【超丁寧解説】「修復歴」がある中古車|買ってもいい場合と悪い場合

修復歴・中古車




私たちがネットで中古車検索する場合、カーセンサーでもグーネットでも、表示項目の中に必ず「修復歴」の有無が表示されています。

まず、この「修復歴」とはどんな意味か、次に、「修復歴」のある車を購入してもいいのか悪いのか、どこで判断すればいいのか、解説しています。

「修復歴」とは?

車の「修復歴」とは、車体の骨格部分が修理または交換された経歴がある、という意味です。

骨格部分とは、

  • フレーム
  • ダッシュパネル
  • ピラー
  • フロントクロスメンバー
  • ルームフロアパネル
  • トランクフロアパネル
  • ルーフパネル
  • ラジエータコアサポート
  • フロントインサイドパネル

といった部分です。

こうした部分に修復歴がある車を中古車市場で取り扱う際は、業者は「修復歴あり」と表示する義務があります。

反対に、

  • バンパーをこすって板金修理した、あるいは交換した
  • ドアがへこんだので交換した
  • テールランプが割れたのでユニットごとそっくり交換した
  • いたずらであちこちにコイン傷をつけられたので板金修理した

といった経歴は、中古車を販売する際に「修復歴」の表示をする必要はありません。

買ってもいいか、買ってはいけないか

グーネットでもカーセンサーでも、あるいは街道沿いの中古車ショップでも、「修復歴あり」の表示はよく見かけます。

そして、同じグレード・同じ年式・ほぼ同じ走行距離の「修復歴なし」と「修復歴あり」の2台を比べると、「修復歴あり」の方が2割から3割ほど価格が安いのが普通です。

私たちが中古車を購入する際、これをどう見ればいいのか?

その答えは以下のようになると思います。

大原則として、「修復歴あり」には手を出さない

車の骨格部分に手を加えてある車両が「修復歴あり」となりますが、車に詳しい人の意見を聞くと、必ずしも「修復歴あり」の車両がすべてダメな車両ではないようです。

軽微な修正で、高速走行時にも振動はなく、高速コーナリング中も異音がなく、その他特に気にかかる要素がない「修復歴あり」の車両もけっこう存在します。

そうであるなら、価格の安い「修復歴あり」の車両を選択するのも、中古車選びの醍醐味の一つと言えるかもしれません。

しかし、です。

それは車に関する知識が豊富で、選択眼を持った人の場合であって、私たち一般の自動車ユーザーが同じような選択眼を持たない以上、やはり、「修復歴あり」は避けるべきだと思います。

「修復歴なし」の表示でも「修復歴あり」の場合がある

私の個人的な経験をお話しすると、今乗っているフォルクスワーゲンゴルフの前の車はトヨタプレミオでした。

このプレミオは、カーセンサーで探したのですが、兵庫県のトヨタディーラーが出品していた車両でした。

「修復歴なし」の表示でした。

昨年、ゴルフに乗り換えるにあたって、プレミオは山梨の地元のガリバーに買取してもらいました。

その際、査定に来たガリバーの店長さんに「フロントメンバーに事故歴がありますよ」と言われ、見てみると、確かに修理した際にできる変形が見られました。

結果として、通常の査定額より10万円ほど差し引いた額になりました。

残念なことになったのですが、ただし、わたしはプレミオに乗っている6年のあいだ車の不調には全く気づきませんでした。

そういう意味で、走行に関しては実害はなかったのですが、ガリバーの店長さんによると、こういうことはよくあるそうです。

そして、必ずしもディーラーが故意に修復歴を隠していたとはいえず、そもそもディーラーのスタッフは修復歴の見分けがつかない人が多いだけのこと、という話でした。※擁護しているのか馬鹿にしているのかよくわからない話ですが・・・(笑)

私のプレミオは実害がなくてよかったのですが(査定額では実害が出た)、購入した後に不具合があると何かとトラブルに発展します。

そこで、たとえ「修復歴なし」が表示されている車両であっても、最低限次のような確認は購入前にすべきだと思います。

  • ボンネット、フェンダー、ドア、トランクなどの塗装が同じ色合いか、どれか1ヵ所だけ他と色合いが異なるか、ちょっと離れて眺めることで確認※板金塗装だけなら「修復歴あり」にはならないものの、少なくとも事故を起こした車であることは確認できる
  • エンジンルームを覗きこみ、「ねじ」や「ナット」につぶれがないかを確認。また、ねじやナットの位置がズレていて交換前のねじやナットが位置していたであろう部分の跡が残っていないか確認※事故を起こしている可能性があるから
  • すべてのドアを開閉して、どのドアも「同じような感触で」開いたり閉じたりするかどうかを確認※ドアを交換してあっても「修復歴あり」にはならないものの、少なくとも事故を起こした車であることは確認できる

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