フォグランプのレンズ割れで車検は通る?「球抜き」で合格するための条件と確実な対処法

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1. フォグランプが割れていると車検はどうなる?

車のフォグランプにひび割れや破損がある場合、多くのドライバーが車検に通るかどうか不安を抱えます。

結論から言うと、レンズが割れたままの状態では車検に合格しません

フォグランプは飛び石や障害物との接触によって、気づかないうちに割れてしまうことがよくあります。

日本の保安基準(ほあんきじゅん)では、車両に備え付けられている灯火類はすべて正常に機能しなければならないと定められています。

レンズが割れていると、本来の配光性能が発揮できず、光が乱反射して対向車の迷惑になる恐れがあります。

さらに、割れた部分から水が浸入することで、内部の配線がショートする危険性も指摘されます。

審査のポイント不合格になる理由
光の漏れ・乱反射正しい配光が保てず、対向車の視界を妨げるため。
水分の浸入ショートによる火災や、他の電装品への悪影響を防ぐため。
突起物の危険性割れたガラスや樹脂の断面が鋭利になり、歩行者に危険を及ぼすため。

割れ具合が小さなヒビ(クラック)程度であれば、光の漏れがないとして検査員の判断で通るケースもごく稀にあります。

しかし、爪が引っかかるような割れや、穴が開いている状態であれば、確実に不合格になります。

車検をクリアするためには、何らかの具体的な対処を講じなければなりません。

ここでよく考えられる応急処置が、透明なテープや補修フィルムを使った補修です。

割れた部分をテープで塞げば、水分の浸入や光の漏れを防げるように思えます。

破損の状態車検の合否目安
表面のわずかな擦り傷合格の可能性が高い
光が漏れない程度の薄いヒビ検査員によっては合格
水が入る隙間や穴がある割れ確実に不合格
レンズの一部が欠損している確実に不合格

しかし、テープによる補修での車検合格は非常に厳しいのが現実です。

保安基準(ほあんきじゅん)では、灯火類のレンズは確実に固定されており、耐久性があることが求められます。

テープ補修はあくまで一時的なものであり、走行中の振動や雨風で剥がれるリスクが高いとみなされます。

また、テープを貼ることで光の屈折率が変わり、本来の光量やカットオフライン(明暗の境界線)が出なくなることも不合格の理由です。

そのため、テープで誤魔化して車検に臨むのは、再検査になるリスクが高くおすすめできません

補修方法車検での評価
透明ビニールテープ耐久性なしと判断され不合格
レンズ専用補修フィルム一時的な処置とみなされ不合格になることが多い
コーキング材での穴埋め配光に影響が出ると判断され不合格になりやすい
この章のまとめ
レンズ割れは不合格光の乱反射やショートの危険があるため車検に通らない。
小さなヒビの扱い軽微なヒビでも検査員次第で落とされるリスクが高い。
テープ補修はNG耐久性や配光の問題から、応急処置では車検をクリアできない。
引用元
独立行政法人自動車技術総合機構「審査事務規程 第4章 新規検査等(前部霧灯)」(2023年改訂)
国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第199条(前部霧灯)」(2024年確認)

2. 「球抜き」で車検に通すことは可能か?

フォグランプのレンズが割れた際、修理費用を浮かすために「球抜き(電球を外すこと)」で車検を通そうと考える人は少なくありません。

実は、フォグランプはヘッドライトやウィンカーとは異なり、車への装着義務がない装備です。

つまり、フォグランプが付いていない車であっても、それだけで車検に落ちることはありません。

このルールを逆手にとり、「点灯しない状態にすれば、フォグランプが存在しないものとして扱われるのではないか」という考え方が生まれます。

しかし、単に電球(バルブ)を抜いただけの「球抜き」では、車検には通りません

部品の扱い装着義務の有無
すれ違い用前照灯(ロービーム)装着義務あり(必須)
方向指示器(ウィンカー)装着義務あり(必須)
前部霧灯(フォグランプ)装着義務なし(任意)

保安基準(ほあんきじゅん)の原則として、「装着されている灯火類は、すべて正常に作動しなければならない」という決まりがあります。

車体にフォグランプのレンズユニットが残っており、さらに車内にフォグランプのスイッチがある場合、検査員は「これは装備されているフォグランプである」と認識します。

装備されていると認識された以上、スイッチを入れて点灯しなければ「整備不良」として不合格になります。

したがって、電球を抜いて点灯しないようにしただけでは、逆効果になってしまうのです。

では、どうすれば装着義務がないことを理由に車検をパスできるのでしょうか。

状態検査員の判断
電球が入っていて点灯する正常な装備として検査(レンズ割れがあれば不合格)
電球だけ抜いてある装備があるのに作動しない「整備不良」として不合格
スイッチを押しても点かない灯火類の故障とみなされ不合格

フォグランプを「存在しないもの」として検査員に認めさせるためには、完全な無効化が必要です。

具体的には、以下の3つのステップをすべて満たす必要があります。

1つ目は、当然ながら電球(バルブ)を取り外すことです。

2つ目は、フォグランプに繋がっている配線を外し、絶縁処理をすることです。配線が繋がったままだと、機能を取り戻せる状態とみなされます。

3つ目が最も重要で、車内のフォグランプスイッチを操作できないようにすることです。

無効化のステップ具体的な作業内容
1. 電球の取り外しレンズユニット内からバルブ(電球)を完全に抜き取る。
2. 配線の切断・絶縁コネクターを外し、テーピング等で通電しないよう絶縁処理する。
3. スイッチの隠蔽・撤去車内のスイッチを取り外すか、上からカバー(メクラ蓋)をして押せないようにする。

ウィンカーレバーにフォグランプのスイッチが一体化している車種の場合は、スイッチの上にテープを貼って固定し、「物理的に操作できない状態」にしなければなりません。

独立したボタンスイッチの場合は、ボタンそのものを取り外し、市販のダミーカバー(メクラ蓋)をはめ込むのが確実です。

ここまで徹底して初めて、検査員は「この車には現在フォグランプの機能が備わっていない」と判断し、レンズが割れていても(※危険な突起物とみなされない限り)車検に通る可能性が出てきます。

ただし、レンズが大きく割れて鋭利なガラス片が剥き出しになっている場合は、歩行者保護の観点から「外装の突起物」として不合格になるリスクが残ります。

この章のまとめ
装着義務はないフォグランプ自体は車になくても車検の合否には影響しない。
球抜きだけはNG電球を抜いただけでは「装備があるのに点灯しない故障」とみなされる。
完全な無効化が必要配線を外し、車内のスイッチも操作できないよう隠すか撤去する必要がある。
引用元
国土交通省「道路運送車両の保安基準 第33条(前部霧灯)の解釈」(2023年確認)
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会「車検時の灯火類検査基準ガイド」(2024年発行)

3. 前部霧灯(ぜんぶむとう)の保安基準をおさらい

フォグランプを修理して車検に通す場合も、別の製品に交換する場合も、保安基準(ほあんきじゅん)を正確に理解しておく必要があります。

法律上、フォグランプは前部霧灯(ぜんぶむとう)と呼ばれます。

霧や雪、激しい雨などの悪天候時に、視界を確保し、他の交通に自車の存在を知らせるための補助灯です。

まず、もっとも厳しくチェックされるのが「色」「個数」です。

前部霧灯の色は、白色または淡黄色(黄色)でなければなりません。

基準項目規定の内容
発光色白色または淡黄色(黄色)に限定される。
左右の統一左右で必ず同じ色でなければならない。片側白・片側黄色は不可。
その他の色青、赤、緑などの色は保安基準不適合となり違法。

近年流行している2色切り替え式のLEDバルブであっても、白色と黄色であれば問題なく車検に通ります。

しかし、左右で異なる色を点灯させたり、青や赤などの装飾的な色を発光させたりすることは明確な違反です。

次に点灯する個数についてですが、同時に3個以上点灯してはいけないという決まりがあります。

一般的な乗用車は左右に1個ずつ、合計2個のフォグランプが装備されているため、通常はこの基準を気にする必要はありません。

しかし、カスタム等で後付けのフォグランプを増設した場合、すべてが同時に点灯すると車検不合格となります。

個数と点灯の条件規定の内容
点灯可能な個数同時に3個以上点灯しないこと(最大2個まで)。
ヘッドライトとの連動車幅灯(スモールランプ)や前照灯が点灯している時のみ点灯できる構造であること。
インジケーター運転席からフォグランプが点灯していることがわかる表示(ランプ等)が必要。

明るさ(光度)については、ヘッドライトのような厳格なカンデラ数の指定(下限値)はありません。

ただし、「他の交通を妨げない明るさと配光であること」が強く求められます。

あまりにも明るすぎる爆光LEDや、光が上向きに散ってしまうような粗悪なバルブは、対向車の幻惑を引き起こすため検査で落とされます。

また、取り付け位置にもミリ単位の厳密な規定が存在します。

ヘッドライトの中心線より下側にあり、かつ地上から250ミリ以上の高さに設置されていなければなりません。

取り付け位置の基準規定の数値
高さの上限すれ違い用前照灯(ロービーム)の照明部の最上縁を含む水平面より下であること。
高さの下限照明部の最下縁が地上250ミリ以上であること。
横方向の位置照明部の最外縁が、車の外側から400ミリ以内であること。

これらの基準を1つでも満たしていないと、レンズの割れがなくても車検には通りません。

特にネット通販で安価な海外製フォグランプユニットを購入して交換する場合、カットオフラインが出ず、配光不良で不合格になるケースが多発しています。

交換する際は、必ず車検対応品(Eマーク取得品など)を選ぶことが重要です。

この章のまとめ
色は白か黄色前部霧灯は白色または淡黄色で、左右同色でなければならない。
同時点灯は2個まで同時に3個以上のフォグランプを点灯させる構造は保安基準違反。
配光と位置の規定対向車を幻惑させない配光と、地上250ミリ以上などの厳密な位置指定がある。
引用元
国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第120条(前部霧灯)」(2024年確認)
警察庁「灯火器類等の保安基準について(前部霧灯の要件)」(2023年資料)

4. 車検を確実に通すための具体的な対処法

フォグランプのレンズが割れてしまった場合、車検に向けてどのような行動をとるのがベストでしょうか。

ここまで解説した通り、「テープで塞ぐ」「単に電球を抜く」といった中途半端な対策は通用しません。

車検を確実に、かつ安心して通すための最も推奨される方法は、レンズユニットの交換です。

純正の新品部品は数万円単位の出費になることがありますが、安全性を考えれば最も確実な選択肢です。

もし費用を抑えたいのであれば、中古パーツ(リサイクル部品)を活用するのが賢い方法です。

交換方法メリットデメリット
純正新品への交換確実に車検に通り、耐久性も保証される。部品代が高額になる傾向がある。
中古部品への交換新品より大幅に安く修理できる。状態の良い部品を探す手間がかかる。
社外品への交換デザイン変更やLED化を同時に楽しめる。粗悪品を選ぶと配光不良で車検に落ちる。

ヤフオクなどのオークションサイトや中古車部品店を利用すれば、数千円から数万円の範囲で純正の良品が見つかることが多いです。

車種によっては、左右セットで安価な社外品のフォグランプユニットが販売されていることもあります。

ただし、社外品を取り付ける場合は、前章で述べたように必ず「車検対応」と明記された信頼できるメーカーのものを選んでください。

一方で、どうしても修理費用を出したくない、あるいは部品が手に入らない場合の最終手段が、フォグランプの完全撤去です。

第2章で解説した「無効化」よりも、さらに物理的で確実な方法です。

完全撤去の手順作業のポイント
1. ユニットの取り外しバンパーからフォグランプ本体(レンズと土台)を完全に外す。
2. 穴の処理(カバー装着)バンパーに空いた穴に、純正のフォグレス用カバー(ベゼル)を取り付ける。
3. スイッチの無効化車内のフォグスイッチを外し、メクラ蓋をして操作不能にする。

フォグランプ本体をバンパーから取り外し、空いてしまった穴を純正のフォグランプレス用カバー(ベゼル)で塞ぎます。

多くの車種には、下位グレード用にフォグランプが付いていない仕様が存在し、そのためのプラスチックカバーが数百円から数千円で部品発注できます。

このカバーで穴を綺麗に塞ぎ、車内のスイッチも取り外してメクラ蓋をしてしまえば、最初からフォグランプが装備されていない車として完璧に成立します

この状態であれば、検査員に指摘される余地は一切なく、確実に車検をパスできます。

どの方法を選ぶにせよ、自分での作業に不安がある場合は、早めにディーラーや車検専門店に相談することを強くおすすめします。

対処法別の総合評価確実性費用の目安
新品ユニットへ交換★★★★★(確実)高い(1万円〜数万円)
中古ユニットへ交換★★★★★(確実)中程度(数千円〜1万円台)
本体撤去+専用カバー★★★★☆(高確率)安い(数千円程度)
球抜き+スイッチ隠し★★☆☆☆(検査員次第)ほぼ無料(手間のみ)

車検直前になって「これでは通らない」と言われてしまうと、部品の取り寄せに時間がかかり、車検切れになってしまう恐れがあります。

プロの整備士に見てもらうことで、あなたの車の状態に合った最もコストパフォーマンスの高い解決策を提案してもらえます。

フォグランプの割れを放置せず、適切な処置をして万全の状態で車検に臨んでください。

この章のまとめ
一番確実なのは交換新品や中古のレンズユニットに交換するのが最も安全で確実に車検に通る方法。
完全撤去という選択肢本体を外し、専用カバーで穴を塞げば「装備なし」として車検をクリアできる。
プロへの事前相談車検直前のトラブルを防ぐため、早めにディーラーや車検専門店に状態を見てもらうべき。
引用元
自動車点検整備推進協議会「車検前の日常点検ガイドライン(灯火類のチェック)」(2024年版)
全国自動車整備協同組合連合会「外装部品の損傷と車検合否基準について」(2023年報告)