あいおいニッセイのASV割引(自動ブレーキ割引)について解説します。
あいおいニッセイの自動車保険に加入する際、車にAEB(衝突被害軽減ブレーキ)が装着されてたら9%の割引が適用される、これがASV割引(自動ブレーキ割引)です。
この割引が適用されるのは自家用3車種のみです。
つまり自家用小型乗用車・自家用普通乗用車・自家用軽四輪乗用車です。
なお、契約する車がこの割引の対象になるかどうかは車検証の「型式」がわかれば簡単に検索できます。
「型式」でも対象車種かどうかわからない場合は「車台番号」で調べることができます(保険会社が調べる)。
⇒⇒自動車保険が10%割り引かれる安全技術先進車とは?
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):あなたの車がASV割引の対象車種(型式)かどうか検索する方法
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):【早わかり】
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):ASV割引の対象車・対象車種
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):ASV割引とは?そもそもASVとは?
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):ASV割引の対象車・対象車種:自動車メーカー各社の呼称
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):発売から3年以内の「型式」であること
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):3年経過したら「型式別料率クラス」に組み込まれる
- あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):軽自動車のASV割引に年数制限はない
- ASV割引を採用している保険会社一覧(通販型・代理店型)
- ASV割引(自動ブレーキ割引):本当に事故率が低いか?
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):あなたの車がASV割引の対象車種(型式)かどうか検索する方法
損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス検索」を利用します。
検索結果にASV割引の対象車種か否かが表示されます。
下記の画面が出てくるので、必要事項を入力してください。
「メーカー・車名」からでも「型式」からでも検索できます。
「型式」を入力する際に注意していただきたいのは、たとえば2014年型のスバル・レヴォーグの場合、車検証の型式欄には「DBA-VM4」とありますが、入力するのはハイフンの右側の「VM4」だけです。
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):【早わかり】
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):【早わかり】 |
(※)AEB装置はメーカー標準装備またはメーカーオプションの装備である場合に割引の対象ですが、後付の装置は対象外です。
(※)型式不明車は対象外。改造車は改造前後の型式が自家用3車種である場合に限り対象。
(※)「型式が発売されてから約3年」であって「購入日から約3年」ではありません。
|
以下の項目では、【早わかり】の内容を噛み砕いて解説しています。
参考になさってください。
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):ASV割引の対象車・対象車種
あいおいニッセイのASV割引の対象になる車種は乗用タイプの車で、次の3つです。
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引)の対象車種 | |
自家用普通乗用車 | プリウス・アウトランダーなど |
自家用小型乗用車 | フィット・デミオなど |
自家用軽四輪乗用車 | N-Box・ワゴンRなど |
(※)4ナンバーの貨物車等はこの割引の対象外です。
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):ASV割引とは?そもそもASVとは?
ASV割引のASVとはAdvanced Safety Vehicle(先進安全自動車)のことで、自動車の安全な走行のための先進技術を備えた車のことです。
代表的なものとして、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)、車線維持支援装置、定速走行・車間距離制御装置といったものがあります。
このページのテーマであるASV割引の対象になるのは衝突被害軽減ブレーキ(AEB)を装着した車です。※AEBとはAutonomous Emergency Brakingのこと
その他の車線維持支援装置や定速走行・車間距離制御装置などは割引とは関係ありません。
いわゆる自動ブレーキだけが割引の対象ということです。
あいおいニッセイ:ASV割引の条件 |
衝突被害軽減ブレーキ(AEB)が装着されていること |
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):ASV割引の対象車・対象車種:自動車メーカー各社の呼称
あいおいニッセイのASV割引の対象になるのは衝突被害軽減ブレーキ(AEB)を装備した車です。
つまり自動ブレーキを装着した車です。
しかし、今では安全装備として「自動ブレーキ」だけを単独で装備している車は少数派です。
多くの車は、自動ブレーキはもちろん車線維持支援装置や車間距離制御装置など複数の安全装備をセットにしています。
たとえば、「Hondaセンシング」と名づけられた安全装備には、自動ブレーキ・車線維持支援装置・車間距離制御装置・標識認識機能・オートハイビーム・その他がセットになっています。
このように自動車メーカー各社は独自の名称で安全装備をアピールしています。
下記の名称で呼ばれている安全装備はすべてASV割引の対象となる衝突被害軽減ブレーキ(AEB)を備えています。
ダイハツ | スマートアシスト |
スズキ | デュアルセンサーブレーキサポート |
スバル | アイサイト |
マツダ | レーダーブレーキサポート |
ミツビシ | 三菱e-Assist |
ホンダ | Hondaセンシング |
日産 | インテリジェントエマージェンシーブレーキ |
トヨタ | トヨタセーフティーセンス |
では、こうした名称の安全装置を備えている車であればすべてASV割引の対象になるかというと、そうではありません。
ここがわかりにくいところで、ちょっと説明が必要になります。
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):発売から3年以内の「型式」であること
登録車と軽自動車で扱いが異なるので、まずは登録車(自家用普通乗用車・自家用小型乗用車)からご説明します。
自動車の車検証には必ず「型式」があります。
あいおいニッセイのASV割引の対象になるのは、この型式が発売から約3年以内のものに限られます。
ですから、たとえばスバルのアイサイトを搭載したレヴォーグは2014年の発売以来、型式はずっと「DBA-VM4」です。
すると、たとえば2018年10月に保険始期の契約を結んだ場合、レヴォーグはASV割引の対象外になります。
なぜなら、「発売から3年以内の型式」という条件から外れるからです。
それにしても、なぜ「3年」なのでしょうか?
これに関しても説明が必要だと思います。
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):3年経過したら「型式別料率クラス」に組み込まれる
なぜ「3年」なのか、について。
自家用普通乗用車と自家用小型乗用車(白地に分類番号3・5・7のナンバー)の自動車保険料は、車の型式ごとに決められた「型式別料率クラス」によって計算されます。※軽自動車は対象外
料率クラスは、対人、対物、傷害、車両それぞれで9つのクラスに分けられます。
この型式別料率クラスは、過去3年分の保険金支払い実績が反映されるしくみになっていて、毎年1月1日に見直されます。
つまり、「3年」経過すれば、その型式を持つ車の事故率やそれに伴う保険金支払い実績のデータが得られるので、得られたデータを元に料率クラスを更新すればいいわけです。
ASV割引というのは、いわば「経過措置」として導入されている割引です。
改良された自動ブレーキによる事故率などはまだデータが得られていないので、データが集約されるまでの3年間は暫定的に割引しておき、3年経過したら料率クラスに反映させ、割引もそこで終了ということになります。
前の項目で2014年発売のレヴォーグにはASV割引が適用されないと書きましたが、適用されないのは、すでに発売から3年以上経過しているので型式別料率クラスに事故率・保険金支払い実績等のデータが反映されているからであり、べつにソンしているわけではありません。
アイサイトによる事故率低下のデータを反映した料率クラスになっているので、その分保険料は低く抑えられているからです。
レヴォーグに限らず、AEBが付いているにもかかわらずASV割引が適用されないケースは他にも数多くありますが、上記の理由により、がっかりする理由はどこにもありません。
割引が適用されなくても、事故率低下を反映した保険料になっているのですから、不満に思う必要はありません。
この型式別料率クラスは、現在のところ自家用軽四輪乗用車には採用されていません。
しかし、2020年1月1日までに導入される予定です。
それまではASV割引に関して自家用軽四輪乗用車は自家用普通乗用車などとは扱いが異なります。
あいおいニッセイ:ASV割引(自動ブレーキ割引):軽自動車のASV割引に年数制限はない
自家用軽四輪乗用車の場合は、ごく単純に、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)が付いてさえいればASV割引(自動ブレーキ割引)が適用されます。
あいおいニッセイ:自家用軽四輪乗用車のASV割引適用期間 |
型式の年数制限なし(古い型式でもAEB(衝突被害軽減ブレーキ)が付いていれば割引が適用される) |
ただし、2020年には型式別料率クラスが導入される予定なので、それ以後の扱いは自家用小型乗用車や自家用普通乗用車と同じ扱いになると思います。
ASV割引を採用している保険会社一覧(通販型・代理店型)
ASV割引を採用している保険会社一覧です。
まず通販型自動車保険(ダイレクト自動車保険)を見てみます。
ASV割引を採用している保険会社(ダイレクト自動車保険) | |
ソニー損保 | 〇(2018年4月~) |
おとなの自動車保険(セゾン) | 〇(2018年7月~) |
アクサダイレクト | 〇(2018年10月~) |
チューリッヒ | ◯(2019年1月~) |
三井ダイレクト | 〇(2018年7月~) |
イーデザイン損保 | 〇(2018年7月~) |
SBI損保 | 〇(2018年1月~) |
次に代理店型自動車保険です。
ASV割引を採用している保険会社(代理店型自動車保険) | |
損保ジャパン日本興亜 | 〇(2018年1月~) |
三井住友海上 | 〇(2018年1月~) |
あいおいニッセイ同和 | 〇(2018年1月~) |
東京海上日動 | 〇(2018年1月~) |
JA共済(農協) | 〇 (2018年4月~) |
こくみん共済coop(全労済) | 〇(2019年1月~) |
※こくみん共済coop(全労済)のみ「AEB割引(衝突被害軽減ブレーキ割引)」という名称です。
※JA共済(農協)とこくみん共済coop(全労済)は代理店型というより店舗直営型というべきですが、とりあえず代理店型のグループに入れています。
ASV割引(自動ブレーキ割引):本当に事故率が低いか?
まず衝突被害軽減ブレーキ(AEB)が付いた車の事故率の統計数字を見ておきたいと思います。
<ボルボが公表した事故率> 2009〜2015年度に新規登録されたボルボのオートブレーキ・システム搭載車は、非搭載車に比べて日本における事故発生率が69.0%減、追突事故発生率が76.5%減少、対人事故発生率が58.6%減少。 |
<スバルが公表した事故率> 2010年~2014年において、アイサイト(ver2)搭載車と非搭載車の比較で、事故総件数61%減、対歩行者49%減、対車両その他62%減(うち追突84%減)。 |
<公益財団法人交通事故総合分析センター> 2018年9月3日公表資料。 衝突被害軽減ブレーキ(AEB装置)の対四輪車追突事故低減効果の分析結果です。 衝突被害軽減ブレーキ(AEB装置)を搭載した自家用乗用車(普通・小型・軽)と未搭載車を比べると、登録・届出車数10万台当たりの対四輪車追突死傷事故件数は、AEB 未搭載車:208.9件、AEB 搭 |
ボルボとスバルの統計はやや古く、またメーカー自身が公表している数字なのである程度の「上乗せ」はあると見るべきですが、交通事故総合分析センターの事故率は一応信頼していいのではないでしょうか。
事故がおよそ半分と言うことですから、かなりすごい数字だと思います。
それと、実際に自動ブレーキの事故を見た場合、最終的に止まりきれずに衝突した場合は、もちろん1件としてカウントされるのですが、しかし、自動ブレーキによって減速しつつ衝突した場合の衝撃と、減速なしに衝突した場合の衝撃とは、まったく異なる結果になります。
つまり、自動ブレーキ付の車で事故件数としてカウントされた中には、自動ブレーキが付いていなかったらさらにもっと重篤なケガ・物の損傷になっていたであろう事故が含まれていると思います。
そうした事情も考慮すると、やはり自動ブレーキの効果はかなり出ているのだと思います。
その一方で、みなさんもご存知かと思いますが、一口に「自動ブレーキ」と言っても、性能にはかなりの開きがあるのが実態です。
20km以下では作動しない自動ブレーキもあれば、人を感知しない自動ブレーキもあります(人呼んで「おばかブレーキ」)。
また、再現性が乏しいもの、つまり、同じ条件なのにあるときは作動しあるときは作動しないといったバラつきが多い自動ブレーキもあります。
今後、性能が向上し、すべての自動ブレーキが最低限のレベルをクリアーするのを願うばかりです。
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ご覧いただきありがとうございました。