います。

保険を使う使わないは事故処理の最終段階で意思表示すればOK

保険を使う使わないは事故処理の最終段階で判断すればOK・車両保険使うと等級下がる:車両保険使うと保険料上がる

これは意外と誤解している方が多い事柄なので、最後に書かせていただきます。

どういう形態の事故であれ、とにかく事故で保険会社に事故届けをすると、以後は、保険会社が事故の相手やディーラーや修理工場などと連絡を取り、契約者であるあなたにも報告を入れ、事故解決に至るまでの様々な手続きや連絡をあなたに代行してやってくれます。

こうしたサービスは、その事故が「保険金支払いの対象になる事故」である限り、保険会社は提供する義務があります。

ところが、保険の契約者の中には次のように理解(誤解)している方がいらっしゃいます。

今回の事故は修理代が小額になりそうだから、もしかしたら保険を使わないかもしれない。でも、保険会社に事故連絡したら、結局、保険を使わないといけないことになるのでは?そうなったら困るから、相手との連絡は自分でやったほうがいいかもしれない。でも、自分でやるとなるとどうやったらいいかわからないし、ちょっと困ったな・・・

このように一人で悩んでしまう方がいらっしゃいます。

あるいは、通販型自動車保険に関する誤った情報(デマ)を耳にしていて、見当違いの思い込みを持っている方もいらっしゃいます。

つまり、

通販型の自動車保険は、代理店型と違って、最終的に保険を使うか使わないかわからないような事故処理はやってくれない。初めから保険を使うことが明白な事故しか受け付けてくれない

というデマです。

先ほど、「保険金支払いの対象になる事故」と書きました。

これは「支払いの対象」になるかどうかが問題で、最終的に保険金を支払うか支払わないかは無関係です。

損害額が1万円とか2万円の事故で、車両保険を使うことはまずないだろうという事故であっても、保険会社は事故解決のためのサービスを提供する義務がありますし、実際、提供してくれます。

代理店型でも通販型でもまったく同じです。

ですから、相手がある事故であれ単独の事故であれ、保険金支払いの対象になる事故が発生したら、損害額の見込みが多い少ないに関係なく、まず保険会社に事故届けを出し、その後の事故処理は保険会社に任せてください。

事故届けをすると、後日、保険会社から「保険金請求書」という書類が送られてきます。

自動車保険金請求書・保険金請求書・車両保険・使う・使わない・計算・おすすめの金額・目安

アクサダイレクトHPより

あなたが確実に保険を使う場合は、この書類に必要事項を記入し、保険会社に返送してください。

使うか使わないか迷っている場合は、この書類を送らず、手元に保管しておいてください

保険会社は、「保険金請求書」がなければ保険金の支払い手続きに入れません

いずれにしても、どんな軽微な事故でも、まず保険会社に事故届けを出し、後のことは事の進展具合に応じて判断すればいいことです。

保険会社を大いに活用して欲しいと思います。

そのためにお金を払っているのですから。

[事例]ひょっとしてこれが通販型の「デマ」?

信号待ちをしていたら、後ろから追突されて車が損傷するという事故がありました。

この場合、過失割合は100:0で、追突した側が100%責任を負う事故になります。

追突された側の保険会社にとって、車の損害に関しては「保険金支払いの対象」になりません。

ただし、運転者や同乗者にケガがあれば、搭乗者傷害保険や人身傷害保険の支払い対象になります。

かりに、運転者にも同乗者にもケガがなければ、追突された側の保険会社には、この事故に関して事故処理に関するサービスを提供する義務は生じません。

と言うより、そもそも、いわゆる「示談交渉サービス」を提供したら法律違反になります。

※契約者に損害賠償義務が生じない事故に関して保険会社が示談等を行うことは弁護士法第72条違反になります

ですが、こうした場合でも、事故の連絡を受けたら、保険会社は、事故の初動に関しては対応してくれるのが普通です。

最終的に保険金の支払いの段階まで関わることはありませんが、相談には乗ってくれます。

通販型の自動車保険でしばしば「デマ」が飛ぶのは、ひょとしてこんなケースなのかもしれません。

通販型の自動車保険は、最後まで事故処理をやってくれなかった

などと言いふらす人の顔が目に浮かぶようです。

けれども、こうした事故では、代理店型の保険会社でも、保険金支払いの段階までは関わってくれません

なぜなら、そもそも「保険金支払いの対象になる事故」ではないからです。

※保険会社は関わってくれませんが、代理店は事故解決まで関わってくれるはずです

※契約している自動車保険に弁護士費用特約が付いていたら、このようないわゆる「もらい事故」のケースで弁護士に示談の代行を依頼できます。加入している保険会社にお問い合わせください

自動車保険に新規加入したばかりの方は「しばらく保険は使えません」

自動車保険に新規加入したばかりの方はしばらく保険は使えません・車両保険使うと等級下がる:車両保険使うと保険料上がる

初めて自動車保険に加入する場合はノンフリート6等級あるいは7等級からスタートします。

そこでこのことはぜひ頭に入れて置いていただきたいのですが、新規に保険契約を結んだ人は、数年間は保険は使えないものと思ってください。

保険を使うのは高額な賠償事故等を起こしたときだけで、それ以外は使えないものとお考えください。

と言うのも、たとえばノンフリート6等級で保険をスタートして、その年に3等級ダウン事故で保険を使うと、翌年度はノンフリート等級が3つダウンして3等級となります。

ノンフリート3等級は割引ではなく割増の等級です。

12%割増です。

513%割引
42%割引
312%割増
228%割増
164%割増

保険料が高くなることも問題ですが、それよりも等級の問題のほうが大きいです。

こうした状況に陥ることを自動車保険業界では「リーチがかる」と表現することがあります。

次で終わりだ、という意味です。

つまり、ノンフリート3等級になって、もしもそこでまた3等級ダウン事故を起こした場合、そこからさらに3等級ダウンするのですが、1等級が打ち止めなので、次の契約は1等級になります。

3等級ダウン事故ではなく1等級ダウン事故を起こした場合は、次の契約は2等級になります。

通販型の保険会社でも代理店型の保険会社でも、1等級と2等級は、多くの場合「引き受け拒否」となります。

保険を引き受けてくれる会社が存在しなくなるのです。

その意味で言うのですが、初めて自動車保険に加入して6等級(7等級)からスタートした人は、よほど大きな事故でない限り、加入している自動車保険を使おうなどと思わないでください

数年間はじっと辛抱しなければなりません。

ある程度等級が進んでいけば、たとえ3等級ダウン事故を2度起こしたとしても、なんとか契約してくれる保険会社は残っています。

しかし、ノンフリート6等級の時点では、1度3等級ダウン事故で保険を使っただけで「リーチが掛かる」のです。

まして3等級ダウン事故を2度起こしたら、どの保険会社とも契約できない状態に放り出されます。

初めて自動車保険に入った人は、以上の理由から、数年間は保険は使えないものと考えるべきです。

あくまでも多額の賠償事故等が発生したときのための「お守り」であって、少損害の事故では使えないものとお考えください。

※新たに車を購入して最初の保険に加入して「車両保険」もしっかり付けた場合、「これで車をぶつけても保険があるから安心だ」とつい思いがちです。しかし、上記の理由から、保険は簡単には使えません。盗難や全損の事故であれば使わざるを得ないでしょうが、ちょっとぶつけた程度では実質的に「使えません」。みなさんも充分気をつけてください。


ご覧いただきありがとうございました。