【超丁寧解説】車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険

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【記事丸わかり】

  • 特約の概要
    • 車両全損修理時特約は、車両保険に付帯できる特約で、追加料金が必要です。
    • 車両保険金額を超える修理費用が発生した場合に、超過した修理費用を50万円(または30万円)を限度に補償します。
    • 実際に車を修理した場合にのみ支払われます。
  • 特約の条件
    • 修理費用が協定保険価額(車両保険金額)を超える場合に適用されます。
    • 事故日から1年以内(保険会社によっては6ヶ月以内)に修理を完了する必要があります。
  • 適用条件
    • 新規登録から2年以上経過した車に付けることができます。具体的には、保険期間の初日の属する月が初度登録年月の翌月から25ヶ月を超える場合です。
    • 新車には付けられませんが、新車特約(車両新価特約)があります。
  • 保険会社別のポイント
    • 損保ジャパン:限度額50万円。
    • 東京海上日動:限度額50万円、車両保険金額が50万円未満の車両が対象。
    • あいおいニッセイ:限度額30万円、事故日から6ヶ月以内に修理完了。
    • 三井住友海上:限度額30万円、事故日から6ヶ月以内に修理完了。
    • おとなの自動車保険(セゾン損保):限度額50万円、保険始期の属する月が初度登録年月から25ヶ月超の場合。
  • 混同しやすい特約
    • 車両全損時諸費用補償特約:車が全損した場合に臨時費用やお見舞金として支払われる特約。
    • 対物全損時修理差額費用特約:対物賠償保険の特約で、相手車両の修理費が時価額を超えた場合にその差額を補償。
  • 支払いの具体例
    • 車両保険金額100万円の車が事故で修理費用130万円と見積もられた場合、この特約が適用されると超過分30万円(上限50万円)が支払われます。
    • 修理しない場合は、車両保険金額のみの支払いとなります。
  • 注意点
    • 実際に車を修理した場合にのみ保険金が支払われます。
    • 特約の内容や支払い条件は保険会社によって異なるため、詳細を確認することが重要です。

車両全損修理時特約とは車両保険の特約で追加料金が必要です。

事故で車両保険を使う際、修理費が協定保険価額(車両保険金額)を超過した場合に、超過した修理費について50万円(30万円)を限度に保険金が支払われます。

ただし実際に車を修理した場合にだけ支払われます。

このページでは車両全損修理時特約について詳しく解説しています。

しばらくお付き合いいただけると幸いです。

まず名称について

まず名称・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

車両全損修理時特約は保険会社によって名称が異なります。

たとえば、

損保ジャパン 車両全損修理時特約
東京海上日動 車両修理時支払限度額引上げ特約
あいおいニッセイ 車両超過修理費用特約

といった違いがあります。

このページでは「車両全損修理時特約」でご説明していきます。

早わかり】車両全損修理時特約とは?

早わかり・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

では車両全損修理時特約の内容を簡単にまとめてみます。

【早わかり】車両全損修理時特約
  • 車両全損修理時特約は車両保険の特約です。
  • 自動セットされる特約ではなく別途保険料が必要となる特約です。※目安となる保険料は2,000円~5,000円ほど
  • 事故で車が破損し車両保険を使って修理する際に使える特約です。実際に車を修理した場合にのみ支払われる特約です
  • 修理代が車両保険金額(協定保険価額)を超えた場合50万円(30万円)を限度に超過分の修理費用が支払われます。※限度額が50万円の会社と30万円の会社があります
  • 事故発生日の翌日から1年以内に実際に車を修理した場合に支払われます。※6ヶ月以内の会社もあります
  • 車両全損修理時特約は新車に付けることはできず、保険期間の初日の属する月が初度登録年月(または初度検査年月) の翌月から起算して25か月を超える車であることが加入の条件です。※まっさらな新車以外はたいてい入れるということ
  • 車両全損修理時特約は新車特約(車両新価特約)と同時に付帯することはできません。
  • 車両全損修理時特約はリースカー車両費用特約と同時に付帯することはできません。
  • 車が全損になった場合、車両保険に自動セットされている車両全損時諸費用特約からも保険金が支払われますが、車両全損修理時特約を使った場合、両方から支払われる会社と車両全損修理時特約からのみ支払われる会社とがあります。

実際に車を修理することが条件です

実際に車を修理することが条件・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

通常、事故で車両保険を使う場合、実際に車を修理するしないにかかわらず保険金を受け取ることができます。

しかし車両全損修理時特約は実際に車を修理した場合にのみ支払われる特約です。

事例として次のケースでご説明します。

車両保険金額100万円で車両保険に加入していた車が事故で破損し、修理費用が130万円と見積もられました。

この契約に車両全損修理時特約が付いていない場合は、車両保険からは100万円と車両全損時諸費用特約(車両保険に自動セット)が支払われます。※実際に修理してもしなくても支払われます

この契約に車両全損修理時特約が付いている場合は、実際に車を修理した場合にのみ130万円と車両全損時諸費用特約が支払われます。※車両全損時諸費用特約を支払わない会社もあります

車両全損修理時特約が付いている場合であっても車を修理しない場合は車両保険のみの支払い方になります。

まっさらな新車には付けられません

まっさらな新車には付けられません・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

車両全損修理時特約は車両保険に付ける特約ですが、すべての車に付けられる特約ではありません。

この特約を付けられるのは新規登録から約2年経過した後の車に限られます。

厳密に言うと「保険期間の初日の属する月が初度登録年月(または初度検査年月) の翌月から起算して25か月を超える車」です。※「初度検査年月」とは軽自動車で使う表現です

では、新規登録から2年までの「まっさらな新車」に類似の特約を付けたい場合はどうすればいいでしょう?

その場合は新車特約車両新価特約・新車買替特約)があります。

まったく同じ内容ではありませんが、新車が事故で大破した場合に新車に買い替えできる特約です。

こちらの記事を参考になさってください。

自動車保険・車両新価特約・デメリット・必要・保険料

【超丁寧記事】自動車保険の車両新価特約とは?必要性とデメリットと保険料

2019年6月3日

事故日から1年以内に修理する必要があります

事故日から1年以内に修理する・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

車両全損修理時特約から支払いを受けるには事故日から一定の期間内に修理する必要があります。

保険会社によって期間が異なりますが、ほとんどの会社は「事故日から1年以内」です。※6ヶ月以内の会社もあります

保険会社別ポイント整理

保険会社別ポイント整理・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

車両全損修理時特約を保険会社別に解説します。

車両全損修理時特約は大手代理店型と一部通販型で扱っています。

損保ジャパン:車両全損修理時特約
  • 車両保険のオプションで別途保険料が必要です。
  • 車両保険の対象となる事故で、修理費が協定保険価額(車両保険金額)を超過した場合に、超過した修理費について50万円を限度に保険金が支払われます。
  • 契約期間の初日の属する月が初度登録年月(または初度検査年月) の翌月から起算して25か月を超える場合に付帯することができます。
  • この特約により保険金が支払われる場合は、全損時諸費用保険金(車両保険に自動セット)は支払われません。
  • 事故発生日の翌日から起算して1年以内に修理した場合に支払われる特約です。
東京海上日動:車両修理時支払限度額引上げ特約
  • 車両保険のオプションで別途保険料が必要です。
  • 車の修理費が車両保険の保険金額以上となる場合で、実際に修理を行ったときに、損害額から契約時に設定された免責金額(自己負担額)を差し引いた金額を50万円を限度に保険金として支払います。
  • この特約による保険金が支払われた場合も車両全損時諸費用補償特約から保険金が支払われます。
  • この特約は車両保険金額が50万円未満の車両保険に付けられる特約です。※これが他社の内容と大きく異なる点で、かなり年式の古い車が対象ということになります
あいおいニッセイ:車両超過修理費用特約
  • 車両保険のオプションで別途保険料が必要です。
  • 契約車両に車両保険金額を上回る修理費が発生した場合で、事故の日の翌日から6か月以内に修理が完了した場合、車両保険金額に30万円を加えた金額を限度に、実際の修理費を車両保険金としてお支払いします。
  • この特約の適用で車両保険金額を上回る車両保険金が支払われる場合、全損時諸費用特約の全損時諸費用保険金は支払われません。
  • この特約の対象となる車は、始期日の属する月が契約車両の初度登録(検査)年月の翌月から起算して26か月目以降の車です。
  • この特約は新車特約、リースカー車両費用特約をセットした場合は支払い対象外となります。
三井住友海上:車両超過修理費用特約
  • 車両保険のオプションで別途保険料が必要です。
  • 始期日の属する月が初度登録(初度検査)年月の翌月から起算して25か月超の車が対象。
  • 修理費用が高額になり車両保険金額を上回る場合、その差額について30万円を限度に保険金を支払います。
  • 事故日の翌日から起算して6か月以内に修理完了した場合に限ります。
おとなの自動車保険(セゾン損保):車両全損修理時特約
  • 車両保険のオプションで別途保険料が必要です。
  • 保険始期の属する月が初度登録年月から25ヶ月超の場合にセットできます。
  • (保険始期の属する月が初度登録年月から25ヶ月以内の場合は「車両新価特約」をご検討ください。)
  • 修理費が車両保険の保険金額以上となる損害が発生し、実際に修理した場合、車両保険の保険金額に50万円を加えた額を限度として保険金(修理費)を支払います。

混同しやすい特約(その一):車両全損時諸費用補償特約

車両全損時諸費用補償特約・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

このページのテーマである車両全損修理時特約は車両保険の特約ですが、同じく車両保険の特約として車両全損時諸費用補償特約というものがあります。

この車両全損時諸費用補償特約は車両保険に自動セットされています。

別途保険料を支払うのではなく始めから車両保険に組み込まれている特約です。

この特約はすでにこのページにも登場していますが、車が全損になって車両保険を使う場合に「必ず」ついてくる特約です。

「臨時費用」あるいは「お見舞金」といった性質の補償です。

車両全損時諸費用補償特約から支払われる保険金は、車両保険の保険金額の10%に相当する額(上限20万円)となります。※会社により5%(上限10万円)のところもあります

車両保険の保険金とは別枠で支払われます。

これにより車を買い換えるときに発生する諸費用(の一部)をまかなうことができます。

車両保険と車両全損時諸費用補償特約は、車が全損になった場合、実際に車を修理しない場合でも支払われます。

車両全損時諸費用補償特約|東京海上日動|車両保険に自動セット・メリット・等級・必要性・いる・いらない

車両全損時諸費用補償特約|東京海上日動|車両保険に自動セット

2022年11月4日

混同しやすい特約(その二):対物全損時修理差額費用特約

対物全損時修理差額費用特約・車両全損修理時特約とは|超過した修理代のため|車両保険・車両超過修理費用特約・車両修理時支払限度額引上げ特約

対物全損時修理差額費用特約とは対物賠償保険の特約で、対物賠償保険に自動セットされている会社と追加保険料を払って任意に付帯する会社とがあります。

事故で相手車両に損害を負わせた場合で、相手車両の修理費が相手車両の時価額を超えてしまった場合に、その差額に対して50万円を限度にこの特約から支払うというものです。

たとえ対物賠償保険の補償額が「無制限」であったとしても、保険会社は相手車両の「時価額」までしか支払えません(法的に)。

したがって非常に必要性が高い特約であり、たとえば損保ジャパンなどでは、それまでは追加保険料を払って付ける任意付帯でしたが2019年1月から自動付帯の特約としています。

他の多くの保険会社はすでにもっと前から自動付帯の特約でした。

対物全損時修理差額費用特約・無制限・必要・必要性・不要・対物無制限

対物全損時修理差額費用特約とは|対物無制限でも必要?

2019年1月8日

ご覧いただきありがとうございました。