自動車保険の契約で、運転できる人を家族に限定する家族限定を付けるケースです。
「家族限定に年齢条件を重ねて設定した場合、家族限定と年齢条件との関係はどうなるのでしょう?」
「年齢条件によって年齢制限となった人は運転できないはずです。でも、例外規定があると聞いたのですが・・・」
このような疑問にお答えいたします。
【記事丸わかり】
⇒⇒自動車保険の「運転者限定」と「年齢条件」の違い |
年齢制限を受けるのは「同居の親族」だけ!
わたしたちが自動車保険の契約をする場合、通常、<年齢条件+運転者限定>を設定することで運転者の範囲を決定します。
つまり、運転できる人の範囲は下記の図の斜線の部分になります。
たとえば、
35歳以上+家族限定
といった設定を例にご説明します。
この設定にした場合、運転できる人を文章で表すと、
「35歳以上の人だけ運転できる。ただし、家族に限定する。つまり、家族の中で35歳以上の人だけが運転できる」
ということになります、とりあえずは。
これが数学の問題なら上の答えで正解なのですが、自動車保険の規定では、実はもうひとひねりあるのです。
それについて見ていきます。
まず、家族限定の「家族の範囲」です。
「家族」に含まれるのは下記の①②③④の人になります。
|
自動車保険の規定が数学の問題と異なるのはここからです。
35歳以上+家族限定
で設定した場合、35歳以上という年齢制限に縛られるのは上記①②③の人だけです。
同居の親族だけが年齢制限を受けることになり、④の「別居の未婚の子」は年齢制限に縛られません。
つまり、何歳であっても運転できます。
したがって、運転できる人を改めて文章で表すと、
「35歳以上の人だけ運転できる。ただし、家族に限定する。ただし、別居の未婚の子は年齢に関わらず運転できる。」
ということになります。
上の例は<35歳以上+家族限定>でしたが、他の年齢条件との組み合わせも同様です。
30歳以上+家族限定
26歳以上+家族限定
21歳以上+家族限定
上記組み合わせでは、年齢条件に縛られるのは同居の家族だけで、別居の未婚の子は何歳であっても運転できます。
最後に、具体的な事例でご説明したいと思います。
<事例>
■佐藤さん一家の家族構成
- 佐藤一郎(45歳):父
- 佐藤一子(46歳):母
- 佐藤美里(22歳):長女
- 佐藤誠也(19歳):長男・大学生で別居中<別居の未婚の子>
このたび佐藤一郎さんを記名被保険者(主に運転する人)として下記の内容で自動車保険の契約が結ばれました。
- 年齢条件:30歳以上
- 運転者限定:家族限定
この契約では契約車両を運転できる人の範囲はどうなるでしょう?
答えは、父と母と長男、となります。
長女は同居しているので30歳以上という年齢条件の制限を受けるので運転できません。
しかし、長男は「別居の未婚の子」であるので、年齢条件の制限を受けませんし、なおかつ家族限定の「家族」に含まれますから、問題なく運転できます。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。