【記事丸わかり】
⇒⇒【自動車保険】他社の自動車保険に乗り換える手順と、ご注意いただきたい点 |
車を買い替えたら保険の内容が変わるので「車両入替」という保険の切り替え手続きが必要です。
保険証券に記載されている車に関する情報を書き替える手続きです。
この「車両入替」の手続きは今まで加入している保険会社で行うこともできますし、買い替えのタイミングで他社の保険に変更して、そこで「車両入替」を同時にやってしまうことも可能です。
このページでは車の買い替えで保険を切り替える方法と、買い替えのタイミングで他の保険会社に変更する方法を詳しく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
>>「車両入替」は納車日前に手続きしておけば安心して納車日にハンドルを握れる
>>「同類」同士の「車両入替」では大きな「差額」は発生しない
車を買い替えたら「車両入替」という保険の切り替え手続きが必要
車の買い替えをしたら、まず保険会社に車が変わったことを報告しなければなりません。
そのまま買い替えた車に乗り続けていた場合、保険会社としては車が替わったことを知りようがありません。
もしもそのまま車に乗り続け、しばらくして事故が発生したのでいざ保険会社に事故届けを出したら、
「事故の届けがあったお車は保険証券に記載されていませんが、どなたのお車ですか?」
と聞き返されるでしょう。
当然、保険金は支払われません。
なぜなら、保険証券(下記)の「ご契約の自動車」欄に記載されているのは買い替え前の古い車だからです。
せっかく自動車保険に加入していても、これでは何のために入っているのかわからなくなってしまいます。
こういうことがないように、車を買い替えしたときは、保険会社に連絡して、上記「ご契約の自動車」欄の諸情報を書き替える手続きが必要です。
これを「車両入替」と呼びます。
「車両入替」の手続きは現在加入している保険会社で行いますが、車の買い替えのタイミングで、保険そのものを他の保険会社に変更し、その変更手続きと同時に「車両入替」を行うこともできます。
他の保険会社に変更する手続きは後ほど別の項目を立てて解説しますので、ここでは、現在加入している保険会社で「車両入替」の手続きをする方法を詳しく解説いたします。
現在加入している保険会社で「車両入替」の手続きを行う方法
「車両入替」の必要書類は車検証のコピーだけ
通常、ディーラーでも中古車店でも、車検証が発行されたその当日に車を納車するというケースは稀です。
ほとんどの場合、車検証が出来上がってから納車までにはある程度の日にちがかかります。
ディーラーや中古車店にあらかじめ要望しておけば、車検証が出来上がったその日にファックスなりデジカメ画像なりを送ってくれます。
送ってもらった車検証のコピー(画像)が手元にあれば、自動車保険の「車両入替」の手続きができます。
代理店型でも通販型でも、車検証の内容さえわかれば「車両入替」の手続きができます。
代理店型自動車保険で「車両入替」する場合 |
代理店あるいは保険会社に車を買い替えた事を連絡してください。
連絡は納車日前に行うことをおすすめします。
納車日当日でも「車両入替」の手続きはできますが、後で解説しているように何かと不都合があるので、納車日前に余裕をもって手続きすることをおすすめします。
連絡を入れると、代理店さんが訪問してくるか、あるいは保険会社から郵送で書類が届きます。
必要事項を記入して手渡しするか、あるいは郵送で送り返します。
その際、買い替えた車の車検証のコピーを必ず添付する必要があります。
※マイページ(契約者専用ページ)にて契約者一人で「車両入替」の手続きができる会社もあります
通販型自動車保険で「車両入替」する場合 |
通販型には走行距離に応じて保険料が割引される保険会社があります。
こうした保険に加入している場合は、買い替えた車の保険証のコピー以外に、新旧の車の積算走行距離をメモしておく必要があります。※積算走行距離とは新車から現在までの総走行距離のことで、新車の場合は「0km」でOKです
あくまでも新旧両方の車の距離をメモして置いてください。
そうしないと、保険契約時からの総走行距離がわからなくなってしまうので。
また、通販型で「車両入替」する場合は、契約者が自分ひとりで契約画面を操作して手続きを済ませてしまう方法と、電話オペレーターの指示に従って手続きを進める方法と、ふた通りあります。
いずれの方法でも、車検証のコピーと積算距離計のメモ(新旧の車)は必須です。
「車両入替」は納車日前に手続きしておけば安心して納車日にハンドルを握れる
ここで三井ダイレクトの「よくあるご質問」を覗いてみましょう。
<Q>車両入替日当日、新しい車をとりにいくために入替前の車を運転する場合は補償の対象になりますか?
<A>納車当日を変更日として、納車前に車両入替手続きをした場合は、新しいお車を運転されると同時に新しいお車に補償が切り替わります。
ディーラーに新しいお車をとりにいくまでは現在のお車が補償され、新しいお車を運転されると新しいお車に補償が切り替わります。
話は明快です。
納車日前に保険の手続きをしておけば、納車日には新旧いずれの車を運転してもちゃんと補償されるということです。
これが納車日の当日に手続きした場合では、自分では書類を提出して手続きが完了したつもりでいても、保険会社の入力作業が遅れたためにまだ手続きが完了しないというケースも有り得ます。
そうなると、入れ替え前の車の補償は問題ないけれど新しい車の補償は怪しいことになってきます。
「だけど、そういうときのために『入替自動車の自動補償』という特約が自動付帯しているんじゃないの?」
というツッコミが入りそうですが、確かにそうです。
そうなんですが、この特約には盲点があります。
「入替自動車の自動補償」は万能ではない
自動車保険に加入すると、特に追加保険料を払わなくても自動的に付いてくる補償があって、「入替自動車の自動補償」(会社によって名称が異なる)もその一つです。
この特約に関してはソニー損保の「よくあるご質問」がわかりやすいのでご紹介します。
<Q>車を買替えた場合の補償はいつ切替わりますか。
<A>納車日より前に車両入替の手続きをした場合は、新しい車の納車と同時に補償が切替わります。
納車日以降に車両入替の手続きをした場合は、契約車両 の変更手続をした時点から新しい車に補償が切替わります。
お手続きしていただかないと原則として新しい車での事故は補償されません。
ただし、 契約車両 の変更手続を忘れてしまい新しい車で事故にあった場合でも、新しい車の納車日の翌日から起算して30日以内にお手続きいただければ、古い車の補償内容で補償します。
※車両保険に限っては、新しい車の保険金額で補償します。
上の引用は「入替自動車の自動補償」の説明です。
アンダーラインを引いた2箇所が問題です(アンダーラインは当サイト管理人)。
つまり、「対人」「対物」「人身傷害」といった基本補償に関しては、納車日を過ぎても問題なく前の車の補償を引き継ぎますが、車両保険に関して問題が起こる可能性が出てきます。
次の3つのケースが考えられます。
- 入れ替え前の車に車両保険が付いていないケースでは、新しい車で事故を起こした場合に車両保険からは一切補償されない
- 入れ替え前の車に車両保険のエコノミーが付いているケースでは、新しい車で事故を起こした場合もエコノミーの補償が適用される
- 入れ替え前の車に車両保険の一般条件が付いているケースでは、新しい車で事故を起こした場合も一般条件の補償が適用される
※車両保険が適用されるケースでも補償限度額は新しい車の時価額相当額が限度額となります
結局、車両保険が問題、ということになります。
新しい車に車両保険を付けるつもりがない場合は、何の問題もありません。
けれども、車両保険を付けるつもりでいる場合は、「入替自動車の自動補償」では問題が生じる可能性が出てきます。
この特約が万能でないと言うのは、そういう意味です。
実際のところは「入替自動車の自動補償」のお世話になる確率は非常に少ないと思います。
けれども、ごく稀に、納車直後に真新しい車が無残な姿になる事故も実際に起こっています。
自動車保険に「入替自動車の自動補償」という救済措置が用意されているといっても、前の車の補償内容によっては対応できないケースもあるということです。
こうした事態を避けるためにも、「車両入替」の手続きは「納車日当日」ではなく「納車日前」に行うことをおすすめします。
「車両入替」すれば「差額」が発生するのが普通
「車両入替」の手続きをすると、金額の大小は別にして、たいてい「差額」が発生します。
プリウスやノートのような自家用普通乗用車・自家用小型乗用車の場合、すべての車が型式別料率クラスによって保険料クラスが細かく分類されています。
保険会社が保険料を算出する場合、この型式別料率クラスに基づいて計算するので、クラスが異なれば保険料も変わってきます。
具体的に、プリウスとノートの型式別料率クラスを比較してみましょう。
型式別料率クラス(2018年1月1日~2018年12月31日保険始期) | ||
プリウス | ノート | |
対人賠償 | 6 | 5 |
対物賠償 | 5 | 4 |
人身傷害・搭乗者傷害 | 4 | 4 |
車両保険 | 4 | 3 |
数字が小さい方が保険料は安く、数字が大きい方が保険料は高くなります。
たとえば、プリウスに乗っていた人がノートに「車両入替」した場合、ノートのほうが全体的に料率クラスが低いので、わずかですが保険料は安くなります。※車両保険の補償額が同額だと仮定した場合
もしも「差額」が3,000円発生したとしたら、保険会社は契約者の指定した口座に3,000円を払い戻します。※保険料の払い戻し方法は選択できます
反対に、ノートからプリウスに「車両入替」した場合も「差額」が3,000円発生しますが、これは高くなるケースなので、追加保険料として後日銀行口座等から3,000円引き落とされます。※追加保険料の支払い方法は選択できます
このように、金額の大小はありますが、たいていのケースで「車両入替」の際は保険料の「差額」が発生します。
軽自動車にも型式別料率クラスが導入される
この記事を書いている2018年11月現在、軽自動車の乗用タイプ(自家用軽四輪乗用車)には型式別料率クラスの制度は採用されていません。
しかし、2020年1月までに導入される予定です。
導入されてからは、プリウスなどと同じように、過去の事故率・保険金支払い実績等に基づいて年に1回型式別料率クラスが更新されるようになります。
まだ導入されていない現在は、軽自動車(乗用タイプ)の保険料はまったくの横並びになっていて、安全装置等による割引によって保険料に違いが出ることはあるものの、基本的には、すべて同じ保険料水準です。
また、自家用小型(普通)乗用車などと比較すると保険料水準は低く設定されています。
つまり、安いです。
けれども、2020年1月以降は、軽自動車といえども、もしも事故率が高い車種があったりすると、フィットやプリウスなどと保険料水準が逆転するケースも出てくるでしょう。
そうなると、たとえばプリウスから軽自動車に「車両入替」した場合に、現状では払い戻しが発生するのですが、近い将来には、追加保険料を支払わなければならないケースも有り得ると思います(レアケースでしょうが)。
「同類」同士の「車両入替」では大きな「差額」は発生しない
以上見てきたように、自家用普通乗用車・自家用小型乗用車の場合は型式別料率クラスによって保険料が異なるために、「車両入替」の際は「差額」が発生するのが普通です。
とはいえ、「車両入替」する前と後の車が似たようなタイプの車であれば、「こんなに違うのか」と戸惑ってしまうほどの「差額」が発生することはまずありません。
上で比較したプリウスとノートの場合、車の性格としては似たような車の部類になりますから、「差額」はほんのわずかな違いに過ぎません。
「こんなに違うのか」と驚かされるのは、普通の車から高級車、あるいは普通の車からスポーツカーのように、まったくタイプの違う車に乗り換える場合です。
たとえば、ノートからレクサスLSに「車両入替」した場合の「差額」はかなりのものになります。
※特に車両保険を付けた場合の「差額」はより一層大きくなるでしょう
型式別料率クラス(2018年1月1日~2018年12月31日保険始期) | ||
ノート | レクサスLS | |
対人賠償 | 5 | 6 |
対物賠償 | 4 | 5 |
人身傷害・搭乗者傷害 | 4 | 4 |
車両保険 | 3 | 8 |
車両保険の有無は大きな「差額」を生む
買い替え前の車には車両保険がなく、買い替え後の車に車両保険を付けた場合は、当然、大きな「差額」が発生します。
みなさんに保険料の相場感を掴んでいただくために、ここで概算の保険料をご紹介します。
車両保険にはエコノミータイプと一般条件の2つのタイプがありますが、保険料の違いは下記のようになります。
車両保険なし | エコノミー+A付 | 一般条件付 |
年間保険料:100,000円 | 年間保険料:157,000円 | 年間保険料:229,000円 |
車両保険なしの基本補償に対して、エコノミー+Aを付けると157%増し、一般車両を付けると229%増しになります。
これは同じ型式別料率クラスの車で、年齢条件・等級などさまざまな条件で算出した数多くの保険料の平均を取った数字です。
たとえば、あなたが現在加入している車が車両保険なしの契約で、年間保険料が30,200円だとします。
車両入替する車の型式別料率クラスがほぼ同じ水準だと仮定した場合、車両保険を付けた場合の年間保険料を比較するとこうなります。
車両保険なしの現在の保険料 | エコノミー+Aをつけた保険料 | 一般条件をつけた保険料 |
30,200円 | 47,400円 | 69,200円 |
もちろん、この数字は「年間保険料」を比較したものですから、保険期間の途中で車両入替した場合の「差額」は、単純に引き算した数字とは異なりますが、おおよその金額はつかめるのではないでしょうか。
参考になさってください。
「車両入替」のタイミングで保険会社を変更する手続き方法
保険会社を変更しても「等級」は引き継がれる
車を買い替えたので「車両入替」の手続きをするという場合、通常、今まで加入していた保険会社で手続きすると思います。
しかし、車両入替のタイミングで保険会社を変更することも可能です。
一般の損害保険会社、JA共済、全労済、一部共済のあいだでは自由に保険を移動することができます。
その際の等級の扱いも、同じ保険会社で「車両入替」するときと同じで、前の車の等級を引き継ぐことができます。
ただし、ダイレクト自動車保険(通販型自動車保険)の多くは、「車両入替」のタイミングで乗り換える場合は、「インターネット割引」や「早割り」等の各種割引制度が使えません。
テレビCMなどで大々的にやっている様々な特典は、満期をもって切り替える場合にのみ適用されるケースがほとんどです。
したがって、通販型自動車保険に保険を変更する場合は、まず「車両入替」を今までの保険会社でやっておいて、満期が近づいたら一括見積もり比較サイトなどを利用して数社の見積もりを取って会社を絞り込む、といった手順で行うほうがいいと思います。
とは言え、様々な事情で保険会社を変更したいケースもあるでしょう。
その際、現在加入しているのが代理店型で、「車両入替」のタイミングで通販型に変更する場合は、たとえインターネット割引等が受けられなくても、それでも通販型の方が保険料が安くなるケースはごく普通にあります。
現在の保険料に不満がある方は、一括見積もり比較サイトなどで安い保険を探すのも一つの方法だと思います。
3点セット(保険証券・車検証・免許証)を用意し、事故歴があれば正直に申告する
代理店型であれ通販型であれ、保険会社を他社に変更する際には、保険証券・車検証・免許証の3つが必ず必要になります。
※走行距離によって割引が受けられる保険会社の場合は積算走行距離のメモも手元に用意してください。積算走行距離とは新車から現在までの総走行距離のことで、新車なら「0km」で大丈夫です
変更先の保険会社で見積もりを取る際は、この3つの書類に記載されていることを正確に伝えてください。
見積もりを取る際には、現在加入している保険会社の保険証券に記載されている「等級」を基に保険料計算します。
上の画像では、等級は20等級、事故有期間は0年となっています。
保険料を算出するには、「等級」と「事故有期間」が必須です。
変更前の保険期間中が無事故であった場合は、保険証券に記載されている等級と事故有期間で変更後の保険料が算出できます。
事故で保険を使っている場合は、保険証券にはまだその事故の履歴は反映されていません。
そこで、変更前の保険会社に等級と事故有期間を確認する必要があります。
たとえば、保険証券に10等級と記載されているケースで、3等級ダウン事故を起こしている場合には、「7等級」・「事故有期間3年」となります。
このように、変更先の契約は事故歴を反映した等級・事故有期間で保険料計算しなければなりません。
かりに事故歴を隠しても、いったんは契約が成立しますが、1ヶ月か2ヵ月後には「必ず」発覚します。※100%の確率で発覚します
嘘が発覚した場合、保険会社は契約を解除する権利を持ちますし、嘘が発覚するまでに重大事故が発生していたとしても、その事故に対して保険金が支払われないこともあります。
もちろん、単なる間違いのケースもありますが、保険会社が故意による悪質なケースと判断した場合は、強硬な措置が取られます。
「解約日」と「始期日」を必ず同じ日付にする
満期前に途中解約して保険会社を変更する場合、変更前の保険の「解約日」と変更後の保険の「始期日」を同じ日付にする必要があります。
「同じ日付だと補償が重なってしまうのでは?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは大丈夫。
たとえば「7月5日」の日付にした場合、7月5日の午後4時までは変更前の保険会社が補償し、午後4時を過ぎてからは変更後の保険会社が補償します。
保険会社同士で午後4時をもって補償の受け渡しをする共通のルールがあり、これによって補償の空白期間が生まれることを防止しています。
したがって、「解約日」と「始期日」は同じ日付にしなければなりません。
これまで加入していた保険会社には、
「〇月〇日付けで保険を解約してください」
と解約の意思表示だけでなく日付も明確に伝えてください。
変更先の保険会社には、
「〇月〇日付けで保険をスタートしてください。これまで加入していた保険会社にも同じ日付を伝えてあります」
と契約手続きの際に明確に伝えてください。
すると、すぐにこれまで加入していた保険会社から解約に必要な書類が送られてくるか、あるいは代理店さんが直接訪問してくるか、いずれかの対応があると思います。
※直接代理店が訪ねてくるのが嫌でしたら、郵送で書類を送るよう依頼してください
そこで必要事項を書き込み、返送するなり手渡しするなりすれば、それで解約手続きは終了します。
その際、年払いの契約であれば、残りの期間に応じて解約返戻金が発生します。
戻ってくるお金です。
現金ではなく、後日指定した口座に振り込まれるのが一般的です。
月払いの場合は、通常、戻るお金はありません。
変更先での手続きは、保険会社の指示に従って行います。
なお、通販型に変更する場合、原則として電話オペレーターの指示に従って契約手続きすることになります。
また、通販型各社が用意している「インターネット割引」等の特典は、保険期間の途中で保険会社を変更するケースでは適用されません。
「等級の足踏み」が発生するケースもある
たとえば、現在10等級で、満期日をもって他社に切り替えた場合、新しい契約は11等級になります(無事故であった場合)。
けれども、たとえば満期日の6ヶ月前に途中解約し、解約と同時に他社に切り替える場合、その切り替えた日から向こう1年間を10等級で契約することになります。
つまり、切り替え前の契約から切り替え後の契約をトータルで見ると、1年半の期間10等級を続けることになり、半年間同じ地点で足踏みすることになります。
このことから、できることなら満期をもって他社に切り替える方が有利であることがお分かりかと思います。
もっとも、このデメリットは、主に代理店型から通販型に切り替える場合に発生するデメリットで、その反対に、通販型から代理店型に切り替える場合、また代理店型から代理店型に切り替える場合にはこのデメリットは発生しません。
なぜなら、代理店型の自動車保険には「保険期間通算特則」という制度が用意されてるからです。
これがどんな制度か、上の事例に当てはめてご説明します。
現在10等級の契約を満期日の6ヶ月前に途中解約し、解約と同時に他社に切り替える場合、切り替え先の保険会社が「保険期間通算特則」を採用していれば、切り替えた日から向こう1年間を10等級で過ごすのではなく、向こう6ヶ月間を10等級で過ごします。
つまり、6ヶ月したらそこで契約が更改されて、10等級から11等級にアップします。
以後1年間を11等級で過ごすことになります。
これが「保険期間通算特則」の内容です。
要するに、新旧の保険会社が異なっていても、同じ保険会社で契約を続けた場合と同じ扱いにするというものです。
通常のやり方であれば、満期前に他社に切り替えた場合は10等級を1年半続けなければなりませんでしたが、「保険期間通算特則」があれば、途中で保険会社が変わっても、1年経過したら11等級にアップします。
等級の進行が遅れるデメリットが発生しません。
この「保険期間通算特則」を採用している保険会社ですが、各社のホームページには特に記載されていないので、電話で確認しました。
その結果です。
東京海上日動 | 保険期間通算特則あり |
損保ジャパン日本興亜 | 保険期間通算特則あり |
三井住友 | 保険期間通算特則あり |
代理店型の大手損保はこの制度を採用しています。
次に通販型各社です。
おとなの自動車保険 | 保険期間通算特則なし |
イーデザイン損保 | 保険期間通算特則なし |
アクサダイレクト | 保険期間通算特則なし |
ソニー損保 | 保険期間通算特則なし |
三井ダイレクト | 保険期間通算特則なし |
ご覧のように、通販型はほぼ全滅です。
したがって、代理店型から通販型に切り替える場合は、この特則は利用できません。
反対に、通販型から代理店型に切り替える場合、あるいは代理店型から代理店型に切り替える場合は、等級の進行が遅れるデメリットなく途中で切り替えることができます。
「車両入替」の際に補償内容の見直し、新たに追加可能な特約を確認する
これは「車両入替」の手続きを、これまで加入していた会社でやる場合も、保険会社を変更する場合も、いずれの場合にも該当します。
「車両入替」は、補償内容を見直すいい機会です。
年齢条件は今のままでいいか?
対人・対物・搭乗者・人身傷害などの補償額は今までと同じでいいか、増やしたり減らしたりする必要があるか?
また、今までと異なる車に変わるのですから、たとえば、「新車割引」や「ASV割引=自動ブレーキ割引」が使えるかもしれません。
「車両入替」の際はこの点も確認していただきたいと思います。
◎一目でわかる!車購入のための最適な支払い方法とその選び方
>>「車両入替」は納車日前に手続きしておけば安心して納車日にハンドルを握れる
>>「同類」同士の「車両入替」では大きな「差額」は発生しない