無車検車版ネズミ捕り|車検切れナンバー自動読取装置導入!

国土交通省・可搬式ナンバー自動読取装置

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画像:国土交通省

【記事丸わかり】

  1. 国土交通省は2018年9月から全国の運輸支局に可搬式ナンバー自動読取装置を配置し、無車検車の取り締まりを開始。
  2. 2018年9月から2019年3月までに全国43カ所で46回のナンバー自動読取を実施し、37,403台中43台の車検切れ車両を捕捉。
  3. 車検切れ運行率は0.11%であり、取り締まりの結果が公表されている。
  4. ナンバー自動読取装置は車検切れの車を発見し、警告書を手渡し、警察に引き渡す仕組み。
  5. 車検切れの車両を取り締まるため、国土交通省は独自のナンバー自動読取装置を開発し、使用している。
  6. Nシステムは警察の装置であり、車検切れ車両の取り締まりには使われていない。
  7. 国土交通省のナンバー自動読取装置は前日の車検切れデータを使用し、約1.5秒で照合。
  8. 車検切れ車両のドライバーに警告書を手渡し、その後警察官が道路運送車両法違反で取り締まる。
  9. 罰則は、違反点数6点、免許停止30日、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金。
  10. 2017年のデータでは、約8,000万台の車両中、約516万台が車検切れの状態で、そのうち約20万台が公道を走行していると推定されている。

この記事を参考に、車検切れの車両に対する取り締まりの現状と罰則について理解し、車検切れを避けるための対策を講じてください。

⇒⇒無車検運行を許すな!ナンバー読み取り装置で街頭検査

2018年9月14日、国土交通省は全国の運輸支局に無車検車のナンバープレートを読み取るための可搬式ナンバー自動読取装置を配置しました。

これはスピード違反を取り締まる警察のネズミ捕りの車検切れ版と言えます。

2018年9月から2019年3月までの間に全国43カ所で46回ナンバー自動読み取りを実施し、その結果、37,403台のうち車検切れ車両43台を捕捉しました。

車検切れ運行率は0.11%でした。

国道交通省では今後も全国で実施していく方針です。

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2023年1月26日

車検切れは国土交通省、スピード違反は警察

車検切れは国土交通省、スピード違反は警察

画像:国土交通省

車やバイクの車検制度を管轄するのは国土交通省で、全国の運輸支局がその出先機関です。

一方で、スピード違反等の交通規則全般を管轄するのは警察庁で、全国の警察署がその出先です。

このページのテーマである無車検車、つまり車検切れの車は、第一義的には国土交通省が指導・監督すべき官庁ということになります。

取締りを受けるわれわれからするとどっちでも同じだと思うのですが、ちょっとわかりにくい構図になっています。

警察のネズミ捕りを応用⇒⇒車検切れ車両のナンバー自動読取装置

警察のネズミ捕りを応用、ナンバー自動読取装置

画像:国土交通省

今回国土交通省が導入したナンバー自動読取装置は、車検切れのまま公道を走行する車を発見したら、その場でドライバーに警告書を手渡し、すぐさま同行している警察に引き渡すことで道路運送車両法違反として取り締まる、というものです。

ここで誰もが疑問に感じることがあると思います。

そもそも、あのNシステムは車のナンバーを読み取る装置ではないのか?

という疑問です。

Nシステム

Nシステム   画像:Wikipedia

確かにNシステムはナンバーを読み取ることが主な機能ですが、これは警察が犯罪捜査の一環として、手配車両のナンバーと走行車両のナンバーを照合するために設置しているものです。

管轄と使用目的が異なります。

そこで独自のナンバー自動読取装置を開発し実用化するに至っています。

可搬式ナンバー自動読取装置

国土交通省の可搬式ナンバー自動読取装置 画像:国土交通省

国土交通省の職員がナンバー自動読取装置で無車検車を取り締まる方法は、警察がスピード違反の車両を取り締まる「ネズミ捕り」の方法と同じです。

下記の①②③④の流れになります。

ナンバー自動読取装置の実施の流れ

画像:国土交通省

ここで興味深いのは、②についてです。

カメラで読み取ったナンバーは現場に持ち込んだパソコンのデータと照合して車検切れ車両を判別するのですが、なんと、パソコンはネットに接続した状態ではなく、あらかじめ前日の時点における車検切れデータを取り込んでおき、パソコン内のデータのなかからヒットするものを拾い上げる、こういう方式なのです。

パソコンによるナンバー自動判別

画像:国土交通省

照合時間は約1.5秒。

いずれ5Gが実用化されればネット接続になるのでしょうが、それまではあらかじめデータをダウンロードしておいた方が速度が速いのですね。

それはともかく、もう一度先ほどの①②③④の流れをご覧になってください。

④が「指導・警告」となっています。

ここで国土交通省の職員は車検切れ車両のドライバーに警告書を手渡します。

そして国土交通省の職員が関わるのは、ここで終了です。

後は、現場に同行している警察官に引き継ぎます。

警察官は道路運送車両法違反「無車検車運行」で取り締まることになり、違反点数や罰金は以下の通りです。

  • 減点6点(前歴がない場合)
  • 免許停止30日
  • 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

車検が切れている場合は同時に自賠責保険も切れているケースも多く、その場合は自動車損害賠償責任法違反も加わります。

なお、車検切れの車はそもそも公道を走ってはいけないルールなので、こうした取り締まりで捕まった場合は、その車に乗って帰ることはできません。

自費でレッカーや積載車を呼び、車を移動させなければなりませんし、ドライバーはタクシーとかバス・電車で帰るか家族に迎えに来てもらわなければなりません。

無車検車(車検切れ車両)の現状

無車検車・車検切れの現状

画像:国土交通省

2017年の国土交通省のデータによると、日本全国の車とバイク(車検が必要な250cc以上)の台数約8,000万台のうち516万台が車検切れの状態にあり、なおかつ廃車手続きをしていません。

このうち、車検切れのまま公道を走っている車両は、推計になりますが、約20万台程度と言われています。

車検切れが510万台あって、公道を走っているのが20万台なので、残りの約490万台は家のガレージや有料駐車場などに放置されていると考えられます。

なお、無車検車あるいは車検切れ車両ですが、ただ単に車検が切れているだけでは法律違反になりません。

あくまでも車検切れの状態で公道を走ること、これが法律に違反する行為になります。

ただし、ナンバー返納(抹消登録)の手続きをしないで家のガレージなどに放置しておくと、原則として、自動車税は課税され続けます。

車検切れに関する以下の記事も参考になさってください。

ご覧いただきありがとうございました。