事故あり係数適用期間とは|事故と等級|事故あり係数の計算

事故あり係数適用期間とは・事故と等級・事故あり係数の計算・ノンフリート等級・割引・割引率・等級ダウン

<当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています>



自動車保険のノンフリート等級制度は2012年10月に大きな改正がありました。

新設されたのが「事故あり係数」と「事故あり係数適用期間」です。

事故を起こすと翌年の等級がダウンすること自体は従来と同じですが、従来より高い保険料負担を求めるようしたのが改正の目玉です。

つまり、より保険を使い難くした制度となっています。

このページでは「事故あり係数適用期間」について徹底解説しています。

しばらくお付き合いいただけると幸いです。

「事故あり」と「無事故」の2つの系統

事故ありと無事故の2つの系統・事故あり係数適用期間とは・事故と等級・事故あり係数の計算・ノンフリート等級・割引・割引率・等級ダウン

ノンフリート等級は1等級~20等級まであります。

このうち7等級~20等級は2系統に分かれています。

つまり、同じ等級でありながら2つの割引率が並存しています。

等級 事故あり 無事故
2044%割引63%割引
1942%割引55%割引
1840%割引54%割引
1738%割引53%割引
1636%割引52%割引
1533%割引51%割引
1431%割引50%割引
1329%割引49%割引
1227%割引48%割引
1125%割引47%割引
1023%割引45%割引
922%割引43%割引
821%割引40%割引
720%割引30%割引
619%割引
513%割引
42%割引
312%割増
228%割増
164%割増

※1等級~6等級までは事故ありと無事故は同じ扱いです。また1等級・2等級・3等級は「割引」ではなく「割増」になります

上記のように、7等級~20等級は2系統に分かれています。

従来は1系統でしたが、2012年10月の改正から2系統に分かれています。

その理由を以下ご説明します。


たとえば、現在等級が13等級のAさんが3等級ダウン事故を起こして保険を使った場合、翌年度の等級は10等級になります。

そこで次の表をご覧ください。

 事故あり 無事故
10等級 23%割引 45%割引

同じ10等級なのですが、「事故あり」は23%引き、「無事故」は45%引きとなっています。

今回10等級になったAさんには「事故あり」23%割引が適用されます。

割引になる数字が小さいということはより高い保険料になるということです。

このように事故で保険を使った契約に適用される割引率のことを「事故あり係数と呼びます。

いっぽう、無事故を続けている契約に適用される割引率のことを「無事故係数」と呼びます。

事故で保険を使った結果として10等級になった人と、無事故で1つずつ等級の階段を昇ってきた結果として10等級になった人とを、同じ扱いにしては不公平だという理由から、このように割引率に差を付けています

10等級の場合は、実に22ポイントも割引率に差が付いています。

事故で保険を使うと等級がダウンして保険料が高くなること自体は、2012年10月以前も以後もまったく同じです。

しかし、2012年10月以降は保険料の上がり方が極端になり、小損害の事故では保険を使いづらくなっています。

「事故あり」の等級には必ず「事故あり係数適用期間」がつきまとう

事故ありの等級には必ず事故あり係数適用期間がつきまとう・事故あり係数適用期間とは・事故と等級・事故あり係数の計算・ノンフリート等級・割引・割引率・等級ダウン

前の項目の例を続けます。

ノンフリート等級が13等級だったAさんが、3等級ダウン事故で保険を使ったために翌年の保険が10等級にダウンした場合、事故あり係数による割引率が適用されますが、それと同時に「事故あり係数適用期間(事故あり期間)」が3年付きます。

※会社によっては事故有係数適用期間のように「あり」を「有」と漢字で表記するところもあります

3等級ダウン事故では「3年」、1等級ダウン事故では「1年」の事故あり係数適用期間が付きます。

保険証券にも下記のように記載されます。

ノンフリート等級・最初・上がり方・下がり方・6等級・7等級

黄色のマーカー部分が事故有期間

上の画像では事故有期間は「0年」になっていますが、3等級ダウン事故で保険を使った場合の翌年の保険証券には「3年」と表示されます。※1等級ダウン事故なら「1年」と表示

この事故あり係数適用期間というのは、「事故あり係数による割引率を適用する期間」という意味です。

つまり、事故で保険を使うと2系統ある割引率のうちのより割引率の低い事故あり係数を適用するけれど、永遠にそこに留まるのではなく、定められた期間を過ぎたら、また無事故係数に復帰できる、というわけです。

事故あり係数適用期間
3等級ダウン事故 3年
1等級ダウン事故 1年

もしも同じ年度に2度、3度と事故を起こして保険を使ったら、その分は事故あり係数適用期間が加算されるのですが、事故あり係数適用期間は最長6年で打ち止めになります。

そのため3等級ダウン事故で3回保険の支払いを受けた場合、事故あり係数適用期間は9年ではなく6年になります。

※もっとも3等級ダウン事故を同じ年度に3回起こしたら、翌年度は「引き受け拒否」の扱いになる可能性大です

話を整理します。

ノンフリート等級が13等級だった人が3等級ダウン事故で保険を使うと、翌年の保険は10等級になります。

この10等級は、無事故で等級の階段を昇ってきた人の10等級とは割引率が異なり、より割引率の低い事故あり係数が適用されます。

同時に、事故あり係数適用期間が3年付きます。

3年間は事故あり係数の割引率によってより高い保険料を支払うことになりますが、3年間無事故で過ごせば、4年目にはまた13等級に戻ります。

戻った13等級は、事故あり係数適用期間の3年がリセットされているので、無事故係数による割引率が適用されます。

3等級ダウン事故で保険を使った場合
無事故で過ごせば4年後に元の保険料レベルに戻る
1等級ダウン事故で保険を使った場合
無事故で過ごせば2年後に元の保険料レベルに戻る

事故あり係数適用期間は会社を乗り換えても引き継がれる

事故あり係数適用期間は会社を乗り換えても引き継がれる・

先ほどの保険証券の画像をもう一度ご覧ください。

自動車保険証券・等級・事故有期間・1等級ダウン事故・等級すえおき事故

上の画像の場合は「20等級・事故有期間0年」となっていますが、事故で保険を使った翌年の保険証券には、たとえば「10等級・事故有期間3年」と表記されます。

このように、等級と事故あり係数適用期間は常にセットで扱われます。

現在のノンフリート等級制度では、同じ等級に2系統の割引率が用意されているので、ただ単に等級を表記しただけでは、その等級が2系統ある割引率のどちらに属しているのかわかりません。

ですから、必ず事故あり係数適用期間の表記が必要になります。

事故あり係数適用期間が0年以外の整数年(1年・2年・3年など)で表記されていれば、その契約は事故あり係数を適用するものであることがわかります。

事故あり係数適用期間が0年の表記なら、無事故係数の割引率が適用されます。

そして、この等級と事故あり係数適用期間のセットは、保険会社を乗り換えてもずっと付いて回ります。

たとえば、現在13等級のAさんが事故を2回起こして6等級ダウンし、事故あり係数適用期間が6年ついた場合、翌年の等級は「7等級・事故あり係数適用期間6年」になります。

これでは保険料が急激に上がることは明らかなので、Aさんは別の会社に乗り換えることにしました。

すると、乗り換え先の会社の等級はどうなるでしょう?

残念ながら、「7等級・事故あり係数適用期間6年」は会社を変えてもそのまま引き継がれます。

事故歴は消すことができません。

あるいは、会社を変えるのではなく、いったん保険を中断して中断証明書を発行してもらったとします。

中断証明書の有効期間は10年です。

そこでAさんは中断証明書の発行から10年経過する手前で、保険を再開することにしました。

その際、中断証明書に記載されている「7等級・事故あり係数適用期間6年」の扱いはどうなるのでしょう?

残念ですが、ここでも再開する契約は「7等級・事故あり係数適用期間6年」を引き継いだものになります。

このように、等級と事故あり係数適用期間は常にセットになっていて、会社を乗り換えても、中断期間を挟んでも、そのまま引き継がれます。

では、たとえば「1等級・事故あり係数適用期間6年」といった等級になってしまった場合はどうでしょう?

この等級では、保険を引き受けてくれる会社は見当たらないでしょう。

いずれも「引き受け拒否」の扱いです。

このケースでは、結局、保険の解約日あるいは満期日から13ヶ月間待つしかありません。

13ヶ月のあいだは無保険で過ごさなければなりません。

13ヶ月を過ぎれば等級と事故あり係数適用期間はリセットされます。

つまり、13ヶ月を超えたら、通常新規で契約する場合の等級である「6等級・事故あり係数適用期間0年」からスタートできます。※セカンドカー割引が適用できる条件であれば7等級スタート


ご覧いただきありがとうございました。