【記事丸わかり】
以上のポイントを押さえれば、スピードメーターの誤差に関する車検基準と対策について理解が深まります。 ⇒⇒スピードメーターの誤差ってどれほどのもの? |
そもそもスピードメーターの表示速度と実速度の間には誤差があるのが正常です。
たとえばメーターは40kmだけど実速度は35kmというようなケースはあふれるほどあります。
メーター誤差は様々な要因によって発生します。
- そもそも実速度より大きめな速度を表示するようになっている
- タイヤが磨耗してタイヤ1周の距離が変化した
- タイヤの空気圧が極端に低下した
といった要因により誤差が生じます。
また、インチアップなどでタイヤサイズが変わり、タイヤが1周する距離が大きく変わった場合などにもメーター誤差は発生します。
車検では一定の範囲内に留まる限りメーター誤差は認められています。
具体的な許容範囲についても解説しています。
【2024年2月29日】ブリヂストンがパンクしないタイヤ「エアフリー」の公道実証実験を開始しました。⇒⇒エアフリー |
新車でもメーター誤差はある
そもそも車のスピードメーターは実速度よりちょっとだけ大きい数字が出るように作られています。
メーター表示で40kmであれば実速度は37km、というように作られています。
なぜなら、安全マージンを取るためです。
ただし、メーター表示の方が大きい分にはいいのですが、この逆だと、ちょっと安全上問題です。
40km表示のときに実速度が45kmとか50kmでは危険です。
いずれにしても、スピードメーターの表示と実速度の間には一定の範囲の誤差が最初からあるということです。
車検では時速40km時の誤差を計測する
車検におけるスピードメーターの誤差の計測は、スピードメーターが40kmを表示した際の実速度との誤差を計測し、これが一定の範囲内に収まっているかどうかを検査します。
他の速度域では検査しません。
時速40kmでしか計測しません。
メーター誤差の車検基準:許容範囲
メーター誤差が生じることは特に大きな問題ではありません。
問題は、どの程度の範囲の誤差に収まっているか、です。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第148条(速度計等)には明確な許容範囲が定められています。
平成19年1月1日以降製造車の場合
平成19年1月1日以降の製造車の場合のメーター誤差の許容範囲 |
10(V1-6)/11 ≦ V2 ≦ (100/94)V1 |
(※)V1はスピードメーターの表示速度のこと
(※)V2は速度計試験機による実測値のこと
上記計算式に数値を当てはめると、
スピードメーターが40kmの際に実速度が30.9km~42.55kmの範囲内
となります。
この範囲内に収まっていれば、車検は合格です。
「そんなに誤差があってもいいのか」
と驚いてしまいますが、実際のところ、誤差はけっこうあるようです。
平成18年12月31日より以前の製造車の場合
平成18年12月31日より以前の製造車の場合のメーター誤差の許容範囲 |
10(V1 -6)/ 11 ≦ V2 ≦(100 / 90)V1 |
上記計算式に数値を当てはめると、
スピードメーターが40kmの際の実速度が30.9km~44.4kmの範囲内
となります。
この範囲内に収まっていれば、車検は合格です。
インチアップでタイヤの外径が変わった場合
上記のように、メーター表示と実速度の間の誤差はけっこうな範囲に広がっています。
したがって、インチアップでタイヤの径が変わり、タイヤが1回転したときの距離が変化した場合、当然、メーター表示と実速度の誤差はそれまでより広がりますが、しかし、最初からある程度の誤差は許されているので、実際に測定してみたら許容範囲内だったというケースも有り得ます。
タイヤを交換する場合は、ショップの人とも相談して、許容範囲内で収まるかどうか確認した方がいいと思います。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。