【記事丸わかり】
⇒⇒【車両保険無過失事故特約】使っても等級が下がらない車両保険!? |
「車両無過失事故に関する特約」は、車同士の事故でこちらに過失がない100:0の事故の場合、車両保険を使っても翌年度の等級に影響しないというものです(ノーカウント事故=無事故と同じ扱い)。
車両保険に自動セットされている特約ですが、すべての保険会社が採用している特約ではありません。
このページでは「車両無過失事故に関する特約」についてわかりやすく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
「車両無過失事故に関する特約」とは?
たとえば赤信号で信号待ちしていたところ、脇見運転をしていた後続車に追突された場合、追突された側には一切過失が生じません。
100:0の事故であり、追突した相手が100%の責任を追うべき事故です。
通常、こういうケースでは、相手の対物賠償保険から保険金が支払われるので、追突された側が自分の保険(車両保険)を使う必要はありません。
しかし相手が無保険だったらどうでしょう?
無保険なら自腹で払ってもらえばいいのですが、無保険で車を運転するような人なのでそもそも支払能力がないことがほとんどです。
そうなると、追突された側は泣き寝入りになってしまいます。
そこで登場するのが「車両無過失事故に関する特約」です。
この特約により、追突された側の車両保険から車の修理代が支払われます。
その際、車同士の事故で車両保険を使えば通常は翌年度3等級ダウンするのですが、そうはなりません。
「ノーカウント事故」として扱われ、無事故とまったく同じ扱いになるので、(他の事故がなければ)翌年度の等級は1等級アップします。
このように、「車両無過失事故に関する特約」は車同士の事故で、自分に過失がないケースに活躍する特約で、いわゆるもらい事故とか被害事故の場合に適用されます。
ただし、事故の相手の氏名・住所・登録番号(ナンバープレートの番号)などが判明しているケースに限られます。
当て逃げやドアパンチなどで相手が不明のケースは対象外になります。
「車両無過失事故に関する特約」の名称について
このページで「車両無過失事故に関する特約」と呼んでいる補償は、保険会社により名称が異なります。
またすべての保険会社が採用している特約ではありません。
さらに、車両保険に自動セットされている会社と追加料金を支払うことで任意でセットする会社とがあります。
下記でこうした内容を一覧表にしました。
すべての保険会社を網羅してはいませんが、保険料一括見積サイトなどに参加している保険会社を中心にまとめています。
保険会社 | 特約の名称 | 特約の有無 |
東京海上日動 | 車両無過失事故に関する特約 | 自動セット |
損保ジャパン日本興亜 | 無過失事故の特則 | 自動セット |
三井住友海上 | 車両保険無過失事故特約 | 自動セット |
あいおいニッセイ同和損保 | 車両保険無過失事故特約 | 自動セット |
ソニー損保 | なし | なし |
おとなの自動車保険(セゾン) | 車両無過失事故に関する特約 | 自動セット |
アクサダイレクト | なし | なし |
チューリッヒ | なし | なし |
三井ダイレクト | なし | なし |
イーデザイン損保 | 車両無過失事故の特則 | 自動セット |
セコム | 車両無過失事故に関する特約 | 自動セット |
そんぽ24 | 無過失車対車事故の特則 | 自動セット |
SBI | なし | なし |
JA共済(農協) | 車両条項における無過失ノーカウント保障 | 自動セット |
全労済 | 車両損害の無過失事故に関する特約 | 任意セット |
(2019年1月現在)
「車両無過失事故に関する特約」の適用条件(詳細版)
「車両無過失事故に関する特約」の適用条件ですが、厳密には各社同一内容ではありません。
ここでは共通項と言える部分を抽出してご説明したいと思います。
「車両無過失事故に関する特約」が適用されるのは、車同士の事故で、相手側に100%の過失が生じる次のような事故が対象です。※「車同士の事故」には原付・2輪バイクとの事故を含みますが自転車や歩行者は含みません
- 赤信号で停止中に後続車に追突された
- センターラインをオーバーしてきた対向車と衝突した
- 交差点内で赤信号で侵入してきた相手車両と衝突した
- 駐車中または停車中に他車にぶつけられた
上記の事故が適用対象ですが、ただし、いずれのケースでも、あくまでも相手の氏名・住所・登録番号(ナンバープレートの番号)が判明していることが条件です。
当て逃げ・ドアパンチなどでは、その後相手が判明した場合は対象になりますが、結局判明しなかった場合は対象外になります。
車両新価特約、車両全損修理時特約、車両身の回り品補償などから支払いを受ける場合、それと同時に「車両無過失事故に関する特約」からの支払いは受けられません。※いずれかを選択しなければならない
なお、上記以外に次のような補償が付いている保険会社もあります。
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これらは今後展開するであろうネットと連動したAIによる自動運転社会を見越したかのような内容だと思います。
「車両無過失事故に関する特約」から支払いを受けた場合の翌年度の等級と事故有期間
「車両無過失事故に関する特約」により車両保険から支払いを受けた場合は「ノーカウント事故」として扱われるので翌年度の等級には影響しません。
「影響しません」とは無事故であったのと同じ扱いにするという意味で、つまり、(他に事故がなければ)翌年度の等級は1等級アップします。
現在10等級で「車両無過失事故に関する特約」から支払いを受けた場合、翌年度は11等級になります(他に事故による支払いがなければ)。
また、事故有期間にも影響はありません。
現在10等級・事故有期間0年であれば、翌年度は11等級・事故有期間0年です。
現在10等級・事故有期間2年であれば、翌年度は11等級・事故有期間1年です(事故有期間は1年分回復するので)。
念のために事故時は保険会社に確認する
あなたが加入している自動車保険が「車両無過失事故に関する特約」を採用している場合、もしも上記のようなもらい事故などがあった場合、黙っていても事故処理担当者がこの特約を適用するのが通常ですが、なかにはぼんやりした担当者がいて、通常の3等級ダウン事故として処理するケースも考えられます。
それでは困るので、もらい事故や被害事故など100%相手に過失が生じる車対車の事故にあった場合は、「車両無過失事故に関する特約」が適用できるかどうか、事故処理担当者に確認していただきたいと思います。
うっかりミスは誰にでもあることなので、間違いのないようにしていただきたいです。
ご覧いただきありがとうございました。