おとなの自動車保険(セゾン損保)の自動車保険には他の自動車保険と異なる独特な規定があります。
まず、年齢条件というものが存在しません。
その代わりに保険始期日時点の記名被保険者の年齢で保険料が決まります。
また、他社にある本人限定とか家族限定という運転者限定はなく、運転者の範囲を定める4つのパターンのいずれかを選択することになります。
一見するとちょっと難しそうですが、実は、そうでもありません。
むしろ誤解が生じにくい明快な規定になっています。
以下詳細を解説しますのでしばらくお付き合いいただけると幸いです。
⇒⇒運転者限定・年齢条件・使用目的をカンペキにする!
おとなの自動車保険(セゾン損保)の規定はちょっと変わっている
おとなの自動車保険(セゾン損保)の自動車保険には他社と異なる独特な規定が多いのですが、いわゆる「年齢条件」や「運転者限定」に関しても独自の規定を設けています。
まず、ほとんどの自動車保険が採用している「年齢を問わず補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」といった年齢条件は存在しません。
では、その代わりにどんな規定があるかというと、保険始期日時点における記名被保険者の満年齢により保険料に差をつける方法を採用しています。
つまり、1歳毎に保険料が異なるということになります。
他社の場合は、たとえば「35歳以上補償」で加入すれば35歳の人も40歳の人も50歳、70歳の人も基本的に同じ保険料になりますが、おとなの自動車保険(セゾン損保)では1歳毎に保険料が異なります。
(※他社の自動車保険にも、「年齢条件」とは別に「記名被保険者年齢別保険料」というものがあって、この2つの年齢に関する規定により保険料が決められています。詳細は後ほど解説します。)
次に、他社の自動車保険には「家族限定」や「本人限定」といった運転者限定がありますが、おとなの自動車保険(セゾン損保)にはこれらと同等の規定はなく、その代わりに、こうした運転者限定をより厳密に規定した4つのパターンにより運転者の範囲を決める方式になっています。
このように書くと、みなさんの中には、
「おとなの自動車保険って、何だかやっかいな保険だなあ」
という感想を抱く方もいらっしゃるでしょう。
実は、わたしも最初はそうでした。
何でこんなひねくれた規定を作るんだろうと思ったほどです。
ところが、落ち着いて規定を見直してみると、そうした最初の印象がひっくり返ったのです。
誤解が生じる恐れが少ない、とてもわかりやすい規定だと今では思っています。
というのも、他社の年齢条件と運転者限定は、一見わかりやすいように見えるのですが、実は「オモテ」の規定と「ウラ」の規定があって、実際のところはけっこう複雑になっています。
たとえば、「35歳以上補償」で加入している場合でも、実際には25歳の友人や19歳の別居の未婚の子も運転できます。
ところが、「35歳以上補償」+「家族限定」で加入すると、25歳の友人や19歳の別居の未婚の子は運転不可になります。
(⇒⇒【参考例】そんぽ24の年齢条件)
いかがでしょう?
かなりわかりにくいのではありませんか?
その点、こらから解説するおとなの自動車保険の規定は明快です。
誤解の生じる恐れが少ない規定になっています。
おとなの自動車保険(セゾン損保):年齢条件・運転者限定【早わかり】
おとなの自動車保険(セゾン損保):年齢条件・運転者限定【早わかり】 | ||||||||||
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ごらんのように、おとなの自動車保険(セゾン損保)の運転者の範囲は、ややとっつきは悪いところがありますが、実際には非常に明快な規定です。
上の4つのパターンの右側の説明内容を文字通りそのまま受け取ればいいのです。
他社の場合は一見わかりやすいけれども実は「オモテ」と「ウラ」の規定があって、時々頭が混乱するのですが、おとなの自動車保険(セゾン損保)は明快です。
【参考までに】「記名被保険者年齢別保険料」について
この項目はあくまでも参考資料であり、読んでいただかなくても実際のところ特に差し支えがない事柄です。
さて、おとなの自動車保険(セゾン損保)のホームページには次のようなQ&Aがあります。
<Q>今までの自動車保険で「年齢条件」を付けていたのですが、おとなの自動車保険には運転者の「年齢条件」はないのですか? <A>はい、おとなの自動車保険には、「●●才以上補償」という年齢条件はありません。主に使用される方の保険開始日時点での年齢で決定する、1歳刻みの保険料体系を採用しています。これにより、従来の「35歳を過ぎるとそれ以後はずっと同じ」保険料であった自動車保険に比べ、40代50代など事故率の低い世代の方を中心に、よりご納得いただける保険料を提示できるようになりました。 |
上の説明は、半分正しく、半分間違っています。
1歳刻みの保険料体系なので各年齢の事故率を反映した保険料になっている、という点は「正しい」と思います。
しかし、従来の保険が『「35歳を過ぎるとそれ以後はずっと同じ」保険料』という部分は「間違い」です。
なぜなら、他社の自動車保険はホームページに記載があるないの違いはあるものの、実際のところ、年齢条件に関しては2段構えになっているからです。
たとえば東京海上日動で見てみます。(⇒東京海上日動の年齢条件)
東京海上日動では次の年齢条件区分を採用しています。
年齢を問わず補償 |
21歳以上補償 |
26歳以上補償 |
35歳以上補償 |
そして、これとは別に、保険始期日時点の記名被保険者の年齢を次の8区分に分け、それぞれ保険料に差を設けています(「記名被保険者年齢別保険料」)。
30歳未満 |
30歳以上40歳未満 |
40歳以上50歳未満 |
50歳以上60歳未満 |
60歳以上65歳未満 |
65歳以上70歳未満 |
70歳以上75歳未満 |
75歳以上 |
このように年齢条件だけでなく記名被保険者の年齢によっても保険料が異なるので、たとえば、59歳の時に「35歳以上補償」で保険契約し、1年後にその契約を更新した際、事故を起こしていなくても、あるいは、補償内容は前年とまったく同一でも、更新後の保険料が上がっていることがあります。
多くの自動車保険の年齢条件は、このように、「年齢条件」と「記名被保険者年齢別保険料」の2段構えになっています。
したがって、おとなの自動車保険(セゾン損保)のホームページの説明は、半分正しいけれど半分間違っています。
他社からおとなの自動車保険(セゾン損保)に乗り換える際の注意点
おとなの自動車保険(セゾン損保)は、年齢条件・運転者限定に関して、ここまで見てきたように合理的な規定を採用していることもあり、保険料も割安です。
この機会におとなの自動車保険(セゾン損保)に切り替えたい、という方もいらっしゃるでしょう。
その際、注意すべき点は、やはりおとなの自動車保険(セゾン損保)の独特な規定です。
他の保険会社で「本人・配偶者限定」「家族限定」などで加入している場合、おとなの自動車保険(セゾン損保)ではどのように選べばいいのでしょう?
幸い、おとなの自動車保険(セゾン損保)では次のような選択フロー図を用意しています。
これを利用すれば乗り換えもスムーズに進むと思います。
運転者の範囲 | |
①運転者限定特約(本人補償型) | 記名被保険者本人のみ。 【事例】単身赴任のため本人のみが運転する場合。 |
②運転者限定特約(本人・配偶者・別居の未婚の子補償型) | 記名被保険者本人・その配偶者・別居の未婚の子が対象。 【事例】ふだんは本人とその配偶者のみが運転するが、たまに帰省する別居の未婚の子も運転できるように。 |
③運転者限定特約(同居の子以外補償型) | 同居の子のみ対象外。それ以外は全て運転可。つまり記名被保険者とその配偶者、これらの人と同居している(子以外の)人、友人・知人などは運転可です。 【事例】「本人・配偶者・別居の未婚の子」以外にも知人・友人などたまに運転する人がいる場合で、だけど同居の子は免許がないので運転しない場合など。 |
④運転者限定なし特約(同居の子年齢条件設定型) | 同居の子・別居の子を含む、文字通りすべての人が運転可(未婚・既婚も問いません)。4つのパターンのうち最も広い範囲の条件です。(※)ただし車を運転する同居の子のうち最も若い人の年齢を申告する必要があり、その年齢に満たない同居の子は対象外となります。 (※)他の保険会社の「運転者限定なし」と同等の内容。 (※)同居の子が契約車両を所有している場合や主に使用する場合は、記名被保険者は同居の子にする必要があり、したがってこのパターンは選択できません。 |
ご覧いただきありがとうございました。