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目次
【記事丸わかり】
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【プチ調査】いちじくの食べ方には注意が必要?癌予防に効果ある?
ぷちぷちとした食感がたまらない「いちじく」、夏になると店頭に並び始めますよね。後味もさっぱりとしていて、夏のデザートにもぴったりの果物です。
いちじく好きのみなさんは、どのような食べ方をしていますか?
いちじくは食べ方によっては、注意が必要な果物です。 |
今回は、「いちじくの食べ方には注意が必要?癌予防に効果ある?」というテーマに基づき、いちじくの魅力をお届けします。
- 癌予防に効果があるって本当?
- 食べ過ぎるとどうなるの?
- 1日何個までなら食べていいの?
- 妊婦は食べても問題ない?
- なぜ肉料理と一緒に出てくるの?
- 切る時のベトベト、落とせる方法はあるの?
- 美味しい食べ方は?
こうした疑問の数々は、この記事を読めば全て解決すると思います。
いちじくはどのような果物?
いちじくの原産地はアラビア南部とされ、6000年以上の長い歴史を持つ果物です。古くから人々に親しまれてきたいちじくは、夏から秋にかけて市場に出回り9月に旬を迎えます。
実の内部に花をつけるいちじくは、外側から花が見えないことから、「無花果」という漢字があてられています。「いちじく」の名前の由来は、毎日1つずつ熟すことから「一熟」→「いちじく」になったと言われています。
いちじくの食べ方には注意が必要?
いちじくは、食べ方によっては注意が必要な果物です。注意点を解説していきます。
「食べ過ぎ」による胃痛や腹痛
いちじくには、水溶性食物繊維が多く含まれるため、便秘の解消に効果的です。しかし、食べ過ぎると、胃痛や腹痛を起こす場合があるので要注意。
「ザ!世界仰天ニュース」では、以下のような事例も放送されていました。
都内で働くYさんの実家は、いちじくの名産地。 2019年9月、いつもより帰りが遅くなったある日、いちじくを買ってきた。 他に夕食を作るのが面倒だったので5個食べて、さらに2パック目も平らげました。 その後猛烈な下痢に襲われ、嘔吐にも苦しんだという。 |
放送後、反響はとても大きくSNSでも話題になったほど。
「食べ過ぎは危険」ということを知らない人も多くいました。
太りやすい
いちじくは、小さめの実で手軽に食べられるのが魅力ですが、実は高カロリー、高糖質の果物です。
100gあたりのカロリーと糖質は以下の通り。
果物 | カロリー | 糖質 |
いちじく | 57kcal | 12.4g |
りんご | 55kcal | 14.3g |
みかん | 49kcal | 11.0g |
いちご | 31kcal | 7.1g |
このように、いちじくは他の果物と比べてみると、カロリーや糖質が高いことが分かります。また、ドライいちじくのカロリーは、1袋あたり(120g)329kcalと生のいちじくよりもさらに高カロリーです。
ご飯1杯156kcalなので、一袋食べてしまうとご飯2杯以上のカロリー摂取になります。(※ドライイチジクを一袋食べてしまうのは危険な行為です!一日に必要な摂取量については、下記の章で解説します。)
口腔アレルギー症候群
いちじくの茎を切ると、白いミルク状の液体が出てきます。これに触ると痒くなったり、かぶれたりする場合があります。
白い液体はタンパク質分解酵素である「フィシン」というもの。かゆみだけなら問題ありませんが、
蕁麻疹や呼吸困難などの症状が出た場合は、口腔アレルギー症候群の可能性 |
を疑いましょう。
口腔アレルギー症候群の原因植物
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など
国内でのいちじくアレルギー(例)
摂取後に全身膨疹、眼周囲や口唇の浮腫、咽頭の違和感の症状が報告されています。
※「膨疹(ぼうしん)」とは、皮膚の一部が突然に赤く盛り上がってみみず腫れのようになること。
花粉症やゴムアレルギーとの関連性がある
口腔アレルギー症候群は、花粉症やゴムアレルギーが関係していると報告されています。花粉や天然ゴムの性質とタンパク質の構造が似ているため、アレルギー反応が起こりやすいと言われています。
口腔アレルギー症状が悪化すると、血圧の低下や意識障害といったアナフィラキシーショックを起こし、命に関わる危険な状態になるため、少しでも異変を感じたら医師に相談しましょう。
未熟のイチジクにも注意
未熟ないちじくの実を食べると、胃痛や腹痛につながる恐れがあります。ひどい場合は嘔吐することもあるので、注意が必要です。(※完熟しているイチジクの見分け方は、記事の後半で解説しています。)
いちじくは癌予防に効果ある?
いちじくは癌予防に効果はあるのでしょうか?いちじくの栄養成分や効果を詳しく解説します。
いちじくの栄養成分
※生いちじく(可食部100g当たり/約1個あたり)
カロリー | 57kcal |
水分 | 84.6g |
たんぱく質 | 0.6g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 14.3g |
灰分 | 0.4g |
カリウム | 170mg |
カルシウム | 26mg |
マグネシウム | 14mg |
リン | 16mg |
鉄 | 0.3mg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
タミンB2 | 0.03mg |
ナイアシン | 0.2mg |
葉酸 | 22μg |
水溶性食物繊維 | 0.7g |
不溶性食物繊維 | 1.2g |
食物繊維総量 | 1.9g |
(参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂))
いちじくは「不老長寿の果物」と呼ばれるほど、豊富な栄養素を含んでいます。身体に与える効果について詳しく解説します。
癌予防に効果的
いちじくの皮には「ベストアルデヒド」という渋みや苦みの成分が多く含まれており、癌抑制効果があると研究が進んでいます。この成分は癌細胞を麻痺させるため、
特に前立腺癌に良く効くと言われています。 |
いちじくに含まれる食物繊維は、小腸で消化、吸収されずに大腸まで達する成分です。そのため、
大腸癌、胃潰瘍など消化器疾患の予防にも推奨されています。 |
便秘対策
いちじくは、食物繊維が豊富です。1.9gの食物繊維のうち、水溶性食物繊維が0.7g、不溶性食物繊維が1.2g含まれています。
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いちじくには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく配合されているため、便秘に悩む方にもおすすめの果物です。
高血圧・糖尿病予防に
上記ペクチンは、脂質や糖、ナトリウムを吸着して体外に排出する作用があります。
血糖値の上昇やコレステロールを抑えるため、高血圧、糖尿病予防にも効果的です。 |
むくみ予防に
体内のナトリウムが過剰になると余計な水分を蓄えてしまい、むくみが生じやすくなります。いちじくに含まれるカリウムは、余分なナトリウムを尿として排泄するため、むくみ解消にも有効です。
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はむくみやすいので、いちじくを取り入れてみるといいですよ。
消化不良を防ぐ働き
白い樹液の成分「フィシン」は、タンパク質分解酵素。「いちじくを使用すると指紋が消える」と言われるほど、フィシンの分解能力は高いことで知られています。
いちじく特有の「フィシン」は、消化を促進させる効果があり、胃もたれや二日酔いといった消化不良を防ぐ働きがあります。 |
いちじくの枝や葉から樹液を採取し、イボを治す民間療法としても取り入れられています。
- 腕の関節のところにイボ出来てたのでいちじく塗ってたら本当に知らない間に取れた。朝、かさぶたみたいなのになってて今それが取れたらなくなった~。嬉しい(参照:Twitter)
肉を柔らかくする効果も!
いちじくと肉料理の相性がいいのは、フィシンが肉のタンパク質を溶かして柔らかくする効果があるからです。お肉が柔らかくなる上に、消化も助けてくれるなんて一石二鳥ですね!
女性に嬉しい効果
いちじくのつぶつぶの中に多く含まれている栄養素が「植物性エストロゲン」。植物性エストロゲンは、女性ホルモンと同じ働きがあります。
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効果があります。
また、いちじくには妊娠中に必要な「葉酸」も含まれているため、妊婦さんにもおすすめの果物です。
身体の発育に役立つ「葉酸」は、胎児の成長に欠かせない成分です。お腹の赤ちゃんの脳や脊髄の障害、流産のリスクを減らします。
※厚生労働省では、妊娠する1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの期間、食事で1日240㎍の葉酸に加え、サプリメントなどから1日400㎍の摂取を推奨しています。(参照:厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」)
いちじくは1日何個までなら食べていいの?
1日の間食の目安は、200kcalまでとされています。(参考:e-ヘルスネット)いちじく1個あたりのカロリーが57kcalになるため、下記の摂取量を目安に食べましょう。
【1日の摂取量】
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生いちじくは1日3個程度がいいでしょう。乾燥させて小さくなったドライイチジクは、100gあたり300kcal近くあるため、食べ過ぎ注意です。
初めて食べる方や妊婦さんは、1日1個から食べてみることをおすすめします。
美味しいいちじくの食べ方
こちらの章では、美味しいいちじくの見分け方、食べ方をご紹介します。
完熟しているイチジクを見分けよう
生のイチジクは、6月~10月頃までスーパーで販売されています。美味しく食べるなら、完熟しているイチジクを見極めるのがポイントです。
【美味しい、いちじくの見分け方】
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さらに、切り口に白い樹液がついているいちじくは新鮮な証拠です。果実の先が裂け始め、中の赤い実が見えたら食べごろ。
完熟した実は1~2日程度で鮮度が落ち苦みが出やすいので、美味しさを保つためには冷蔵保存がおすすめです。
生いちじくの食べ方
生いちじくは、ぷちぷちとした食感と甘い果実の濃厚な味わいが魅力です。美味しく食べるなら「生」のいちじくを食べましょう!
皮は食べられるの?
生のいちじくは皮ごと食べても問題はありません。しかし、日本で購入できるいちじくは皮が硬めなので、湯せんをして皮むきすると食べやすくなります。
【生いちじくの皮の剥き方】
①熱湯にいちじくをくぐらせて冷水につける ②ヘタの部分を持って皮を取る |
白い樹液が付いた時の対処法
生いちじくの皮を剥く時に、乳白色の液体が包丁についてベトベトすることも。白い樹液は油に溶ける性質があるので、ペーパータオルに油を含ませて包丁をふき取るとベトベトが取れますよ。
手のベタつきは、油を手に少しかけて馴染ませてから食器用洗剤で洗い流すと、キレイに落とせます。
発酵食品と一緒に
美味しい食べ方は、『いちじく+発酵食品』。
いちじくの整腸作用とヨーグルトの乳酸菌の相乗効果で、腸内環境を整えられますよ。
市販でも、
- イチジク甘酒ジャム
- イチジク麹味噌
- いちじく発酵酢
など、多くの発酵食品が発売されています。
スイーツにも◎
生いちじくは日持ちしないので、ジャムやコンポート(甘露煮)にすると長く美味しくいただけます。いちじくは果実本来の甘みがあるので、砂糖は少なめにしてレモン汁を加えるとさっぱりとした味わいになりますよ。
タルトやパウンドケーキにもぴったりで、甘みが凝縮されて生で食べる時とは違った美味しさを感じられます。
ドライイチジクは紅茶に入れても◎
ドライイチジクは化学肥料、農薬不使用のオーガニック商品を選びましょう。そのまま食べても美味しいですが一晩紅茶に漬けておくと、いちじくのエキスが出て美味しいですよ。
浸けたいちじくは、プレーンヨーグルトに添えたり、パンのフィリングにしたりと色々と活用できます。
まとめ
「いちじくの食べ方には注意が必要?癌予防に効果ある?」というテーマに沿って、解説しました。
いちじくは食べ過ぎると、腹痛や胃痛、アレルギー症状を引き起こす場合があるため、食べ方には注意が必要です。また、高カロリー、高糖質の果物になるので、1日の摂取量200gを意識して食べましょう。
「いちじくは1日3個程度」が摂取の目安です(生の場合)。栄養豊富ないちじくは、さまざまな健康効果が期待されています。
前立腺癌や大腸癌など、癌抑制効果もあります。食べ方に注意して、季節のいちじくを美味しく食べてみてくださいね。
ご覧いただきありがとうございます。