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【記事丸わかり】
保険料の上がり方(年間保険料100,000円の場合)
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自動車保険の等級と保険料の話です。
事故で保険を使い翌年度の等級が3等級ダウンした場合、保険料はいくら上がるのでしょう?
保険料の上がり方は現在の等級や保険料の額によって変わりますから、いくつかのパターンに分けて保険料の額を出してみました。
また3等級ダウンした場合は元の等級に戻るのに丸4年かかりますので、4年間の保険料を出しています。
このページでは事故で3等級ダウンすると保険料はいくら上がるかについてわかりやすく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
事故で3等級ダウンすると保険料はいくら上がるか
事故で3等級ダウンした場合に翌年度の保険料がいくら上がるか、これは現在の等級と現在の保険料の額によって金額が変わってきます。
そこで、年間保険料を100,000円に固定して、等級を4パターン(20等級・15等級・10等級・6等級)で保険料を出してみます。
これにより、みなさんの現在の等級に近い等級の結果を見ることで、1つの目安になると思います。
また保険料にしても、もしもみなさんの保険料が50,000円なら、ここで出した金額の半分ほどになるので、これも1つの目安になると思います。
その際、3等級ダウンした場合は元の等級に戻るのに丸4年かかりますので、向こう4年間の保険料を出し、なおかつ保険を使わなかった場合の向こう4年間の保険料と並べて表示しました。
※以下に算出する保険料はあくまでも概算ですから、保険を使う際の目安としてお考えください。
<計算条件> |
|
値上がりする保険料の推移 | 保険を使わなかった場合の推移 | |||
経過年 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1 | 事故有17等級 | 167,000 円 | 無事故20等級 | 100,000円 |
2 | 事故有18等級 | 161,000 円 | 無事故20等級 | 100,000円 |
3 | 事故有19等級 | 156,000円 | 無事故20等級 | 100,000円 |
4 | 無事故20等級 | 100,000円 | 無事故20等級 | 100,000円 |
584,000円 | 400,000円 |
ご覧のように、4年間の比較で見ると、保険を使った場合と使わなかった場合の差額は184,000円(584,000円-400,000円)になります。
※あなたの年間保険料が50,000円なら、上記の半額が目安になります。
<計算条件> |
|
値上がりする保険料の推移 | 保険を使わなかった場合の推移 | |||
経過年 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1 | 事故有12等級 | 148,000 円 | 無事故16等級 | 97,000円 |
2 | 事故有13等級 | 144,000 円 | 無事故17等級 | 95,000円 |
3 | 事故有14等級 | 140,000円 | 無事故18等級 | 93,000円 |
4 | 無事故15等級 | 100,000円 | 無事故19等級 | 91,000円 |
532,000円 | 376,000円 |
ご覧のように、4年間の比較で見ると、保険を使った場合と使わなかった場合の差額は156,000円(532,000円-376,000円)になります。
※あなたの年間保険料が50,000円なら、上記の半額が目安になります。
<計算条件> |
|
値上がりする保険料の推移 | 保険を使わなかった場合の推移 | |||
経過年 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1 | 事故有7等級 | 144,000 円 | 無事故11等級 | 95,000円 |
2 | 事故有8等級 | 143,000 円 | 無事故12等級 | 94,000円 |
3 | 事故有9等級 | 141,000円 | 無事故13等級 | 92,000円 |
4 | 無事故10等級 | 100,000円 | 無事故14等級 | 90,000円 |
528,000円 | 371,000円 |
ご覧のように、4年間の比較で見ると、保険を使った場合と使わなかった場合の差額は157,000円(528,000円-371,000円)になります。
※あなたの年間保険料が50,000円なら、上記の半額が目安になります。
<計算条件> |
|
値上がりする保険料の推移 | 保険を使わなかった場合の推移 | |||
経過年 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1 | 事故有3等級 | 137,000 円 | 無事故7等級 | 85,000円 |
2 | 事故有4等級 | 120,000 円 | 無事故8等級 | 73,000円 |
3 | 事故有5等級 | 107,000円 | 無事故9等級 | 69,000円 |
4 | 無事故6等級 | 100,000円 | 無事故10等級 | 67,000円 |
464,000円 | 294,000円 |
ご覧のように、4年間の比較で見ると、保険を使った場合と使わなかった場合の差額は170,000円(464,000円-294,000円)になります。
※あなたの年間保険料が50,000円なら、上記の半額が目安になります。
上記の保険料はすべて概算です。
みなさんが保険料について考える際の目安にしていただきたいと思います。
等級や保険料などみなさんの条件にピッタリのものがなくても、上記の中で条件が近いものが参考になると思います。
以下の項目では、等級に関する関連知識をご案内しています。
お時間が許せば目を通していただければと思います。
3等級ダウン事故とは?
事故で保険を使った場合は翌年度の等級に影響するのですが、影響は事故の内容により3つのパターンに分類されます。
3等級ダウン事故 | 翌年度は3等級ダウンする |
1等級ダウン事故 | 翌年度は1等級ダウンする |
ノーカウント事故 | 事故による支払いがなかったものとして扱われる ※無事故と同一の扱い |
このページで扱っているのは「3等級ダウン事故」です。
次のような事故で保険金が支払われるのが3等級ダウン事故です。
3等級ダウン事故の事例 |
①車を運行中に歩行者と接触し対人賠償保険金が支払われた |
②車を運行中に他人の車にぶつけてしまい対物賠償保険金が支払われた |
③自宅で車庫入れをしている際に車を柱にぶつけて車両保険金が支払われた |
④駐車場に車を駐めていたら当て逃げあるいはドアパンチの被害にあい車両保険金が支払われた |
※駐車中の車にコインなどで傷をつけられた場合は1等級ダウン事故となります。④の「当て逃げ」と「ドアパンチ」も被害を受けた当人からすればコインによるいたずらと同類の事故になりますが、保険会社の立場はあくまでも「車両同士の接触」とみなし、それゆえ3等級ダウン事故として事故処理されます
1事故で複数の支払いが生じても3等級ダウンのまま
前の項目で3等級ダウン事故の事例をご紹介しました。
事故によっては、1度の事故で「対人賠償保険金」「対物賠償保険金」「車両保険金」など複数の保険金が支払われることがあります。
では、そのような支払い方がされた場合は、3等級ダウン+3等級ダウン+3等級ダウンというように等級が加算されてダウンするかというと、そうではありません。
1度の事故で複数の保険金が支払われても3等級ダウン止まりです。
また、支払い保険金の合計が10万円の事故でも10億円の事故でも、同じ1件の事故としてカウントされます。
事故有係数とは?
たとえば、赤信号で停止中の車に、脇見をしていたために後ろから追突して車を損傷させた場合、対物賠償保険から相手車両の修理代が支払われることになり、3等級ダウン事故として処理されます。
翌年度の等級は3等級ダウンします。
現在が13等級だとすると、10等級になります。
ここで次の比較表をご覧ください。
事故有 | 無事故 | |
10等級 | 23%割引 | 45%割引 |
同じ10等級なのですが、「事故有」と「無事故」で割引率が違います。
2013年頃まではこのように同じ等級に2つの割引が並存するようなことはありませんでした。
しかし、現在の等級制度では、事故で保険を使った結果として10等級になった人と、無事故で一つずつ等級の階段を昇ってきた結果として10等級になった人とを、同じ扱いにしては不公平だという理由から、このように割引率に差を付けています。
10等級の場合は、実に22ポイントも割引率に差が付いています。
このように、事故で保険を使った場合に適用される割引率のことを「事故有係数」と呼びます。
参考までに、自動車保険のすべての等級(1等級から20等級)を、事故有(事故有係数)と無事故(無事故係数)に分けて一覧表にしてみました。
等級 | 事故有 | 無事故 |
20 | 44%割引 | 63%割引 |
19 | 42%割引 | 55%割引 |
18 | 40%割引 | 54%割引 |
17 | 38%割引 | 53%割引 |
16 | 36%割引 | 52%割引 |
15 | 33%割引 | 51%割引 |
14 | 31%割引 | 50%割引 |
13 | 29%割引 | 49%割引 |
12 | 27%割引 | 48%割引 |
11 | 25%割引 | 47%割引 |
10 | 23%割引 | 45%割引 |
9 | 22%割引 | 43%割引 |
8 | 21%割引 | 40%割引 |
7 | 20%割引 | 30%割引 |
6 | 19%割引 | |
5 | 13%割引 | |
4 | 2%割引 | |
3 | 12%割増 | |
2 | 28%割増 | |
1 | 64%割増 |
※1等級~6等級までは事故有と無事故は同じ扱いです。また1等級・2等級・3等級は「割引」ではなく「割増」になります
事故有期間とは?
前の項目の例を続けます。
13等級だった人が、3等級ダウン事故で保険を使ったために翌年の保険が10等級にダウンした場合、事故有期間(事故有係数適用期間)が3年付きます。
3等級ダウン事故なので「3年」、1等級ダウン事故なら「1年」が付きます。
上の画像では事故有期間は「0年」ですが、3等級ダウン事故で保険を使った場合の翌年の保険証券には「3年」と表示されます。※1等級ダウン事故なら「1年」と表示
この事故有期間というのは、前の項目で解説しました「事故有係数を適用する期間」のことです。
つまり、3等級ダウン事故で保険を使ったら、3年間だけ事故有係数(高い保険料)を適用しますが、3年過ぎて4年目には13等級に戻り、その13等級は事故有係数ではなく元の割引(無事故係数)になる、ということです。
1等級ダウン事故で保険を使ったら、1年間高い保険料を適用するけれど、1年経過したら元に戻ります。
もしも同じ年度に2度、3度と事故を起こして保険を使ったら、その分は加算されるのですが、事故有期間は最長6年で打ち止めになっているので、たとえば3等級ダウン事故で3回保険の支払いを受けても事故有期間は9年ではなく6年ということになります。
※もっとも、3等級ダウン事故を同じ年度に3回起こしたら、翌年度は「引き受け拒絶」の扱いになると思います
話を整理します。
13等級だった人が3等級ダウン事故で保険を使うと、翌年の保険は10等級になります。
この10等級は、無事故で等級を昇ってきた人の10等級とは割引率が異なり、より割引率の低い事故有の割引(事故有係数)となります。
同時に、3等級ダウン事故で保険を使った場合は、事故有期間が3年付くことになります。
3年間は事故有係数によって高い保険料を支払うことになりますが、3年間無事故で過ごせば、4年目にはまた13等級に戻ります。
戻った13等級は、事故有期間の3年がリセットされているので、また元の無事故係数が適用されます。
3等級ダウン事故で保険を使った場合のまとめ |
無事故で過ごせば4年後に元の保険料レベルに戻る |
等級と割引率 | こちらのページ |
1等級ダウン事故 | こちらのページ |
ノーカウント事故 | こちらのページ |
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ご覧いただきありがとうございました。