あいおいニッセイの自動車保険に加入する場合、運転できる人の範囲を絞り込むことで保険料の節約ができます。
運転者の範囲はあらかじめ細分化された年齢条件と運転者限定の区分を選択する方式になっています。
あいおいニッセイの場合、まず年齢条件は「年齢を問わず補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」「35歳以上補償」の4区分から選択しますが、保険料負担は「年齢を問わず補償」が最も高くなり「35歳以上補償」が最も安くなります。
つぎに運転者限定ですが「限定なし」「本人・配偶者限定」「本人限定」の3区分から選択することになり、保険料負担は「限定なし」が最も高くなり「本人限定」が最も安くなります。
実際に自動車保険を契約する場合は「35歳以上+本人限定」というように年齢条件と運転者限定を重ね合わせる形で契約します。
⇒⇒【節約しませんか?】自動車保険の節約術、運転者限定特約を徹底解説します!
あいおいニッセイ:運転者の範囲
これはあいおいニッセイに限った話ではありません。
わたしたちが自動車保険に加入する場合、補償内容がまったく同一であっても支払う保険料には契約毎に差が出るのが普通です。
もしも18歳の人が運転する保険と40歳の人が運転する保険が同じ保険料であったら、結果的にずいぶん不公平な保険になってしまいます。
なぜなら、統計的に見て、40歳の人より18歳の人のほうが明らかに事故を起こす確率が高く、そのため保険金の支払額も18歳のほうが多くなります。
もしも両者が支払う保険料が同じ額なら、18歳の人が本来負担すべき分を40歳の人が負担していることになります。
こうした不公平をなくすためにわたしたちが自動車保険に加入する際は保険会社があらかじめ設定した運転者の範囲を選択することで保険料に差が付くような保険料体系になっています。
運転者の範囲は「運転者限定」と「年齢条件」によりきめ細かく選択していくことになります。
以下、まず最初にあいおいニッセイの「運転者限定」を見ていきます。
それに続いて「年齢条件」を見ていきます。
あいおいニッセイ:運転者限定【早わかり】
あいおいニッセイの運転者限定【早わかり】 | |||||||
(※)記名被保険者とは契約車両を主に運転する人のことです。
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(※)あいおいニッセイではバイク保険も扱っていますがバイク保険では運転者限定は設定できません。
あいおいニッセイ:年齢条件【早わかり】
あいおいニッセイの年齢条件【早わかり】 | ||||||||
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あいおいニッセイ:年齢条件と運転者限定を重ね合わせた場合の注意点
この項目では上記【早わかり】の中で間違いやすい事柄について解説しています。
以下、具体例で説明していきます。
【35歳以上+限定なし】
年齢条件を「35歳以上」で設定し、運転者限定を「限定なし」で設定したケースを見てみます。
この場合、契約車両を運転できるのは、基本的には、35歳以上の人に限定されます。
19歳や25歳や29歳の人は運転できません。
これが原則です。
しかし、ケースによっては19歳の人や25歳の人や29歳の人でも運転できる場合があります。
それは、「別居の親族」と「友人・知人」の場合です。
というのも、そもそも【35歳以上+限定なし】で設定した場合、厳密に「35歳以上」の条件に縛られるのは以下の①②③の人だけです。
- 記名被保険者
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者の同居の親族・記名被保険者の配偶者の同居の親族
したがって、この①②③以外の人である「別居の親族」や「友人・知人」などは何歳であっても運転できることになります。
たとえば、他県の大学に通う別居中の子供(19歳)がいる場合、この子供が夏休みに帰省して契約車両を運転して事故を起こしてもちゃんと保険金が支払われます。
あるいは、記名被保険者の職場の部下(25歳)が訪ねてきて契約車両を運転した場合もちゃんと補償されます。
さらに、記名被保険者の配偶者の友人(29歳)が遊びに来た際に契約車両を運転して事故を起こした場合もちゃんと保険金が支払われます。
つまり、「別居の親族」と「友人・知人」は年齢条件に縛られないということです。
(※)「別居の親族」が既婚か未婚かは問いません。ですから「別居の未婚の子」でも「別居の既婚の子」でもいずれも運転可能です。ちなみに別居の子が既婚か未婚かが問題になるのは家族限定の範囲に関してです。あいおいニッセイでは2019年1月始期の契約からそれまで採用していた家族限定を廃止しています。
【35歳以上+本人・配偶者限定】
この組み合わせの場合は、契約車両を運転できるのは記名被保険者本人とその配偶者の2人だけですが、もちろん、年齢が35歳以上であることが条件になります。
たとえば記名被保険者である夫が37歳で妻が33歳の場合、夫は運転できますが妻は運転できません。
そもそもこのケースでは夫しか運転できないのですから【35歳以上+本人限定】で契約すれば済むことです。
つぎに、他県の大学に通う子供(別居中)がいる場合ですが、この子供が帰省した際に運転できるようにするには【35歳以上+限定なし】にしておけば子供も運転できます。
あるいは、また別の方法もあって、あいおいニッセイの「ワンデーサポーター」(24時間単位型自動車運転者保険)に帰省している期間だけ加入すれば、問題なく実家の車を運転できます。※大学生の子供が加入する
【35歳以上+本人限定】
記名被保険者本人以外誰も運転しない場合はこの組み合わせがベストです。
保険料が最も安くなる組み合わせです。
もしも他県の大学に通う子供(別居中)が帰省中に運転できるようにするには【35歳以上+限定なし】にしておく必要があります。
あるいは、すでにご案内しているように、あいおいニッセイの「ワンデーサポーター」(24時間単位型自動車運転者保険)に帰省している期間だけ加入すれば、問題なく実家の車を運転できます。※大学生の子供が加入する
あいおいニッセイ:家族限定を廃止:2019年1月の契約から
一般的に知られている運転者限定には次のようなものがあります。
- 家族限定
- 本人・配偶者限定(夫婦限定)
- 本人限定
やや古い資料で恐縮ですが、次のグラフをご覧ください。
ご覧のように「限定なし」と「家族に限定」は長期下落傾向です。
いっぽうで「本人・配偶者に限定」は長期上昇傾向にあります。
このグラフには「本人限定」はありませんが、これも長期上昇傾向にあります。
つまり、自動車保険の運転者限定において「家族限定」の需要が落ち込んでいるということがわかります。
これをうけて、損害保険大手4社(損保ジャパン日本興亜・東京海上日動・三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保)は2019年1月の契約から、それまであった家族限定を廃止することになりました。
この家族限定廃止に伴い、他の限定にも改定が行われました。
それを一覧表にしてみます。
※スマホでうまく表示されない場合は横位置でご覧ください。
東京海上日動 | 損保ジャパン | 三井住友 | あいおい | |
家族限定 | 廃止 | 廃止 | 廃止 | 廃止 |
本人・配偶者限定 | 7%⇒6% | 7%⇒6% | 7%⇒6% | 7%⇒6% |
本人限定 | 採用せず | 8%(新設) | 7%(新設) | 9%⇒8% |
※上記%の数字は割引率です。
「家族限定」は大手4社そろって廃止です。
「本人・配偶者限定」も4社そろって7%から6%に割引率を縮小しています。
ここまでは4社そろい踏みですが、「本人限定」で対応が分かれています。
東京海上日動は今回の改定でも「本人限定」を採用しませんでした(従来から採用していませんでした)。
損保ジャパンと三井住友は「本人限定」を新設しました。
あいおいにはすでに「本人限定」がありましたが割引率を縮小しました。
今回の改定について一部には「結局ドサクサに紛れて保険料全体では値上げになっているのでは」などと言われていますが、しかし、いままでよりシンプルになったことは評価できる点だと思います。
(※)家族限定に関しては、アクサダイレクトも2019年1月から廃止し、ソニー損保も2019年4月から廃止しています。
運転者限定:保険会社比較一覧表
では、最後に通販型・代理店型を含めた自動車保険各社の運転者限定の状況をまとめてみます。
すべての保険会社ではありませんがみなさんが耳にする機会が多い保険会社はほぼ網羅していると思います。
2019年7月1日時点のものです。
自動車保険各社の運転者限定を比較 | |||
家族限定 | 本人・配偶者限定 | 本人限定 | |
イーデザイン損保 | ◯ | ◯ | ◯ |
ソニー損保 | × | ◯ | × |
三井ダイレクト | ◯ | ◯ | ◯ |
アクサダイレクト | × | ◯ | × |
チューリッヒ | ◯ | ◯ | × |
SBI損保 | ◯ | ◯ | ◯ |
セコム損保 | × | ◯ | ◯ |
楽天損保 | ◯ | ◯ | × |
東京海上日動 | × | ◯ | × |
損保ジャパン | × | ◯ | ◯ |
三井住友海上 | × | ◯ | ◯ |
あいおいニッセイ | × | ◯ | ◯ |
JA共済(農協) | 〇 | × | × |
全労済 | × | ◯ | × |
※上記一覧表におとなの自動車保険(セゾン損保)が入っていませんが、それはこの保険会社だけ独自の分類方法を採用しているからです。
たとえば他社の「家族限定」に相当するものがおとなの自動車保険にはありません。
ご覧いただきありがとうございました。