車両保険|エコノミー=車対車|エコノミーで充分でしょ?

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【記事丸わかり】

  • 車両保険の種類:主に「エコノミー(車対車)」と「一般条件」の2つがあります。
  • エコノミーの特徴:保険料が安いが、補償範囲が狭い。車同士の事故や自然災害、盗難などは補償されるが、単独事故や当て逃げは対象外。
  • 一般条件の特徴:保険料は高いが、単独事故や当て逃げも含め、幅広い補償がある。
  • 保険料の違い:一般条件を付けると保険料は約2.29倍、エコノミー+Aは約1.57倍になる。
  • 運転歴に応じた選択:初心者は一般条件が適しているが、ベテランドライバーにはエコノミー+Aでも充分な場合が多い。
  • 免責金額の設定:免責金額を設定することで、保険料を抑えることが可能。例:「0-10」から「10-10」への変更。
  • 免責金額の適用例:全損事故では免責金額が適用されず、相手がいる事故では相手の過失分が免責金額に充当される。
  • 保険料の比較:保険料が安い会社を探し、一般条件で検討し、次に免責金額を調整し、それでも高い場合にエコノミー+Aを検討する。
  • 補償の削減順序:保険料が高い場合は、一般条件の免責金額を少しずつ上げ、最後にエコノミー+Aを検討。
  • 保険料の具体的な比較:保険料を具体的に計算し、どの補償タイプが適しているかを判断。

⇒⇒車両保険選びに異変アリ!車両保険を付けて、保険料を抑えたい方は

自動車保険の特約である車両保険には主に2つの補償タイプがあります。

エコノミー(車対車)一般条件です。

エコノミーはその名の通り節約型で、保険料が安いけれどもその分だけ補償範囲も狭くなっています。

とはいえ、エコノミー(車対車)でも大抵の事故は補償されるので「エコノミーで充分でしょ」という方も時々いらっしゃいます。

本当にそうなのでしょうか?

このページでは車両保険のエコノミーと一般条件の違いなどを詳しく解説しています。

車両保険のことでお悩みの方の参考になれば幸いです。

車両保険:「エコノミー+A」と「一般条件」の違いは2つだけ

車両保険・エコノミー+Aと一般条件・違いは2つ・車両保険|エコノミー=車対車|エコノミーで充分でしょ?

みなさんが車両保険に加入しようと思ったら、「エコノミー+A」と「一般条件」のいずれかに加入することになると思います。

タイトルには「エコノミー」とあるのに、いきなり「+A」が付いて驚かれるかもしれませんが、これは正式名です。

通常「エコノミー」と呼んでいるのは「エコノミー+A」のことです。

なお、会社により呼び方が異なっていて、「エコノミー+A」を「車対車・限定危険」と呼ぶ会社もありますし、「一般条件」を「一般型」あるいは「オールリスクタイプ」と呼ぶ会社もあります

では、2つの車両保険の補償内容の違いを見てみましょう。

補償内容 エコノミー+A 一般条件
車同士の衝突 〇 〇
盗難 〇 〇
台風・竜巻・洪水・高潮 〇 〇
火災・爆発 〇 〇
イタズラ・落書き・窓ガラス破損 〇 〇
飛来中・落下中の他物との衝突 〇 〇
2輪自動車・原付バイクとの衝突 〇 〇
単独の自損事故 × 〇
当て逃げ × 〇

地震・噴火またはこれらによる津波によって生じた損害に対しては、上記いずれのタイプも対象外です。ただし地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」(他の名称もあります)を追加することで補償されます

ごらんのように、「エコノミー+A」と「一般条件」の違いは、単独事故当て逃げです。

ガレージに車を入れる際にこすってしまったり、ガードレールや電柱に衝突してしまった事故は、相手がない単独の事故になり、「一般条件」でしか補償されません。

また、スーパーで買い物して駐車場に戻ったら、車が当て逃げされていた場合も、「一般条件」でしか補償してもらえません。※ただし、自首や通報で当てた相手が判明すれば「エコノミー+A」でも補償されます

一般的に言えることは、運転歴が浅い人は損害の大きな単独事故を起こす確率が高いので、どうせ加入するなら「一般条件」がおすすめです。

ベテランドライバーは、たとえ単独事故を起こしても、小損害にとどまるケースが多く、「エコノミー+A」でもたいていの事故に備えることができると思います。

そういう意味では「エコノミー+Aで充分」と言えるかもしれません。

いずれにしても、最後はお金の問題です。

車両保険を付けるなら、もちろん「一般条件」がベストです。

しかし、保険料の負担感が大きいと感じたら「エコノミー+A」があります。

あるいは「免責金額」で調整する方法もあります。

「免責金額」で調整するとは?

車両保険に加入する際、車の補償額を200万で設定したとします。

その際、デフォルトでは免責「0-10」といった設定になっているはずです。

この「0-10」とは、事故を起こした場合、初回は免責0円でお支払いしますが(つまり自己負担0円)、同じ年度の2回目の事故に対しては10万の免責自己負担10万円)でお支払いします、という意味です。

※「免責」とは、保険会社の側が契約者に対して「責任をまぬがれる」という意味

保険料を安くするためには、「0-10」を「5-10」とか「10-10」に設定します。

こうすることで、自己負担額が発生しますが、その分保険料を抑えることが出来ます。※かなり安くなります

このように免責金額を高めに設定するのは、小額の事故は自腹で対応するので、あくまでも車が大破するような大きな事故に備えたい、といった要望に応える契約方法です。

また、このページの最後の項目で詳しく解説していますが、たとえ免責金額を設定していても、全損の事故の場合は免責金額はないものとして根っこから支払われますし、相手がある事故で相手からも相手の過失分が支払われる事故の場合は、ほとんどのケースで免責金額を適用することなく支払われます。

したがって、免責金額を設定したからといって、常に設定額が差し引かれて保険金が支払われるわけではないので、保険料を安くするためには免責金額の調整は大変有効な方法です。

本当にエコノミー+Aで充分でしょうか?

結局エコノミー+Aで充分なのでは・車両保険|エコノミー=車対車|エコノミーで充分でしょ?

車両保険は大別すると「エコノミー+A」と「一般条件」の2つの補償タイプに分けられます。

これに免責金額をいくらに設定するかにより、最終的に保険料が決まります。

当サイトのおすすめは下記の「1」から「6」の順番です。

なお、免責金額は「0-10」「5-10」「10-10」の3パターンに絞りました。

※会社によってはこれ以外のパターンでも免責金額を設定できます

1 一般条件 免責0-10
2 免責5-10
3 免責10-10
4 エコノミー+A 免責0-10
5 免責5-10
6 免責10-10

支払う保険料のことを気にしないのであれば、言うまでもなく「1」の組み合わせがベストな内容です。

しかし、保険料の負担感が大きい場合は、止むを得ず補償を削っていくしかありません。

その際に大切なのが、補償を削る順番です。

わたしのおすすめは上の順番通りに削っていくことです。

「1」では保険料が高いからと、いきなり「4」に行かないでください。

「4」は「エコノミー+A」です。

「一般条件」と「エコノミー+A」の大きな違いは、単独事故当て逃げが対象になるかならないか、という点です。

もう一度補償内容の比較表をご覧ください。

補償内容 エコノミー+A 一般条件
車同士の衝突 〇 〇
盗難 〇 〇
台風・竜巻・洪水・高潮 〇 〇
火災・爆発 〇 〇
イタズラ・落書き・窓ガラス破損 〇 〇
飛来中・落下中の他物との衝突 〇 〇
2輪自動車・原付バイクとの衝突 〇 〇
単独の自損事故 × 〇
当て逃げ × 〇

「1」から「4」に移ってしまったら、単独事故と当て逃げが対象外になってしまいます。

「1」の「一般条件・0-10」が高いと感じたら、まず免責金額を「5-10」か「10-10」にすることを検討してください。

免責金額を付けるとその分は自己負担になりますが、しかし、エコノミー+Aにしたら、単独事故そのもの・当て逃げそのものが対象外になってしまいます。

また、すでに触れたように、免責金額を付けた場合でも、全損の事故では免責金額は適用されませんし、相手がある事故の場合もほとんどのケースで免責金額はないものとして保険金が支払われます

(補足)免責金額を設定していても免責金額が適用されないケース

したがって、「1」⇒「2」⇒「3」と一般条件の免責金額を少しずつ高くしていき、それでも保険料が高いと感じる場合にのみ、「4」⇒「5」⇒「6」のエコノミー+Aを検討していただきたいと思います。

つまり、エコノミー+Aか一般条件かの2者択一ではなく、まず一般条件と免責金額の組み合わせを検討すべきです

エコノミー+Aは、それでも保険料で折り合えない場合にのみご検討ください。

「エコノミー+A」と「一般条件」で保険料はどのくらい違う?

エコノミー+Aと一般条件で保険料はどれだけ違う・車両保険|エコノミー=車対車|エコノミーで充分でしょ?

以下は概算になりますが、「エコノミー+A」と「一般条件」の保険料の違いです。

車両保険をつけない基本補償だけの保険料が100,000円(年間)とした場合、それぞれいくらになるかの概算です。

基本補償 エコノミー+A付 一般条件付
年間保険料:100,000円 年間保険料:157,000円 年間保険料:229,000円

上記保険料は、年齢条件・車種・等級などさまざまな条件で算出した数多くの保険料の平均を取った数字です。

基本補償に対して、エコノミー+Aを付けると157%増し、一般車両を付けると229%増しになります。

基本補償 エコノミー+A付 一般条件付
×1.0 ×1.57 ×2.29

ですから、今現在あなたの自動車保険に車両保険が付いていない場合、現在の保険料に1.57を掛けると、エコノミー+Aをつけた保険料になります。

現在の保険料に2.29を掛けると、一般条件をつけた保険料になります。

※あくまでも保険料のイメージをつかんでいただくための概算の保険料です

ここでわたしが強調したいことは、車両保険の必要性を考えるのに、新車だとどうか、中古車だとどうか、運転初心者ならどうか、年間走行距離が長いか短いか、などなど事前に色んな事を考えてみてもあまり意味がないと言うことです。

まずは上記のように具体的な保険料を出して、それから必要性を考えるというのが実際的なやり方ではないでしょうか。

車両保険は「ないよりあったほうがいい」のは明白です。

「エコノミー+A」と「一般条件」ではどちらがいいかとなれば、「一般条件の方がいい」のは当たり前です。

けれども、支払う保険料との兼ね合いがあるので、「さて、どうしようか」ということになるのだと思います。

つまり、結局はお金の問題です

保険料が安い会社を探すのが先決かも

保険料が安い会社を探すのが先決かも・車両保険|エコノミー=車対車|エコノミーで充分でしょ?

自動車保険一括見積比較サイトを利用したことがある人はすでにご存知だと思いますが、(ほぼ)同じ条件で見積もり依頼しているのに、返ってくる保険料には驚くほど差があります。

車両保険を付けているのにこの保険料?

と思わず目を疑ってしまう会社が必ずあります。

「エコノミー+A」も安いのですが、「一般条件」でも驚くほど安い会社があります。

つまり、何も最初から車両保険の補償タイプをどちらにするかなど考える必要はない、ということです。

車両保険の補償タイプを考える前に、そもそも保険料水準が安い会社を探したほうがいいと思います。

保険料水準が安い会社で一般条件を検討し、それでも高いと感じたら免責金額を上げる。

免責金額を上げてもまだ高いと感じたら、今度はエコノミー+Aを検討する。

それでも高いと感じたら、免責金額を上げる。

この順序でご検討いただければあなたにとってベストな自動車保険が決まると思います。

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2018年12月4日

(補足)免責金額が設定されていても免責金額が適用されないケース

(補足)免責金額が設定されていても免責金額が適用されないケース・車両保険|エコノミー=車対車|エコノミーで充分でしょ?

事故で車に損害が発生した場合、免責金額の扱いは原則として次のようになります。

損害額ー免責金額=支払額

もしも免責金額が「10-10」で設定されている契約で、100万円の損害額が出た場合は、

100万円ー10万円=90万円

という計算になります。

これが原則です。

しかし、免責金額の扱いは、事故の内容によって変わってきます。

つまり、免責金額が設定された契約でも免責金額が適用されない(自己負担額が発生しない)ケースが2つあります。

次の2つのケースです。

免責金額を設定している契約でも免責金額が適用されないケース
<1>全損の事故
<2>相手がある車両事故※相手がある事故で必ず免責が適用されないというわけではないが、ほとんどのケースで適用されない

まず<1>の全損事故のケースですが、「全損」とは「修理費が車両価格を超えた場合」あるいは「修理できないほど損傷した場合」のことをいいます。

車両価格200万円で車両保険に加入していて、「全損」と認定される事故が発生した場合、保険からの支払額は「200万ー免責金額」とはならず、免責金額がいくらに設定されていてもそれは適用されずに、200万円がそっくりそのまま支払われます。

これに対して、修理費が車両価格を下回る場合を「分損ぶんそん」と呼びますが、この分損のケースでは、「損害額ー免責金額=支払額」といった支払い方になります。

つぎに<2>の相手がある事故のケースです。

通常、車同士の事故の場合は両者に「過失割合」が発生します。

過失割合とは、事故の結果発生した損害を100とした場合、事故の当事者がそれぞれ負うべき責任の割合です。

50:50であれば、両者が半分ずつ責任を負うことになります。

責任を負うとは、責任分だけお金を払うということを意味します。

下の事例でご説明します。

車両保険に車両価格200万円で加入しているAさんの事例です。

免責金額は「10-10」です。

AさんとBさんが車同士の衝突事故を起こし、次のような過失割合・損害認定がなされました。

AさんBさん
過失割合5050
車の損害100万円80万円

ここは車両保険の話なので、Bさんの80万円の損害のことは割愛し、Aさんの100万円の損害に対して保険会社がどういう処理をするかをお話します。

この場合、BさんはAさんの100万円の損害額に対して50%の50万円を支払います。

すると、Aさんが加入している保険会社は、Bさんが支払った50万円を、まずAさんの免責金額の穴埋めに充当します。

これにより、Aさんの契約で設定されていた免責金額「10-10」の「10」は穴埋めされ、なかったものとみなされます

Aさんの損害額100万円

穴埋めされた免責金額(10万円) Bさんの支払った50万のうち免責金額の穴埋めをした残りの40万円 不足分50万円

最終的に、Aさんが加入している保険会社は、車両保険から上の図の「不足分50万円」を支払い、これにより、Aさんの損害額100万円は全額保険でまかなわれることになります。

このように、免責金額が設定されている車両保険契約でも、相手がある事故の場合は免責金額が適用されないケースが出てきます。

上のケースのように免責金額が10万円の場合、相手からの支払額が10万円以上のケースは、すべて免責金額はなかったものとみなされます。

免責金額が5万円の場合は、相手からの支払額が5万円以上のケースで、すべて免責金額はなかったものとみなされます。

実際のところ、車同士の衝突・接触事故の場合は、ほとんどのケースで免責金額はなかったものとみなされます

ここで解説した保険金の支払い方は、各保険会社の約款やっかんに記載されています。

※約款とは、不特定多数の利用者との契約を定型的に処理するためにあらかじめ作成した契約条項のこと(by Wikipedia)

※上の例でBさんから支払われるお金のことを、各社の約款では「回収金かいしゅうきん」と呼んでいます

SBI損保 「車両条項」第11条3(保険金の支払額)
三井ダイレクト損保 「車両条項」第11条3(支払い保険金の計算)
損保ジャパン日本興亜 「車両条項」第10条4(支払い保険金の計算)
ソニー損保 「車両条項」第10条4(支払い保険金の計算)
アクサダイレクト 「車両条項」第10条3(車両保険金支払額の計算)
おとなの自動車保険 「車両条項」第10条4(支払い保険金の計算)

 


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