【記事丸わかり】
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自動車保険の車両入れ替えの手続きで「差額」が出るケースはいくつかあります。
たとえばクラウンからワゴンRに入れ替えたら「差額」が出ます(安くなる)。
その反対でも「差額」が出ます(高くなる)。
これはクラウンのような登録車とワゴンRのような軽自動車では保険料体系が異なるからです。
一方で、フィットからデミオに車両入れ替えした場合でも「差額」が出てきます。
これは同じ登録車同士の入れ替えであっても、型式別料率クラスが異なるからです。
また、車両保険の有無によっても「差額」が出ます。
このページでは自動車保険で車両入れ替えの手続きをする際の「差額」について詳しく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
車両入れ替えすれば「差額」が発生するのが普通
自動車保険の車両入れ替えの手続きをすると、金額の大小は別にして、たいてい「差額」が発生します。
プリウスやノートのような自家用普通乗用車・自家用小型乗用車の場合、すべての車が型式別料率クラスによって保険料クラスが細かく分類されています。
保険会社が保険料を算出する場合、この型式別料率クラスに基づいて計算するので、クラスが異なれば保険料も変わってきます。
具体的に、プリウスとノートの型式別料率クラスを比較してみましょう。
型式別料率クラス(2018年1月1日~2018年12月31日保険始期) | ||
プリウス | ノート | |
対人賠償 | 6 | 5 |
対物賠償 | 5 | 4 |
人身傷害・搭乗者傷害 | 4 | 4 |
車両保険 | 4 | 3 |
数字が小さい方が保険料は安く、数字が大きい方が保険料は高くなります。
たとえば、プリウスに乗っていた人がノートに車両入れ替えした場合、ノートのほうが全体的に料率クラスが低いので、わずかですが保険料は安くなります。※車両保険の補償額が同額だと仮定した場合
「差額」が3,000円発生したとしたら、保険会社は契約者の指定した口座に3,000円を払い戻します。※保険料の払い戻し方法は選択できます
反対に、ノートからプリウスに車両入れ替えした場合も「差額」が3,000円発生しますが、これは高くなるケースなので、追加保険料として後日銀行口座等から3,000円引き落とされます。※追加保険料の支払い方法は選択できます
このように、金額の大小はありますが、たいていのケースで車両入れ替えの際は保険料の「差額」が発生します。
軽自動車にも型式別料率クラスが導入される
この記事を書いている2018年10月現在、軽自動車の乗用タイプ(自家用軽四輪乗用車)には型式別料率クラスの制度は採用されていません。
しかし、2020年1月までに導入される予定です。
導入されてからは、プリウスなどと同じように、過去の事故率・保険金支払い実績等に基づいて年に1回型式別料率クラスが更新されるようになります。
まだ導入されていない現在は、軽自動車の保険料はまったくの横並びになっていて、安全装置等による割引によって保険料に違いが出ることはあるものの、基本的には、すべて同じ保険料水準です。
また、自家用普通乗用車などと比較すると保険料水準は低く設定されています。
つまり、安いです。
けれども、2020年1月以降は、軽自動車といえども、もしも事故率が高い車種があったりすると、フィットやプリウスなどと保険料水準が逆転するケースも出てくるでしょう。
そうなると、たとえばプリウスから軽自動車に車両入れ替えした場合に、現状では払い戻しになる形で「差額」が出るのですが、近い将来には、車種によっては追加保険料としての「差額」が発生する可能性があります。
「同類」同士の車両入れ替えでは大きな「差額」は発生しない
以上見てきたように、自家用普通乗用車・自家用小型乗用車の場合は型式別料率クラスによって保険料が異なるために、車両入れ替えの際は「差額」が発生するのが普通です。
とはいえ、車両入れ替えする前と後の車が似たようなタイプの車であれば、「こんなに違うのか」と戸惑ってしまうほどの「差額」が発生することはまずありません。
上で比較したプリウスとノートの場合、車の性格としては似たような車の部類になりますから、「差額」はほんのわずかな違いに過ぎません。
「こんなに違うのか」と驚かされるのは、高級車とかスポーツカーのようにまったくタイプの違う車に乗り換える場合です。
たとえば、ノートからレクサスLSに車両入れ替えした場合の「差額」はかなりのものになります。
※特に車両保険を付けた場合の「差額」はより一層大きくなるでしょう
型式別料率クラス(2018年1月1日~2018年12月31日保険始期) | ||
ノート | レクサスLS | |
対人賠償 | 5 | 6 |
対物賠償 | 4 | 5 |
人身傷害・搭乗者傷害 | 4 | 4 |
車両保険 | 3 | 8 |
車両保険の有無は大きな「差額」を生む
乗り換え前の車には車両保険がなく、乗り換え後の車に車両保険を付けた場合は、当然、大きな「差額」が発生します。
みなさんに保険料の相場感を掴んでいただくために、ここで概算の保険料をご紹介します。
車両保険にはエコノミータイプと一般条件の2つのタイプがありますが、保険料の違いは下記のようになります。
車両保険なし | エコノミー+A付 | 一般条件付 |
年間保険料:100,000円 | 年間保険料:157,000円 | 年間保険料:229,000円 |
車両保険なしの基本補償に対して、エコノミー+Aを付けると157%増し、一般車両を付けると229%増しになります。
これは同じ型式別料率クラスの車で、年齢条件・等級などさまざまな条件で算出した数多くの保険料の平均を取った数字です。
たとえば、あなたが現在加入している車が車両保険なしの契約で、年間保険料が30,200円だとします。
車両入れ替えする車の型式別料率クラスがほぼ同じ水準だと仮定した場合、車両保険を付けた場合の年間保険料を比較するとこうなります。
車両保険なしの現在の保険料 | エコノミー+Aをつけた保険料 | 一般条件をつけた保険料 |
30,200円 | 47,400円 | 69,200円 |
もちろん、この数字は「年間保険料」を比較したものですから、保険期間の途中で車両入れ替えした場合の「差額」は、単純に引き算した数字とは異なりますが、おおよその金額はつかめるのではないでしょうか。
参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。