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クレジットカード払い(一括・分割):車など高額商品との相性はあまりよくない
クレジットカード払いの魅力は、何と言ってもポイントが貯まること。
いったんポイントのことを意識し始めると、全ての支払いをクレジットカードに一本化したくなるものです。
ただし、後ほど詳細に解説しますが、車などの高額商品の場合、支払額に上限が設定されたり、そもそもクレジット不可と言う扱いになるケースもあります。
また、一括の場合はいいのですが、分割を選択した場合には手数料(つまり利息)がかかり、通常のローンより割高になるのが普通です。
こうした点も含めて、クレジットカード払いのメリット・デメリットをもう一度整理したいと思います。
メリット・デメリット
以下、クレジットカード払いのメリット・デメリットを見ていきます。
払い方 | メリット | デメリット |
---|---|---|
一括払い | 1. 手続きが簡単であり、ローンの手間がかからない。 2. クレジットカードのポイントやマイルを大量に貯めることができる。 3. 支払いが一度で済むため、後々の支払いを気にする必要がない。 4. 現金払いに比べて支払い時期を後ろにズラすことが可能。 5. 車の所有者名義が購入者になる。 | 1. クレジットカードの利用可能額が車の価格を下回っている場合、一括払いは選択できない。 2. 一度に大きな金額を支払うため、購入後の生活資金に影響を及ぼす可能性がある。 3. 車販売店がクレジットカード払いに対応していない場合がある。あるいは、支払額に50万などの上限を設定しているケースが多い。 |
分割払い | 1. 高額な車でも、分割払いならば購入が可能となる。 2. 一度に大きな金額を支払う必要がなく、毎月決まった額を支払うことができる。 3. クレジットカードのポイントやマイルを毎月の支払いごとに貯まっていく。 4. 現金払いに比べて支払い時期を後ろにズラすことが可能。 5. 車の所有者名義が購入者になる。 | 1. 分割回数が長期にわたる場合、利息がかかるが、通常ローンより利率が高い。 2. 分割払い期間中に他の大きな買い物が制限される場合がある。 3. 返済が滞るとクレジットスコアに悪影響を及ぼす。 4. 車販売店がクレジットカード払いに対応していない場合がある。あるいは、上限額が設定されているケースが多い。 |
クレジットカード払いには、ポイントやマイルが貯まるという大きな魅力があります。しかし、分割の場合は、割高になるので、メリットよりデメリットの方が大きくなるかもしれません。
また、そもそも使用できる額に上限が設定されているケースがあります。これは、顧客がクレジットカードで支払いをした場合、車の販売店はその額の一定割合をクレジット会社に手数料として支払わなければならないからです。
分割の回数が多い場合や、販売店で上限額を設定している場合は、銀行のカーローンが最良の選択になるかもしれません。
クレジットカード払いをすると車販売店はクレジット会社にどれだけの手数料を支払うの?
クレジットカード払いでは、車販売店に限らず、全ての加盟店は、決済額の一定割合を手数料としてクレジットカード会社に支払います。
一般的に、飲食店では利用料金の5%程度、コンビニでは利用料金の1%程度が手数料となります。
自動車ディーラーは2~3%か
車販売店の場合、取引量(つまり、力関係)などによって異なりますが、2~3%程度と言われています。100万円なら2万~3万円。300万なら6万~9万円ということになります。
これを嫌って、車販売店ではクレジット払いの上限額を50万程度に制限したり、あるいは、扱い不可とするケースもあります。
ではなぜクレジット払いを用意しているのか
車販売店にとって、クレジットカード払いはあまりメリットはないはずです。現金一括ならまるまる手元に残るのに、クレジットではカード会社に手数料を支払わなければなりません。
こうした事情は車販売店以外にも共通しています。では、なぜ各種販売店はクレジットに加盟しているのでしょう?
一般的には、
- 顧客の利便性を確保すること
- 購入単価を上げること
がその理由であると言われています。
①の利便性については理解しやすいと思います。「うちはカードはダメなんです」と言われたら、「じゃあ、よそで買います」となるでしょう。
しかし、②の購入単価に関しては、一般の商店には当てはまるかもしれません。その場で現金払いしなくていいとなると、ついあれもこれも買ってしまい、一度の買い物額が増える経験は、誰にでもあるはずです。
一般の商店はそうかもしれません。ですが、車はそもそも高額商品であり、現金なら200万円の車にするがカードなら250万にする、などと言うことはまずありえない話でしょう。
つまり、車販売店にとって、クレジットカード払いを採用するメリットは実はあまり大きくないと思います。
それでも、顧客の利便性確保のためにのみ、しかたなくやっているのが実情ではないでしょうか。
いずれにしても、クレジットカード払いにしたいけれど、販売店の上限額に引っかかる、分割だと割高になってしまう、そもそも販売店がクレジットに対応していない、といったケースでは、銀行のカーローンが最もデメリットの少ない選択肢になると思います。
クレジットカード払いが向いている人はどんな人?
クレジットカード払いを選択する人物像、と言い換えてもいいかもしれませんが、ちょっとまとめてみました。
- ポイントやマイルを活用したい人: クレジットカードの利用によってポイントやマイルが貯まり、それを旅行や商品購入に活用したい人にとって、外せない支払い方法でしょう。とにかく、まずポイントありきです。
- クレジットスコアを上げたい人: 分割払いの場合は、手数料(利息)の負担を考えると通常ローンより不利になりますが、一方で、分割払いを確実に実行し続けることは、信用情報に良い影響を与えます。クレジットスコアが上がり、将来発生するであろう高額な融資等で有利に働く可能性があります。ただし、逆のリスクもあって、返済を怠るとスコアに悪影響を与えます。
クレジットカードのトラブルはほぼ保証されている
カードから不正にお金が抜き取られたり、勝手に毎月引き落としがされていたり、何かとカードにまつわるトラブルは絶えません。
ですが、これまで報道されてきたクレジットカードによる不正利用に関しては、ほぼすべてのケースでいったん失った金額は利用者に戻ってきています。
私も一度勝手に引き落としされた経験があります。その際、カード会社に連絡し、2か月後くらいに全額回収してもらいました。
このように、クレジットカードの場合、トラブルがあっても、最終的にお金が戻るという安心感があります。(少なくとも、私にはあります。)
余談になりますが、国がマイナンバー関連のDXを推進する場合には、「安心してください。何かあったら国が保証します」と宣言すれば、ほぼうまく進展するはずなのです。
でも、逃げてばかりです。だからうまくいかないのです。
推進する方向性は間違っていないと思いますが、やり方に問題があると思います。
クレジット払いにはメリットがある。でも、利用不可の場合は銀行のカーローンがおすすめ
ここまで見てきたように、車の支払いにクレジットカード払いを利用するのは、ポイントが貯まる、クレジットスコアが上がって信用が増大する、といったメリットがあります。
ただ、販売店側の設定で、利用に上限があったり、そもそもクレジットが利用できないケースもあります。
そうしたケースでは、次善の方法として、銀行のカーローンが最もおすすめです。すべてのローンの中で最も金利が低く、以前より審査が通りやすくなっていて、全ての手続きがネットで完結します。
まとめ
クレジットカードで車を購入することは、一見魅力的に見えます。
しかし、その背後には多くの要素が絡んでいます。ポイントやマイルの獲得は大きな魅力ですが、利息や上限額の問題も無視できません。
また、車販売店がクレジットカード払いに対応しているかどうかも重要な要素です。
この記事を読んで、あなた自身の状況に最適な支払い方法を見つけることができれば幸いです。