1986年10月、日産は フェアレディZ Z31型 に対して衝撃的な変更を実施しました。
「マイナーチェンジ」という名のもとに行われたこの変更ですが、その内容は事実上の フルモデルチェンジ級 と呼んでも差し支えないほど大規模なものでした。
今回は、Z31の前期型と後期型を比較しながら、1986年の大変身の中身を徹底解説していきます。
Z31ビッグマイナーチェンジの概要
まずは今回の変更点を一覧表でまとめてみましょう。
| 項目 | 変更内容 |
|---|---|
| 実施時期 | 1986年10月 |
| 対象車種 | フェアレディZ Z31型 |
| 変更レベル | マイナーチェンジ(実質フルモデルチェンジ級) |
| 主な変更 | デザイン・エンジン・グレード構成 |
| ボディ規格 | 3.0Lは3ナンバー専用ボディへ |
カタログ上は「マイナーチェンジ」となっていますが、実際に前期型と後期型を並べてみると、その違いは一目瞭然です。
3.0Lモデルのデザイン変更点
3.0Lモデルでは、 前後意匠を大幅に変更 するという大胆な手法が取られました。
具体的には、 キャビン部と左右ドア以外、すべてのパネルを変更 するという徹底ぶりです。
変更されたパネルは以下のとおりです。
| 変更箇所 | 内容 |
|---|---|
| フロントフェンダー | 新規パネル |
| ボンネット | 新規パネル |
| フロントバンパー | 新規パネル |
| リアフェンダー | 新規パネル |
| リアバンパー | 新規パネル |
| フォグランプ | 全モデル標準装備化 |
特筆すべきは、 ワイドフレアーフェンダー を採用したことで、 3ナンバー幅専用ボディ へと進化した点です。
これにより、3.0Lモデルはより力強く、より迫力のあるスタイリングを手に入れました。
2.0Lモデルのデザイン変更点
2.0Lモデルにも、印象を大きく変える変更が加えられています。
前期型の特徴であった ボンネット中央の巨大なエアバルジ が廃止され、 小型のものが左側にオフセット配置 されるようになりました。
このオフセットされたエアバルジは、後期型2.0Lモデルを象徴するデザイン要素となっています。
また、3.0Lモデルと同様に フォグランプが全モデルに標準装備 された点も見逃せません。
3.0Lモデルのエンジン・グレード変更
デザイン面と並んで、メカニズム面の変更も非常に大きなものでした。
最大のトピックは、新グレード 300ZR の追加です。
| グレード | エンジン | 過給 | トランスミッション |
|---|---|---|---|
| 300ZR(新設定) | VG30DE型 V6 DOHC | 自然吸気 | FS5R30A型5速MT または4速AT |
| 300ZX(継続) | VG30ET型 V6 SOHC | ターボ | 4速ATのみ(国内仕様) |
300ZRに搭載された VG30DE型エンジン は、 Z31系で唯一の自然吸気エンジンモデル という貴重な存在です。
V型6気筒DOHCという当時としては先進的な構成を持ち、新開発の FS5R30A型5速MT または4速ATと組み合わされました。
ボディタイプは2シーターと2by2の両方が設定され、選択肢の幅も広いものでした。
一方で、継続販売された 300ZX は V型6気筒SOHCターボのVG30ET を搭載していましたが、 国内仕様ではトランスミッション設定がATのみ となってしまった点は注目すべき変更点です。
2.0Lモデルのエンジン構成変更
2.0Lモデルでは、エンジンラインナップが大きく整理されました。
前期型に存在した V型6気筒搭載車がカタログ落ち し、後期型では 直列6気筒エンジン搭載の200ZR系のみ という構成になりました。
| 時期 | 2.0Lエンジン構成 |
|---|---|
| 前期型 | V型6気筒+直列6気筒 |
| 後期型 | 直列6気筒(200ZR系)のみ |
このシンプル化により、2.0Lモデルのキャラクターはより明確になったと言えるでしょう。
前期型と後期型を並べてみると
このように、1986年の変更は マイナーチェンジという名のフルモデルチェンジ級の変更 でした。
Z31の前期型と後期型を実際に並べて見ると、その風合いはかなり異なります。
似ているといえば似ているのですが、目が慣れてくると かなりテイストが違う ことに気づくはずです。
まとめ
最後に、1986年のZ31ビッグマイナーチェンジのポイントをまとめておきます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| デザイン | 3.0Lは前後パネルほぼ全変更、3ナンバー専用ボディ化 |
| 新グレード | 300ZR追加(VG30DE型 V6 DOHC NA) |
| 継続グレード | 300ZX(VG30ETターボ、国内はATのみ) |
| 2.0L | V6廃止、直6の200ZR系のみに |
| 共通装備 | フォグランプ全車標準装備化 |
「マイナーチェンジ」という言葉のイメージを大きく超える内容となった1986年のZ31大変身。
中古車市場で前期型と後期型のどちらを選ぶか迷っている方は、今回ご紹介したポイントを参考に、自分の好みに合った一台を探してみてはいかがでしょうか。


