(2019年10月現在における現状を解説しています)
現在ドライブレコーダー特約を採用している保険会社は4社です。
あいおいニッセイ・三井住友海上・東京海上日動・損保ジャパン日本興亜の4社です。
4社のドライブレコーダー特約は、4社共に、契約者に専用ドライブレコーダーを貸与(貸し出し)する方式です。
貸与されるドライブレコーダーは4社共に「前1カメラ」と呼ばれる車の前方のみを撮影するカメラです。
これに事故発生時の通信機能や得られたデータを元に運転診断を行ったりするサービスが付いています。
このように基本的な機能・サービス内容は4社ほとんど違いはなく、ほぼ共通の内容です。
しかし、このところ関心が高まっている「あおり運転」への対応は各社のアプローチに違いが出てきています。
あいおいニッセイと三井住友海上(この2社はグループ企業)では、標準の「前1カメラ」に追加する形で「リアカメラ」を装着できるサービスを始めています。
リアカメラは貸与ではなく契約者が自費で購入する方式です。
これにより車の前と後ろの画像が証拠映像として記録できることになります。
東京海上日動では、あおり運転の被害にあった場合に、ドライブレコーダーの赤ボタンを押すことで警備会社のオペレーターとつながり、どう対応すればいいかアドバイスを受けたり、警察への出動要請を依頼できるサービスを追加しています。
ドライブレコーダーは依然として「前1カメラ」だけですが、このサービスによりあおり運転に遭遇した場合の安心感は相当高くなると思います。
損保ジャパンは事前に登録している連絡先(家族など)に緊急事態であることを通報できる機能を追加しています。
つまり、あおり運転にあった際にボタンを押すと前後計15秒の映像と位置情報が送信され、これを受信した家族などが状況認識し、代わりに警察に通報してもらうことができます。
しかし、損保ジャパンのこの機能は、ないよりはずっとマシだと思いますが、どうも間接的であり、警備会社のオペレーターなどにダイレクトにつながる方式の方が実用性が高いのではないかと・・・。
ドラレコ特約の基本機能はほぼ同じ⇒⇒あおり運転対応に違いが
2019年10月現在において、自動車保険のオプションとしてドライブレコーダー特約を採用している保険会社は4社です。
大手代理店型のあいおいニッセイ・三井住友海上・東京海上日動・損保ジャパン日本興亜の4社です。
これら4社のドラレコ特約は、専用の機器を契約者に貸与する方式です。
貸与なので、特約を解約したら返却する必要があります。
さて、この貸与されるドライブレコーダーですが、4社共にいわゆる「前1カメラ」と呼ばれる車の前方のみを撮影できるカメラが付いています。
一定の振動を伴う事故が発生すると、事故前後10数秒の映像が保険会社に自動送信されます。※実際には保険会社と提携している警備会社などに送信される
また、事故の状況に応じて、警察への通報や救急車の出動要請も行われます。
つまり、事故で意識不明になったり、パニックになって何から手を付けていいかわからなくなった場合でも、事故発生が自動で送信され、事故映像も自動で送信されます。※送信された事故映像はその後の事故処理において過失割合の交渉などに役立てられます
このように事故が発生した際の通信機能こそ、市販のドライブレコーダーとの最大の相違点です。
これ以外にも、車線をはみ出した場合のアラート機能、高速道路を逆送した場合のアラート機能などがあります。
また、ドライブレコーダーから得たドライバーの様々な運転データを元に、定期的に運転診断レポートが作成されるサービスがあり、こうしたサービスはとても地味なのですが、しかし、ドライバーの運転傾向を「見える化」することにより、ドライバーは自分の運転を客観的に評価する習慣が付きますから、その後の安全運転に大きく寄与することは間違いないサービスです。
実際のところ、あいおいニッセイでは2020年の1月から、上記の運転診断レポートを元に成績ごとにランクを付けて、ランクごとに保険料を割引するサービスを始めます。※恐らく他の3社も遠からず追随するのではないでしょうか
さて、これが保険会社4社が採用しているドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)の概要です。
しかし、みなさんご存知のように、度重なる報道の影響から、わたしたちのあおり運転への関心は高まる一方です。
あおり運転に対する対策としてドライブレコーダーを考えるなら、車の前方だけでなく車内も含めた360度を撮影できるものが理想でしょう。
しかし、それにはコストもかかります。
そこで、各保険会社はそれぞれ独自の対応策を追加しています。
まず、あいおいニッセイと三井住友海上です。
この2社は、持ち株会社MS&ADホールディングスの傘下にあるグループ企業で、ドライブレコーダー特約に関しては、保険料も貸与されるドライブレコーダーも同一です。
あおり運転への対応策として、この2社のドラレコ特約では、専用リアカメラを追加装着できるようになりました。
専用リアカメラは契約者が自費で購入する方式です。
これにより、車の前と後ろの映像を記録できるようになり、あおり運転に遭遇した場合の「証拠」としては、前方のみの映像よりもより有効性が高くなります。
前述したとおり、理想は360度撮影できた方がいいのですが、次善の策として、より使い勝手がよくなると思います。
次に、東京海上日動の取り組みです。
東京海上日動では、あおり運転の被害にあった際にドライブレコーダーの緊急ボタンを押すことで警備会社のオペレーターとつながり、どう対応すればいいかアドバイスを受けたり、警察への通報を依頼できるサービスを追加しています。
映像は車の前方しか記録できないものの、あおり運転で頭が混乱しているときにプロのアドバイスが聞けたり(「ドアや窓は絶対に開けないでください」)、状況に応じて警察への出動依頼がしてもらえるのは、実際のところ大いに心強いと思います。※契約者の車種・ナンバープレート・位置情報などは警備会社がリアルタイムで把握しています
なお、日産自動車が一部車種にオプション設定している「SOSコール」も、これとほぼ同じサービス内容です。
最後に、損保ジャパンです。
損保ジャパンでは、あおり運転に遭遇したら、やはりドライブレコーダーのボタンを押すことであらかじめ登録している連絡先(家族など)に前後計15秒の映像と位置情報が送信され、これを受信した家族などが状況に応じて警察へ連絡できる、というサービスを追加しています。
これはこれで、ないよりずっといいサービスであることは確かです。
しかし、東京海上日動のように警備会社のオペレーターと通話するのではなく、家族等に映像や位置情報が送信されても、それを受信した家族は、プロではないのですから、戸惑うのではないでしょうか?
それなら、最初からダイレクトに警備会社などとつながる方がずっと安心感が高いと思います。
ただ、損保ジャパンのドライブレコーダー特約には、最初からアルソックのガードマンが事故の際に現場に駆けつけるサービスが組み込まれています。
事故のときだけでなく、あおり運転に遭遇した場合もアルソックに相談できたり、状況に応じて駆けつけてもらえたり、警察への通報をやってもらえたりしたら、安心感は飛躍的に高まると思うのですが。
ドライブレコーダー特約:4社の保険料比較
2019年10月現在ドラレコ特約を扱っている4社の保険料比較表です。
大手代理店型保険会社ドライブレコーダー特約保険料比較 | ||
月払い | 年払い | |
東京海上日動 ドライブエージェントパーソナル | 650円 | 7,480円 |
損保ジャパン日本興亜 DRIVING! | 850円 | 9,720円 |
三井住友海上 GK 見守る車の保険(ドラレコ型) | 850円 | 9,700円 |
あいおいニッセイ タフ 見守る車の保険(ドラレコ型) | 850円 | 9,700円 |
いずれも、通常の自動車保険の保険料とは別枠で上記保険料が追加徴収されることになります。
ドライブレコーダー特約を単独で契約することはできません。
たとえば、現在おとなの自動車保険に加入している人が東京海上日動のドライブレコーダー特約を単体として契約することはできません。
東京海上日動のドライブレコーダー特約を付けたければ、ベースとなる自動車保険も東京海上日動で契約し、この契約に追加する形でドライブレコーダー特約を契約することになります。
この点は4社すべて事情は同じです。
あいおいニッセイは2020年1月からドライブレコーダーから取得した運転データを元に安全運転診断を行って、成績ランクに応じて保険料を割引するサービスを開始します。この割引サービスは、ひょっとすると他の3社も追随するかもしれません。
個別に解説:4社のドライブレコーダー付き自動車保険 | |
東京海上日動 ドライブエージェントパーソナル | 詳細内容はこちらのページ |
損保ジャパン DRIVING! | 詳細内容はこちらのページ |
三井住友海上 GK・見守るクルマの保険(ドラレコ型) | 詳細内容はこちらのページ |
あいおいニッセイ タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型) | 詳細内容はこちらのページ |
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