あおり運転や事故のトラブルに備えて、ドライブレコーダーを検討する方が増えています。
自動車保険には、専用のドライブレコーダーを貸与してもらえる「ドラレコ特約」という仕組みがあります。
市販のドライブレコーダーとは違い、事故発生時に保険会社へ自動で通報される機能などが付いている点が特徴です。
この記事では、ドラレコ特約の仕組みから、主要な保険会社ごとの違い、選び方までを詳しく解説します。
目次
第1章 ドラレコ特約とは何か
ドラレコ特約とは、自動車保険に追加できるオプションのひとつです。
保険会社が指定する通信機能付きのドライブレコーダーを、契約者に貸与(たいよ)する形で提供する特約を指します。
一般的なドライブレコーダーのように映像を記録するだけでなく、事故時の自動通報や、走行データの分析といった機能が組み込まれています。
基本的な仕組み
ドラレコ特約に加入すると、保険会社から専用の端末が送られてきます。
端末はフロントガラスなどに取り付けて使用します。
走行中の映像に加えて、速度や位置情報などのデータが、通信機能を通じて保険会社に送信される仕組みになっています。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 常時録画 | 走行中の映像を自動で記録 |
| 衝撃検知 | 事故の強い衝撃を感知すると自動通報 |
| 運転診断 | 急加速・急ブレーキなどを分析しレポート化 |
| 見守り機能 | 家族など指定した人へ運転状況を共有 |
費用の目安
ドラレコ特約の費用は、月額650円から1,000円前後が一般的な相場です。
保険料とは別に、特約保険料として追加で発生します。
一時払いを選ぶと、年間で7,000円台から1万3,000円程度になる会社もあります。
詳しい金額は会社ごとに異なりますので、第3章で具体的に比較します。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| ドラレコ特約 | 保険会社が専用端末を貸与する自動車保険のオプション |
| 主な機能 | 常時録画、事故時の自動通報、運転診断 |
| 費用相場 | 月額650円から1,000円前後 |
| 引用元 |
|---|
| みんかぶ保険「自動車保険のドラレコ特約とは?市販ドラレコとの違い・選び方・おすすめポイントを解説」(2025年12月26日) |
| CARTUNEマガジン「自動車保険ドライブレコーダー特約の4社比較とサービスの特徴」 |
第2章 市販ドライブレコーダーとの違い
ドラレコ特約と市販のドライブレコーダーは、見た目こそ似ていますが、機能面で大きな違いがあります。
最大の違いは、通信機能の有無です。
市販品の多くは録画専用の機器であり、記録した映像の確認や事故対応は、すべて自分自身で行う必要があります。
通信機能の有無
ドラレコ特約の端末は、通信機能を使って保険会社と常時つながっています。
事故で強い衝撃を検知すると、自動的に保険会社の事故受付窓口へ連絡が入ります。
一部の商品では、端末のボタンを押すことでオペレーターと直接通話できる機能も備わっています。
費用構造の違い
市販のドライブレコーダーは、購入時に1万円前後の費用がかかりますが、その後の追加費用は基本的にありません。
一方でドラレコ特約は、月額費用がかかり続けるサブスクリプション型の仕組みです。
長期間契約を続けると、市販品を購入する場合よりも総額が高くなることがあります。
| 比較項目 | ドラレコ特約 | 市販ドラレコ |
|---|---|---|
| 初期費用 | 基本的に無料 | 1万円前後から |
| 継続費用 | 月額650円から1,000円前後 | 基本的になし |
| 事故時の自動通報 | あり | 基本的になし |
| 解約時の扱い | 端末を返却 | そのまま使用可能 |
また、ドラレコ特約で貸与された端末は、保険を解約したり他社に乗り換えたりする際に返却が必要です。
返却しない場合、違約金を請求されるケースもあるため注意しましょう。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 最大の違い | 通信機能の有無 |
| 費用構造 | 市販品は買い切り、特約は月額課金 |
| 解約時 | 特約の端末は返却が必要 |
| 引用元 |
|---|
| みんかぶ保険「自動車保険のドラレコ特約とは?市販ドラレコとの違い・選び方・おすすめポイントを解説」(2025年12月26日) |
| ウチコミ!タイムズ「ドラレコ特約付き自動車保険――市販のドラレコとの違いと特徴、選び方」 |
第3章 主要4社のドラレコ特約を徹底比較
ドラレコ特約を取り扱っているのは、主に大手損害保険会社4社です。
具体的には、東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保の4社になります。
いずれも代理店を通じて契約する「代理店型」の自動車保険で提供されている点が共通しています。
ここでは各社の商品名と特徴、費用の違いを詳しく見ていきます。
4社の商品名と概要
| 保険会社 | 商品・サービス名 |
|---|---|
| 東京海上日動 | ドライブエージェント パーソナル(DAP) |
| 損保ジャパン | つながるドラレコ Driving! |
| 三井住友海上 | 見守るクルマの保険(ドラレコ型/プレミアム ドラレコ型) |
| あいおいニッセイ同和損保 | タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型) |
東京海上日動|ドライブエージェント パーソナル(DAP)
東京海上日動のDAPは、2017年4月から提供が始まった老舗のサービスです。
これまでに個人・法人を合わせて100万台以上の契約実績があります。
事故時には提携先の警備会社のオペレーターが、前方・車内カメラの映像をもとに状況を把握し、救急要請などの初動対応を行います。
2026年1月からは、端末を小型化した「新型・事故自動通報ドライブレコーダー」の提供も始まりました。
新型端末は、コア機能に絞り込むことで、月額500円という低価格を実現しています。
従来からある前方1カメラ型は月額650円、前方・車内・側方をカバーする2カメラ一体型は月額850円です。
2カメラ一体型には、駐車中の監視機能も付いており、衝撃を検知すると約2分間の映像を自動で保存します。
損保ジャパン|つながるドラレコ Driving!
損保ジャパンのDriving!は、パナソニック製の通信型ドライブレコーダーを採用しています。
最大の特徴は、警備会社のALSOKと連携している点です。
事故で強い衝撃を検知すると、損保ジャパンだけでなく、事前に登録した家族や代理店にも自動で通知されます。
「ALSOKかけつけ安心サービス」を依頼すれば、現場への駆けつけ対応も可能です。
特約保険料は、2025年1月以降の始期契約で月々980円(一括払いの場合は年間1万1,172円)となっています。
また、安全運転スコアが80点以上の場合、翌年の保険料が割り引かれる「走行特性割引」も用意されています。
三井住友海上|見守るクルマの保険(ドラレコ型)
三井住友海上には、「ドラレコ型」と「プレミアム ドラレコ型」の2つのタイプがあります。
標準の「ドラレコ型」は前方1カメラで、月額はおおむね850円前後です。
上位の「プレミアム ドラレコ型」は前方・側方・後方・車内をカバーする2カメラ一体端末で、居眠りやわき見の検知にも対応しています。
プレミアムタイプには、車両盗難時に現在地を確認できる機能もあります。
なお、後方の映像を撮りたい場合、標準タイプでは別売りのリアカメラを自費で追加する必要があります。
あいおいニッセイ同和損保|タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型)
あいおいニッセイ同和損保は、AIによる事故解析を強みとしています。
車線逸脱、前方衝突、高速道路の逆走といった危険を、ドラレコが感知するとドライバーに注意を促す仕組みです。
特約保険料は月額850円前後(口座振替12回払いの場合)となっています。
安全運転スコアが80点以上であれば8パーセント、60点から79点でも4パーセントの保険料割引が受けられます。
専用のドライブレコーダーを使いたくない方向けに、小型デバイスとスマートフォンを組み合わせる「タフ・見守るクルマの保険プラスS」も選べます。
プラスSは、月額100円程度と割安ですが、映像の録画機能はありません。
4社の特約保険料と特徴の比較
| 保険会社 | 月額目安 | カメラ構成 | 連携先 |
|---|---|---|---|
| 東京海上日動 | 500円~850円 | 1カメラ/2カメラ一体型 | 提携警備会社 |
| 損保ジャパン | 980円 | 1カメラ(リアカメラ増設可) | ALSOK |
| 三井住友海上 | 850円前後~ | 1カメラ/2カメラ一体型 | 自社対応 |
| あいおいニッセイ同和損保 | 850円前後 | 1カメラ(AI解析) | 自社対応 |
金額は、保険期間や払込方法、団体扱いの有無によって変動します。
実際に契約する際は、必ず各社の最新のパンフレットや重要事項説明書で確認してください。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 取扱4社 | 東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保 |
| 価格帯 | 月額500円から980円が中心 |
| 特色 | 損保ジャパンはALSOK連携、あいおいはAI解析が強み |
| 選び方の軸 | カメラ構成と連携先サービスの違いに注目 |
| 引用元 |
|---|
| 東京海上日動火災保険株式会社公式サイト「ドライブエージェント パーソナル(DAP)」 |
| 東京海上日動火災保険株式会社 よくあるご質問(FAQ)「特約保険料はいくらですか」 |
| BSRweb(株式会社プロトリオス)「東京海上日動、新型ドラレコ付き自動車保険を2026年1月提供開始」(2025年7月10日) |
| 損保ジャパン公式サイト「つながるドラレコDriving!」 |
| 三井住友海上火災保険株式会社公式サイト「ドライブレコーダー付き自動車保険|見守るクルマの保険」 |
| あいおいニッセイ同和損害保険株式会社公式サイト「タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型)」 |
| ロータスタウン「あいおいニッセイ同和損保のテレマティクス自動車保険(後編)」 |
第4章 ドラレコ特約のメリット
ドラレコ特約には、市販品にはない独自のメリットがあります。
特に、事故直後の混乱した状況で力を発揮する機能が中心です。
事故時の初動対応がスムーズ
事故の直後は、多くの人が動揺してしまい、冷静な対応が難しくなります。
ドラレコ特約なら、衝撃を検知した時点で自動的に保険会社へ連絡が入ります。
どこに電話をかければよいか分からない、という不安を減らせる点は大きな利点です。
過失割合をめぐるトラブルの軽減
交通事故では、当事者どうしの言い分が食い違うことがよくあります。
映像による客観的な記録があれば、過失割合(かしつわりあい)をめぐる主張の食い違いを減らせます。
ただし、映像があるからといって、必ず過失割合がゼロになるとは限らない点には注意が必要です。
安全運転の習慣づけ
多くのドラレコ特約には、運転診断レポートの機能が付いています。
急加速や急ブレーキの回数が可視化されることで、自分の運転を客観的に振り返るきっかけになります。
一部の会社では、安全運転スコアが高いと、翌年の保険料が割り引かれる仕組みもあります。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 初動対応 | 衝撃検知で自動的に保険会社へ連絡 |
| 証拠能力 | 過失割合をめぐるトラブルの軽減に有効 |
| 安全運転 | 運転診断による保険料割引の可能性 |
| 引用元 |
|---|
| ウチコミ!タイムズ「ドラレコ特約付き自動車保険――市販のドラレコとの違いと特徴、選び方」 |
| CARPRIME「東京海上日動のドライブレコーダー特約の特徴や他社との比較│口コミ情報はある?」(2026年6月8日更新) |
第5章 ドラレコ特約のデメリット・注意点
メリットが多い一方で、加入する前に理解しておきたい注意点もあります。
継続的な費用がかかる
ドラレコ特約は、月額650円から980円程度の費用が、契約を続ける限りかかり続けます。
市販のドライブレコーダーであれば、1万円前後で購入した後は、追加費用がかからないことが多いです。
長期間にわたって同じ保険会社と契約し続ける場合、総額では市販品を上回ることがあります。
解約時に端末の返却が必要
ドラレコ特約を解約したり、他社の保険に乗り換えたりする場合、端末を返却しなければなりません。
所定の期日までに返却しないと、違約金や機器代相当の費用を請求される場合があります。
他社に乗り換えても、乗り換え先で改めて新しい端末をレンタルし直す必要があります。
個人情報や運転データの提供が前提
ドラレコ特約の便利な機能は、走行速度や位置情報、映像などのデータを保険会社に提供することで成り立っています。
契約時には、こうした情報提供に同意する必要があります。
プライバシーの観点で気になる方は、契約前に取得されるデータの範囲を確認しておくとよいでしょう。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 費用面 | 月額費用が契約中ずっとかかる |
| 解約時 | 端末の返却義務、違約金のリスク |
| データ提供 | 映像や走行データの提供が前提条件 |
| 引用元 |
|---|
| グーネット「自動車保険のドライブレコーダー特約とは?そのメリットやデメリットを紹介」 |
| SBIの自動車保険比較 インズウェブ「自動車保険の『ドライブレコーダー特約』はどんな特約?」 |
第6章 自分に合った1社の選び方
ここまでの内容を踏まえて、どのような基準で選べばよいかを整理します。
すでに加入している保険会社を優先する
ドラレコ特約は、単体では契約できず、その保険会社の自動車保険とセットで加入する必要があります。
すでに自動車保険に加入している場合は、まず契約中の保険会社にドラレコ特約があるかを確認するのが現実的です。
乗り換えを検討する場合は、保険料全体の見積もりも合わせて比較しましょう。
事故時のサポート体制を重視する
いざというときの安心感を重視するなら、損保ジャパンのようにALSOKと連携しているサービスが選択肢になります。
AIによる事故解析の精度を重視するなら、あいおいニッセイ同和損保も検討に値します。
実績の長さや導入台数を重視するなら、2017年からサービスを続ける東京海上日動のDAPも有力です。
カメラ構成で選ぶ
後方からのあおり運転が心配な方は、2カメラ一体型を選べる三井住友海上や東京海上日動が候補になります。
費用をできるだけ抑えたい方は、東京海上日動の新型端末(月額500円)や、あいおいニッセイ同和損保のプラスS(月額100円程度)も検討できます。
ただし、プラスSは簡易デバイスのため、映像の録画機能がない点に注意してください。
| 重視するポイント | おすすめの傾向 |
|---|---|
| 費用の安さ | 東京海上日動(新型)、あいおいプラスS |
| 後方・車内の記録 | 三井住友海上(プレミアム)、東京海上日動(2カメラ) |
| 駆けつけサポート | 損保ジャパン(ALSOK連携) |
| AI解析による事故対応 | あいおいニッセイ同和損保 |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 基本方針 | 契約中の保険会社のドラレコ特約をまず確認 |
| サポート重視 | 損保ジャパンやあいおいのAI解析が候補 |
| 費用重視 | 東京海上日動の新型端末やあいおいプラスS |
| 最終確認 | 契約前に必ず最新のパンフレットで確認 |
| 引用元 |
|---|
| マイベスト「【2026年6月】自動車保険のおすすめ人気ランキング【徹底比較】」 |
| SBIの自動車保険比較 インズウェブ「自動車保険の『ドライブレコーダー特約』はどんな特約?」 |


