【記事丸わかり】
まとめ: 交通安全協会への加入は任意であり、加入しないことで特典や見舞金が受けられないデメリットがありますが、日常生活には大きな影響はありません。組織の透明性を高めることで、信頼を得ることが求められています。 ⇒⇒交通違反×ノルマ?交通安全協会費?仕組みを丁寧に解説。 |
交通安全協会に入らないと何かデメリットがありますか?
※トップ画像は「交通安全協会による加入のお願い」です。加入が任意であることを示す注意書きが貼り付けられています。by Wikipedia
交通安全協会は、道路交通の安全を目的とする非営利団体で、全国組織である全日本交通安全協会の他、都道府県、警察署管轄区域に単位組織が設置されています。
交通安全協会にはいくつかの問題点が指摘されています。
その一つは、運転免許証の更新時講習が交通安全協会に独占的に委託されていることです。
また、交通安全協会への加入は任意であるにもかかわらず、その事実が十分に説明されず、利用者が加入を義務と誤認する事例が多いという問題もあります。
さらに、交通安全協会費の使途や、退職警察官の天下り問題も指摘されています。
加入は任意
私たちが免許証の更新等で運転免許センターを訪れた際に、窓口で諸手続きをするのですが、その一連の手続きの流れの中で、
「交通安全協会に加入されますか?」
と訊かれる場面があると思います。
地域によっては、わざわざこうした質問はされずに、加入するのが当たり前のように振る舞うところも、まだ一部あるようです。
しかし、全国レベルで見れば、今ではほとんどの交通安全協会が、加入するしないの意思確認をしているはずです。
そして、加入は任意です。
入っても入らなくても、それは自由です。
入らないと何かデメリットがある?
窓口で加入を断ると、今でもちょっとした嫌がらせのような態度をとる地域も一部残っているようです。
ですが、交通安全協会に入らないことで、目に見えて何かソンをする、嫌な思いをする、雑な扱いを受ける、ということはほぼないようです。※「ほぼ」ないと思いますが、少しある地域もあるかもしれません。
たとえば、私は現在山梨県の交通安全協会に入っていませんが、デメリットも困ったこともソンしたこともありません。
デメリットを感じる人もいるはず
交通安全協会に入ると、いくつかの特典が受けられます。
これら特典は、人によって受け止め方は様々だと思います。
個人的に、私はそうした特典が欲しいとは思わないので、それを受けられないことがデメリットとは感じませんが、人によってはソンしたと感じる人もいるかもしれません。
具体的には、交通安全協会に加入しないと、下記のような特典を受けられず、それをデメリットと感じる人もいると思います。
- 各種特典が受けられない:交通安全協会では会員に対してさまざまな特典やサービスを提供しています。たとえば、免許証ケースの贈呈やチャイルドシートの無料貸し出しなどです。そのほかにも地域によっては、飲食店やカー用品店などの協賛店で交通安全協会の会員証を提示すれば、割引を受けられる場合があります。特典やサービスの内容は地域によって異なりますが、交通安全協会に入会しなければ、これらを受けることはできません。
- 交通安全表彰を受けられない:交通安全協会の活動の一環として「永年無事故運転者」や「交通安全功労者」への表彰制度がありますが、これらは会員でなければ受けることができません。
- 交通事故の際に入院見舞金が受け取れない:すべての交通安全協会ではありませんが、地域によっては交通事故に遭った際、一定の期間入院すれば見舞金を受け取れる制度があります。見舞金を受け取れる条件は地域によって異なりますが、見舞金の額は約3万円ほどが多いようです。これらは、交通安全協会に入っていなければ受け取れません。
宮城県交通安全協会では、会員が交通事故により30日以上の入院治療を必要とする傷害を負った場合、または40日以内に死亡した場合に、見舞金を提供する制度を導入しています。
事故見舞金等の額は、1事故につき3万円ですが、歩行中または自転車乗車中の事故については1事故につき1万円となります。死亡弔慰金と入院見舞金は重複して支払われません。
また、シートベルトまたはヘルメットを着用していることが適用条件となっています。
いい組織に改編するチャンスはあるはず
過去10年~20年の傾向として、交通安全協会に入る人の数は減り続けているようです。
しかし、交通安全協会の活動の中には、子供たちへの交通安全啓発活動など、社会的に有益なものが含まれています。
組織の活動内容、そして何よりも会計収支といったものを透明化していけば、免許更新時の数百円を出し惜しむ人の数も少なくなるはずです。
まだまだ組織を改善する余地はあると思います。
わたしはこれまで交通安全協会の問題を追及する記事を2つ書いています。
いずれの記事でも、単純に「こんな組織は消滅してしまえ」という視点では書いていません。
透明性を持った組織になれば、免許更新者を振り向かせることができるはずだ、という視点で書いています。
ぜひ、改善すべき点を改善して、日本全国の免許証保持者からリスペクトされる組織になっていただきたいと思います。
実際、「あの人たちは交通事故を減らすためにいつも汗を流してくれている人たちだ」というイメージが広がれば、誰が年額数百円の会費を惜しむでしょう。
ご覧いただきありがとうございました。