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センターデフとは4WD車の装置:構造は?
センターデフとは、センターデファレンシャルギアのことで、フルタイム4WD車に採用されている装置です。
センターデフは前輪と後輪の回転差を調節する役割を果たします。
たとえば、カーブを曲がる場合には、前輪と後輪に回転数の差が生じます。4WD の場合は4つのタイヤに駆動力がかかっているので、前輪と後輪の回転差は「タイトコーナーブレーキング現象」を発生させます。
ギギギ・・・と異音がしたり振動が発生して滑らかな走行ができなくなります。
そこで、前輪と後輪を結ぶドライブシャフトの中間地点にセンターデフと取り付けます。センターデフは前後の回転差をうまく調節して車がスムーズに曲がれるようにするわけです。
このセンターデフはフルタイム4WDに特有の機構です。パートタイム4WDにはついていません。
エンジンの動力はトランスミッションに伝わり、ここからセンターデフに伝わります。この動力をセンターデフは走行状況に応じて前後にうまく振り分けます。その時々の状況で、3:7であったり、4:6であったり、あるいは8:2であったり、上手に力を配分します。
前輪と後輪に配分された動力は、それぞれで再度配分しなおされます。というのは、デファレンシャルギアはセンターにあるだけでなく前にも後ろにもあるからです。
前輪に配分された動力は、前輪の左右のタイヤにその時々の状況に応じてデファレンシャルギアによってうまく振り分けられます。
後輪に配分された動力は、後輪の左右のタイヤにその時々の状況に応じてデファレンシャルギアによってうまく振り分けられます。
フルタイム4WDの車にはデファレンシャルギアが3つあるということです。フロント、センター、リアの3つです。
なお、2WDと4WDを切り替える方式のパートタイム4WDにはセンターデフはありません。その代わりにトランスファーという装置があって、これは前輪と後輪を直結させる装置です。
直結させるので、前輪と後輪に回転差が生じると、タイトコーナーブレーキング現象が発生し、異音や振動によりスムーズな走行ができなくなります。
センターデフの弱点とその対策
センターデフは前輪と後輪の回転差を調節する装置で、これにより車が曲がる際にも滑らかな走行が可能になります。
しかし、そもそもデファレンシャルギアには弱点があって、それは片方が空転などした場合にはもう片方に駆動力が伝わらないという弱点です。
たとえば、前輪が泥濘にはまってタイヤが空転した際、後輪が動いてくれれば脱出できるのですが、デファレンシャルギアの特性で、こうしたケースでは後輪に駆動力が伝わらずに立ち往生してしまうのです。
そこで考案されたのが、リミテッドスリップデフ(LSD)とデフロック機構です。
この2つの機構はやや働き方に違いがありますが、「デファレンシャルギアの弱点を補う」という点では全く同一の働きをします。
上記の例で言えば、前輪が泥濘にはまって空転した際、その状況であっても、後輪にしっかり動力が伝わり、後輪がちゃんと地面をとらえることで沼地から脱出できます。
多くのフルタイム4WD車には、リミテッドスリップデフかデフロックのいずれかが採用されています。
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