やっと手に入れた旧車。
いざ自動車保険をネットで申し込もうとしたら、「この車は見積もりできません」と弾かれた。
あるいは「車両保険はお引き受けできません」と断られた。
こうした声は、旧車オーナーの間で決して珍しくありません。
本来、手をかけて維持している旧車ほど、事故や盗難に備えたいはずです。
それなのに、古い車や特殊な車ほど、ネット型(ダイレクト型)保険では加入のハードルが上がるという現象が起きています。
この記事では、まず「断られた」の中身を切り分けます。
次に車検証(しゃけんしょう)のどこを見れば自分の状況がわかるのかを解説します。
そのうえで、なぜネット型は旧車を弾くのかという仕組みを型式別料率クラスから解き明かします。
最後に、確実に加入するための具体的な対策を、代理店型の活用、クラシックカー専用保険、車両保険の現実的な選び方まで、順を追って整理します。
この1本で、旧車の保険にまつわる不安がすべて解けるように書きました。
目次
第1章 「断られた」の正体を切り分ける
まず押さえておきたいのは、ひとことで「断られた」と言っても、その中身は大きく2つに分かれるという点です。
ここを切り分けないと、対策を誤ります。
1つ目は、そもそも見積もり自体ができないケースです。
車検証の型式(かたしき)欄が「不明」になっている車、いわゆる型式不明車がこれに当たります。
並行輸入車(へいこうゆにゅうしゃ)の多くがこのタイプです。
この場合、対人・対物などの基本補償を含めて、ネット型では入口ではねられます。
2つ目は、基本補償は入れるのに、車両保険だけが付けられないケースです。
型式がきちんと記載された国産の旧車に多いパターンです。
車が古くて時価が低いため、車そのものへの補償である車両保険を渋られます。
| 断られ方 | 起きやすい車 |
|---|---|
| 見積もり自体ができない | 型式不明車・並行輸入車 |
| 車両保険だけ不可 | 型式のある国産旧車 |
| 型式が選択肢に出ない | 相当古い型式の国産車 |
3つ目として、ネットの見積もり画面に自分の型式が出てこないという状況もあります。
これは車が特殊なのではありません。
ネット型の選択肢が新しめの型式に偏っているために起きます。
この場合は電話窓口に回されるだけで、加入自体は可能なことが多いです。
大切なのは、一社に断られても、それがすべてではないという事実です。
ネット型で門前払いされた車でも、代理店型なら個別に審査して引き受けてもらえることが多くあります。
まずは「自分はどのタイプで断られているのか」を見極めることが、対策の第一歩になります。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 断られ方は2種類 | 見積もり不可か、車両保険だけ不可か |
| 型式不明車は入口で不可 | 並行輸入車が中心 |
| 国産旧車は車両保険が壁 | 基本補償は入れることが多い |
| 一社の結果がすべてではない | 代理店型なら通る可能性が高い |
| 引用元・参照元 |
|---|
| SBI損保「型式が不明な車でも申込みはできますか?|よくあるご質問」(自動車保険公式FAQ) |
| SOMPOダイレクト「おとなの自動車保険 よくあるご質問『見積りしようとしたら、該当する型式が選択肢にないのですが、どうしたらよいですか』」 |
| SBIホールディングス「インズウェブ 自動車保険比較『車両保険をつけられなかった…その理由は?』」 |
第2章 まず車検証を見る。あなたの車は「型式不明車」か「型式のある旧車」か
対策の前に、自分の車がどちらなのかを車検証で確定させます。
見るのは「型式」欄だけです。
ここの記載で、話がまったく変わります。
以下のいずれかに当てはまる車は、型式不明車として扱われます。
| 型式欄の記載 | 扱い |
|---|---|
| 「不明」「フメイ」「FUMEI」 | 型式不明車 |
| 空欄 | 型式不明車 |
| 両側がハイフン(例:-ABC123-) | 並行輸入車=型式不明扱い |
| 末尾に「改」「カイ」 | 改造車(別扱いだが同様に弾かれやすい) |
ここで重要なのが、並行輸入車の見分け方です。
日本で正規販売もされている車なら、型式は「-123456-」のように両側にハイフンが付いた形で記載されます。
一方、正規ルートで売られていない車は、型式欄が「不明」になります。
旧い輸入車を並行輸入で手に入れた場合、この「不明」になっているケースが多いのです。
逆に、「ABC-DEF」のように普通に型式が書かれている車は、たとえ40年前の国産車であっても型式のある旧車です。
この場合、基本補償はネット型でも入れることが多く、壁になるのは車両保険だけです。
なぜ並行輸入車は型式が「不明」になるのでしょうか。
型式は、国内での型式指定などに基づいて公的に付与される識別記号です。
正規ルートを通っていない車には、その日本国内での型式が割り当てられていません。
だから車検証にも記載されず、「不明」となります。
同じ車種であっても、正規輸入なら型式あり、並行輸入なら型式不明という差が生まれます。
| 同じ車種でも | 型式欄 |
|---|---|
| 正規輸入・国内販売車 | 型式あり(両側ハイフン等) |
| 並行輸入車 | 「不明」になりやすい |
まずはご自分の車検証を手元に用意して、この型式欄を確認してください。
そこが「不明」なのか、型式が書かれているのかで、次に取るべき行動が決まります。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 見るのは型式欄だけ | 車検証の「型式」の記載で判定する |
| 「不明」「空欄」「両側ハイフン」 | 型式不明車・並行輸入車 |
| 普通に型式がある | 型式のある旧車。壁は車両保険だけ |
| 同じ車種でも差が出る | 正規は型式あり、並行は不明になりやすい |
| 引用元・参照元 |
|---|
| SOMPOダイレクト「保険の用語集『型式(かたしき)』」(改造車・並行輸入車・型式不明車の車検証記載の説明) |
| 損害保険料率算出機構「型式別料率クラス検索」(型式の定義および改・不明の説明) |
| ジコロン「並行輸入車や型式不明車でも契約できる通販型の自動車保険会社」(2026年4月時点の各社引受条件) |
第3章 なぜネット型は旧車を弾くのか。型式別料率クラスの仕組み
ネット型が型式不明車を見積もれない理由は、保険料の計算方法そのものにあります。
鍵になるのが型式別料率クラスという制度です。
型式別料率クラスとは、損害保険料率算出機構が、車の型式ごとに事故実績をもとに定めているリスクの区分です。
「対人賠償」「対物賠償」「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)」「車両保険」の4項目それぞれにクラスが付きます。
数字が大きいほどリスクが高く、保険料も高くなります。
| 用途・車種 | クラスの範囲 |
|---|---|
| 自家用普通・小型乗用車 | 1〜17(2020年1月から) |
| 自家用軽四輪乗用車 | 1〜7(2025年1月から。以前は1〜3) |
普通・小型乗用車では、クラス1が最も安く、クラス17が最も高い設定です。
各クラス間の保険料率の差は約1.1倍です。
クラス1とクラス17を比べると、保険料率の差は約4.3倍にもなります。
スポーツカーや高級車は修理費が高く盗難リスクも高いため、車両保険のクラスが高くなりやすい傾向があります。
ここが旧車の核心です。
この型式別料率クラスは、型式が特定できて初めて引ける数字です。
損害保険料率算出機構の検索でも、型式がわからない車、並行輸入車、未発売・発売間もない車はクラスを検索できません。
| 状況 | 料率クラス |
|---|---|
| 型式のある一般的な車 | 検索できる |
| 型式不明車・並行輸入車 | 検索できない |
| 未発売・発売間もない型式 | 検索できない |
ネット型は、この料率クラスを使った自動計算で保険料を出す仕組みです。
だからこそ人件費を抑え、保険料を安くできています。
ところが型式が引けない車は、システムが保険料を計算できません。
結果として「見積もりできません」と入口で断ることになります。
つまり旧車が弾かれるのは、車が危険だからではありません。
安さの前提である「自動計算」に、型式不明車が乗らないからです。
ここを理解すると、次章以降の対策が腑に落ちます。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 型式別料率クラス | 型式ごとに4項目でリスクを区分 |
| 普通車は1〜17 | 1と17で保険料率が約4.3倍 |
| 型式不明は検索不可 | 並行輸入車・未発売車も引けない |
| ネット型は自動計算頼み | 計算できないから入口で断る |
| 引用元・参照元 |
|---|
| 損害保険料率算出機構「型式別料率クラス検索」および「自動車保険 型式別料率クラスの仕組み(2025年1月1日以降始期契約)」 |
| 三井ダイレクト損保「自動車保険の型式別料率クラス制度とは?仕組みや保険料への影響を紹介」 |
| チューリッヒ保険会社「自動車保険の型式別料率クラスとは。料率クラスの高い車・低い車」(2026年) |
| SBI損保「自動車保険の型式別料率クラスとは」(クラス1と17で約4.3倍の記載) |
第4章 ネット型(ダイレクト型)各社の対応実態
では、実際にネット型各社は型式不明車をどう扱っているのでしょうか。
各社の公式FAQに基づくと、対応はおおむね「不可」で揃っています。
| 保険会社 | 型式不明車の扱い |
|---|---|
| SBI損保 | 空欄・不明・両側ハイフンは申込不可 |
| ソニー損保 | 「不明」はウェブ・電話とも見積不可 |
| チューリッヒ | ウェブでは不可。電話窓口で余地あり |
| おとなの自動車保険 | ウェブ不可。電話相談扱い |
SBI損保は、車検証の型式欄が空欄、「不明」、または両側にハイフンが付く並行輸入車の場合、申し込みできないと明言しています。
ソニー損保も、型式欄が「不明」の車はウェブでも電話でも見積もりできないとしています。
ここは各社の中でも対応が厳しい部類に入ります。
チューリッヒは少し事情が異なります。
チューリッヒの「スーパー自動車保険」も「ネット専用自動車保険」も、販売形態は通販型(ダイレクト型)です。
そのうえで、型式不明車は当ウェブサイトでは取り扱っていないとしています。
ただし、スーパー自動車保険のカスタマーケアセンター(電話)に相談すれば、条件を聞いたうえで引き受け可能な場合は見積もりを作成するという案内になっています。
なお、この電話での見積もり・申し込みには、インターネット割引は適用されません。
おとなの自動車保険(SOMPOダイレクト)は、改造車・並行輸入車・型式不明車・車台番号(しゃだいばんごう)が職権打刻(しょっけんだこく)された車について、電話での相談扱いとしています。
ネットで完結できないため、ネット型の手軽さは失われます。
覚えておきたいのは、型式不明車でなくても、年式の古い車はネットの型式検索に出てこないことがあるという点です。
チューリッヒも、最新車種や年式の古い車でウェブ検索できない場合は、電話での見積もりになると案内しています。
つまり「ネットで型式が選べない=加入できない」ではありません。
電話に切り替えれば道が開けることも多いのです。
全体の傾向として、ネット型は近年、型式不明車の引き受けを見送る方向に動いています。
あるオーナーの報告では、以前は加入できたネット型で、途中から一律に断られるようになった例もあります。
ネットの古い情報をうのみにせず、必ず現時点の各社の条件を確認することが欠かせません。
| ネット型で断られる根本理由 |
|---|
| 型式が引けず保険料を自動計算できない |
| 市場価格が算定できず車両保険金額を決められない |
| 人件費を削る仕組みゆえ個別対応の余地が薄い |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| ウェブはほぼ全滅 | SBI・ソニー・チューリッヒ・おとながウェブ不可 |
| 電話で余地がある会社も | チューリッヒやおとなは電話相談扱い |
| 古い車は型式が選べないことも | その場合は電話見積もりに切り替える |
| 近年は厳格化の傾向 | 古い情報に頼らず現時点で確認する |
| 引用元・参照元 |
|---|
| SBI損保「型式が不明な車でも申込みはできますか?|よくあるご質問」 |
| ソニー損保「車検証の型式欄が『不明』と記載されてますが見積りできますか|よくある質問」 |
| チューリッヒ保険会社「スーパー自動車保険のよくあるご質問『型式が不明の車はどのような取扱いになっていますか?』『型式で検索できず車名が見つからない』」 |
| SOMPOダイレクト「おとなの自動車保険 お取扱いが可能な条件」 |
| くるまりこちゃん(個人ブログ)「型式不明車(並行輸入車)は自動車保険に加入するのも一苦労だった」(2024年) |
第5章 対策その1 代理店型(対面型)に切り替える
旧車・型式不明車の保険で最も確実な対策は、代理店型(対面型)に切り替えることです。
理由ははっきりしています。
代理店型は、自動計算ではなく人が個別に審査するからです。
重要なのは、多くの大手損保では「型式不明車は加入NG」という会社としての一律ルールが見当たらないという点です。
加入の可否判断を、現場の代理店に委ねている会社が目立ちます。
つまり、引き受けてくれる代理店さえ見つかれば、型式不明車でも加入できる可能性があるということです。
| 保険会社 | 型式不明車への対応の傾向 |
|---|---|
| 損保ジャパン | 一律NGとはしていないとされる |
| 三井住友海上 | 公式サイトに型式不明車の記述あり |
| 東京海上日動 | 代理店が可と判断すればOK |
| あいおいニッセイ同和 | 個別審査で対応。融通が利く例 |
| AIG損保 | 社内の一律NGルールはないとの回答例 |
ここから先は、あるオーナーが各社に直接問い合わせた報告に基づく傾向です。
その報告によれば、AIG損保には型式不明車を一律に断る社内ルールがなく、代理店の判断でOKなら車両保険まで加入できるとの回答でした。
東京海上日動も、代理店が可能と判断すればOKで、実際にこのオーナーは東京海上日動で加入しています。
ただしこのケースでは車両保険までは付けられませんでした。
賠償系は入れても、車両保険は担当者次第という現実がここにあらわれています。
保険会社側は、型式不明車でも車台番号から元の車を割り出せないか確認します。
それでも特定できない場合は、型式不明車専用の扱いで保険料が決定されます。
つまり「入れない」ではなく「専用の手順で入る」ことになります。
実例もあります。
2012年にアストンマーティンの型式不明車を購入したオーナーが、更新期限の3日前に近所の代理店へ駆け込みました。
あいおい損保で、車庫の確認・現車確認・売買契約書の確認を経て審査OKとなりました。
そして車両保険900万円まで加入できたとブログで報告しています。
ネット型で全滅だった車が、代理店では通ったわけです。
ここでの教訓はシンプルです。
型式不明車は、日ごろから相談できる代理店を持っておくことが強いです。
加入を断られて困ったら、まず代理店型に当たってください。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 代理店型が最も確実 | 自動計算ではなく人が個別審査 |
| 会社としての一律NGは少ない | 可否判断を代理店に委ねる会社が多い |
| 車両保険は担当者次第 | 賠償系は入れても車両は別問題 |
| 複数の代理店に当たる | 断る代理店もあるので探し歩く |
| 引用元・参照元 |
|---|
| くるまりこちゃん(個人ブログ)「型式不明車(並行輸入車)は自動車保険に加入するのも一苦労だった」(AIG損保・東京海上日動・楽天損保への問い合わせ結果、2024年) |
| ムラッチ427(みんカラ ブログ)「型式不明で車両保険に入れるのか!?」(あいおい損保で車両保険900万円加入の実例、2012年) |
| 自動車保険の基礎知識サイト「改造車・形式不明車でも入れる自動車保険はあるか」(車台番号からの元車確認の説明) |
第6章 対策その2 クラシックカー専用保険という切り札
「代理店型でも車両保険だけ断られた」。
そんなときの切り札が、クラシックカー専用保険です。
代表格がチャブ損害保険(Chubb)のクラシックカー保険です。
この保険の最大の特徴があります。
製造年から25年以上経過した車に対して、市場価格を考慮した金額で車両保険を設定できる点です。
通常の車両保険では時価が低すぎて入れない旧車でも、車の市場価格・コンディション・保管状況を個別に評価します。
そのうえで協定保険価額(きょうていほけんかがく)を協定して契約します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 製造年から25年以上経過した国産車・輸入車(二輪含む) |
| 車両保険金額 | 購入金額や市場価格等から決定 |
| 加入条件の目安 | 年間走行距離5,000km以内など |
通常の車両保険は、毎年、車の価値の下落に合わせて保険金額が下がっていきます。
しかしクラシックカー保険では、継続時も原則として減価せず、前年と同じ車両保険金額で契約できるのが強みです。
値上がりすることさえある旧車の実態に合った仕組みです。
さらに割引もあります。
「1975年以前に製造」かつ「年間走行距離2,000km以内」の両方を満たすと、保険料が20%割引になります。
現在加入している自動車保険のノンフリート等級や事故有係数適用期間も引き継げるため、等級が無駄になりません。
具体的な保険料の感覚もつかんでおきましょう。
取扱代理店が公開している契約例では、1973年式のいすゞ ベレット(PR95)で、車両保険金額500万円・年間保険料45,720円という数字が示されています。
あくまで一例で、実際の保険料は等級や条件で変わります。
それでも数百万円の車両保険を旧車に付けられるという点は、大きな安心材料です。
加入時には手間もかかります。
車検証のコピーに加え、車両・車庫・メーター周り・オドメーターの写真提出などが求められます。
その手間の分だけ、愛車の価値に見合った補償が得られます。
| クラシックカー保険の利点 |
|---|
| 市場価格ベースで車両保険を設定できる |
| 継続時も原則減価しない |
| ノンフリート等級を引き継げる |
| 二輪(バイク)も対象になる |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| チャブ保険が代表格 | 製造25年以上の車に車両保険 |
| 市場価格で協定 | 協定保険価額で愛車の価値を補償 |
| 原則減価しない | 継続時も前年と同額で契約 |
| 1975年以前で20%割引 | 年間2,000km以内が条件 |
| 引用元・参照元 |
|---|
| チャブ損害保険株式会社「クラシックカー保険」(公式サイト、製造25年以上・市場価格・継続時の非減価の説明) |
| 価格.com「チャブ保険の自動車保険|サービス内容・特長」(年間走行5,000km以内・1975年以前製造で20%割引の記載) |
| アイリード(チャブ保険取扱代理店)「クラシックカー保険」(1973年いすゞ ベレットPR95・車両保険金額500万円・年間45,720円の契約例) |
第7章 対策その3 車両保険の「入れない」を回避する現実策
クラシックカー保険が条件に合わない場合でも、打つ手はまだあります。
車両保険まわりの現実的な選択肢を整理します。
まず大前提です。
最悪なのは無保険で乗ることです。
車両保険が付けられなくても、対人賠償・対物賠償・人身傷害だけは必ず確保してください。
賠償系は型式不明車でも代理店型で引き受けやすい部分です。
事故で相手を死傷させたときの賠償は青天井になり得ます。
ここを空けてはいけません。
| 優先順位 | 補償 |
|---|---|
| 絶対に確保 | 対人賠償・対物賠償 |
| できれば確保 | 人身傷害 |
| 入れれば理想 | 車両保険 |
次の一手が、旧車の専門店を経由した保険相談です。
R31スカイラインの専門店として知られる「R31HOUSE(柴田自動車)」や、第二世代GT-R専門の「目黒メンテナンスサービス」などは、古い車の車両保険の見直し相談に力を入れているとされます。
専門店は保険会社や代理店とのつながりを持っています。
その車種を熟知した引き受けルートを持っていることがあります。
故障まで補償する特約も知っておきましょう。
損保ジャパンが2019年から扱う故障運搬時車両損害特約は、契約車両が故障で走行不能になりレッカーけん引された場合に働きます。
協定保険価額または100万円のいずれか低い額を限度に保険金を支払うものとされます。
加入条件はありますが、故障がつきものの旧車オーナーにとって心強い補償です。
もう1つ、東京海上日動には車両全損時復旧費用補償特約があります。
これは長年乗った愛車が全損になったとき、車両の時価額を上回る買い替え費用を補償する仕組みです。
ただし、この特約は車両保険に入れることが前提です。
そのため、型式のある旧車で車両保険を付けられる場合の「上乗せ策」と考えてください。
型式不明で車両保険自体が付けられない車には使えません。
最後に、進め方のコツです。
型式不明車は一括見積もりサイトが使いにくいです。
そのため、直接、複数の代理店や保険会社に電話・来店で当たるのが近道です。
1社で断られても、次を当たれば結果が変わります。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 無保険だけは避ける | 賠償系は必ず確保する |
| 旧車専門店に相談 | 車種特化の引き受けルートがある |
| 故障補償の特約 | 損保ジャパンの故障運搬時車両損害特約など |
| 全損時復旧費は上乗せ策 | 車両保険に入れる旧車向け |
| 引用元・参照元 |
|---|
| Auto Messe Web「ウン百万円の稀少な旧車の車両保険が『年々下がって』二桁万円! 旧車オーナー必須の自動車保険の見直しとは」(R31HOUSE・目黒メンテナンスサービス、損保ジャパン故障運搬時車両損害特約2019年開始の記載) |
| 東京海上日動火災保険「自動車保険(公式)」(車両全損時復旧費用補償特約の説明) |
| あいおいニッセイ同和損保「車両保険をつけられないケースはありますか|よくあるご質問」 |
第8章 断られてから加入までの実務手順とまとめ
最後に、断られた状態から加入までの動き方を、手順として整理します。
この順番で進めれば、旧車でも保険にたどり着けます。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 車検証の型式欄を確認する |
| 2 | 型式不明ならウェブ完結は最初から外す |
| 3 | 代理店型・電話窓口に複数当たる |
| 4 | 車両保険はクラシックカー保険も検討 |
| 5 | 必要書類を早めに準備する |
手順1で、まず自分がどのタイプかを確定します。
型式欄が「不明」なら型式不明車です。
型式が書かれていれば型式のある旧車です。
ここで進む道が分かれます。
型式のある国産旧車なら、基本補償はネット型でも入れることが多いです。
壁になるのは車両保険だけです。
そのため、基本補償はネット型、車両保険は代理店型やクラシックカー保険で別途検討という組み合わせも成り立ちます。
型式不明車なら、ウェブでの完結は時間の無駄になりがちです。
最初から代理店型や、電話窓口、クラシックカー専用保険に絞るのが賢い進め方です。
準備しておくべき書類も押さえておきましょう。
車検証、車庫を確認できる情報、売買契約書、車両やメーター周りの写真があるとスムーズです。
特にクラシックカー保険では写真提出が求められます。
| 準備しておく書類・情報 |
|---|
| 車検証(型式・初度登録年月がわかるもの) |
| 売買契約書・車庫を確認できる情報 |
| 車両・メーター周り・オドメーターの写真 |
最後に、絶対に外せない注意点です。
納車日ギリギリまで保険の手続きを放置しないでください。
型式不明車は加入に時間がかかります。
無保険で公道を走る期間を絶対に作らないこと。
これが旧車オーナーにとって最重要のルールです。
旧車を降りて再取得する予定があるなら、中断証明書を取っておくと等級を守れます。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| まず型式を確認 | 不明か型式ありかで道が分かれる |
| 型式ありは組み合わせ可 | 基本補償はネット、車両は別ルート |
| 型式不明は最初から専門ルート | 代理店型・電話・クラシックカー保険 |
| 無保険期間を作らない | 早めに手続き、中断証明書も活用 |
| 引用元・参照元 |
|---|
| SBI損保「古い車に車両保険は必要?加入できないケースや注意点も解説」(2025年) |
| チャブのクラシックカー保険「保険料お見積り」(車検証コピー・車両写真等の必要書類の案内) |
| くるまりこちゃん(個人ブログ)「型式不明車(並行輸入車)は自動車保険に加入するのも一苦労だった」(中断証明書を用いた再契約の経緯、2024年) |

