JA共済(農協)の自動車共済クルマスターに加入する際、運転者の範囲を設定することで保険料を節約できます。
運転者の範囲は年齢条件と運転者限定で設定します。
JA共済(農協)の運転者限定は「限定なし」「家族限定」の2つの区分から選択します。
保険料負担は「限定なし」が高く「家族限定」は安くなります。
JA共済(農協):運転者の範囲
これはJA共済(農協)に限った話ではありません。
わたしたちが自動車保険に加入する場合、ただ漠然と契約を結ぶことはありません。
もしも18歳の人が運転する保険と40歳の人が運転する保険が同じ保険料であったら、結果的にずいぶん不公平な保険になってしまいます。
なぜなら、統計的に見て、40歳の人より18歳の人のほうが明らかに事故を起こす確率が高く、そのため保険金の支払額も18歳のほうが多くなります。
もしも両者が支払う保険料が同じ額なら、18歳の人が本来負担すべき分を40歳の人が負担していることになります。
こうした不公平をなくすためにわたしたちが自動車保険に加入する際は保険会社があらかじめ設定した運転者の範囲を選択することで保険料に差が付くようになっています。
運転者の範囲は「運転者限定」と「年齢条件」によりきめ細かく選択していくことになります。
以下、まず最初にJA共済(農協)の「運転者限定」を見ていきます。
それに続いて「年齢条件」を見ていきます。
JA共済(農協):運転者限定【早わかり】
JA共済(農協)の自動車共済クルマスターの運転者限定【早わかり】 | |||||
(※)記名被共済者とは契約車両を主に運転する人のことです。 (※)別居の未婚の子の「未婚」とは、いまだ婚姻歴がないことをいい、離婚や死別によって現在独身の人は含みません。
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(※)運転者限定は自動車共済のみ設定できます。バイク共済では設定できません。
JA共済(農協):年齢条件【早わかり】
JA共済(農協)の自動車共済クルマスターの年齢条件【早わかり】 | ||||||||
用語について 一般の損害保険会社で「補償」と表記するところをJA共済(農協)では「保障」と表記します。このページでも「保障」で表記しています。意味するところは同じです。また、やはり一般の損害保険会社で「記名被保険者」と表記するところをJA共済(農協)では「記名被共済者」と表記します。このページでも「記名被共済者」で表記しています。これも意味するところは同じです。 |
JA共済(農協):年齢条件と運転者限定を重ね合わせた場合の注意点
(この項目では上記【早わかり】の中でより注意すべき点を解説しています。)
わたしたちが自動車保険に加入する場合は、ここまでご案内してきた年齢条件と運転者限定の両方を設定して契約するのが普通です。
その際、契約車両を運転できる人の範囲は「年齢条件と運転者限定の条件が重なり合っている部分」の人が運転できることになります。
上の図の斜線の部分が運転できる人の範囲です。
ところで、年齢条件と運転者限定の両方を設定した際、すでに【早わかり】でもご説明していますが、非常に間違いやすいケースがあるので、ここでは具体例でご説明したいと思います。
【35歳以上+限定なし】
年齢条件を「35歳以上」で設定し、運転者限定を「限定なし」で設定したケースを見てみます。
この場合、契約車両を運転できるのは、基本的には、35歳以上の人に限定されます。
19歳や25歳や29歳の人は運転できません。
これが原則です。
しかし、ケースによっては19歳の人や25歳の人や29歳の人でも運転できる場合があります。
それは、「別居の親族」と「友人・知人」の場合です。
というのも、そもそも【35歳以上+限定なし】で設定した場合、厳密に「35歳以上」の条件に縛られるのは以下の①②③の人だけです。
- 記名被共済者
- 記名被共済者の配偶者
- 記名被共済者の同居の親族・記名被共済者の配偶者の同居の親族
したがって、この①②③以外の人である「別居の親族」や「友人・知人」などは何歳であっても運転できることになります。
たとえば、他県の大学に通う別居中の子供(19歳)がいる場合、この子供が夏休みに帰省して契約車両を運転して事故を起こしてもちゃんと保険金が支払われます。
あるいは、記名被共済者の職場の部下(25歳)が訪ねてきて契約車両を運転した場合もちゃんと補償されます。
さらに、記名被共済者の配偶者の友人(29歳)が遊びに来た際に契約車両を運転して事故を起こした場合もちゃんと保険金が支払われます。
つまり、「別居の親族」と「友人・知人」は年齢条件に縛られないということです。
(※)「別居の親族」が既婚・未婚かは問いません。ですから「別居の未婚の子」でも「別居の既婚の子」でもいずれも運転可能です。ちなみに別居の子が既婚か未婚かが問題になるのは家族限定の範囲に関してです。
【35歳以上+家族限定】
年齢条件を「35歳以上」で設定し、運転者限定を「家族限定」で設定したケースを見てみます。
この場合に契約車両を運転できるのは、原則として、35歳以上で家族の範囲に含まれる人、ということになります。
ところで、家族限定の「家族」には次の①②③④の人が含まれます。
- 記名被共済者
- 記名被共済者の配偶者
- 記名被共済者の同居の親族・記名被共済者の配偶者の同居の親族
- 記名被共済者の別居の未婚の子・記名被共済者の配偶者の別居の未婚の子
すると、たとえば他県の大学で学んでいる「別居の未婚の子」も「家族」に含まれます。
しかし、まだ大学生で年齢が19歳であったらどうなるでしょう?
19歳の場合は【30歳以上+家族限定】の条件のうち家族限定には合致するけれど年齢条件には合致しません。
ところが、結論を言いますと、この19歳の大学生は運転可能です。
なぜなら、【35歳以上+家族限定】で設定した場合に「35歳以上」という年齢条件に縛られるのは以下の①②③の人に限定されるからです。
- 記名被共済者
- 記名被共済者の配偶者
- 記名被共済者の同居の親族・記名被共済者の配偶者の同居の親族
19歳の大学生は「同居の親族」ではありません。
そして家族限定の範囲である「別居の未婚の子」の条件に合致します。
したがって、運転可能ということになります。
運転者限定:保険会社比較一覧表
では、最後に代理店型・通販型を含めた自動車保険各社の運転者限定の状況をまとめてみます。
すべての保険会社ではありませんがみなさんが耳にする機会が多い保険会社はほぼ網羅していると思います。
2019年7月1日時点のものです。
自動車保険各社の運転者限定を比較 | |||
家族限定 | 本人・配偶者限定 | 本人限定 | |
イーデザイン損保 | ◯ | ◯ | ◯ |
ソニー損保 | × | ◯ | × |
三井ダイレクト | ◯ | ◯ | ◯ |
アクサダイレクト | × | ◯ | × |
チューリッヒ | ◯ | ◯ | × |
SBI損保 | ◯ | ◯ | ◯ |
セコム損保 | × | ◯ | ◯ |
楽天損保 | ◯ | ◯ | × |
東京海上日動 | × | ◯ | × |
損保ジャパン | × | ◯ | ◯ |
三井住友海上 | × | ◯ | ◯ |
あいおいニッセイ | × | ◯ | ◯ |
JA共済(農協) | 〇 | × | × |
全労済 | × | ◯ | × |
※上記一覧表におとなの自動車保険(セゾン損保)が入っていませんが、それはこの保険会社だけ独自の分類方法を採用しているからです。
たとえば他社の「家族限定」に相当するものがおとなの自動車保険にはありません。
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