三井住友海上の自動車保険の話です。
特約である車両保険を付けていた場合、車が台風の被害にあえば車両保険の支払い対象になります。
車両保険を使った場合、翌年度の等級は1等級ダウンし事故有期間1年が付きます。
台風の被害は「一般補償」でも「10補償限定」でも補償されます。
その際、車が「全損」の認定を受けた場合は免責金額は適用されず車両保険金額の全額が支払われます。
このように車の浸水・冠水・水没・飛来物による傷や凹み・強風による横倒しなど台風による車の被害は様々ありますが、車両保険で対応できます。
このページでは車が台風被害にあった際の車両保険の扱いについて詳しく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
【記事丸わかり】
⇒⇒台風・水害被害は保険請求で対応が出来ます |
三井住友海上の車両保険:台風被害は「一般補償」・「10補償限定」いずれも補償対象
三井住友海上の車両保険には「一般補償」と「10補償限定」の2つの補償タイプがあります。
※「10補償限定」は他社のエコノミー+Aあるは車対車+Aと呼ばれている補償タイプとほぼ同じ内容です
台風による車の損害はいずれの補償タイプでも支払い対象です。
補償内容 | 10補償限定 | 一般補償 |
①相手自動車との衝突・接触 | 〇 | 〇 |
②自動車による当て逃げ | 〇 | 〇 |
③契約車両の所有者が所有する別の自動車との衝突・接触 | 〇 | 〇 |
④火災・爆発 | 〇 | 〇 |
⑤盗難 | 〇 | 〇 |
⑥騒擾・労働争議に伴う暴力行為または破壊行為 | 〇 | 〇 |
⑦台風・竜巻・洪水・高潮 | 〇 | 〇 |
⑧イタズラ・落書き・窓ガラス破損 | 〇 | 〇 |
⑨飛来中・落下中の他物との衝突 | 〇 | 〇 |
⑩その他の偶然な事故 | 〇 | 〇 |
⑪歩行者・自転車・動物との衝突・接触 | × | 〇 |
⑫電柱・ガードレール等との衝突 | × | 〇 |
⑬墜落・転覆 | × | 〇 |
台風に限らず竜巻・洪水・高潮などの「自然災害」に関しても幅広く補償しています。
このページのテーマは台風による車の損害ですが、台風以外の自然災害による車の損害についても合わせてご紹介します。
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三井住友海上の車両保険:「全損」・「分損」により支払い方が異なる
台風による車の損害は車両保険の支払い対象ですが、その際、車の損害が「全損」であるか「分損」であるかによって、車両保険からの支払い方に違いが出ます。
「全損」というのは、修理費が車両保険金額を上回る場合、あるいは修理不可能な場合のことです。
「分損」というのは、修理費が車両保険金額の範囲内にある場合のことです。
まず「全損」の支払い方について。
たとえば、車両保険金額「200万円」、免責金額「5万円ー10万円」(初回事故が5万円、同じ年度の2回目以降が10万円)で車両保険に加入していたとします。
台風による飛来物で修理不能なほどの損傷を受け、保険会社により「全損」と認定された場合。
このケースでは、通常なら免責金額5万円が適用されるところですが、「全損」なのでその適用はなく、200万円がそっくりそのまま支払われます。
また、三井住友海上の車両保険には全損時諸費用特約が自動セットされているので、「全損」の際はこの特約から車両保険金額の10%(20万円限度)が支払われます。ただし、車両保険金額が100万円を下回る場合は10万円が支払われます。
次に「分損」の支払い方です。
上の事例と同じく車両保険金額200万円、免責金額5万円ー10万円のケースです。
台風による車の損害額が50万円で、保険会社により「分損」と認定された場合の支払い方はどうなるでしょう?
このケースでは免責金額の5万円が適用されるので、車両保険からの支払額は45万円(50万円ー5万円)となります。
また「全損」ではないので全損時諸費用特約からの支払いはありません。
三井住友海上の車両保険:「車内手荷物等特約」が付いていれば携行品も補償される
上の項目は、車両本体の損害に対して車両保険から支払われる金額の話でした。
三井住友海上の車両保険には、オプションとして車内手荷物等特約を付けることができます。※別途特約保険料が必要
この特約が付いていれば、契約車両の車室内やトランク内に収容等されている個人が所有する動産に損害が発生した場合には、保険金額を限度に保険金が支払われます。
車両保険にこの特約を付けている場合は、保険金請求の際に被害にあった手荷物についても被害届を出してください。
三井住友海上の車両保険:台風で保険を使うと1等級ダウン・事故有期間1年
台風などの自然災害による車の損害に対して車両保険から支払いを受けた場合、翌年の等級は1等級ダウンし、事故有期間1年が付きます。
台風をはじめ自然災害に車両保険で備える意味合いは増大している
三井住友海上の車両保険は交通事故のときだけの保険ではなく、その他さまざまなアクシデントに対して保険金が支払われます。
その代表例が台風をはじめとした自然災害による車の損害です。
実際のところ、損害保険各社が自然災害の被害にあった車に対して車両保険から支払っている金額は、まさに右肩上がりになっています。
台風や豪雨災害があった際、テレビニュースなどでは住宅の被害ばかりが報じられますが、住宅が大きな被害を受けるケースでは、当然のこととして、車も水没したり冠水したりする被害を受けています。
損害保険各社は火災保険からの支払いだけでなく自動車保険からの支払いも積み重なって、トータルでは相当な額の保険金が支払われています。
では、三井住友海上の車両保険で支払いの対象になる自然災害をもう一度確認してみます。
自然災害 | 10補償限定 | 一般補償 |
大雨・洪水・高潮 | 支払い対象 | 支払い対象 |
台風・竜巻 | 支払い対象 | 支払い対象 |
雹 | 支払い対象 | 支払い対象 |
大雪・雪崩 | 支払い対象 | 支払い対象 |
すでにご案内しているように、三井住友海上の車両保険には「一般補償」と「10補償限定」の2つの補償タイプがあります。
この2つの補償タイプのいずれも、上記自然災害による車の損害は全て支払い対象です。
こうした自然災害による車の被害は、いまや日本全国で発生しています。
都市部、郊外、山間地域などを問わず、日本列島の南から北まで、全ての都道府県で発生しています。
自然災害による車の被害は、車のオーナーにしてみれば、まさに無過失の損害です。
自分で起こした事故なら、自分が悪いのですから、ある意味で諦めがつくのですが、自然災害による損害の場合は、精神的なショックは長く尾を引くことが多いです。
また、たとえ激甚災害に指定されるような大災害であっても、車そのものの損害に対しては、基本的に国や自治体からの補償・救済はありません。
唯一の救いは、車両保険から支払いを受けたとしても、翌年の等級は1等級ダウンで済むところでしょう。
通常、車同士の事故で車両保険を使った場合は3等級ダウンですから、この点はちょっと助かります。
いずれにしても、車両保険の補償内容として、いまでは自然災害による損害は重要な柱になっていることをここで強調しておきたいと思います。
「安全運転するから事故は起こさない。だから車両保険は必要ない」という論法は、自然災害には通用しません。
なお、同じ自然災害でも、「地震・噴火またはこれらによる津波」によって生じた車の損害は、車両保険では補償されません。
しかし、三井住友海上の車両保険のオプションである『地震・噴火・津波「車両全損時定額払」特約』を付け加えることで、こうした災害にも部分的に対応可能です。
「地震・噴火またはこれらによる津波によってご契約のお車が全損(注)となった場合に50万円をお支払いします。(車両保険金額が50万円未満の場合は、車両保険金額を保険金としてお支払いします。)」 (注)全損とは車両保険や全損時諸費用特約等における全損とは異なり、この特約に定める条件に該当する場合をいいます。 三井住友海上:地震・噴火・津波「車両全損時定額払」特約 |
災害救助法が適用された場合の自動車保険の猶予措置
近年の度重なる大規模な自然災害はみなさんもご存知のとおりです。
こうした大規模な災害が発生すると国が災害救助法を適用します。
災害救助法とは、「災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的」とした法律です(災害救助法第一条)。
災害救助法は自動車保険にも適用されます。
2018年(平成30年)7月豪雨の際に損害保険業界が実施した特例措置は下記のとおりです。
1.継続契約の締結手続き猶予
継続契約の締結手続きについて、最長6か月後の月末(2019年1月末日)まで、猶予できるものとします。
2.保険料の払い込み猶予
保険料の払い込みについて、最長6か月後の月末(2019年1月末日)まで、猶予できるものとします。
このように、台風などの災害により、避難所生活を送ったり、家の動産が流出したりして自動車保険の継続手続きができない場合でも、一定の猶予期間を設けることで、そのあいだに発生した事故に対して保険金を支払うことができる措置をとっています。
ただし、家の全壊や半壊には補助金などが支払われますが、車の損害に対しては一切補助金等はありません(現状では)。
ご覧いただきありがとうございました。